知的財産ニュース アップル、勝訴はしたがイメージはダウン「買わない」

2012年8月31日
出所: 電子新聞

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アンケート調査の結果…陪審員評決は「不公正だった」との見方が多数

米国発のアップル特許ショックが「反アップル」感情を引き起こしている。米国裁判所の陪審員評決の内容が「不公正だ」という見方が示され、その矛先はアップルに向いた。電子新聞がモバイルアンケート調査機関 Open survey(opensurvey.co.kr)に依頼して把握した結果だ。18歳から60歳までの500人を対象に調査を行った。

米国訴訟の評決がアップルの企業イメージに与えた影響について回答者の半分の49.4%が「悪くなった」と答えた。「イメージに変わりはない(よく分からない)」という回答40.6%より10%ポイント高い結果だ。アップルの完勝だったにもかかわらず、イメージが「良くなった」という回答は10.0%にとどまった。

アップル商品の購入決定にも一定の影響を与えると予想された。アップルのスマートフォン端末の購入意思を聞いた選好度質問で、「低くなった」が26.0%と、「高くなった」(10.6%)より2.5倍多かった。アップルが米国における訴訟で圧勝をしたが、購入決定には却ってマイナス要因として働いたのだ。残りの63.4%は、「変わりは無い(分からない)」という答えだった。

米国特許訴訟で負けとなったサムスンについての同じ質問の回答は異なった。評決後、サムスンのイメージが「悪くなった」の意見は35.0%だったが、「変わりはない(分からない)」が55.4%と高かった。サムスンのスマート端末の選好度調査では、逆に「高くなった」が19.2%と、「低くなった」(16.8%)より多かった。アップルに対する反感がサムスン商品選好に一部回ったと見られる。残りの64.0%は、「変わりはない」と答えた。サムスンとアップルの商品を除いたLG電子・HTCなど、他のスマート端末選好度の質問には「高くなった」「低くなった」がそれぞれ11.6%と11.8%とほぼ同じ数値となった。76.6%は、「変わりはない」と答えた。

反アップル感情は、評決の結果が大きく影響したとみられている。米国の陪審員評決の内容が公正だと思うかという質問に対し、全体の60%が「そうではない(公正ではない)」と答えた。「そうだ(公正だ)」の29.2%を大きく上回った。残りの10.2%は、「分からない」と答えた。

訴訟の主な争点だった「角丸長方形デザイン」の特許認定については、「72.2%」が共感しなかった。「特許として認めるべきだ」は22.0%だった。「分からない」は5.8%だった。

米国裁判所の判決が自国産業の保護主義の影響だと思うかという質問に「そうだ」と答えたのは79.6%に達した。「そうではない」と答えたのは13.0%だった。韓国経済研究院のパク・デシク副院長は、アンケート調査の結果について、「韓国特有の愛国心と関係があると思う。欧州も米国に良い感情を持っていないため、類似な影響を与えられる可能性がある。」と慎重なコメントをした。IP専門サービス会社イディリサーチのソ・ジュウォン社長は、「特許は、国民の常識に合うべきだ。国民が消費者であり、市場だとすれば、反アップル感情は相当な意味合いを持っている」と分析した。

キム・ジュンべ記者、チョン・ジヌク記者

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