知的財産ニュース 人とモノをつなげるモバイルRFID

2012年9月13日
出所: 韓国特許庁

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モバイル RFID特許出願の動向

RFIDと携帯電話を融合させた技術であるモバイルRFIDの特許出願が急増している。

モバイル RFIDとは、携帯電話端末に小型の RFIDリーダーを搭載し、タグが付いた物に関する情報をユーザーに提供する技術で、誰もがリーダーを携帯することができ、いつでもどこでも人間とその周りの物の間に信頼できるコミュニケーションを提供する。

RFIDは、タグとリーダーの値段が高いため、開発初期の爆発的な関心に比べて市場形成が遅々として進まなかった。しかし、最近モバイル RFIDを中心に超低価格、小型タグ及び携帯用のリーダーが普及し、新しいチャンスを迎えている。

韓国特許庁の資料によると、2001年に僅か2件に過ぎなかったモバイル RFID特許出願が2006年101件、2011年171件と毎年増加している。

RFID技術全体の特許出願は、2010年687件で頭打ちとなり、下落基調が続いているが、モバイル RFIDは、2001年約7%から2011年には26%と大きく増加した(資料1と2を参照)

モバイル RFID特許出願を分野別に分析すると、「公共交通の情報案内システム」のような交通、駐車分野が42%、物流分野28%、医療分野9%、子供や障害者関連分野7%だ。(資料3)

これは、物流管理などに限られていたRFID技術が、モバイル RFIDの導入により実生活の様々な分野に適用されていると評価できる。

このようにモバイル RFIDは、日常生活に大きな変化をもたらすユビキタス技術の主導的な役割を果たしている。

韓国特許庁の関係者は、「2011年から知識経済部がモバイル RFIDの大衆化に向けて技術開発及びモデル事業を推進しているため、今後、関連市場の規模増加、モバイル RFID技術の研究開発の活性化、特許出願の増加などが期待されているだけに、国家競争力の軸を担うようになるだろう。」という見通しを示した。

参考資料

資料1:モバイル RFID技術の年度別の特許出願動向

資料2:RFID技術全体におけるモバイル RFID技術のシェアの動向

資料3:モバイル RFID技術が適用された応用分野別の動向

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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