知的財産ニュース OLED競争、商品名で人気獲得…三星はアモールレッド、LGはオールレッド

2012年6月3日
出所: 電子新聞

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有機発光ダイオード(OLED)TV市場で先行獲得競争を繰り広げている三星電子とLG電子が、下半期の量産製品の公式発売を控え、OLED TVを代表する商品名を先取りするのに大忙しだ。

OLED TVの量産技術も重要だが、自社が作った用語が製品を代表する名称として確立すれば、グローバル市場の主導権掌握に対し、有利な立場に立てると見込んでいるようだ。

3日業界によれば、能動型が強調された「アモールレッド(AMOLED)」という用語でマーケティングを強化してきた三星電子と、世界市場にOLED TVの試作品を積極的に紹介、「オールレッド」の名称を売りに出しているLG電子が商品名の先取り競争で対立している。

三星電子は2009年からスマートフォンに搭載された能動型OLEDを「アモールレッド」と命名し、「アモールレッド=三星電子の製品」という消費者によるイメージの確立を誘導してきた。三星は、次世代TVとされているOLED TVも「三星アモールレッドTV」と呼ばれることを望んでいる。

三星電子は2009年「 AMOLEDアモールレッド」で商標登録を申請したことがある。しかし、特許庁はこれを許可すれば有機発光ダイオードと関連のない商品に使用された場合、需要者の混同を招きかねないという理由で商標登録の拒絶決定を下した。アモーレ(AMORE)の先登録商標と類似するという点も拒絶理由の一つとなった。商標登録は不発に終わったが、三星電子はイメージ広報効果がまだ有効だと判断、アモールレッドのイメージ広報およびマーケティングを強化している。

これに対してLG電子は「オールレッド」の商標登録を推進中だ。また、これと共に「LGオールレッド(LG 올레드)」、「ナノオールレッド(나노올레드)」、「クリアオールレッド(클리어올레드)」などのハングルでの商標出願も行なっている。業界の異議申し立て手続きが残っており、公式登録の可否は確信できないが、LG電子は「LG=オールレッド」で市場の主導権を握るという意志が明白だ。

業界関係者は「次世代OLED TVが『アモールレッドTV』と呼ばれるのか、『オールレッドTV』とより多く知られるのかは、両社のTVマーケティングや販売戦略において非常に重要な割合を占める」とし、「両社譲らない商品名の先取り競争が予想される」と述べた。

三星電子とLG電子は、各々「Samsung OLED TV」と英文の「OLED」ロゴの色彩商標(デザインと色彩を入れるデザイン模様)登録まで終えた状態だ。

金・スンギュ記者

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