知的財産ニュース コーロン「米国検察の起訴に強力な対応を」

2012年10月19日
出所: デジタルタイムズ

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コーロンインダストリー(以下コーロン)は、米国検察がデュポンの営業秘密を侵害したとして会社と前・現職の役員を起訴したことに関連し、19日、「強力な対応を取る」という構えを明らかにした。

19日の外国メディアとコーロンは、「今回の起訴は、30年以上も独自の技術開発に取り組んできた自社の名誉を傷つけることであり、世界市場で公正に競争する権利を奪うことだ。」と批判した。

コーロン側の弁護士は、「デュポンは、不幸なことに営業秘密訴訟に頼ってアラミド市場で定められた競争を妨げている。デュポンは、これまで独占の恩恵を十分に享受した。これからは、コーロンもヘラクロンのような新製品で米国と世界市場で自由な競争ができる。」と述べた。

さらに弁護士は、「米国政府は、2007年6月から事件の調査に着手してからずっと手をこまぬいていて、デュポンとコーロンの民事裁判原審の結果が出てから起訴を決定した。この時点でコーロンを起訴して何を得たいのか疑問でならない。」と付け加えた。

コーロンは、1979年、韓国科学技術研究院(KIST)と共同でアラミド繊維開発の研究を始めた。以来、約30年間、広範囲な研究開発へ投資を行ない世界市場での競争力を確保してきた。

会社の関係者は、「誰でも公開された特許と出版物の情報を利用して研究開発することができる。それは、特許の根幹をなすものだ。コーロンやデュポンのような企業が競合会社と仕事をした経験のあるコンサルタントと契約して諮問を受けることはよくあることであって、これは競争の一部だ。」と主張した。

米国時間の18日、米国検察は、営業秘密の転用、営業秘密の盗み取り、調査妨害など、6つの疑いを適用し、コーロンと前・現職の役員5人を起訴した。

米検察は、コーロンが防弾チョッキなどに使われるデュポンのアラミド繊維ブランド「ケブラー(Kevlar)」の営業秘密を盗み取り、総額2億2600万ドルの不当な利益を得ていたという疑いをかけた。

米裁判所は、デュポンが提起した民事訴訟原審でコーロンの営業秘密侵害を認め、9億1990万ドル(約1兆410億ウォン)の賠償を命じた。現在、控訴審の手続きが進められている。

チョン・ユジン

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