知的財産ニュース 韓国型知識財産取引所の設立を検討

2012年5月21日
出所: デジタルタイムズ

3578

三星、グーグルなどグローバル特許紛争が深刻化しているなか、政府が生産的な特許活動を誘導する「知識財産取引所」の設立を検討、注目を浴びている。

21日、韓国産業技術振興院(KIAT)関係者は「昨年、米国で知識財産取引所が開設された後、国内でもこれと同じようなモデルを導入できるか妥当性を調査し、下半期頃の導入可否について決定する計画だ」と述べた。

米国は、2007年にライセンス権を基盤とした特許取引モデルが登場した5年後の昨年12月、知識財産取引所(IPXI)を本格的にスタートさせた。IPXI(Interllectual Property eXchange International)は、製品、部品又は特定技術単位のライセンス権を一括して取引する新しい形態の知識財産取引所。

最近のグローバル特許紛争が問題化し、独占的な特許権の行使に対する国及び企業間の消耗を減らし、効率的な特許活用方案中の一つに知識財産取引所が代案として浮上している。

米国だけでなく、ヨーロッパも2007年にドイツで開催された「ヨーロッパ特許権フォーラム」で特許の活用を中心とする「ソフト知識財産(IP)」接近法を提示している。ソフトIPは、特許を活用しようとする利害関係者にライセンスを付与してIPを効率的に活用するように誘導するシステムだ。イギリスの場合、特許権者が自身の特許に「License of Right」を表示すれば、この特許は誰でもライセンスを受け取ることができる。

韓国も既に知識経済部傘下に国家技術事業化情報網(NTB)と特許庁のIP-マートなど技術取引と関連したサイトが存在している。NTBは、国内公的研究機関で開発した優秀な技術の民間技術移転など、企業の技術事業化を支援するために構築されたもので、5万件余りの技術情報が構築されている。

この他に技術移転・取引情報及び流通システムが運営されているが、システム間の連携不足によって迅速・正確な情報提供に限界があると指摘されている。実際KIATによれば、知識財産の取引のために政府が構築したオンライン取引システム・DBを活用する企業の割合が2009年32.4%から2010年21.3%に減少した。

これを受けて、政府は公開的にIPを取引できる空間を作って特許権者と特許利用者の望ましい市場参加を誘導できるかなど、妥当性の検討を通じて行なう方針だ。

KIAT関係者は「知識財産取引所だけでなく、特許権問題などを解決できる様々な方案を検討して効率的なモデルを見つけることができるようにする」と述べた。

金・ジソン記者

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195