知的財産ニュース 知的財産を第2の専攻に、教授は勉強中

2012年7月12日
出所: 韓国特許庁

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大学教授を対象にした知的財産権の教育に大きな成果

韓国特許庁は、知的財産創出において中心的な役割を果たしている理系などの大学教授を対象に行なった知的財産教育(T3:Teaching The Teachers 以下はT3)プログラムが大きな成果を上げていると発表した。

T3プログラムは、知識基盤経済型社会に変化している状況下において、理系の大学教授に知的財産の教育を実施し、研究結果を特許などで権利化できるようにし、専攻科目に知的財産関連内容を融合させた教育を行なうよう支援している。

主な成果として大学教授1,006人(111大学)が知的財産関連の教育を修了(2008~2012年6月)し、そのうちの40%が443の(51の大学、一部の教授は多数の講座を運営)の知的財産科目を開設して、主専攻と知的財産を融合させた教育を実施し、20,312人の学生が受講した。また、教育の内容に基づいて研究結果211件を特許出願し、91件の商標とデザインを出願した。

特許に基づいて技術移転費を受け取ったケースも19件で3億2千4百万ウォンに達した。済州(チェジュ)国際大学土木工学科の本ジョンヒョン教授は、「産業の副産物を活用した環境配慮型の舗道工法」に関する研究を特許登録し、6千万ウォンの技術移転費を受け取ったという。

本教授は、「T3プログラムを通じて、特許情報の重要さを認識し、活用することで先行の研究内容を簡単に把握できたうえ研究範囲を明確に設定し、より短期間で成果を上げることができた」と評価した。

一方、T3プログラムを修了した檀国(タングク)大学化学工学科の李チョルテ教授など52人は、知的財産教育の必要性に共感し、「韓国知識財産教育研究学会(仮)」を創立するための発起者大会を開き、9月12日に創立総会を経て本格的な知的財産教育に関する研究を始めることになる。

韓国特許庁の産業財産政策局の李ヨンデ局長は、「T3プログラムは、知的財産創出の中心的な人材である大学教授の研究成果を特許で保護し、大学における知的財産教育を拡大することにその狙いがある。」と述べ、今後は医学・医薬大学、経商大学、デザイン大学などの非理系大学にも教育の範囲を拡大させていくために関連団体と協力し、大学内の特許教育をさらに強化していくという。

T3プログラムは、専攻と水準に合わせた段階別の教育を行なっており、研究と教育で忙しい教授のスケジュールに合わせて夏休みや冬休みなどを利用して教育を行なっている。より多くの教授に知的財産の重要性を認識させるため「大韓産業工学会」などの主な理系学界10ヵ所の知的財産セッションを支援している。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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