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日本産および日系企業現地生産品小売での販売動向

生産の低コスト化求められる日本産スナック菓子 ‐ 韓国産との価格競争を迫られる日本産のり製品

2011年2月
分野:食品・農林水産物

2009年の流通許可に関する輸入食品取り締まりによる余波が一段落し、日本産のスナック菓子やのり、茶が再び首都ジャカルタなどの小売店舗に並ぶようになった。しかし、同時に他国産のスナック菓子やのりも輸入量が増えており、限られた市場の中で厳しい競争を強いられている。日本産品の間では、インドネシア国内や近隣諸国でのライセンス生産による低価格化を図るなどの努力がなされている。

若年層に人気の日本産スナック菓子

国連の2010年の調査によると、インドネシアの総人口は2億3,250万人で、世界第4位である。このうち56%は30歳未満で、将来も含め生産年齢人口の多さがインドネシア投資誘致の売りとなっていると同時に、経済発展に伴う国民所得の向上により長期的に安定した需要が見込める、というのが、メディアなどからうかがえる大方の期待である。

少子高齢化社会の日本とは対照的に子供~若年層が厚いインドネシアでは、スナック菓子市場は大いに成長が見込める市場の一つといえる。「2010年はキャンディーやビスケットなどの菓子類の輸入が急成長した」としばしば報道された。実際、首都ジャカルタの小売店では、日本産スナック菓子のほか、欧米産、オーストラリア産、韓国産、タイ産、マレーシア産などのスナック菓子が陳列棚に並び、競争の激しさをまのあたりにすることができる。

原産地別に価格例をまとめてみると:
(2011年2月23~24日時点のジャカルタの小売店での価格、2011年2月23日の市中レート1円=106ルピアで換算)

日本製
ブルボン エリーゼ 2本×16袋 RP32,800 (約309円)
ショコラセーヌ 14枚 RP28,500 (約269円)
イトウ製菓 うすやきチョコクリームサンド 16枚 RP27,000 (約255円)
リスカ うまい輪 75g RP44,000 (約415円)
イケダヤ製菓 素材煎菓
(ごぼうせん、かぼちゃせん、しょうがせん)
65グラム RP47,000 (約443円)
明治製菓 アーモンドチョコ 105g RP36,400 (約343円)
森永製菓 マリー 24枚 RP47,100 (約444円)
ブルボン バタークッキー 15枚 RP35,200 (約332円)
カンロ 焙煎沖縄黒糖飴 120g RP28,500 (約269円)
春日井製菓 炭焼珈琲 113g RP28,500 (約269円)
カンロ もりもり山のくだもの飴 180g RP28,600 (約270円)
春日井製菓 ハッカアメ 185g RP26,800 (約253円)
明治製菓 たけのこの里 77g RP35,000 (約330円)
リスカ しっとりチョコ 80g RP44,000 (約415円)
ブルボン キュービィロップ 112g RP24,000 (約226円)
欧米製
ウォーカー(英国) ビスケット 150g RP57,300 (約541円)
ローカー(イタリア) ウエハース 100g RP33,500 (約316円)
カンブリー(スイス) ビスケット 100g RP43,500 (約410円)
ウェンリー(スイス) ビスケット 100g RP34,400 (約325円)
アーノッツ(オーストラリア) クラッカー 125g RP20,800 (約196円)
サカタ(オーストラリア) 海鮮クラッカー RP36,000 (約340円)
マレーシア製
エゴ サンドビスケット
(タロイモまたはイチゴ)
180g RP23,000 (約217円)
ケーク ビスケットクラッカー 168g RP22,900 (約216円)
タイ製
ジャンタ クラッカー 100g RP17,250 (約163円)
グリコ ポッキー チョコ RP6,900 (約65円)
ポッキー イチゴ RP7,700 (約73円)
ポッキー バナナ RP5,500 (約52円)
シンガポール製
明治製菓 クラッカー 133g RP20,500 (約193円)
台湾製
コンニャク玄米ロール 130g RP23,950 (約226円)
韓国製
ハイタイ ビスケット 197g RP24,300 (約229円)
ロッテ チョコパイ 144g RP16,300 (約154円)
ロッテ ミント 60g RP24,000 (約226円)
インドネシア製
明治製菓
(PT CERES MEIJI INDOTAMA)
クリームサンド RP7,800 (約74円)
明治製菓
(PT CERES MEIJI INDOTAMA)
ラッキー RP5,900 (約56円)
オレオ サンドクリーム 80g RP5,800 (約55円)
ジャディアバディ ビスケット 130g RP8,730 (約82円)
ウルトラ プリマ アバディ ウエハース 180g RP7,900 (約75円)
デルフィ(PT. CERES) ビスケット 136g RP11,350 (約107円)
デルフィ(PT. CERES) チョコレートウエハース 198g RP11,000 (約104円)
ユピ(PT.YUPI INDO JELLY GUM) キャンディー 120g RP23,800 (約225円)

スナック菓子類に関していえば、欧米または他のアジア諸国からの輸入品に比べて日本からの直輸入品が際立って高価格、というほどでもない。一方で、ジャカルタの複数のショッピングセンターで営業する食品売場「フードコート」では先ごろ、バレンタインデーのプロモーションとして、日本産のチョコレート菓子を中心にデコレーションされていたが、日本発のスナック菓子の人気がうかがえる。輸入スナック菓子の競争が激化する中、日本産スナック菓子の価格は高めではあるものの、インドネシア都市部での日本発のスナック菓子というブランド力、これに対する消費者の人気の高さを加味すれば、市場で生き残っていける価格帯と言えるであろう。実際、大手スーパーマーケットのスナック菓子売場では日本産の種類が増えてきている。また、日本独特の飴類、特に抹茶味の飴などは、競合品が少ない人気商品であることも特長である。

写真1:ローカルの顧客が多いバンドン市内の日本食スーパーのレジ。その前に日本製のスナック菓子専門コーナーがある。ここに置いてある日本製のグリコ「ポッキー」の価格は2万2,000ルピア(約208円)、別の陳列棚に置いてあるタイ製のグリコ「ポッキー」(6,900ルピア(約65円)より3倍強と高い。(日本製は70グラムでタイ産は50グラム)

他方、価格訴求型のコンビニエンスストア・タイプのミニマーケットで販売されているスナック菓子のほとんどは国産品であり、日本発のものとしてはタイ産あるいはインドネシア産が少量販売されている程度である。例えば、明治製菓がPT CERES MEIJI INDOTAMAを通じてインドネシアでライセンス生産しているチョコレート菓子「ラッキー」や、江崎グリコがタイのグループ会社でライセンス生産している同「ポッキー」などである。こうした商品は、包装は日本産品にならい、味も日本産品と遜色はない。そのうえ「ラッキー」の価格は5,900ルピア(約56円、2011年2月23日の市中レート1円=106ルピアで換算、以下同様)、「ポッキー」は6,900ルピア(約65円)と、一般のローカルの消費者でも手の届く価格帯で構成されている。

インドネシア小売業者協会のベンジャミン会長は先に「2010年のインドネシアの近代小売店の総売り上げが100兆ルピア(約9,430億円)を超え、2011年は115兆ルピア(約1兆850億円)に達すると見込んでいるが、こうした売り上げ増加はミニマーケットの店舗数急増に支えられている面がある」と述べた。ミニマーケットを中心としたマスマーケット向けには、インドネシアや近隣の第三国におけるライセンス生産により低価格化を図り、他国産菓子に対抗するような手法が主流であるといえるかもしれない。

のり

写真2:ジャカルタの日本食スーパー店。のりの種類、サイズが充実してきている

インドネシア人消費者の間で馴染みとなりつつあるのりは、味付けのりを中心に、その人気はますます拡大しているようである。写真2は、ジャカルタの、インドネシア人客が中心のスーパーマーケットの食品売場の様子である。以前は2~3種類ののりが棚の一部に並べられているだけであったが、現在は各種ののりが陳列棚を埋めている。ブランドやサイズの種類も豊富になった。

店頭価格例は以下のとおりである。
(2011年2月27日時点のバンドンの小売店での価格、2011年2月23日の市中レート1円=106ルピアで換算)

ニコニコのり 味極(味付けのり) (8切れ8枚)×8袋 RP54,200 (約511円)
(8切れ8枚) ×3袋 RP33,500 (約316円)
松谷海苔 のりおくんばんざい
(味付けのり)
(8切れ8枚)×8袋 RP52,500 (約495円)
丸政水産 おむすび君 10枚 RP53,300 (約503円)
高岡屋 幸福のり(すし用のり) 10枚 RP57,600 (約543円)

店頭ではまた、日本産のり製品と一緒に、韓国産のり製品がブランド、種類とも豊富に並んでいる。2009年の流通許可に関する輸入食品に対する国家食品医薬品監督庁(BPOM)による取り締まりを受けて、日本産のり製品がジャカルタの小売店から消えた時期があった。この時期に代替品として店頭に並んだのが韓国産のり製品であった。その後、日本産のり製品の輸入が再開された後にも韓国産のり製品はますます輸入量や種類を増やし、日本産と競合する状況にある。ただし、上記の調査店舗では韓国産は少なかった。

このほか、インドネシアの業者がインドネシアでパックして、日本産らしい商品名で販売しているのり製品も見かけることがある。こうした製品の原産地は判然としない場合が多い。

インドネシア人消費者の間でののり人気は、首都ジャカルタから始まった日本食ブームが地方都市へ広まるのに伴い、今後、地方へも広がっていくことが期待される。

緑茶

ジャカルタの一般のスーパーマーケットで最近顕著に販売数を増やしているのが、緑茶である。インドネシア中央統計局(BPS)の2010年1~11月の日本産食品のインドネシア輸入統計によると、緑茶のみでも同期の輸入量は約68トン、輸入額は約30万ドルを記録し、前年同期に比べてそれぞれ78.0%、323.9%も増加した。

日本茶のインドネシア小売価格例は以下のとおりである。
(2011年3月2日時点のジャカルタの小売店での価格、2011年2月23日の市中レート1円=106ルピアで換算)

宇治の露 煎茶パック 25袋入り RP39,500 (約373 円)
玄米茶パック 25袋入り RP39,500 (約373円)
煎茶 100g RP31,500 (約297円)
上煎茶 100g RP33,500 (約316円)
ほうじ茶 150g RP29,500 (約278円)
丸藤 煎茶 100g RP30,500 (約288円)
玄米茶 100g RP33,500 (約316円)
宇治の露 煎茶 1,000g RP214,500 (約2,024円)

日本茶はインドネシア産緑茶に比べるとやはり高い。

インドネシア産
トンチー 緑茶 25袋 RP9,400 (約89円)
ワリニー 緑茶 25袋 RP9,950 (約94円)
ムラティ 緑茶 25袋 RP8,500 (約80円)

また、インドネシア産の緑茶を使ったものも含め、缶入り緑茶の販売も増えた。

日本産
伊藤園 おいしいお茶 280g RP19,500 (約184円)
サントリー 烏龍茶 330g RP19,500 (約184円)
シンガポール産
ポッカ 烏龍茶 300g RP6,500 (約61円)
ジャパングリーン 300g RP8,900 (約84円)
ジャスミン 300g RP5,900 (約56円)
インドネシア産
ユニフレックス 緑茶ジャスミン 300g RP3,800 (約36円)
ドリンコ 緑茶 300g RP4,000 (約38円)

一方、日本茶との競合が予想されるものに、インドネシア産の「THE 63」(テ ウナム プル ティガ)という商標の茶がある。「THE 63」の特徴は、茶販売のコーナーを展開していることである。ショッピングセンターなどに出店し、そこで茶を煎れ、客にふるまって実演販売を行い、顧客作りに努めている(写真3)。すでに全国17カ所にショップやカウンターを開設しているとのことである(写真4)。また、中国茶を連想させるような茶器なども販売しており、イメージ作りにも配慮している。

「THE 63」はジャワ産が原料であるが、「健康的」というイメージで売り込んでおり、100グラム入りで5万ルピア(約472円)から14万5,000ルピア(約1,368円)までと、上述の日本産の茶よりも高い価格帯に設定されている。茶好きな華人系インドネシア人が主たる顧客という。

写真3:左端が、1袋100グラムで、5万ルピア(約472円)から14万5,000ルピア(約1,368円)のお茶。小テーブルでお茶を煎れ、前に座る顧客にサービスする。

写真4:バンドンのスーパーマーケット「トコ スティアブディ」の一角にある「Teh 63」の店舗

(ジャカルタ・センター)