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日本食品の輸入動向

需要高まる水産物、調味料類も健闘 ‐ 日本産米も増加傾向、アルコール類は減少

2011年2月
分野:食品・農林水産物

インドネシア中央統計局(BPS)から入手した2010年1月から11月までの日本産食品類のインドネシア輸入実績によると、金額ベースで上位1位から20位までは表1のとおりであった。

表1:2010年1~11月 インドネシアで輸入された日本産食品 輸入金額上位20位
順位 関税番号 品目 数量(kg) 金額(ドル) 2009年
順位
1 0303.74.00.00 さば(冷凍。フィレ・肝臓・卵・しらこを除く) 10,737,162 8,074,925 4
2 0303.43.00.00 かつお(冷凍。フィレ・肝臓・卵・しらこを除く) 4,576,395 5,622,765 -
3 1518.00.60.00 動物性・植物性・これらの混合の油脂調製品(食用に適さないもの) 622,199 2,911,929 3
4 2106.90.70.00 ビタミンやミネラルの調製品、医療食品、その他栄養補助食品 40,716 2,851,393 6
5 2302.30.00.00 ぬかなど小麦の残留物 8,865,400 2,759,122 11
6 1209.91.00.00 捲種用野菜の種 23,615 1,428,537 10
7 2103.90.90.00 その他の混合調味料 281,177 1,184,540 9
8 0303.42.00.00 きはだまぐろ(冷凍。フィレ・肝臓・卵・しらこを除く) 810,590 965,606 1
9 0306.13.00.00 シュリンプ及びプローン(冷凍) 90,487 832,924 18
10 2106.90.99.00 その他調製食料品(他の品目に分類されていないもの) 132,933 746,095 -
11 1702.11.00.00 乳糖及び乳糖水(乳糖含有度99%以上) 37,004 601,315 15
12 2301.20.00.00 魚・甲殻類・軟体動物・その他水棲動物の粉、ミール、ペレット(食用に適さないもの) 740,768 658,637 -
13 1109.00.00.00 小麦グルテン(乾燥しているか乾燥していないかを問わない) 1,773,575 595,085 19
14 2009.29.00.00 グレープフルーツジュース(ブリックス値20超) 58,284 588,789 13
15 1302.19.90.00 その他野菜の液汁、凝縮物 23,337 580,672 14
16 0901.11.10.00 アラビカあるいはロブスタコーヒー(未焙煎、デカフェインされていないもの) 334,656 497,748 -
17 2106.90.52.00 ノンアルコール原料の凝縮物、水で希釈するもの 8,103 431,437 -
18 1521.10.00.00 植物性ろう(トリグリセリドを除く) 29,838 356,045 24
19 0307.49.10.00 いか(冷凍) 256,656 329,880 -
20 1522.00.90.00 脂質あるいは動物性/植物性のろうの処理で生じた残留物 26,917 317,345 22

出所:インドネシア中央統計局(BPS)のデータを基にジェトロ・ジャカルタにて作成
(注)2009年順位において25位以下のものは「-」と表記した。

この中で目立つのは、やはり水産物の需要の高さである。2009年1位の「きはだまぐろ(冷凍。フィレ・肝臓・卵・しらこを除く)」は2010年(1~11月)は8位に後退したものの、依然人気を維持している。一方、2009年4位だった「さば(冷凍。フィレ・肝臓・卵・しらこを除く)」は、2010年(1~11月)1位に浮上した。2位には2009年は上位25位ランキング外の「かつお(冷凍。フィレ・肝臓・卵・しらこを除く)」が入ったが、「さば(冷凍。フィレ・肝臓・卵・しらこを除く)」はこれより約2万4,000ドル多く、トップである。このほか、「シュリンプ及びプローン(冷凍)」は2009年の18位から9位にランクアップし、2009年の上位25位ランキング外の「いか(冷凍)」が2010年(1~11月)は20位以内に入った。

調味料は競争力を継続できるか

2010年1月から11月までの日本産食品類のインドネシア輸入額上位20位のうち、水産物をのぞくと、各種調製品類の健闘が目立つ。「油脂調製品(食用に適さないもの)」は、2010年(1~11月)も3位をキープした。「その他の混合調味料」は、2009年の9位から2010年(1~11月)は7位に浮上した。「その他調製食料品」は2010年(1~11月)10位となった。

首都ジャカルタのスーパーマーケットでは、最近、調味料の種類やサイズ、バリエーション、一品当たりの陳列量が増えてきている印象を受ける。

写真1:ジャカルタの中堅クラスのショッピングモール「チトス」の食料品スーパーにおける調味料類陳列棚。日本人の来店が少ないジャカルタ市内のこの売場でも、日本品調味料は充実している。

2009年に本格的となった不当輸入食品の取り締り強化で、スーパーから日本食の多くが姿を消したが、これら日本産の調味料類も、一定の量は維持したものの、一時は消費者による入手が大変困難に陥ったことがあった。スナック菓子や清涼飲料などはローカル品でも代替できるが、日本産調味料は容易にほかで代用できない性質がある。「和食レストランでも入手に大変苦労した」とジャカルタで営業するある日本食レストランの担当者が語った。不当輸入食品の取り締りが強化された間に、ローカル産品やほかのアジア産品に市場を侵食された商品群は少なくないが、日本産調味料類はこうした厳しい時期をなんとか乗り越え、輸入手続きやそのシステムの安定化の努力が一段落した今では、むしろ種類が増えたような印象である(写真1)。

写真2:バンドンの老舗スーパーの食料品売場。日本人が少ない売場でも日本産調味料が陳列棚を飾っている

さらに、地元の人による日本産調味料類の消費も増えているようである。下記の調味料類は、西ジャワ州都バンドンの食料品スーパーマーケット2店舗で調べた商品とその価格である。バンドンはジャカルタに比べて日本人がはるかに少ないが、そこでの品揃えはジャカルタのスーパーマーケットに見劣りしない(写真2)。

日本人以外の消費者がこれら日本産調味料類を購入しているためと思われる。実際、これら日本産調味料類の陳列棚の前に日本人が立っていると、インドネシア人に調味料の種類や使い方を聞かれることがある。

<バンドンの食料品スーパーマーケット2店舗で販売されていた日本産調味料類>
(2011年2月13日現在、日本円への換算は同日の市中レート1円=107ルピアで換算)

ヤマサ ざるそば専科 330ml RP34,500 (約322円)
ヤマサ そうめん専科 330ml RP34,500 (約322円)
ヤマサ すきやき専科 330ml RP34,500 (約322円)
ヤマサ 天ぷら専科 330ml RP38,500 (約360円)
ヤマサ しょうゆ 150ml RP28,500 (約266円)
ヤマサ 昆布つゆ 300ml RP40,500 (約379円)
ヤマサ てりやきソース 300ml RP42,500 (約397円)
さしみ いかり ソース 200ml RP29,500 (約276円)
寿司醤油 200ml RP29,500 (約276円)
ミツカン 味ぽん 360ml RP69,500 (約650円)
150ml RP46,500 (約435円)
キューピー ドレッシング 200ml RP56,500 (約528円)
ミツカン ごましゃぶ 250ml RP76,500 (約715円)
ミツカン ぽんしゃぶ 250ml RP69,500 (約650円)
日本食研 うなぎのたれ 210ml RP45,500 (約425円)
エバラ やきとりのたれ 240ml RP35,500 (約332円)
エバラ 焼肉のたれ 300ml RP47,500 (約444円)
エバラ すき焼きのたれ 500ml RP54,700 (約511円)
エバラ 黄金の味 210ml RP57,500 (約537円)
ブルドッグ とんかつソース 500ml RP45,500 (約425円)
300ml RP34,500 (約322円)
170ml RP24,500 (約229円)
かつおぶし つゆの味 600ml RP92,500 (約864円)
タカラ 本みりん 600ml RP79,500 (約743円)
ミツカン ほんてりみりん風調味料 500ml RP41,500 (約388円)
キューピー マヨネーズ 350ml RP49,500 (約463円)
500ml RP57,500 (約537円)
ハチ 生おろしわさび 45ml RP25,200 (約236円)
山忠 激辛わさび 45ml RP24,500 (約229円)
シマヤ だしの素 100ml RP33,000 (約308円)
ハウス バーモントカレー 12ml RP50,000 (約467円)
6ml RP30,000 (約280円)
ヒガシマル うどんスープ 48ml RP35,500 (約332円)
キッコーマン まろやか 500ml RP40,800 (約381円)
キッコーマン 割烹さしみしょうゆ 150ml RP33,700 (約315円)
キッコーマン 特選醤油 600ml RP49,500 (約463円)
キッコーマン てりやきのたれ 250ml RP41,500 (約388円)
ブルドッグ とんかつソース 300ml RP34,100 (約319円)
ブルドック 中濃ソース 300ml RP33,300 (約311円)
ブルドック ウスターソース 300ml RP34,100 (約319円)
イカリ とんかつソース 300ml RP38,500 (約360円)
イカリ 中濃ソース 300ml RP37,000 (約346円)
イカリ ウスターソース 300ml RP38,500 (約360円)
ミツカン 料理酒 500ml RP50,800 (約475円)
タマノイ すしのこ(すし酢) 75ml RP26,100 (約244円)
七味とうがらし 15ml RP22,500 (約210円)

上記のように、多くの種類の調味料が、日本人客の少ない食品スーパーに並んでいる。食品輸入販売会社インドマル(PT.INDOMARU)が時に店頭で実演販売をしているが、調味料の使い方など繰り返し広めていくことで、日本の調味料は競争力を保っていく道が開ける可能性もあろう。

日本産米の輸入は伸びるか

インドネシア中央統計局(BPS)から入手した2010年1~11月の日本産食品のインドネシアへの輸入のうち、米の輸入量は7万7,658キロ、輸入額は12万8,274ドルとなっている。統計局は前年同期の日本産米の輸入統計を発表していないため、正確には不明であるが、小売店の店頭を見る限りでは増えているように思われる。

例えば、最近ジャカルタの店頭で、兵庫県産の米「みつひかり」を見かける。価格は2キロのもので17万8,000ルピア(約1,664円、2011年2月13日の市中レート1円=107ルピアで換算、以下同様)、5キロのもので43万ルピア(約4,019円)と高値であるが、「5キロのものはすぐに売り切れた」と日本人販売員が語ってくれた。カルフォルニアから輸入される日本種の米、あるいはジャワ島で栽培される日本種の米(いずれもジャポニカ種)に比べ、「みつひかり」の価格は約2倍の高さだが、日系企業の日本人駐在員家庭のみならず、裕福なインドネシア人の家庭の主婦が品定めする光景も見られ、高所得層インドネシア人の日本産米購入の可能性が期待できると思われる。

アルコール類(ビール、焼酎、日本酒)

(1)ビール

写真3:ジャカルタの中堅クラスのショッピングモール「チトス」の食料品スーパーにおけるビール陳列棚。日本製は一つもない

同様に、インドネシア中央統計局から入手した2010年1~11月の日本産食品のインドネシアへの輸入のうち、モルトからのその他ビールの輸入量は7,218キロ、輸入額は2万6,631ドルであった。前年同期は1万8,126キロ、3万6,341ドルであったので、それぞれ約60%、約27%も減っている。
統計上は上記のとおりであるが、小売店の店頭では現在、日本製ビールは見かけない。先に触れた不当輸入食品の取り締まり強化以来、日本製ビールは日本食スーパーや和食レストランからすっかり姿を消してしまい、いまだに輸入が復活していない。写真3はジャカルタ市内の中堅ショッピングモール・チトスのビール売場の様子であるが、ローカルビールのほか、「バドワイザー」、「ハイネケン」などの欧米勢、フィリピンの「サンミゲル」などばかりで、日本産のビールは一つもない。
ジャカルタで営業する総合和食レストラン「鳥元」のフロアマネージャーは「日本食ブームで、日本製ビールを置いておけば必ず売れた」と語ったが、アサヒ、サッポロ、キリンなどの日本製缶ビールを小売店で購入するのは日本通の地元の人、韓国や台湾など他のアジア人、または欧米人だったようだ。「むしろ日本人は、低価格で既に慣れ親しんだインドネシアの『ビールビンタン』に満足していて、日本製の缶ビールを敢えて求める人は少なかった」と同フロアマネージャーは述べた。

(2)焼酎

一方、焼酎を求めるのは、「鳥元」のフロアマネージャーによると、日本人だけである。韓国焼酎「ジンロ」を飲む韓国人も、日本滞在経験でもない限り、日本製焼酎は敬遠するそうである。
日本製焼酎は、一頃に比べて順調に輸入されるようになったものの、例えば和食レストランでキープする「イイチコ」(900ミリリットル)の価格は50万~60万ルピア(約4,673~5,607円)、日本で買えば2,000円のものが2倍以上になる。酒類を扱う会社の営業担当者の話によると「インドネシア国内に入ってくるルートがやや不透明なこともあり、どのくらいの量が輸入されているのかまったく分からない」ということで、高値になる傾向があるようである。「日本からの出張者や旅行者が焼酎をおみやげに持って来るのがいまや慣例のようになり、ジャカルタで営業する日本食レストランに、日本から持ち込んだ焼酎を、テーブルチャージを払ってキープする人も増えた」とも「鳥元」のフロアマネージャーは語っていた。
また、同マネジャーによると「「麦か芋か」というように種類で焼酎を選択する消費者よりも、値段が同じなら720ミリリットルのものより900ミリリットルの大きなサイズを購入するという人が増えているのも現在の傾向」ということでもあった。

(3)日本酒

日本酒については、インドネシア中央統計局(BPS)から入手した2010年1~11月の日本産食品のインドネシアへの輸入データでは、輸入量は35キロ、輸入額は165ドルとなっている。前年同期は106キロ、778ドルとされており、それぞれ約66%、約78%減ったことになるが、数量・金額ともに非常に小さい。
しかしながら、日本製ビールの場合と同様、小売店では日本酒はほとんど見かけず、日本食レストランへ行って初めて見かけるというのが現状である。焼酎と同じく、やや不透明なルートでインドネシアに入ってくるものもあるのかもしれない
インドネシアに輸入される日本酒の量が限られていることもあり、日本食レストランで出される輸入の日本酒の価格は1.8リットルで70万ルピア(約6,542円)からRP100万ルピア(約9,346円)がスタンダードと高値になっている。このため、上述の「鳥元」のフロアマネージャーによると「日本人は祝い事など特別なときに日本酒を注文する客が多く、むしろ日本酒の最大の消費者は韓国人、台湾人、中国本土から来た中国人、欧米人である」とのことであった。「欧米人はワイン感覚で、刺身やすしとともに熱燗を飲む」ということであった。

インドネシアにおける日本食ブームに乗って、日本のアルコール類が日本人以外の外国人の人気を得る可能性があると思われる。

(ジャカルタ・センター)

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