ビジネス関連法 ハイテク企業認定管理弁法

【法令名称】
ハイテク企業認定管理弁法
【発布機関】
科技部、財政部、国家税務総局
【発布番号】
国科発火〔2008〕172号
【発布日】
2008年4月14日
【施行日】
2008年1月1日

主旨と目的

  • ハイテク企業の発展を扶助し、奨励すること(第1条)。
  • 「中華人民共和国企業所得税法」第28条(国が重点的に扶助する必要のあるハイテク企業は、税率を15%に引き下げて企業所得税を徴収する)や「中華人民共和国企業所得税法実施条例」第93条(ハイテク企業の認定条件)等に対応する関係規定を整備(第1条)。

内容のまとめ

本弁法は、ハイテク企業の定義、認定機構、条件及び手続等について定め、かつ国が重点的に支援するハイテク分野の範囲を定めている。主な内容として次のものが含まれる。

類別 政策
定義
(第2条)
  1. 「国が重点的に支援するハイテク分野」のうち、持続的な研究開発と技術成果の応用を行い、企業の核心的な自主知的財産権を形成し、かつ、これを基礎とした経営活動を展開している居民企業
  2. 中国国内(香港、マカオ、台湾地区を含まない。)において登録後1年以上が経過している居民企業
認定機構
(第8条)
各省、自治区、直轄市、計画単列市の科学技術行政管理部門と同級の財政、税務部門が共同で当該地区のハイテク企業認定管理機構を組織する。
認定条件
(第10条)
  • 中国国内(香港、マカオ、台湾地区を含まない。)に登録してから1年以上が経過している居民企業。
  • 直近3年間に自社における研究開発、譲り受け、贈与の収受、買収合併などの方法、又は5年以上の独占許可の方法を通じて、その主たる製品(サービス)の核心技術に対し自主知的財産権を有したこと。
  • 製品(サービス)が「国が重点的に支援するハイテク領域」の定める範囲に属すること。
  • 大学専科以上の学歴を有する技術職従業員が企業の当年の総従業員数の30%以上を占め、そのうち研究開発に従事する技術職従業員が企業の当年の総従業員数の10%以上を占めること。
  • 持続的研究開発活動を行っており、かつ直近の三会計年度における研究開発費の総額が、売上収入の総額に占める割合が、法で定める条件を下回らないこと。
    1. 直近1年間の売上収入が5千万元を下回る企業 6%。
    2. 直近1年間の売上収入が5千万元以上2億元未満の企業 4%。
    3. 直近1年間の売上収入が2億元以上の企業 3%。
  • 中国国内にて費やした研究開発費の総額が、全研究開発費の総額に占める割合が、60%を下回らないこと。
  • ハイテク製品(サービス)による収入が企業の当年の総収入の60%以上を占めること。
  • 企業の研究開発組織の管理水準、科学技術成果の応用能力、自主知的財産権の数、売上と総資産の成長性などの指標が「ハイテク企業認定管理作業の手引き」(別途制定)の要求に合致していること。
認定手続
(第11条)
  • 企業が自己評価及び申請を実施
    企業は「ハイテク企業認定管理作業ウェブサイト」にアクセスし、認定条件に照らし、自己評価を行う。認定条件に合致すると判断する場合は、企業は認定機構に対し認定申請を行うことができる。
  • 申請資料を提出
  • 認定機構が企業のコンプライアンスチェックを実施
    認定機構は専門家による申請企業の審査を実施し、認定意見を提出してもらう。
  • 認定、公示及び証書の交付
    • 認定機構が企業に対し認定を行う。
    • 認定を経たハイテク企業はウェブサイト上で15業務日公示され、公示後異議が無かった場合、認定機構はウェブサイト上で認定結果を正式に公告し、かつ企業に対し「ハイテク企業証書」を交付する。
資格有効期間
  • 「ハイテク企業資格」は、証書の交付の日から3年間有効とする(第12条)。
  • 企業は期限が満了となる三カ月内に再審査の申請を提出しなければならず、再審査申請を提出しないか、又は再審査に不合格である場合、そのハイテク企業資格は期限満了時にて自動的に失効する(第12条)。
  • ハイテク企業の経営業務、生産技術活動などに重大な変更が生じた場合は(例えば、買収合併、再編、産業転換など)、15日以内に認定機構に報告しなければならない。変更後に、本弁法の定める条件に合致しなくなった場合は、当年よりそのハイテク企業資格を取り消すものとする(第14条)。
国家が重点的に支援するハイテク分野(添付書類)
  • 国家が重点的に支援するハイテク分野は次の8つの分野である。
    1. 電子情報技術
    2. バイオと新医薬技術
    3. 航空・宇宙産業技術
    4. 新素材技術
    5. ハイテクサービス業
    6. 新エネルギー及び省エネ技術
    7. 資源及び環境技術
    8. ハイテクによる伝統産業革新
  • 各ハイテク分野に含まれる具体的な先端技術/工程/製品/サービス等については、本弁法の添付書類である「国が重点的に支援するハイテク分野」を参照。
その他 以下の規定は、2008年1月1日より執行を停止する(第17条)。
  • 旧「国家ハイテク産業開発区外ハイテク企業認定条件及び弁法」(国科発火字〔1996〕018号)
  • 旧「国家ハイテク産業開発区ハイテク企業認定条件及び弁法」(国科発火字〔2000〕324号)

日系企業への影響

本弁法は中国国内(香港、マカオ、台湾地区は含まない。)にて登録し1年以上経過している企業(日系企業を含む)に適用されるが、次の点に注意すべきである。

  • 本弁法は、国のハイテク産業開発区内外の企業に平等に適用され、ハイテク企業に対しては統一した認定が行われ、いずれも国の租税優遇政策が受けられる。(従来はハイテク産業開発区内のハイテク企業だけが受けられた。)
  • ハイテク企業が現在受けられる租税優遇政策は主に次のものがある。
    • 企業所得税優遇税率(15%)が受けられる。
    • 経済特区(即ち、海南、アモイ、深セン、珠海、汕頭)及び上海浦東新区内では、2008年1月1日(同日含む。)以降に登記登録を済ませたハイテク企業は、経済特区及び上海浦東新区内で取得した所得に対して、企業所得税の「二免三減半」の優遇も受けられる。
  • 旧認定弁法と比較すると、新認定弁法は自主考案の要求が顕著である。したがって、旧認定弁法で認定されたハイテク企業は、ハイテク企業の資格が期限到来したとき、本弁法の規定条件に適合しないために、ハイテク企業の資格を継続して保有することができなくなる可能性が出てくる。

本資料はジェトロが里兆法律事務所に委託して翻訳しました。ジェトロは同事務所の許諾を得て本ウェブサイトに掲載しています。
Copyright (C) 2008里兆法律事務所外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます