中国の貿易と投資(世界貿易投資動向シリーズ)

要旨・ポイント

  • 2022年のGDP成長率は3.0%に減速、新型コロナウイルスの感染拡大防止措置が影響。
  • 貿易額は3年連続で過去最高を更新。新エネルギー関連商品の輸出が好調。
  • 対内直接投資も過去最高を更新するとともに、対外直接投資もわずかに増加。
  • 日中貿易、日本の対中投資(日本の財務省統計)はいずれも減少した。

公開日:2023年11月1日

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マクロ経済 
実質GDP成長率は減速

国家統計局によると2022年の名目GDPは121兆207億元、実質GDP成長率は前年比3.0%で、政府目標の「5.5%前後」を下回った。産業別では製造業が前年比2.9%増、金融業が5.6%増、情報通信・ソフトウエア・情報サービス業が9.1%増となった。一方、不動産業は5.1%減、宿泊・飲食業は2.3%減、交通運輸・倉庫・郵便業は0.8%減だった。

GDP成長率は2020年に新型コロナウイルス感染拡大の影響により2.2%に減速し、2021年には反動増もあり8.4%と高い伸びを示した。2022年は新型コロナ感染拡大防止のため、3~5月に吉林省長春市、遼寧省瀋陽市、広東省深セン市、上海市といった大都市で都市封鎖(ロックダウン)が実施され、11月、12月にも北京市をはじめとする大都市で厳しい行動制限が課された。こうしたことなどを背景に、成長率は大幅に減速した。2022年の成長率を四半期別でみると、第1四半期は前年同期比4.8%、第2四半期は0.4%、第3四半期は3.9%、第4四半期は2.9%となった。

厳しい経済状況を受けて、中国政府は各種の景気刺激策を実施した。特にまとまったものとしては、2022年5月23日付で国務院(内閣に相当)が発表した6分野33項目にわたる景気刺激策がある。税還付、社会保険料の納付猶予、雇用補助金の交付、貸付支援、自動車購入制限の緩和などが盛り込まれている。また、国務院は5月25日にはオンライン会議(注1)を開催し、李克強首相(当時)が「一部の分野では、2020年の新型コロナ感染拡大による厳しいショックを受けた時期よりも、さらに大きな困難がある」との認識を示した上で、経済成長率維持と失業率低下に向けた対応を指示した。その後、各地方政府でも消費券の発行など現地の状況に合わせた景気刺激策が取られた。しかし、感染が拡大する中で、「ダイナミックゼロコロナ」(注2)政策が継続されたこともあり、成長率は伸び悩んだ。

なお、10月には中国共産党の第20回全国代表大会が開催され、習近平総書記の3期目継続が決定した。

表1 中国の需要項目別実質GDP成長率(単位:%)
項目 2021年 2022年 2023年
Q1 Q2
実質GDP成長率 8.4 3.0 4.5 6.3
階層レベル2の項目民間最終消費支出 4.9 1.0
階層レベル2の項目国内総固定資本形成 1.7 1,5
階層レベル2の項目財貨・サービスの純輸出 1.9 0.5

〔注〕四半期の伸び率は前年同期比。
〔出所〕中国統計摘要2023および中国国家統計局発表より作成

投資はインフラが下支え、消費は大幅に減速

2022年の経済指標を項目別にみると、固定資産投資(農家による投資含まず)は前年比5.1%増(前年は4.9%増)の57兆2,139億元だった。民間投資は0.9%増(7.0%増)の31兆145億元と急減速した一方、インフラ投資は9.4%増(0.4%増)と急増し投資全体を下支えした。

不動産開発投資は10.0%減(4.4%増)の13兆2,895億元とマイナスに転じた。住宅(商品住宅)販売面積は26.8%減(1.1%増)、同販売額は28.3%減(5.3%増)、同在庫面積は18.4%増(1.7%増)と、不動産市場は停滞した。

消費(社会消費品小売総額)は名目で0.2%減の43兆9,733億元と、前年(12.5%増)から大幅に減速しマイナスの伸びとなった。

業種別にみると、都市ロックダウンをはじめとする行動規制の影響により、飲食業収入が6.3%減と大幅に減少(前年は18.6%増)した。一方で、商品小売額は0.5%増(11.8%増)とわずかながら増加を維持した。インターネット小売額(実物商品)は6.2%増となり、消費全体の27.2%を占めた。

営業収入が500万元以上の企業の商品小売額をみると、シェアの高いアパレル・靴・帽子・紡織が6.5%減となったが、石油・石油製品は9.7%増となった。自動車類は0.7%増と増加を維持したものの、伸び率は前年より6.9ポイント減少した。なお、自動車販売台数は2.1%増の2,686万4,000台と、2年連続で増加を維持した。うち、電気自動車など新エネルギー車(NEV)販売台数は93.4%増の688万7,000台と、2021年(前年比約2.6倍)に続き大幅に増加し、自動車販売台数に占める構成比は25.6%に達した。

工業生産増加額(付加価値ベース)は前年比3.4%増(前年は10.4%増)の40兆1,644億元となった。製品別の生産量では、太陽電池が46.8%増、工業用ロボットが21.0%増と大幅に増加した。また、NEVの普及に伴い充電スタンドも80.3%増と高い伸びとなった。一方で、移動通信機器(スマートフォン含む)は6.1%減、集積回路は9.8%減となった。

物価は通年の消費者物価指数(CPI)が2.0%増、生産者物価指数(PPI)が4.1%増となった。

2022年の雇用は厳しい状況が続いた。都市部新規就業者数は1,206万人増(政府目標は1,100万人以上)と前年から63万人減少し、年末の(注3)都市調査失業率は5.5%(前年末から0.4ポイント増)だった。特に16~24歳人口の失業率が顕著に上昇した。同年齢帯の失業率は2020年1月時点では12.5%だったが、2022年1月には15.3%に上昇し、7月には19.9%と過去最高を記録した。その後、12月時点では16.7%に低下したものの、高い水準が続いている。2022年には61年ぶりに人口が減少するなど、人口構造の面でも変化が生じている。

2023年のGDP成長率目標は5%前後に

2023年3月に開催された第14期全国人民代表大会(全人代)第1回会議において、2023年の実質GDP成長率目標は5%前後に設定された。李克強首相(当時)は「政府活動報告」において、2023年の重点として(1)内需拡大に力を入れる、(2)現代化産業システムの構築を加速する、(3)「2つの揺るぐことなく」(注4)を着実に実施する、(4)外資の誘致・利用に一層力を入れる、(5)経済・金融分野の重大リスクを効果的に防止・解消する、(6)食糧生産を安定させ、農村振興を推進する、(7)発展パターンのグリーン化を推し進める、(8)基本的民生を保障し社会の諸事業を発展させるとした。

全人代は各期の任期が5年であり、今回は新たな国家主席や首相などが選出された。国家主席には習近平氏が3期連続で選出され、首相には李強氏が新たに選出された。李強首相は就任後初の記者会見で、2023年の重点方針として(1)人民を中心とする発展思想をしっかりと打ち立てる、(2)質の高い発展の推進に力を集中する、(3)改革開放を揺るぐことなく深化させる、の3点を挙げた。中でも(1)では、「多くの一般市民は経済成長率よりも、住宅、就業、収入、教育、医療、環境など身の回りの具体的なことを気にかけている」として、人々の実感に寄り添った政策を実施していくとした。

2023年の四半期別の成長率をみると、第1四半期は前年同期比4.5%(前期比2.2%)、第2四半期は6.3%(0.8%)となった。上半期累計の成長率は前年同期比5.5%だった。2022年上半期が上海市のロックダウンなどの影響を受け2.5%増にとどまった反動もあり、高い伸びとなった。

2023年に入り、新型コロナ感染拡大防止を目的とする各種制限の多くが撤廃された。そのため、2022年に抑えられていた需要が消費に向かう「ペントアップ需要」に期待がかかっていた。しかし、2023年の消費は3~5月は前年同月比で2桁増となったものの、6月には3.1%増にまで減速した。不動産市場も大幅な回復には至っておらず、1~6月の住宅販売面積は前年同期比2.8%減、同販売額は3.7%増にとどまっている。6月の都市調査失業率は5.2%と1月(5.5%)からは改善したものの、16~24歳人口の失業率は21.3%と過去最高を更新した。

貿易 
輸出入ともに過去最高額を更新

2022年の貿易総額は前年比4.4%増の6兆3,096億ドルとなり、3年連続で過去最高を更新した。うち、輸出が7.0%増の3兆5,936億ドル、輸入が1.1%増の2兆7,160億ドルだった。輸出、輸入ともに過去最高額を更新した。

国・地域別の金額上位をみると、輸出は(1)米国(構成比16.2%)、(2)ASEAN(15.8%)、(3)EU27(15.6%)、(4)香港(8.3%)、(5)日本(4.8%)、輸入は(1)ASEAN(15.0%)、(2)EU27(10.5%)、(3)台湾(8.8%)、(4)韓国(7.4%)、(5)日本(6.8%)だった。

分類別にみると、輸出は金額全体の4割強を占める機械類および電気機器が4.3%増となったほか、紡織用繊維およびその製品が5.0%増、卑金属およびその製品が14.7%増だった。輸入は機械類および電気機器が5.9%減、車両、航空機、船舶が9.4%減、精密機器、医療用機器、時計および楽器が24.6%減となった。鉱物性生産品は12.9%増だった。

品目別の輸出では、金額でリチウムイオンバッテリーが79.2%増、太陽電池が63.0%増、電気自動車が2.3倍と新エネルギー関連商品は高い伸びを示した。また、集積回路は数量では12.0%減だったが、金額では0.3%増とわずかに増加を維持した。一方、携帯電話は数量で13.8%減、金額で2.5%減、ノートパソコンは数量で25.3%減、金額で10.7%減となった。なお、2021年に海外での新型コロナワクチンの需要増などにより急増した人用ワクチンは、数量で83.4%減、金額で93.7%減となった。

輸入は金額で半導体製造設備が15.2%減、自動データ処理機およびその部品が15.2%減、工作機械が13.1%減と、中国内の生産活動低迷もあり大きく減少した。集積回路は数量で15.3%減、金額で3.9%減となった。原油、天然ガス、石炭などのエネルギー関連商品は、いずれも数量は減少したものの、国際価格の上昇を受けて金額は2桁増となった。

2023年1~6月の貿易総額は前年同期比4.7%減の2兆9,182億ドル、輸出額は3.2%減の1兆6,634億ドル、輸入額は6.7%減の1兆2,547億ドルだった。主要相手国・地域の上半期貿易状況をみると、輸出はASEANが1.5%増だったものの、EU(6.6%減)、米国(17.9%減)、香港(9.8%減)、日本(4.7%減)、韓国(4.6%減)は軒並み減少した。輸入はASEAN(5.5%減)、EU(1.4%減)、台湾(24.3%減)、米国(3.7%減)、日本(17.0%減)はいずれも減少した一方、鉱石などの資源を多く輸入しているオーストラリア(12.5%増)は増加した。

主要品目別にみると、輸出では、PCなどの自動データ処理装置とその部品や携帯電話が2桁減となった一方、自動車(シャーシを含む)は約2倍だった。輸入では、大豆や石炭が金額・数量ともに2桁増の一方、集積回路は金額ベースで2桁減だった。

表2-1 中国の主要国・地域別輸出入[通関ベース](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
国・地域 輸出(FOB) 輸入(CIF)
2021 2022年 2021年 2022年
金額 金額 構成比 伸び率 金額 金額 構成比 伸び率
アジア大洋州 1,399,868 1,488,465 41.4 6.3 1,282,352 1,213,707 44.7 △ 5.4
階層レベル2の項目日本 165,849 172,927 4.8 4.4 205,553 184,497 6.8 △ 10.2
階層レベル2の項目韓国 148,864 162,621 4.5 9.5 213,487 199,667 7.4 △ 6.5
階層レベル2の項目香港 350,624 297,538 8.3 △ 15.0 9,701 7,846 0.3 △ 19.1
階層レベル2の項目台湾 78,365 81,587 2.3 4.2 249,979 238,092 8.8 △ 4.6
階層レベル2の項目ASEAN 483,695 567,287 15.8 17.7 394,512 408,054 15.0 3.3
階層レベル3の項目ベトナム 137,930 146,960 4.1 6.8 92,274 87,961 3.2 △ 4.7
階層レベル3の項目マレーシア 78,742 93,711 2.6 19.7 98,062 109,879 4.0 11.8
階層レベル3の項目タイ 69,367 78,480 2.2 13.4 61,813 56,518 2.1 △ 8.6
階層レベル3の項目シンガポール 55,264 81,168 2.3 47.8 38,791 33,958 1.3 △ 12.5
階層レベル3の項目インドネシア 60,673 71,318 2.0 17.8 63,761 77,770 2.9 21.7
階層レベル3の項目フィリピン 57,314 64,679 1.8 13.2 24,738 23,046 0.8 △ 6.9
階層レベル2の項目インド 97,521 118,502 3.3 21.7 28,143 17,483 0.6 △ 37.9
階層レベル2の項目オーストラリア 66,388 78,827 2.2 19.0 164,824 142,091 5.2 △ 13.1
ロシア 67,565 76,123 2.1 12.8 79,322 114,149 4.2 43.4
欧州 700,891 744,904 20.7 6.4 478,036 488,999 18.0 2.3
階層レベル2の項目EU27 518,247 561,970 15.6 8.6 309,865 285,355 10.5 △ 7.9
階層レベル3の項目ドイツ 115,194 116,227 3.2 1.0 119,929 111,399 4.1 △ 7.1
階層レベル2の項目英国 87,037 81,545 2.3 △ 6.1 25,641 21,822 0.8 △ 15.0
北米 627,714 635,577 17.7 1.5 210,150 220,395 8.1 4.7
階層レベル2の項目米国 576,114 581,783 16.2 1.2 179,531 177,644 6.5 △ 1.1
アフリカ 148,367 164,491 4.6 11.2 105,922 117,510 4.3 11.0
中南米 229,009 252,975 7.0 10.6 222,582 232,815 8.6 4.7
階層レベル2の項目ブラジル 53,614 61,970 1.7 15.7 110,449 109,522 4.0 △ 0.4
合計(その他含む) 3,363,959 3,593,601 100.0 7.0 2,687,529 2,715,999 100.0 1.1

〔注1〕アジア大洋州は、ASEAN+5(日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インド)に香港、台湾を加えた合計値。
〔注2〕「アジア大洋洲」の伸び率はジェトロ算出。その以外の伸び率は手入力で海関総署発表と一致している。
〔出所]2021年は中国海関統計2021年12月号、2022年は中国海関統計2022年12月号

表2-2 中国の主要品目別輸出入[通関ベース](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
品目 輸出(FOB) 輸入(CIF)
2021年 2022年 2021年 2022年
金額 金額 構成比 伸び率 金額 金額 構成比 伸び率
動物(生きているもの)および動物性生産品 15,051 16,482 0.5 9.5 57,075 61,459 2.3 7.7
植物性生産品 28,167 28,372 0.8 0.8 103,427 113,628 4.2 9.8
動物性・植物性の油脂およびその分解生産物 2,366 3,604 0.1 52.4 15,972 15,349 0.6 △ 3.9
調製食料品、飲料、酒 36,885 47,326 1.3 28.4 32,548 33,596 1.2 3.3
鉱物性生産品 51,220 72,598 2.0 41.7 688,254 776,692 28.6 12.9
化学工業品 213,680 246,639 6.9 15.5 189,986 198,606 7.3 4.5
階層レベル2の項目有機化学品 82,592 101,887 2.8 23.4 60,250 58,074 2.1 △ 3.6
階層レベル2の項目薬品 38,551 14,005 0.4 △ 63.7 41,862 39,909 1.5 △ 4.7
プラスチックおよびゴム製品 162,231 175,002 4.9 8.1 101,420 93,742 3.5 △ 7.6
皮革および毛皮製品、ハンドバッグ 34,576 41,740 1.2 21.1 11,711 9,738 0.4 △ 16.8
木材およびその製品 20,799 20,219 0.6 △ 2.6 24,302 22,252 0.8 △ 8.5
木材パルプ、紙パルプ製品 28,717 36,400 1.0 27.5 31,386 31,731 1.2 1.1
紡織用繊維およびその製品 304,792 319,696 8.9 5.0 35,470 31,448 1.2 △ 11.3
靴、帽子、傘、つえ 73,280 84,971 2.4 16.3 7,705 7,495 0.3 △ 2.7
石、陶磁、ガラス製品 68,586 74,704 2.1 9.5 12,736 11,062 0.4 △ 13.1
真珠、貴石、貴金属製品 29,333 30,097 0.8 2.7 77,417 103,701 3.8 33.9
卑金属およびその製品 264,437 302,151 8.4 14.7 154,899 160,421 5.9 3.4
階層レベル2の項目鉄鋼製品 95,539 110,313 3.1 16.0 10,656 9,477 0.3 △ 11.1
機械類および電気機器 1,446,807 1,506,735 41.9 4.3 900,052 846,838 31.2 △ 5.9
階層レベル2の項目電気機器およびその部品 899,159 954,784 26.6 6.4 668,846 644,692 23.7 △ 3.5
車両、航空機、船舶 173,963 200,649 5.6 15.4 103,753 93,997 3.5 △ 9.4
階層レベル2の項目車両およびその部品 120,046 150,235 4.2 25.3 86,395 80,816 3.0 △ 6.4
階層レベル2の項目航空機およびその部品 3,106 5,565 0.2 78.3 13,040 10,953 0.4 △ 15.9
精密機器、医療用機器、時計および楽器 104,498 77,268 2.2 △ 25.9 115,507 86,982 3.2 △ 24.6
武器および銃砲弾ならびにこれらの部分品 314 271 0.0 △ 13.7 8 4 0.0 △ 48.4
雑品 264,531 261,058 7.3 △ 0.9 8,238 7,246 0.3 △ 12.0
美術品、収集品および骨董、その他 2,445 1,694 0.0 △ 30.5 2,531 2,233 0.1 △ 11.8
特殊貿易品目 37,283 45,927 1.3 23.2 13,131 7,779 0.3 △ 40.8
合計 3,363,959 3,593,601 100.0 7.0 2,687,529 2,715,999 100.0 1.1

[注]HSコードの大分類「部(Section)」による分類
〔出所〕2021年は中国海関統計2021年12月号、2022年は中国海関統計2022年12月号

通商政策 
RCEP協定発効、日本企業も積極的に活用

2022年1月1日に日本、ブルネイ、カンボジア、ラオス、シンガポール、タイ、 ベトナム、オーストラリア、中国、ニュージーランドの10カ国について「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」が発効、2月1日には韓国、3月18日にはマレーシア、2023年1月2日にはインドネシア、6月にはフィリピンについても発効した(注5)。

RCEPは日中間の初めての経済連携協定(EPA)となり、工業製品について、品目ベースで中国の日本に対する関税撤廃率は約86%に、日本の中国に対する撤廃率は約98%に最終的に上昇する。中国の日本からの自動車部品や鉄鋼製品、化学品、家電、繊維製品などの輸入に当たり幅広く関税が削減され、清酒や焼酎などの酒類も将来的に撤廃予定となっている。中国政府もRCEP利用を後押ししており、2022年1月26日には商務部など6部門が「RCEP協定の質の高い実施に関する指導意見」を発表した。同年の中国のRCEP参加国との貿易額は12兆9,500億元で、貿易額全体の30.8%を占めている。

日本企業はRCEPを積極的に活用している。日本における第一種特定原産地証明書(注6)の2022年の発給件数をみると、RCEPは8万9,956件で、日タイ経済連携協定(JTEPA)の9万3,459件に次いで対象となる協定の中で2位だった。さらに、RCEPの2023年1~7月の発給件数は7万4,894件で1位となっており、2022年通年を超える利用が期待される。

ジェトロの「2022年度海外進出日系企業実態調査(中国編)」(注7)によると、FTA・経済連携協定(EPA)・一般特恵関税制度(GSP)について、利用対象となる在中国日系企業(注8)のうち60.4%がいずれかを「利用している」と回答した。そのうち、最も利用率が高かったのはRCEPだった。「利用している」と回答した在中国日系企業のうち、RCEPを利用していると回答したのは、「輸出」で利用している企業の59.8%、「輸入」で利用している企業の64.2%だった。

「利用している」企業のうちRCEPを利用している割合を業種別にみると、「輸出」については製造業では繊維・衣服、電気・電子機器部品がともに87.5%、非製造業では商社・卸売業が58.3%、販売会社が55.6%だった。「輸入」については、製造業では電気・電子機器部品が83.3%、輸送機器部品が57.9%、非製造業では商社・卸売業が75.0%、販売会社、運送業がそれぞれ71.4%だった。

なお、RCEPと同じく、2022年1月1日にカンボジアとの自由貿易協定が発効した。

表3 中国のFTA進捗状況(2023年8月時点)
ステータス 対象国・地域
発効(含む予定) 香港
マカオ
台湾
地域的な包括的経済連携(RCEP)協定 〔注(1)〕
ASEAN(グレードアップ) 〔注(2)〕
パキスタン(第2段階)
チリ(グレードアップ)
ニュージーランド(グレードアップ)
ペルー
シンガポール(グレードアップ)
コスタリカ
アイスランド
スイス
韓国
オーストラリア
ジョージア
モルディブ
モーリシャス
カンボジア
APTA〔注(3)〕
エクアドル
ニカラグア
合計(32カ国・地域)
交渉中 湾岸協力会議(GCC)〔注(4)〕
日本、韓国
スリランカ
ノルウェー
イスラエル
モルドバ
パナマ
韓国(第2段階)
パレスチナ
ペルー(グレードアップ)
共同研究 コロンビア
ネパール
フィジー
パプアニューギニア
カナダ
バングラデシュ
スイス(グレードアップ)
モンゴル

〔注〕(1) 加盟国は、中国、ASEAN、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの15カ国。
(2) 原加盟国は、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、ブルネイ、フィリピンの6カ国。
新規加盟国は、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの4カ国。
(3) 加盟国は、中国、韓国、バングラデシュ、インド、ラオス、スリランカ、モンゴルの7カ国。
(4) 加盟国は、サウジアラビア、クウェート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、
オマーンの6カ国。
〔出所〕商務部ウェブサイトなど

対内直接投資 
対中直接投資は過去最高を更新

2022年の対内直接投資額(実際使用外商直接投資金額)は、前年比8.0%増(商務部発表の伸び率)の1,891億3,000万ドルで、過去最高を更新した。業種別(元建て)では製造業が46.1%増の3,237億元、情報通信・ソフト・情報技術サービス業が15.1%増の1,548億元となった。一方、リース・ビジネスサービス業が2.1%減の2,148億元、不動産業が41.8%減の914億元、卸売り・小売業が12.5%減の961億元となった。

投資元の国・地域別にみると、投資金額の7割以上を占める香港が4.1%増(ドル建て伸び率)となったほか、韓国が65.0%増、日本が17.9%増、ドイツが52.9%増、英国が33.3%増と大幅に伸びた。一方で米国は12.0%減、台湾は22.2%減となった。また、契約額1億ドル以上の外資大型プロジェクトは、前年比15.3%増の6,534億7,000万元に達し、実際使用外商直接投資金額の53.0%を占めた。

外資に対する参入規制緩和も進んだ。2022年1月1日からは外資系企業の投資を制限・禁止する分野を示した「外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)(2021年版)」(国家発展改革委員会、商務部令第47号)が施行された。(1)完成車製造に関する持ち分比率制限と同類の完成車製造の合弁企業数を2社以下とする規制、(2)衛星テレビ放送の地上受信設備と重要部品の生産に関する規制の2点が削減され、制限・禁止対象分野は全31項目となった。

3月25日には外資系を含む全ての企業に適用される「市場参入ネガティブリスト(2022年版)」(発改体改規〔2022〕397号)が施行された。2020年版と比較すると、禁止項目に「違法なニュースメディア関連業務」が追加されたものの、参入許可項目は7項目削減された。また、地方政府や関係部門による独自のネガティブリスト作成禁止も明示された。

10月8日には「天津、上海、海南、重慶での関連行政法規・規定の暫定的調整実施の同意に関する回答」(国函〔2022〕104号) により、サービス業の外資系企業に対する参入規制を、上記4省市に限って2024年4月8日まで試験的に緩和することが発表された。上海市と重慶市では、外資系旅行会社が中国居住者を対象とする国外旅行業務(香港・マカオ向け含む)に参入することを認め、天津市、海南省、重慶市では、外国人投資家の資金援助によって非営利性養老機関を運営する民間の非企業組織の登録が認められた。

10月28日には、外資投資を奨励する分野などを示した「外商投資奨励産業目録2022年版」が公布された(2023年1月1日施行)。全国を対象とする全国版の奨励リストと、中西部地域(注9)の各省・直轄市・自治区の優位性産業リストから構成され、奨励類に該当する項目については、投資総額内で輸入する自家用設備の輸入関税免除(一部例外を除く)や土地の優先供給などの優遇措置を受けることができる。全国版リストでは、製造業を外資系企業の投資の重点とし、最終製品では航空用地上設備、グロー放電式の質量分析計、透過式の電子顕微鏡、工業用水の節水関連設備など、部品ではシールドマシン用ベアリング、自動運転関連のコア部品、高性能軽金属など、原材料では高純度電子化学品、高性能塗料、有機高分子材料などをそれぞれ追加・改定した。技術サービス分野については、低炭素でグリーン・省エネ節水効果のある先進的システムインテグレーションの技術やサービス、環境フレンドリーな技術の開発・応用、洋上風力発電設備、海洋新エネルギー設備の設計・開発などを追加した。ビジネスサービス分野では、風力発電のブレード(羽)や廃棄された太陽光発電モジュールのリサイクル、従来型エネルギーのクリーンな運用やエンジニアリング建設・技術サービス、言語サービスなどが追加・改定された。

表4-1 中国の国・地域別対内直接投資(単位:億ドル、%)(△はマイナス値)
国・地域 対内直接投資
2021年 2022年
金額 金額 構成比 伸び率
香港 1,318 1,372 72.6 4.1
シンガポール 103 106 5.6 2.9
英領バージン諸島 53 66 3.5 24.5
韓国 40 66 3.5 65.0
日本 39 46 2.4 17.9
ドイツ 17 26 1.4 52.9
ケイマン諸島 25 24 1.3 △ 4.0
米国 25 22 1.2 △ 12.0
英国 12 16 0.8 33.3
フランス 7 8 0.4 14.3
台湾 9 7 0.4 △ 22.2
合計(その他含む) 1,810 1,891 100.0 4.5

〔出所〕国家統計局、2023年中国統計摘要

表4-2 中国の業種別対内直接投資(単位:億元、%)(△はマイナス値)
業種 対内直接投資
2021年 2022年
金額 金額 構成比 伸び率
製造業 2,216 3,237 26.3 46.1
リース・ビジネスサービス業 2,193 2,148 17.4 △ 2.1
情報通信・ソフト・情報技術サービス業 1,345 1,548 12.6 15.1
卸売り・小売業 1,098 961 7.8 △ 12.5
不動産 1,571 914 7.4 △ 41.8
交通運輸・倉庫・郵政業 351 347 2.8 △ 1.1
エネルギー・水 生産・供給業 249 276 2.2 10.8
農林畜水産業 55 80 0.6 44.6
住民サービス・修理業・その他サービス業 31 19 0.2 △ 38.6
合計(その他含む) 11,494 12,327 100.0 6.3

〔注〕2021年は銀行・証券・保険を除く。
〔出所〕国家統計局、2021年国民経済と社会発展統計公報、2022年国民経済と社会発展統計公報

表4-3 欧米企業の主な対中直接投資案件(2022年)
業種 企業名 国籍 時期 投資額 概要
自動車関連 フォルクスワーゲン
(VW)
ドイツ 2022年10月 24億ユーロ 自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)グループは傘下のソフトウエア開発子会社カリアド(CARIAD)と、自動運転向けの人工知能(AI)チップを研究開発する北京地平線機器人技術研発(Horizon Robotics)が合弁会社を設立すると発表した。CARIADは約24億ユーロを出資し、60%の株式を取得する。設立する合弁会社は中国市場のニーズに応じて、自動運転に必要な多くの機能を1つの半導体に統合できる技術を開発し、VWグループが中国で生産している電動自動車向けに自動運転ソリューションを提供するとした。
BMW ドイツ 2022年11月 100億元 BMWグループと華晨汽車集団の合弁企業である華晨宝馬汽車は遼寧省瀋陽市で100億元を投資して電気自動車(EV)向け車載電池の生産能力を拡大すると発表した。車載電池について、同社は17年に工場を稼働し、20年に拡張した。車載電池の現地生産能力拡大は同社の電動化発展を加速させる重要な取り組みとした。同社は2022年6月、瀋陽市内で3件目となる総投資額150億元の完成車工場を稼働している。
バイオテクノロジー ベクタービルダー 米国 2022年4月 32億元 遺伝子デリバリーソリューションの世界的企業であるベクタービルダーは、今後5年で32億元を投資して広東省広州市に建設する研究開発および生産拠点の着工式を行った。同拠点は遺伝子治療に向けたCROやCDMOなどの医薬品開発業務受託サービス、基礎研究から臨床アプリケーションまで、遺伝子デリバリーツールの設計、開発、最適化ソリューションを提供する。
医薬 アストラゼネカ 英国 2022年6月 4億5,000万ドル 製薬大手のアストラゼネカは山東省青島市に地域本部と希少疾患のイノベーション研究センターを設立するほか、青島ハイテク産業開発区に吸入剤の生産拠点を建設すると発表した。これと同時に、江蘇省泰州市の生産拠点に1億8,000万ドルを追加投資し、フォシーガ(ダパグリフロジン)の生産ラインを建設すると発表した。
運輸 フェデックス エクスプレス(FedEx Express) 米国 2022年7月 n.a. 世界大手の総合航空貨物輸送会社であるフェデックス エクスプレスは広州白雲国際空港のアジア太平洋地域ハブに、新たなフェデックス・華南オペレーションセンターを開設すると発表した。同センターは4万1,000平方メートルを超える規模となる予定で、2027年の稼働を目指す。同社の中国南部における輸出入貨物の処理・オペレーション効率の向上、地域貿易の円滑化の促進につながる。
環境技術 バラード・パワー・システムズ カナダ 2022年9月 1億3,000万ドル カナダの燃料電池メーカーであるバラード・パワー・システムズ(Ballard Power Systems)は上海市嘉定区人民政府と投資協定を締結したと発表した。今後3年間で新たな中国本社、膜電極接合体(MEA、電解質、電極、触媒などから成る接合体)の生産拠点、R&Dセンターを建設する。建設した生産拠点でMEAの生産能力を約1,300万枚/年、水素燃料エンジン600台の組み立て能力を確保する。
化粧品 ロレアル フランス 2022年10月 n.a. 世界大手の化粧品会社であるロレアルは、江蘇省蘇州工業園区に建設する世界初のスマート運営センターの着工式を行った。同センターは世界をリードする自動化倉庫保管・物流設備と技術を導入し、日用品・化粧品産業のデジタル化・スマート化を促進するとした。2023年第4四半期に本格稼働する見通し。
教育・研修 プライスウォーターハウスクーパース(PwC) 米国 2022年12月 10億元超 プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は海南省三亜市で「Reimagine Park」プロジェクトをスタートさせた。2025年に正式稼働する予定。PwCにとって中国初のキャンパス建設プロジェクトである。没入型・革新的で多次元的な教育プラットフォームを構築し、アジア太平洋を結び、世界に貢献するデジタルでグリーンなモデル園区となることを目指すとしている。
物流 AP モラー・マースク デンマーク 2022年12月 10億元超 海運大手のAP モラー・マースクは上海自由貿易区臨港新区にスマート・グリーン旗艦物流センターを建設すると発表した。2024年第3四半期に正式稼働する予定。同センターは地域内外や越境ECの注文処理や配送など、付加価値の高い総合物流サービスを提供する。
化学 LG化学 韓国 2023年2月 3,000万ドル 化学大手のLG化学は江蘇省無錫市で建設を進めていた技術センターが完成したと発表した。同社の中国生産拠点向け技術ソリューションを提供するという。

〔注〕投資額は各社発表、報道などで金額が発表されていない場合は未記入。
〔出所〕 各社発表、報道などから作成

データ域外移転の手続きなどが明らかに

2022年もサイバーセキュリティー、データ関連の法規整備が進んだ。

2月15日には「サイバーセキュリティー審査弁法」の改正版(国家インターネット情報弁公室等令第8号)が施行された。「100万件を超える個人情報を保有するインターネットプラットフォーム運営者」が海外での上場に当たっての審査対象となるなどの改正が行われた。

9月1日には「データ域外移転安全評価弁法」(国家インターネット情報弁公室令第11号)が施行された。2021年に施行された「データセキュリティー法」および「個人情報保護法」で明文化された、重要データや個人情報の域外移転に対する安全評価義務の適用範囲や手続きなどが明らかになった。

9月12日には国家インターネット情報弁公室により「サイバーセキュリティー法」の改正案が公表された。改正案では過料引き上げなど罰則規定が整備された。

10月28日には工業情報化部が「ネットワーク製品のセキュリティー脆弱性収集プラットフォームの届け出管理弁法 」(工信部網案〔2022〕146号)を発表した(2023年1月1日施行)。弁法では、セキュリティー脆弱性収集プラットフォームを設立する組織・個人に対し、オンライン上で工業情報化部のサイバーセキュリティー脅威・脆弱性情報共有プラットフォームに関連情報について届け出を行うことを義務付けた。

サイバーセキュリティーやデータの取り扱いに関する法規の整備が進む中、在中国日系企業からは運用については前例がなく、手続きなどに不透明な点も多いとの懸念が上がっている。運用に当たって事前ガイダンスの提供や関係政府部門間の調整・連携を図るとともに、外資系企業が差別的に扱われないよう内外無差別の原則を貫徹することが期待される。

対外直接投資 
対外直接投資は2年連続増加

2022年の金融分野を含む中国の対外直接投資額(フロー)は前年比8.8%減の1,631億2,100万ドルとなった。商務部は2022年の中国の対外投資の特徴として、(1)「一帯一路」沿線国への投資協力が着実に進んだこと、(2)一部業界の対外投資が急速に伸びたこと、(3)中国の地方企業による対外投資が活発化したことを挙げた。

表5-1 中国の国・地域別対外直接投資(2022年投資金額順)(単位:万ドル、%)(△はマイナス値)
順位 国・地域 2021年(フロー) 2022年(フロー)
金額 金額 構成比 伸び率
1 香港 10,119,088 9,753,423 59.8 △ 3.6
2 英領バージン諸島 1,397,101 911,595 5.6 △ 34.8
3 シンガポール 840,504 829,538 5.1 △ 1.3
4 米国 558,435 729,208 4.5 30.6
5 ケイマン諸島 1,075,356 576,238 3.5 △ 46.4
6 インドネシア 437,251 454,960 2.8 4.1
7 ルクセンブルク 149,932 325,036 2.0 116.8
8 英国 190,355 282,306 1.7 48.3
9 オーストラリア 192,254 278,588 1.7 44.9
10 マカオ 88,192 212,752 1.3 141.2
日本 76,214 39,648 0.2 △ 48.0
合計(その他含む) 17,881,932 16,312,100 100.0 △ 8.8

〔注〕金融分野を含む。
〔出所〕2022年度中国対外直接投資統計公報

表5-2 中国企業の主な対外直接投資案件(2022年)
業種 企業名 投資国・地域 時期 投資額 概要
自動車関連 寧徳時代新能源科技(CATL) ハンガリー 2022年8月 73億4,000万ユーロ 電気自動車用電池大手の寧徳時代新能源科技はハンガリー東部の都市デブレツェンに100ギガワット時(GWh)規模のバッテリー工場を建設すると発表した。同社にとって欧州2番目の工場となり、ベンツ、BMW、ステランティス、フォルクスワーゲンなどの自動車メーカー向けに電池セルとモジュールを製造する。
比亜迪
(BYD)
タイ 2022年9月 n.a. 電気自動車大手の比亜迪はタイの工業・物流系デベロッパーであるWHAグループと工場用地の購入などに関する契約を結んだ。同社初の完成車の海外工場を建設する。同工場は2024年に操業を開始し、右ハンドル車を中心に年間約15万台を生産する。タイ国内および周辺諸国向けに出荷する計画だ。
国軒高科 アルゼンチン
ドイツ
2022年6月 n.a. リチウムイオン電池メーカーの国軒高科はアルゼンチンのフフイ州鉱業公社(JEMSE)と合弁で同国に電池用炭酸リチウム精製工場を建設すると発表した。第1期プロジェクトの年間生産能力は1万トンとなる予定。また、双方はリチウムイオン電池産業の川下でも協力し、正極材や電池製造などで業務提携を行い、欧米市場を共同で開拓する。
また、国軒高科は同月、ドイツのゲッティンゲンに同社の欧州初の電池生産・運営基地を設立すると明らかにした。同プロジェクトはブラウンフィールドとグリーンフィールドの2期に分けて建設され、年間生産目標はそれぞれ6ギガワット時(GWh)と12ギガワット時(GWh)となっている。そのうち、第1期の建設は2022年末に完了し、2023年9月には第1生産ライン3.5ギガワット時(GWh)が生産開始の予定。
遠景動力
(Envision AESC)
米国 2022年11月 n.a. 電気自動車用リチウムイオン電池を生産する遠景動力は米国サウスカロライナ州に電池工場を新設すると発表した。年産能力は30ギガワット時(GWh)で、2026年に稼働する予定。自動車大手BMW向けに製品を供給する。遠景動力は2022年4月に自動車大手ベンツのEVシフトに対応するため、ケンタッキー州に電池工場を建設すると発表した。
バイオ医薬 無錫薬明康徳新薬開発
(WuXi AppTec)
シンガポール 2022年7月 14億3,000万ドル 製薬大手でバイオ医薬の研究開発と製造を手がける無錫薬明康徳新薬開発はシンガポールに研究開発・製造拠点を設立すると発表した。今後10年で20億シンガポール・ドルを投じ、新薬の開発を加速する。
鉄鋼 宝山鋼鉄 サウジアラビア 2023年5月 4億3,750万ドル 大手鉄鋼メーカーの宝山鋼鉄はサウジアラビア国営石油会社サウジアラムコおよび政府系ファンドの公的投資基金(PIF)と、鋼板生産の合弁会社を設立することで合意したと発表した。宝山鋼鉄が50%、アラムコとPIFはそれぞれ25%の株式を保有する。年間生産能力は直接還元鉄が250万トン、鋼材が167万トン、鋼板が150万トンとなる予定。
物流 中遠海運港口
(COSCO Shipping Ports)
エジプト 2023年3月 3億7,500万ドル 港湾運営の中遠海運港口はエジプトSokhna New Container Terminalの株式25%を取得したと発表した。Sokhna New Container Terminalは同社とパートナー企業との合弁ターミナル会社が建設・運営するプロジェクトである。運営期間は30年で、完成後の処理能力は170万TEU(20フィートコンテナ換算)に達する。
金属 浙江海亮 インドネシア 2023年2月 59億元 非鉄金属メーカーの浙江海亮はインドネシアにリチウムイオン電池向け銅箔の生産工場を設けると発表した。年産能力は10万トン、2期に分けて建設し、1期は2025年までに、2期は2027年までにそれぞれ完工する見通し。
IT 網易
(ネットイース)
フランス 2022年8月 n.a. ポータルサイト運営の網易のオンラインゲームサービス部門がフランスのゲーム開発会社のクアンティック・ドリームを買収した。同社初の欧州拠点となる。クアンティック・ドリームは買収後も独立した運営を続ける。
レジャー・エンターテインメント 海昌海洋公園 サウジアラビア 2023年4月 n.a. レジャー施設運営大手の海昌海洋公園はサウジアラビア政府の投資省と同国での観光投資分野に関する協力覚書を交わしたと発表した。サウジアラビア初の海洋公園を開発する計画。

〔注〕投資額は各社発表、報道などで金額が発表されていない場合は未記入。
〔出所〕 各社発表、報道などから作成

対日関係 
日中貿易は減少も過去3番目の規模

2022年の日中貿易を日本の財務省貿易統計と中国の税関統計を基に「双方輸入ベース(注10)」でみると、貿易総額は前年比4.6%減の3,735億3,743万ドルだった。過去最高を更新した前年から減少に転じたが、2011年(3,784億2,490万ドル)に次ぐ過去3番目の金額となった。

日本の輸出(中国の対日輸入、以下同じ)は前年比10.3%減の1,848億3,070万ドル、輸入(日本の対中輸入、以下同じ)は1.7%増の1,887億673万ドルとなった。日本の中国に対する貿易収支は6年ぶりに輸入超過となり、38億7,602万ドルの赤字となった。

日本からの輸出を品目別にみると、HSコード2桁ベースで構成比1.0%以上の品目では全品目が前年から減少した。特に、半導体製造用の機器などの機械類(第84類)や集積回路などの電気機器(第85類)の落ち込みが全体を引き下げた。なお、HSコード4~6桁をみると、乗用車(8703)は9.2%増となり3年ぶりに増加した。うちガソリン車(870321~870324)は28.5%増と4年ぶりに増加したものの、ハイブリッド車(870340および870350)は12.0%減となり、HSコードの改正により当該品目が2017年に新設されて以降、初めて減少した。

輸入を品目別にみると、前年に急増したスマートフォンなどの携帯電話端末、モニターやプロジェクターなどの受像機器などが減少した。機械類は5年連続の増加から減少となり、衣類および衣類付属品も前年の増加から減少に転じた。他方で、玩具、遊戯用具および運動用具と、鉄道用および軌道用以外の車両は、それぞれ2年連続増加を維持し、無機化学品(第28類)は、価格上昇を背景に急増した。

財務省貿易統計によると、2022年の日本の輸出額に占める中国の構成比は19.4%と、前年より2.3ポイント低下した。輸入額に占める構成比も21.0%となり、3.0ポイント低下した。その結果、貿易総額に占める構成比は20.3%と前年より2.6ポイント低下し、2014年(20.4%)以来の低水準となった。日本の対世界貿易において、対中貿易総額は2007年以降16年連続、対中輸入額は2002年以降21年連続で1位となった。対中輸出額は2019年に米国を下回り2位だったが、2020年以降は3年連続で1位となった。

表6-1 日本の対中国主要品目別輸出[双方輸入:通関ベース] (単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値)
HSコード品目 金額 伸び率 構成比 寄与度
総額 184,830,702 △ 10.3 100.0 -
第85類 電気機器およびその部分品 50,225,979 △ 8.2 27.2 △ 2.2
8542 集積回路 20,113,274 △ 10.0 10.9 △ 1.1
8541 ダイオード、トランジスターその他これら
に類する半導体デバイス、光電性
半導体デバイス(光電池を含む)
4,478,460 △ 5.4 2.4 △ 0.1
8532 コンデンサー 4,080,608 △ 9.4 2.2 △ 0.2
8536 電気回路の開閉用、保護用または接続
用の機器
3,694,477 △ 14.0 2.0 △ 0.3
8504 トランスフォーマー、スタティックコ
ンバーターおよびインダクター
2,263,947 △ 17.4 1.2 △ 0.2
8524 フラットパネルディスプレイモジュール 2,186,104 1.2 1.1
8534 印刷回路 1,934,623 2.7 1.0 0.0
第84類 原子炉、ボイラーおよび機械類 36,907,375 △ 16.4 20.0 △ 3.5
8486 半導体、集積回路またはフラットパネル
ディスプレイの製造用機器
10,737,073 △ 16.9 5.8 △ 1.1
8479 機械類(固有の機能を有するものに限る) 4,403,054 △ 17.6 2.4 △ 0.5
8481 コック、弁 1,894,947 △ 9.7 1.0 △ 0.1
8443 印刷機とその部分品および付属品 1,866,862 △ 16.6 1.0 △ 0.2
第87類 鉄道用および軌道用以外の車両 15,602,406 △ 2.8 8.4 △ 0.2
8703 乗用自動車その他の自動車 9,698,945 9.2 5.2 0.4
8708 自動車の部分品および附属品 5,615,919 △ 18.1 3.0 △ 0.6
第90類 光学機器、写真用機器、映画用機器、
測定機器、検査機器、精密機器および
医療用機器
13,904,505 △ 22.9 7.5 △ 2.0
9001 光ファイバー、光ファイバーケーブル、
偏光材料製のシートおよび板並びにレンズ
2,568,869 △ 6.7 1.4 △ 0.1
9031 測定用・検査用の機器および輪郭投影機 2,417,689 △ 14.5 1.3 △ 0.2
第39類 プラスチックおよびその製品 10,531,808 △ 11.4 5.7 △ 0.7
3920 プラスチック製のその他の板、シート、
フィルム、はくおよびストリップ
2,845,716 △ 17.3 1.5 △ 0.3
第29類 有機化学品 5,616,407 △ 2.8 3.0 △ 0.1
2902 環式炭化水素 2,331,631 23.4 1.3 0.2
第74類 銅およびその製品 5,538,435 △ 1.5 3.0 △ 0.0
7403 精製銅または銅合金の塊 2,011,049 5.2 1.1 0.0
7404 銅のくず 1,947,367 5.4 1.1 0.0
第72類 鉄鋼 5,491,464 △ 6.8 3.0 △ 0.2
第33類 精油、レジノイド、調製香料および化粧品類 5,087,154 △ 10.0 2.8 △ 0.3
3304 化粧品類(美容用、メーキャップ用調整品等) 4,509,984 △ 9.7 2.4 △ 0.2
第38類 各種の化学工業生産品 4,609,610 △ 4.7 2.5 △ 0.1
3824 鋳物用の鋳型、中子の調製粘結剤、化学工
業において生産される化学品および調製品
2,079,231 △ 19.7 1.1 △ 0.2
第71類 真珠、貴石、半貴石、貴金属および
これらの製品、身辺用模造細貨類並びに貨幣
3,510,277 △ 3.3 1.9 △ 0.1
第73類 鉄鋼製品 2,367,087 △ 10.5 1.3 △ 0.1
第34類 せっけん、有機界面活性剤、洗剤、調製潤滑剤 2,001,878 △ 8.5 1.1 △ 0.1

〔注1〕輸出額は中国の通関統計による対日輸入額。貿易データベースGlobal Trade Atlas(ドルベース)を基に作成。
〔注2〕2桁分類で構成比1.0%以上を抽出(輸出12)し、金額降順。
〔注3〕太字は2桁分類の金額ベースで上位5位。
〔出所〕Global Trade Atlasよりジェトロ作成

表6-2 日本の対中国主要品目別輸入[双方輸入:通関ベース] (単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値)
HSコード品目 金額 伸び率 構成比 寄与度
総額 188,706,725 1.7 100.0
第85類 電気機器およびその部分品 53,399,012 △ 1.2 28.3 △ 0.4
8517 電話機およびその他の機器 20,237,869 △ 7.1 10.7 △ 0.8
8541 ダイオード、トランジスター
その他これらに類する半導体デバイス、
光電性半導体デバイス(光電池を含む)
2,715,396 9.0 1.4 0.1
8504 トランスフォーマー、スタティックコンバー
ターおよびインダクター
2,699,201 7.0 1.4 0.1
8528 モニター、プロジェクターおよび受像機器 2,680,796 △ 18.5 1.4 △ 0.3
8542 集積回路 2,632,998 7.9 1.4 0.1
8544 電気絶縁をした線、ケーブル
および光ファイバーケーブル
2,388,512 3.6 1.3 0.0
8516 家庭用電熱機器(電子レンジ、オーブン
レンジおよびヘアドライヤー等)
1,812,739 △ 6.1 1.0 △ 0.1
第84類 原子炉、ボイラーおよび機械類 33,836,707 △ 3.9 17.9 △ 0.7
8471 自動データ処理機械 13,574,629 △ 9.7 7.2 △ 0.8
8415 エアコンディショナー 2,222,564 △ 4.7 1.2 △ 0.1
8443 印刷機、その他のプリンター、
複写機およびファクシ ミリ
2,025,521 1.7 1.1 0.0
8431 建設機械および荷役機械の部分品 1,906,274 13.5 1.0 0.1
第61類 衣類および衣類附属品(メリヤス
編みまたはクロセ編みのものに限る)
7,480,713 △ 0.6 4.0 △ 0.0
6110 ジャージー、プルオーバー、カーディガン、
ベ ストその他これらに類する製品
2,680,930 1.6 1.4 0.0
第62類 衣類および衣類附属品(メリヤス
編みまたはクロセ編みのものを除く)
6,323,841 △ 0.5 3.4 △ 0.0
第39類 プラスチックおよびその製品 5,824,110 0.1 3.1 0.0
3926 その他のプラスチック製品およびHSコード 3901~3914の材料から成る製品 2,181,335 △ 7.3 1.2 △ 0.1
第95類 玩具、遊戯用具および運動用具 5,714,359 7.1 3.0 0.2
9503 三輪車、その他車輪付き玩具、人形、
縮尺模型およびパズル等
2,217,136 11.9 1.2 0.1
9504 ビデオゲーム用のコンソールおよび機器等 2,000,088 3.2 1.1 0.0
第94類 家具、寝具 5,525,701 △ 3.8 2.9 △ 0.1
9401 腰掛けおよびその部分品 1,865,146 △ 5.6 1.0 △ 0.1
第90類 光学機器精密機器および医療用機器 5,519,519 △ 1.4 2.9 △ 0.0
第28類 無機化学品および貴金属、希土類金属 5,462,772 64.1 2.9 1.1
第87類 鉄道用および軌道用以外の車両 5,087,694 9.9 2.7 0.2
8708 自動車の部分品および付属品 3,222,421 9.6 1.7 0.2
第29類 有機化学品 4,963,311 11.0 2.6 0.3
第73類 鉄鋼製品 4,599,646 5.0 2.4 0.1
第63類 紡織用繊維のその他の製品 3,602,157 2.8 1.9 0.1
第16類 肉、魚または甲殻類、軟体動物もしくは
その他の水棲無脊椎動物の調製品
2,463,468 5.4 1.3 0.1
第64類 履物およびゲートル 2,405,727 7.6 1.3 0.1
第38類 各種の化学工業生産品 2,268,019 57.5 1.2 0.4
第42類 革製品、ハンドバッグ 2,207,253 7.3 1.2 0.1
4202 バッグ、財布、ケース等 2,039,615 7.7 1.1 0.1
第76類 アルミニウムおよびその製品 2,203,623 5.4 1.2 0.1
第72類 鉄鋼 1,953,479 21.5 1.0 0.2

〔注1〕輸入額は日本の財務省貿易統計による対中輸入額。貿易データベースGlobal Trade Atlas(ドルベース)を基に作成。
〔注2〕2桁分類で構成比1.0%以上を抽出(輸入17)し、金額降順。
〔注3〕太字は2桁分類の金額ベースで上位5位。
〔出所〕Global Trade Atlasよりジェトロ作成

日本側統計では日本からの投資は減少

2022年の日本の対中直接投資額(フロー、ネット)を日本の国際収支統計(注11)でみると、前年比10.9%減の1兆2,070億円だった。

業種別(注12)にみると、製造業は5.7%減の7,409億円、非製造業は30.4%減の3,547億円となった。投資全体に占める非製造業の構成比は前年の39.4%から32.4%に縮小した。製造業では輸送機械器具が11.6%増の3,068億円、化学・医薬が84.8%増の2,205億円、一般機械器具が32.5%増の1,514億円となった。一方で、電気機械器具が457億円、精密機械器具が105億円、ゴム・皮革が360億円の流出超過となり製造業全体では減少した。非製造業では卸・小売業が4.1%減の2,746億円、金融保険業が43.9%減の1,004億円、サービス業が57.6%減の93億円となったほか、不動産業が550億円の流出超過となるなど、幅広く減速した。

ジェトロの「2022年度海外進出日系企業実態調査(中国編)」によると、今後1~2年の中国での事業展開の方向性について「拡大」と回答した企業は33.4%と、2021年(40.9%)から7.5ポイント低下し、調査として比較可能な2007年以降最低となった。ただし、「縮小」は4.9%、「第三国(地域)へ移転・撤退」は1.4%で、合わせて6.3%(2.5ポイント上昇)にとどまった。投資拡大には慎重な姿勢が強まっているものの、多くの企業が引き続き中国でビジネスを行う方針に変わりはない様子だ。

中国からはゲーム事業などの投資

中国の対日投資案件をみると、中国の認証業務を行う中国品質認証センター(CQC)は2022年6月29日、日本ブランチを設立した。拠点は中国検験認証集団の日本子会社であるCCIC・JAPAN内に設置される。

NetEaseのオンラインゲーム事業部であるNetEase Gamesは11月1日、大阪府に100%出資のゲームスタジオ「GPTRACK50」を設立したと発表した。同社は人気ゲーム「荒野行動」などを手掛ける。オリジナルゲームの製作や、映像化、ノベライズなどのIP育成を行う。

(注1)現地報道では、地方政府などから10万人以上が参加したとされる。
(注2) 感染者の能動的かつ迅速な発見を行い、感染者に対して速やかに疫学的調査、診断、隔離、治療を行い、コミュニティー(社区)内で持続的に感染が広がることを防ぐものとされる。
(注3)都市調査失業率は国際労働機関(ILO)の基準により作成されている。
(注4)公有制経済を揺るぐことなく強固にし、発展させ、非公有制経済の発展を揺るぐことなく奨励し、支援し、誘導することを指す。
(注5)中国は2022年5月1日からミャンマーに対しても、RCEP協定税率を適用している。
(注6)日本商工会議所が第三者証明制度により発給するEPAに基づく原産地証明書。RCEPのほか日本・タイ、日本・インドネシア、日本・インドなどが対象となっている。
(注7)中国進出日系企業に対する、現地での活動実態に関するアンケート調査。2022年8~9月に実施。
(注8)輸出入品目の一般関税が0%であったり、FTA・EPA・GSP以外の関税減免制度を利用している場合などを除く。
(注9)目録における中西部地域とは、山西省、内モンゴル自治区、遼寧省、吉林省、黒龍江省、安徽省、江西省、河南省、湖北省、湖南省、広西チワン族自治区、海南省、重慶市、四川省、貴州省、雲南省、チベット自治区、陝西省、甘粛省、青海省、寧夏回族自治区、新疆ウイグル自治区を指す。地理的には中西部地域と東北部地域が含まれている。
(注10)貿易統計は輸出を仕向地主義、輸入を原産地主義で計上しており、香港経由の対中輸出(仕向地を香港としている財)が、日本の統計では対中輸出に計上されない。他方、中国の輸入統計には日本を原産地とする財が全て計上されることから、両国間の貿易は双方の輸入統計のデータがより実態に近いと考えられる。
(注11)財務省ウェブサイトで公表されている「対外直接投資の総括表」に基づく。データは2023年4月年次改訂版。
(注12)日本銀行ウェブサイトで公表されている「業種別・地域別直接投資」に基づく。データは2023年4月10日、5月11日改訂版。関連会社から親会社への投資を、親会社による投資の回収として計上している(親子関係原則)。そのため、合計金額は「対外直接投資の総括表」の金額とは異なる。

基礎的経済指標

人口
14億1,175万人(2022年)
面積
960万平方キロメートル
1人当たりGDP
1万2,814米ドル(2022年)
(△はマイナス値)
項目 単位 2020年 2021年 2022年
実質GDP成長率 (%) 2.2 8.4 3.0
消費者物価上昇率 (%) 2.5 0.9 2.0
失業率 (%) 5.2 5.1 5.5
貿易収支 (100万米ドル) 523,990 670,412 877,603
経常収支 (100万米ドル) 248,836 352,886 401,855
外貨準備高(グロス) (100万米ドル) 3,238,782 3,313,920 3,189,689
対外債務残高(グロス) (100万米ドル) 2,400,807 2,746,600 2,452,765
為替レート (1米ドルにつき、人民元、期中平均) 6.90077 6.44898 6.73716

注:
1人当たりGDP:推計値。
失業率:都市部の調査失業率。
出所:
人口、実質GDP成長率、消費者物価上昇率、失業率:中国統計摘要2023
面積:中国政府網
1人当たりGDP、外貨準備高(グロス)、為替レート:IMF
貿易収支:中国海関統計2022年12月号
経常収支、対外債務残高:国家外貨管理局ウェブサイト