セミナー開催レポートアフリカ・ビジネスセミナー:アフリカの市場可能性と現地ビジネス情報(2012年7月)
2012年7月
途上国貿易開発部
ジェトロ大阪本部
ジェトロ名古屋
2013年6月に第5回アフリカ開発会議(TICADV)開催を控える中、アフリカの市場としての可能性、新たな調達先としての可能性を伝えることで、日本とアフリカの貿易取引拡大の一助となることを目的に、ジェトロは、2012年7月、アフリカ・ビジネスセミナーを開催した。
本セミナーは、東京、大阪、名古屋会場にて開催し、計403名(東京:238名、大阪:110名、名古屋:55名)の方にご出席いただいた。
南アフリカを中心としたサブサハラビジネス概況
ジェトロ・ヨハネスブルク事務所 次長 猪狩 克朗
サブサハラ地域は、資源開発や外国直接投資の進展、中間所得層の拡大、累積債務の削減、政治的な安定などが成長要因となり、IMFの予測では2016年まで高成長(5.4%)が続くとされている。サブサハラGDPの3割を占める南アフリカ、多くの人口と豊富な石油資源を有するナイジェリア、東アフリカ共同体(EAC)加盟国として域内貿易を拡大しているケニア、タンザニア、ウガンダ、政治的な混乱からの復興が期待されるコートジボワールとマダガスカル等、各国の政治経済状況を説明した。
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「南アフリカを中心としたサブサハラビジネス概況」資料
(2.1MB)
- 経済発展の基礎が築かれつつあるサブサハラ−アフリカビジネスセミナー(1) (通商弘報 2012年7月30日)
- ジェトロ・オンラインセミナー「南アフリカを中心としたサブサハラビジネス概況」
アフリカで活躍する企業-事例紹介
ジェトロ海外調査部 主任調査研究員 大木 博巳
アフリカ市場に参入する魅力と課題を、先行事例を元に説明。欧州の、ネスレ、ダノン、ロレアル、グルンドフォス、韓国のサムスン電子、インドのバーティ・エアテル、エマミ、中国の公的支援によるインフラ投資、日本の味の素、サラヤ、第一三共、パイロット等の事例を紹介し、低所得者層(BOP層)に浸透するブランドの構築や、伝統市場やNGOのネットワークを活用した流通の確保がポイントであることを説明した。
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「アフリカで活躍する企業~事例紹介」
(2.5MB)
- 活躍する企業の戦略は多様−アフリカビジネスセミナー(2) (通商弘報 2012年7月31日)
- ジェトロ・オンラインセミナー「アフリカで活躍する企業」
アフリカビジネスの魅力
株式会社FAREAST 佐々木 敏明 氏(東京会場)
食品・雑貨の輸入販売を手がける同社は、アフリカ、中東、南米、北米、欧州、アジアなどの約20カ国と貿易を行い、商品の規格・デザイン、営業・販売を一貫して手掛けている。現地のモノをそのまま輸入するのではなく、商品や包装デザインなどを開発して市場に投入する「開発輸入」と「ハイエンド市場をターゲット」が同社の特徴。エジプトのデーツ、ウガンダのオーガニックドライフルーツ、ジプチの塩などの商品開発の事例を紹介した。
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「アフリカビジネスの魅力(FAREAST)」
(7.5MB)
- 商材にまつわる物語を販売に生かす−アフリカビジネスセミナー(3) (通商弘報 2012年8月1日)
アフリカビジネスの魅力
小林桂株式会社 常深 克典 氏(大阪会場)
スパイス・ハーブ・ナッツの専門商社である同社は、モロッコからコリアンダーシード、タンザニアからクローブ、エジプトからバジルやハイビスカス、ガーナからミラクルフルーツなど多種多様なスパイス・ハーブを輸入している。2010年度・2011年度にジェトロの開発輸入企画実証事業に採択され、モロッコでの唐辛子栽培プロジェクトを実施。沢山あるアフリカの有望品として、ナイジェリアのジンジャー、エジプトのガーリックやオニオン、ガーナのグレインオブパラダイスなどを紹介した。
「アフリカビジネスの魅力」
株式会社ヴォークス・トレーディング(名古屋会場)
プロフェッショナルなフードエンジニアリングを通じてソリューションを提供する「食」の商社である同社は、輸入スパイスのリーディングカンパニーである。現在、世界50カ国100社から食材を扱っている。アフリカからの食材として、モロッコからはコリアンダー、南アフリカから落花生、ウガンダからのバニラなどを消費者に届けている。また同社はジェトロの開発輸入企画実証事業で採択されエジプトのバジルの品質を上げるため異物除去に取組むなど開発・輸入の事例を紹介した。