インドに挑む日本人 酪農やオーガニック野菜に商機

2024年05月31日

インドの人口は世界最大の14億人! そして実は、酪農家数、乳牛の頭数、生乳の生産量でも世界第1位! こうしたなか、日本企業が新たな製品を開発し、巨大市場に挑もうとしている。さらに、オーガニック野菜や自家製チーズを広めようとする起業家も。消費者の心を捉えるには? ニューデリー、ベンガルールなどでヒントを探る!

(12分54秒)

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テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: 白い壁の店舗の中にある、ステンレス製のガス台。大きな鍋に、なみなみと入った白い液体から、湯気が立ちのぼっている。ボーダー柄のTシャツを着た男性が、大きい鍋の中の白い液体をカップですくって顔の高さまで持ち上げ、鍋に注ぎ入れる動作を繰り返している。 大きな鍋に白い液体が注ぎ入れられる様子のアップ。 ボーダー柄のTシャツを着た男性が、片手鍋に入った薄茶色(うすちゃいろ)の液体を、茶こしを通して高い位置から紙コップに注いでいる。

テロップ: インド ニューデリー

映像説明: 紙コップに入った飲み物のアップ。表面に白い泡が浮かんでいる。

テロップ: チャイ

ナレーション: たっぷりの牛乳で作る、熱々のお茶。インドのチャイ。

映像説明: 火にかけている片手鍋に入った薄茶色(うすちゃいろ)のチャイに黒い粉末を振り入れ、鍋を揺らしている手元。 ボーダー柄のTシャツを着た男性が、大きな鍋に入った白い液体からスプーンで泡をすくい、紙コップに入ったチャイの表面に載せる。 ボーダー柄のTシャツを着た男性が、泡立ったチャイがいっぱいに入った片手鍋を火にかけて揺すっている。

ナレーション: ショウガやスパイスを入れたり、ミルクの泡を足したり、店によってスタイルは、さまざま。

映像説明: チャイの露店。サーモンピンクのシャツを着た男性が、つぼ型の鍋に入ったチャイを、ひしゃくですくい、茶こしを通して別の鍋に移している。 サーモンピンクのシャツを着た男性が、赤茶色(あかちゃいろ)のコップに注いだチャイを撮影スタッフに手渡し、インタビューに答える。

テロップ: チャイ店の店員

チャイ店の店員・ヒンディー語: 砂糖と紅茶とカルダモンが入っている。

映像説明: 露店が並ぶ通り。あごひげを生やした男性が、スクーターの後部と足元に大容量のプラスチック容器を目一杯積んで、道端に止まっている。 あごひげを生やした男性が足元に積んでいるプラスチック容器に持ち手を付け、地面に降ろす。 露店の調理台。白いクリームソースの料理のようなもの入った浅型の大きな鍋。

ナレーション: インドでは乳製品を使った食べ物や飲み物が多い。インド国民の貴重な栄養源だ。

映像説明: 銀色のバケツに、両手で牛の乳を搾っている手元。 壁がない、屋根と柱がむき出しの牛舎で、薄黄色(うすきいろ)のTシャツを着た男性が、バケツに入った生乳を量りに載せた別のバケツに移し替えている。 牛舎内の餌場(えさば)。黒や茶色の牛が頭を並べて餌を食べている。 牛舎内の餌場(えさば)の別の一角。黒い牛が並んで餌を食べている。

テロップ: 世界最大の酪農大国

ナレーション: 実はインドは、酪農家の世帯数、牛の頭数ともに世界第1位。

映像説明: 高い所から見下ろした、色とりどりの服を着た人々が行き交う市場(いちば)。荷物を入れた大きい袋を頭や肩に乗せた人々が、あいだをぬうように歩いている。 たくさんの露店が建ち並ぶ通り。店先を眺める男性や何段にも積み重ねた手のひらサイズのスイカをリヤカーで運んでいく男性の姿がある。

テロップ: 人口は世界最多に

ナレーション: また、インドの人口は、2023年、中国を抜いて世界最多に。

映像説明: 白い壁に手編みのタペストリーが掛けられた室内。手前のガラステーブルには、黄色い液体が入った瓶が、十数個積まれている。木目調のテーブルを囲んで6人の日本人(にほんじん)が座っている。緑色(みどりいろ)のエプロンを着けた日本人男性(にほんじんだんせい)が壁際に立ち、ファイルを手に話をしている。

ナレーション: この巨大市場に、新たな製品を売り込もうとチャレンジしている日本人(にほんじん)がいる。

映像説明: 白とエメラルドグリーン色(いろ)の壁の室内で、緑色(みどりいろ)のエプロンを着けた日本人男性(にほんじんだんせい)がインタビューに答える。

テロップ: 秀イノベーティブLAB(しゅうイノベーティブラボ) 家村 秀也(いえむら ひでや) CEO

家村CEO: (当社の商品を)知らないだけで、知ってもらったら、きっとファンになってくれると思います。 地道で、非効率かもしれないけど、やっぱ、ちゃんと説明することから始めようかなあと思ってます。

映像説明: 白い壁に手編みのタペストリーが掛けられた室内。前髪を下ろしたショートヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)と、前髪を分けたショートヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)が、テーブルを囲んで座っている人たちに話をしている。前髪を下したショーヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)は紫色のカリフラワーを手に持っている。

テロップ: インドでオーガニック食品

ナレーション: さらに、インドでは、まだ珍しい、オーガニック食品を広めようとする人も…。

映像説明: 店内。さまざまな商品が陳列された棚の前で、リュックサックを背負った家村CEOが缶を手に取り、ラベルを眺めている。 前髪を分けたショートヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)と、白髪の男性が、「HASORA(ハソラ)」などの文字がある看板が設置された縦型の冷蔵ショーケースの前で談笑している。

テロップ: インドに挑む日本人(にほんじん) 酪農やオーガニック野菜に商機

ナレーション: インドで奮闘する日本の起業家たち。新たな食品市場に迫る、彼らの挑戦を追った。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。各国のさまざまな人々の笑顔や、農作物(のうさくぶつ)を収穫している様子、ガントリークレーンが並んでいる港、緑色(みどりいろ)の仏像、小型飛行機や新幹線、バイクなどの乗り物や生き物など、世界中のいろいろな写真が現れて白い画面を埋めていく。連なった写真に重なるように世界地図のCGが浮かび上がり、中央に紺色の文字で「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」と書かれたタイトルテロップが表示される。

映像説明: 市街地を走る車の中からの車窓風景。高架下(こうかした)の車道を多くの車やバイク、オートリキシャが走っている。 画面右下の四角い枠にインドの地図が表示される。インド国土が緑(みどり)で示され、北部にあるグルグラムが赤い星印で示されている。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): インドでオーガニック食品!? ヨーグルトや野菜も

ナレーション: インド、グルグラム。

映像説明: 街路樹のあるテラス席で、ストライプ柄のシャツを着た男性と白いTシャツを着た男性が談笑している。 木目調の外壁から突き出した丸い看板。カレーライスのイラストの下に、赤茶色(あかちゃいろ)の背景に白文字で「CoCoICHIBANYA(ココイチバンヤ)」などと書かれている。

ナレーション: 首都ニューデリーの近郊にある都市で、今、目覚ましい発展を遂げている。

映像説明: 窓際にディスプレーされたカレーライスの食品サンプル。ロースカツとスクランブルエッグが載ったカレーライスや、色とりどりの野菜が載ったカレーライスなどが置かれている。 ガラス張りの建物の外観。赤の背景に白文字で「UNIQLO(ユニクロ)」と書かれた四角い看板が掲げられている。ガラス張りの店内に、シャツやジーンズを着たマネキンが何体も並んでいるのが見える。

ナレーション: 日本ブランド(にほんブランド)の飲食店や商品、さらに衣類の店も建ち並ぶ。

映像説明: インドの民族衣装、パンジャビードレスを着た女性が笑顔でカメラを招き入れる。大きく開かれた茶色いドアの向こうに白い壁のキッチンが見える。

パンジャビを着た女性: ハロー、コンニチハ(こんにちわ)。 ウェルカム トゥー マイ キッチン。

映像説明: キッチンカウンターの上には、半分に切られたスイカやビニール袋に包まれた、さまざまな野菜が置かれている。 パンジャビードレスを着た女性が、片手鍋に入った赤い液体をグラスに注ぐ。

ナレーション: グルグラムの中心地に住む、こちらの女性。日本企業(にほんきぎょう)と取り引きのあるメーカーで働いていて、この日は今、帰宅したばかりだという。

映像説明: パンジャビードレスを着た女性が、透明の容器に入ったペースト状のものを口に運び、カメラに笑顔を向ける。

パンジャビードレスを着た女性: オイシイ!

映像説明: キッチンカウンターの上に置かれた、透明の丸い容器に入った薄緑色(うすみどりいろ)のペーストのアップ。

テロップ: モリンガ入り ヨーグルト

ナレーション: 彼女が食べているのは、蜂蜜とインドの薬草、モリンガの粉末を入れたヨーグルト。

映像説明: パンジャビードレスを着た女性が、蜂蜜が入った瓶や茶色の袋をカメラに見せながら話している。 パンジャビードレスを着た女性が、茶色いスタンドパウチを手に持ち、話をしている。カタカナで「オーガニック・モリンガパウダー」と書かれたラベルが貼られている。 「オーガニック・モリンガパウダー」と書かれたラベルのアップ。

テロップ: オーガニック食品

ナレーション: しかも、蜂蜜もモリンガも、ヨーグルトも、すべてオーガニック。

映像説明: 白い壁のキッチンカウンターの前で、パンジャビードレスを着た女性がインタビューに答える。

テロップ: オーガニック食品を購入している女性

オーガニック食品を購入している女性・英語: 年齢を重ねて、子どもが生まれてから、健康に気を遣うようになったわ。 有害な殺虫剤や肥料を食べ物と一緒に体に入れたくないの。 野菜や牛乳に入っていないか心配。

映像説明: オーガニック食品を購入している女性が、金属製のざるに載せたニンジン、ズッキーニ、ナスなどの野菜や、瓶やプラスチックボトルに入った牛乳を手に取って見せる。

ナレーション: 家にある食品の、ほとんどがオーガニックで、牛乳も、そのまま飲むためのものと、料理に入れるものと、それぞれ買いそろえるほどの、こだわりぶり。

映像説明: 食料品店。赤や黄緑色(きみどりいろ)など、さまざまなパッケージの商品が、ずらりと陳列されている。 ピンク色の袋に入った「ORGANIC MASOOR DAL(オーガニック マスール ダル)」と書かれたパッケージのアップ。 ターバンを巻いた男性が描かれた袋に入った「UNPOLISHED MOONG DAL(アンポリッシュド ムング ダル)」と書かれたパッケージのアップ。

ナレーション: しかし、インドのオーガニック製品は発展途上。商品の表示はさまざまで、詳しい生産地や農家の情報は分からないことも。

映像説明: 白い壁のキッチンで、オーガニック食品を購入している女性がインタビューに答える。

テロップ: オーガニック食品を購入している女性

オーガニック食品を購入している女性・英語: (製品によっては)価格も高く、本当にオーガニックか不安に思う。

映像説明: 「OPEN」のプレートが掛かったガラスのドアを開け、店内へ入っていく。 店内の木目調の棚には、茶色の袋や小さな瓶、ボトルに入った調味料や野菜など、さまざまな商品が並んでいる。

テロップ: Urbana Superfoods(ウルバナ スーパーフーズ)

ナレーション: そんな彼女が安心して買い物をしているというのが、こちらのお店。

映像説明: 木目調の棚に並んだ野菜。ほうれん草やブロッコリー、ズッキーニなどの野菜が置かれ、手前には、日本語とヒンディー語と英語で書かれた食品名のポップが貼られている。

ナレーション: グルグラムのショッピングモールにある、オーガニック食品店。

映像説明: 木目調の棚に、バスケットに入った、大根、とうもろこし、ピーマンが並んでいる。 あごひげを生やした男性が、野菜コーナーの前で葉物野菜(はものやさい)を手に取っている。

ナレーション: 契約農家から直送された野菜などが売られていて、その新鮮さが人気を呼んでいる。

映像説明: 店内のガラスのドアの前で、あごひげを生やした男性がでインタビューに答える。

テロップ: お客

お客・英語: 新鮮さがいいよね。

映像説明: レンガの壁の前に立つ、ウェーブヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)のバストショットの写真。 室内で、テーブルを前に座っている3人の人物の写真。左から日本人男性(にほんじんだんせい)、ウェーブヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)、インド人女性が笑顔で写っている。(写真提供:トマト・プロジェクト)

テロップ: トマト・プロジェクト 土屋 のり子(つちや のりこ) 代表

ナレーション: この野菜を届けているのは、日本人(にほんじん)の土屋さん。地方にいる農家と提携して新鮮な野菜を栽培し、都市部に販売している。

映像説明: 高いところから見下ろした山あいの農地の風景。山の斜面に畑や水田があり、白い壁の牛舎の前には、黒い牛が数頭たたずんでいるのが見える。 石垣の前にある水田で、緑色(みどりいろ)の稲が風に揺れている。(映像提供:トマト・プロジェクト)

テロップ: インドの農家 小規模の家族経営が多い 新たな技術習得 販路開拓が難しい

ナレーション: インドの農家の多くは、小規模の家族経営。有機栽培の技術を学ぶことや自ら販路を見つけることが難しい。

映像説明: 階段状の石垣がある小道を2人の女性が黒や白のヤギを数10頭連れて歩いている。(映像提供:トマト・プロジェクト)

ナレーション: 土屋さんの取り組みを通じて、農家は直接、販売店に野菜を売ることができる。消費者のニーズも分かり、収入が改善された。

映像説明: 複数の店が連なった2階建ての建物の外観。中央に、英文字で「HASORA JAPANESE CAFE(ハソラ ジャパニーズ カフェ)」と書かれた白い看板が掲げられている。

ナレーション: そんなインドで、近年、オーガニック食品店をオープンしたのが、

映像説明: 木目調のテーブル席に、前髪を下ろしたショートヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)と、前髪を分けたショートヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)が座っている。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): インドでオーガニック野菜! 農村もビジネスも成長

テロップ: HASORA Organic India(ハソラ オーガニック インディア) 八田 舞(はった まい) 共同代表

テロップ: HASORA Organic India 八田 飛鳥(はった あすか) 共同代表

ナレーション: 八田さん。双子の姉妹だ。

映像説明: 茶色いケースに入った紫色のタマネギのアップ。

ナレーション: 販売しているのは、国産の新鮮な野菜のほか、

映像説明: ガラスショーケースの中に置かれているコメ、冷蔵ショーケースに入ったみそや豆腐のパックなどのアップ。

ナレーション: おコメや、みそ、さらには豆腐も。

映像説明: 「HASORA」などの文字がある看板が設置された縦型の冷蔵ショーケース。中には、チンゲンサイやリーフレタスなど、さまざまな野菜が並び、棚の手前には、野菜の名前が書かれたポップが付いている。

ナレーション: 生産者から直接取り寄せた鮮度の高いものばかり。気温が高いインドで、店に運ぶまで鮮度を保つのは至難の業(わざ)だ。

映像説明: 店内のレジカウンター。ボブヘアーの女の子を連れた日本人(にほんじん)の家族連れが、買い物を終え、笑顔で話している。 八田飛鳥共同代表と白髪の男性が、冷蔵ショーケースの前で談笑している。

ナレーション: はじめは、日本人(にほんじん)の駐在員などが購入していたが、現地のオーガニック食品のニーズが高まり、インドのお客も増えてきた。

映像説明: 白髪の男性が、縦型の冷蔵ショーケースの中にある商品を見ながらインタビューに答える。

テロップ: お客

お客・英語: ヤクルトと卵、そしてバナナをよく買うよ。

映像説明: 八田姉妹の写真が次々と映し出される。ドーム状の屋根がある石造りの歴史的建造物の前に立つ、八田舞共同代表の写真、白い壁の前で、野菜を手にポーズを取る八田姉妹の写真。(写真提供:HASORA Organic India)

ナレーション: インドには新たな食のニーズがあると見込んだ2人。

映像説明: 八田姉妹がいろいろな人が一緒に写っている写真が次々と映し出される。八田姉妹を含む6人の男性と女性が、野菜の入ったバスケットを手に、カメラに笑顔を向ける写真や、八田姉妹を含む9人が畑の中で横1列に並んだ写真、八田姉妹を含む4人がキャベツ畑(キャベツばたけ)で会話を交わす写真。(写真提供:HASORA Organic India)

ナレーション: 2016年にビジネスを立ち上げた当初は、農業も食品販売も初めてで、苦労の連続だった。しかし、コロナ禍以降、業績が伸びているという。

映像説明: 白い壁の前で青いブラウスを着た八田飛鳥共同代表が話をしている。

テロップ: HASORA Organic India 八田 飛鳥 共同代表

八田飛鳥共同代表: (コロナ禍で)やっとインド人が、その、健康にいいもの、みたいなもの、そう、目覚め始めて、 そのときに、あの、それこそ、アーユルヴェーダの、あの、ハーブがすごい流行って(はやって)、みんな、もう、こぞって買ってた。

映像説明: 大きな街路樹がある通り。白い壁に藍色の柱がある建物が建っている。前の通りを車やバイク、オートリキシャなどが走っていく。 画面左下の四角い枠にインドの地図が表示される。インド国土が緑で示され、南部にあるベンガルールが赤い星印で示されている。

ナレーション: インドで起業した日本人(にほんじん)は、ほかにも。

映像説明: 黒い壁の店内。衛生用のヘアネットの上に黒い帽子をかぶった女性店員が、ピザピールと呼ばれる大きなヘラで、焼きたてのピザを皿に載せている。

テロップ: Pizza 4P's(ピザ フォーピース)

ナレーション: 南部、ベンガルールにあるイタリアンレストラン。

映像説明: 赤い炎が見えるピザ窯(ピザがま)の中でこんがりと焼き上がったピザを、ピザピールで取り出す様子。(映像提供:Pizza 4P's(ピザ フォーピース))

ナレーション: 海外でレストランを経営する日本人(にほんじん)が開店した人気店だ。

映像説明: 調理場。2人の男性店員が作業している。 ボウルに入った白濁した液体の中でチーズを練っている様子。男性店員が腕を高く上げ、つるりとした弾力のあるチーズを伸ばしている。 ボウルの中で練ったチーズを絞るように丸くちぎっていく手元の様子。

テロップ: 自家製のチーズ

ナレーション: この店の人気の秘密は自家製のチーズ。インドの酪農家から仕入れた新鮮な牛乳を使って、モッツァレラなどのチーズを作り、料理に使用している。

映像説明: 白い壁に手編みのタペストリーが掛けられた室内。緑色(みどりいろ)のエプロンを着けた家村CEOが話をしている。6人の男性や女性がメモを取りながら聞いている。

ナレーション: さらに、こんな人も。

映像説明: 家村CEOが、手元のファイルを参加者に見せながら話を続ける。

テロップ: 秀イノベーティブLAB(しゅうイノベーティブラボ) 家村 秀也(いえむら ひでや) CEO

ナレーション: 家村さん。

映像説明: 白いブラインドのあるオフィス。黒い椅子に座った家村CEOが、ノートパソコンで作業をしたり、打ち合わせをしている様子。

ナレーション: 宮城県で金属加工を行う企業を経営している。

映像説明: 家村CEOと5人の男性が笑顔で写っている写真。5人の背後には、広大な農地が広がっているのが見える。(写真提供:秀イノベーティブLAB(しゅうイノベーティブラボ))

サイドテロップ(画面右上に常時表示): みちのくの中小企業 インドで酪農やってます!

テロップ: 牧場を経営

ナレーション: 家村さんの、もう1つの顔は牧場の経営者。

映像説明: キャビネットなどがある室内で水色のシャツを着た男性がノートパソコンに向かっている写真や、屋外で家村CEOと花柄のシャツを着た男性が並んで笑顔を向けている写真。(写真提供:秀イノベーティブLAB(しゅうイノベーティブラボ))

ナレーション: インドの大学からインターン生を受け入れてから、その若者の真面目な働きぶりに感銘を受けた家村さん。

映像説明: 竹で編まれた壁の室内。四角い小窓(こまど)から光がさし込んでいる。白いシャツを着た男性が木製のテーブルに置かれたノートパソコンに向かって作業をしている。 壁がなく、屋根と柱がむき出しの牛舎。黒や茶色の牛が餌場(えさば)に向かって歩き、餌を食べ始める。 薄黄色(うすきいろ)のTシャツを着た男性とピンク色のサリーを着た女性が茶色と白のまだら模様の牛のそばに座り、乳を手搾りしている。 銀色のバケツに牛の乳を手搾りしている様子のアップ。

ナレーション: 彼が活躍できる場を作りたいと、2020年、日本企業(にほんきぎょう)として初めて、インドの北西部に牧場をオープン。40頭ほどの牛を飼育し、乳製品を開発している。

映像説明: 白い壁の室内で、緑色(みどりいろ)のエプロンを着けた家村CEOがインタビューに答える。

テロップ: 秀イノベーティブLAB(しゅうイノベーティブラボ) 家村 秀也(いえむら ひでや) CEO

家村CEO: ことし(2024年)の1月から、いよいよ、この、ギーを製品化して、えーと、市場に出すことができた。

映像説明: 木目調のテーブルの上に黄色い液体の入った瓶が置かれている。瓶には、牛のイラストと英文字で「Cow Ghee(カウ ギー)」と書かれたラベルが貼られている。

テロップ: ギー

ナレーション: 「ギー」とは、牛乳から作られる希少な油。

映像説明: 露店の調理台で、モスグリーン色(いろ)のTシャツを着た男性が、銀色の鍋に入ったギーを見せる。 モスグリーン色(いろ)のTシャツを着た男性が鉄板の上で手のひらサイズのチャパティーを2枚焼いている。 調理台に並んだ、浅型の大きな鍋のそばに、黄色いギーが入った円柱形(えんちゅうけい)の缶が置かれている。

テロップ: ギー バターを製造する過程で出る油分 料理や菓子 飲料にも使われる

ナレーション: 炒めものからカレー、付け合わせのチャパティーを焼くときまで、インド料理には、なくてはならない食品だ。

映像説明: 白い壁の室内で、緑色(みどりいろ)のエプロンを着けた家村CEOが、ギーがの瓶を手に取って見せる。牛のイラストが描かれたラベルがアップになる。

ナレーション: 家村さんが試作を重ね、完成したギーは、2024年から販売を開始。

映像説明: 家村CEOが経営する牧場について記載されたチラシがテーブルに置かれている。そばには、サイズの異なるギーの瓶が数個並んでいる。

ナレーション: Amazonなど、オンラインストアに出品しているほか、八田姉妹の店舗でも販売している。

映像説明: 食料品店内のギーなどが売られている一角。 紙パックや缶、瓶など、さまざまな容器に入ったギーが棚に並んでいる。

ナレーション: ところが、インドの乳製品市場には、しれつな競争が。

映像説明: 白い牛のイラストと「COW'S GHEE(カウズ ギー)」の文字が描かれた紙パックのアップ。

テロップ: 約660円

映像説明: 「ORGANIC COW GHEE」などの文字とイラストが描かれたのラベルが貼られている瓶のアップ。

テロップ: 約2,300円

ナレーション: スーパーマーケットに行くと、手ごろなものから高級品まで、多種多様なギーが売られている。

映像説明: 家村CEOの牧場で作られた瓶詰のギー。白い棚に大きいサイズと小さいサイズの2種類の瓶が、それぞれ10個ほど積まれている。

ナレーション: そこで家村さんは、希少価値が高い、インド固有種の牛のミルクからギーを開発し、差別化を図った。

映像説明: 白い壁の室内。テーブルに座る参加者の前で、緑色(みどりいろ)のエプロンを着けた家村CEOが、ギーが入った透明な小瓶を手に話をしている。 黒いキャップをかぶった男性やベージュ色(いろ)のシャツを着た女性が、ギーが入った瓶を鼻に近づけて香りを確かめている。

ナレーション: まずはインドにいる日本人(にほんじん)に受け入れられることが大切だと考えた家村さん。そこでギーを使った料理の試食会を開催した。

映像説明: 花柄のシャツを着た女性参加者がギーの瓶を鼻に近づけて香りを確かめている。その横にいる家村CEOが参加者に向かって話をする。

テロップ: 秀イノベーティブLAB(しゅうイノベーティブラボ) 家村 秀也(いえむら ひでや) CEO

家村CEO: ギーはバターオイルです。 バターを作ったあと、それをさらに煮詰めてギーにします。 だから基本、バターとおんなじって考えてください。 インドの、この、ギル種(固有種)の、あの、カウを使っ、あの、ミルクを使ったギーは、多分、希少価値があります、今後、、今後。

映像説明: 白い平皿に盛り付けられたナスやじゃがいも、ニンジンなど、数種類の野菜を使った料理のアップ。 ロングヘアーの女性参加者が料理を口に運び、うなずく。

ナレーション: プレゼンのあとは、ギーを使ったメニューを実際に試食してもらうことに。その反応は?

映像説明: 料理が盛りつけられた平皿を前に、ロングヘアーの女性参加者がインタビューに答える。

ロングヘアーの女性参加者: 優しい甘みが、やっぱ、感じられて、 奥のほうに、ほんのりミルクを感じる感じが、すごく、新鮮で、おいしいです。

映像説明: 白い壁に手編みのタペストリーが掛かっている室内。黒髪を後ろで束ねた女性参加者や白いシースルーのブラウスを着た女性参加者が、ギーの入った瓶を手にしている様子。 フタの開いた(あいた)ギーの瓶のアップ。黄色いギーをスプーンですくうと、とろりとした質感をしているのが分かる。そばにナスやじゃがいも、ニンジンなど、数種類の野菜を使った料理が盛りつけられた白い平皿が置かれている。

ナレーション: 試食会は大成功だったが、課題も見えてきた。ギーは賞味期限が長いため、買い替えニーズが少ないのだ。

映像説明: 八田姉妹と家村CEOが木目調のテーブルを挟んで座り、話をしている。

ナレーション: 新たに手に取ってもらうには、どうすべきなのか? インドビジネスに詳しい八田さんに相談すると…。

映像説明: 木目調のテーブルに座る、八田飛鳥共同代表が手ぶりを交えながら話をする。

テロップ: HASORA Organic India 八田 飛鳥 共同代表

八田飛鳥共同代表: ターゲットになる人たちが集まりそうなところに行って、チラシ配ったりとか、貼ったりとかして…。

映像説明: 八田飛鳥共同代表に続き、八田舞共同代表が話をする。

テロップ: HASORA Organic India 八田 舞 共同代表

八田舞共同代表: Fecebook(フェイスブック)で投げたりとか、LINEのグループで投げたりっていうことをやりました、はい。

映像説明: 白い壁に手編みのタペストリーが掛かっている室内。家村CEOが、窓際のラックにあるギーの瓶を手で示しながら話をしている。 たくさんの露店が建ち並ぶ通り。店先を眺める男性や何段にも積み重ねた手のひらサイズのスイカをリヤカーで運んでいく男性の姿がある。

ナレーション: 日本人(にほんじん)向けのマーケティングを進める一方で、家村さんが悩んでいたのが、インド人の消費者へのアプローチだ。

映像説明: ゆっくりと移動する車の後部座席で、サングラスをかけた家村CEOがインタビューに答える。

テロップ: 秀イノベーティブLAB(しゅうイノベーティブラボ) 家村 秀也(いえむら ひでや) CEO

家村CEO: インド人だったら、大量に使うし、日常使いするから、消費量も多いし、いいんじゃねえかっていう話なんだけど。 インド人を相手にするんであれば、そのー、激し、競争が激しいし、 手に取ってもらうまでの、その、カスタマージャーニー(購入するまで)の設定が、少し(すこし)難しい。

映像説明: スーパーマーケットの店内。さまざまな種類のギーが陳列された棚の前で、リュックサックを背負った家村CEOが缶を手に取り、ラベルを眺めている。

テロップ: 高級スーパー

ナレーション: そのインド市場を知るため、家村さんが訪れたのは、街の高級スーパー。

映像説明: 家村CEOが、陳列棚の上部にある紙製の箱に入ったギーの商品を指し示す。 ベージュ色(いろ)の箱に、牛の顔のイラストが入ったギーのパッケージがアップになる。

ナレーション: 他社の製品が、どのような表示をしているのか、確かめに来た。

映像説明: 家村CEOが、陳列棚から瓶詰のギーを手に取り、茶色い牛のイラストが描かれたラベルを指さしながらインタビューに答える。

家村CEO: これなんか、いいんじゃない? ぽいよね。分かりやすい。えっと、分かりやすい。この牛、使ってるって、ほれ、これ、もう、コブ牛だもん、これ、目立つよね。

映像説明: 黄色い壁のレストランの店内。テーブルの上に、カレーや、ライス、チャパティーなどが並んでいる。

テロップ: 南インド料理店

ナレーション: お昼休みに向かったのは、南インドの郷土料理店。

映像説明: テーブルの上に置かれた、数々の料理のアップ。炊き込みごはんの上に刻んだ野菜を散らした大皿料理や、赤い香辛料のソースを絡めたチキン、具が大きいカレーなどが置かれている。

ナレーション: エビの炊き込みごはんや、チキンのグリル、カレーなどをオーダー。

映像説明: 家村CEOが、銀色の金属製の容器に入ったギーを料理にかける。

ナレーション: 地域により食文化が違うインドだが、ここでもギーが多く使われていた。そのお味は?

映像説明: 家村CEOが、赤い香辛料のソースを絡めたチキンを食べながらインタビューに答える。 黒い皿の上に置かれた銀色の金属製の容器に入ったギーのアップ。 家村CEOが、赤い香辛料のソースを絡めたチキンを食べながら話を続ける。

家村CEO: んっ、うまいよ。 口に入った瞬間は甘い。 ただ、ちょっとやっぱ辛い(からい)、あとから来る辛さ(からさ)。

映像説明: 街路樹のあるテラス席で、ストライプ柄のシャツを着た男性と、白いTシャツを着た男性が談笑している。 路面店が並ぶ通りを、サングラスをかけた家村CEOが歩いている。

ナレーション: 競争も激しく、消費者の好みもさまざまなインド市場で、どうすれば家村さんのギーが売れるのか。出張を続けるにも限界があり、マーケティングの方法も手探りだ。

映像説明: ブラインドが下ろされた大きなガラス窓がある室内。家村CEOと黒いTシャツを着た日本人男性(にほんじんだんせい)が話をしている。

テロップ: 秀イノベーティブLAB(しゅうイノベーティブラボ)現地提携先 STORYTELLING CONSULTING(ストーリーテリング コンサルティング) 見上 真生(みかみ まさき) COO(シーオーオー)

ナレーション: 今、家村さんは、インドで日本人(にほんじん)が経営するマーケティング会社とも提携して、SNSの展開を進めている。

映像説明: ブラインドが下ろされた大きなガラス窓がある室内で、黒いTシャツを着た見上COO(シーオーオー)がインタビューに答える。

見上COO(シーオーオー): ま、まずは、やっぱりインド人のね、富裕層なんで。 そこを狙うには、やっぱり、フィジカルで家村さんが行ったら(いったら)、何百回(なんびゃっかい)出張するんだって(話になってしまう)。ホントに。 こっからグジャラートだろうが、ムンバイだろうが、やっぱりこう、属性も全部、ね、あのー、合致していってね。そこはやっぱデジタル…。

映像説明: 白い壁の室内。緑色(みどりいろ)のエプロンを着けた家村CEOが参加者を笑顔で室内のほうを見ている。 家村CEOが、黒いリュックサックにノートパソコンをしまっている様子。

ナレーション: さまざまな気付き(きづき)を得た、今回の市場視察。今後は新たな商品の開発にも取り組み、幅広い層に売り込みたいという。

映像説明: 吹き抜けのある商業施設のエスカレーター近くの広場で家村CEOがインタビューに答える。

テロップ: 秀イノベーティブLAB(しゅうイノベーティブラボ) 家村 秀也(いえむら ひでや) CEO

家村CEO: 今回、来て分かったことを踏まえて、どういうアプローチをするのが望ましいのかっていうのは、ちょっと考えてみたいなと思ってます。 新しいプロダクト(製品)の開発っていうのがあって、 やっぱ、ギーじゃないもの、も、1つ2つ、今、計画してるものがあるんで、それをローンチしてく、順次、ローンして、ローンジ、ローンチしていくっていうふうに、今考えてます。

映像説明: Urbana Superfoods(ウルバナ スーパーフーズ)の店内。棚にバスケットに入った、スイカや、りんご、パプリカなどが並んでいる。 HASORA JAPANESE CAFE(ハソラ ジャパニーズ カフェ)の店内。八田姉妹と家村CEOが木目調のテーブルを挟んで座り、話をしている。 白い壁に手編みのタペストリーが掛かっている室内。家村CEOが、手元のファイルを参加者に見せながら話している。

ナレーション: インドの巨大市場に挑む日本の起業家たち。彼らがインド市場を席けんする日が来るかもしれない。

映像説明: 水色のグラデーション背景画。画面の右側で地球の陸地部分だけが点描され、中が空洞になった地球儀のグラフィックイメージが回転している。

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