サッカーボールの町を訪ねて パキスタン製造業の底力

2023年10月26日

世界各地で使われるサッカーボールの多くがパキスタンで作られている。サッカーボールの故郷と言われるパキスタンのシアルコートを取材。そこは歴史的にもモノづくりが盛んな町だった。

(10分24秒)

テキスト解説を読む

テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: 赤と白の観覧席を備えたスタジアム。芝生のグラウンドで少年たちがサッカーをしている。オレンジ色(いろ)のユニフォームを着たチームが、水色のユニフォームを着たチームの守備を軽快にかわし、ゴールに向かってサッカーボールを蹴る。

テロップ: サッカー

ナレーション: 多くの人々を熱狂させるスポーツ、サッカー。

映像説明: 黒い正五角形と白い正六角形を組み合わせたデザインのサッカーボールのアップ。ボールがゴールネットを大きく揺らすのがスローモーションで映し出される。

テロップ: ボールはどこで作られる?

ナレーション: そのボールは、どこで作られているのか?

映像説明: 町なかの大通り。車やオートバイが行き交う広い車道の先に、赤茶色の時計塔が建っているのが見える。 現地語の看板を掲げた路面店。看板の下には、サッカーボールが3個から4個入った透明な袋が、いくつもつり下げられている。

テロップ: パキスタン

ナレーション: 答えを求めてやって来たのは、パキスタンの、シアルコートという町。

映像説明: 白い壁の部屋。緑色(みどりいろ)のシャツを着た短髪の男性が低い椅子に座って作業をしている。サッカーボールの外側を覆う外部パネルを両膝のあいだに挟んで固定し、両手に持った針と糸で縫い合わせていく。 ガラス張りの室内。液晶ディスプレーと四角い銀色の機械を備えた机の前に、藍色のヒジャブをかぶった女性が立っている。機械の上部にセットされたサッカーボールが少しずつ回転し、女性が液晶ディスプレーを見ながら手元のキーボードを操作する。

テロップ: 世界最大の生産地

ナレーション: そこは、世界最大の、サッカーボールの生産地だった。

映像説明: 茶色い壁の室内。メガネをかけた短髪の男性が、電動ドリルが付いた工作機械をハンドルを手前に引いたり、上げたりして操作している。 クリーム色(いろ)の壁の室内。壁際に設置された長机(ながづくえ)の前に、マスクをつけた2人の男性が並んで座り、それぞれ作業をしている。2本の柄を握って先端の刃を開閉する、ニッパーのような形をした銀色の道具を布で磨いている。

テロップ: 古くからのモノづくりの町

ナレーション: さらに、革製品や医療器具など、古くから続く、モノづくりの町でもある。

映像説明: 両側に露店が並ぶ細い通り。どの露店にも、子ども用から大人用まで、さまざまなサイズの自転車が大量につり下げられている。歩行者の脇をオートバイが通り抜けていく。 茶色い壁の室内。マスクをつけた3人の男性が壁際に座って作業をしている。それぞれ、2本の柄を握って先端の刃を開閉する、ニッパーのような形をした銀色の道具を持っている。 奥に吹き抜けの空間がある広くて開放的なフロア。サッカーボールを並べたラックの周りで、数人の男性が打ち合わせや作業をしている。

テロップ: サッカーボールの町を訪ねて パキスタン製造業の底力

ナレーション: サッカーボールの町、シアルコートを訪ね、パキスタンが誇る、製造業の底力に迫る。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。各国のさまざまな人々の笑顔や、農作物(のうさくぶつ)を収穫している様子、ガントリークレーンが並んでいる港、緑色(みどりいろ)の仏像、小型飛行機や新幹線、バイクなどの乗り物や生き物など、世界中のいろいろな写真が現れて白い画面を埋めていく。連なった写真に重なるように世界地図の CGが浮かび上がり、中央に紺色の文字で「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」と書かれたタイトルテロップが表示される。

映像説明: 雑居ビルが建ち並ぶ通り。歩行者や2人乗りをしたオートバイが行き交い(いきかい)、露店も出ている。 画面左下の四角い枠にパキスタンの地図が表示される。、東をインドと接し、北東部にあるシアルコートの位置が赤い星印で示されている。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): パキスタン・シアルコート サッカーボールの故郷(ふるさと)

ナレーション: パキスタンの北東部に位置する、シアルコート。

映像説明: 交通量の多い曲がり角。オートバイや3輪自動車がひっきりなしにすれ違っている。

ナレーション: 人口は、およそ100万人。

映像説明: 歩行者やオートバイが行き交う通り。扇風機やテレビなどを取り扱う路面店が並ぶ中で、サッカーボールが3個から5個ほど入った透明な袋を軒先につり下げている店がクローズアップされる。

ナレーション: 町で目に留まるのが、スポーツ用品店。

映像説明: 通り沿いに建ち並ぶどの路面店も、サッカーボールが3個から5個ほど入った透明な袋を軒先につり下げている。

テロップ: サッカーボール

ナレーション: どの店でも、サッカーボールが売られている。

映像説明: 白いTシャツを着て、ひげを生やした男性店員が、店先でインタビューに答える。店内にはサッカーボールやバドミントンのラケットが並べられている。

撮影スタッフ・英語: ボールはパキスタン製ですか?

白いTシャツを着て、ひげを生やした男性店員・英語: そうです。

映像説明: 店の出入り口に並べられているサッカーボールのアップ。黄色(きいろ)や赤のグラデーションにペイントされたものや、流線形(りゅうせんけい)の模様がオレンジ色(いろ)でペイントされたものなど、さまざまなデザインがある。

白いTシャツを着て、ひげを生やした男性店員・英語: シアルコート製です。

映像説明: 3個から4個ずつ透明な袋に詰められたサッカーボールが、店先に並んでいる。 店内の戸棚の中央には、白や黄色(きいろ)など、20個ほどのサッカーボールが並べられている。

テロップ: 世界の約7割がパキスタン製

ナレーション: FIFA(フィファ)の資料によると、世界に供給されるサッカーボールの3分の2、およそ7割がパキスタンで作られている。

映像説明: チェックのシャツを着て、ひげを生やした男性店員が、店先の椅子に座り、店内を指さしながらインタビューに答える。間口が狭く奥行きのある店内には、ラケットやボール、ユニフォームなどのスポーツ用品が壁を埋めつくすように並べられている。緑色(みどりいろ)の壁に飾られた30個ほどのサッカーボールの中から、1番奥の高いところに置かれたボールがクローズアップされる。白地の随所に、水色や赤、蛍光イエローのラインが描かれている。

チェックのシャツを着て、ひげを生やした男性店員・英語: FIFAのボールもありますよ。 1番上の棚です。

ナレーション: そこにあったのは、ワールドカップ・カタール大会のボール。広く一般に流通している、レプリカ球(れぷりかきゅう)が売られていた。

映像説明: チェックのシャツを着て、ひげを生やした男性店員が、ワールドカップ・カタール大会のレプリカ球(れぷりかきゅう)を手で示しながらインタビューに答える。続けて、黄色地(きいろじ)に赤の模様が入ったボールを指さす。

チェックのシャツを着て、ひげを生やした男性店員・英語: 1番高いボールで、値段は2,500ルピー(約1,350円)です。 1番安いボールだと、500ルピー(約270円)です。

映像説明: 店内にあるワールドカップ・カタール大会のレプリカ球(れぷりかきゅう)のアップ。

ナレーション: なんと、普通のボールの5倍の価格だ。

映像説明: ワールドカップ・カタール大会のサッカーボールの写真。白地の随所に、水色や赤、蛍光イエローのラインが描かれている。正面には、数字の8のような形の絵柄と「FIFA WORLD CUP Qatar2022(フィファ ワールドカップ カタール 2022)」の文字を組み合わせたロゴが入っている。(写真提供:アディダス)

テロップ: アル・リフラ【旅】

ナレーション: 2022年、ワールドカップ・カタール大会で使われたのが、現地の言葉で「旅」を意味する「アル・リフラ」。

映像説明: スポーツ用品店。白い大理石調の壁に、黄色(きいろ)やベージュ色(いろ)など、さまざまなデザインのサッカーボールが縦2列に並んでいる。ワールドカップ・カタール大会のレプリカ球(れぷりかきゅう)もある。

ナレーション: そのボールのレプリカ球(れぷりかきゅう)も、この町で作られている。

映像説明: 店先でチェックのシャツを着て、ひげを生やした男性店員がインタビューに答える。

チェックのシャツを着て、ひげを生やした男性店員・英語: シアルコートは世界で最も有名なサッカーボールの生産地です。 サッカーボールの故郷(ふるさと) です。

映像説明: 天井まで届く商品棚に囲まれたスポーツ用品店。ボールの写真が付いた箱を並べたカウンターの中で、灰色のシャツを着た男性店員がカメラに向かって、ほほえんでいる。軒先につり下げられた、サッカーボールが3個ずつ入った透明な袋がクローズアップされる。

テロップ: シアルコートで盛んな理由?

ナレーション: でも、なぜ、シアルコートでサッカーボールの製造が盛んになったのか?

映像説明: 3階建ての四角い建物の外観。1階はグレー、2階と3階はクリーム色(いろ)の外壁で、建物の前には数台のオートバイが止まっている。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): パキスタン・シアルコート モノづくりのDNA(ディーエヌエー)息づく町

テロップ: Nadir & Co.(ナディール アンド シーオー)

ナレーション: その訳を求めてやって来たのは、シアルコートにある町工場(まちこうば)。

映像説明: 町工場(まちこうば)の一角。ゴーグルとマスクをつけた10人ほどの男性たちが、低い椅子や段差に腰かけて作業をしている。1人1台、グレーの小型の機械を操作している。 滑車にかかったベルトが高速回転している小型の機械のアップ。2本の柄を握って先端の刃を開閉する、ニッパーのような形をした銀色の道具の刃をベルトに当てると、火花が散り、刃が研がれていく。

テロップ: 世界市場を席けん(せっけん)するモノが!?

ナレーション: そこでは、世界市場を席けんする(せっけんする)、あるモノが作られていた。

映像説明: 工場(こうば)の別の一角。ベージュ色(いろ)の前に、3人の男性が並んで座っている。どの男性も、2本の柄を握って先端の刃を開閉する、ニッパーのような形をした銀色の道具を、金づちでたたいたり、明かりにかざしてみたりして検品したものを、目の前に置いてある金属の箱に入れていく。

ナレーション: 一見、はさみのようにも見えるが…。

映像説明: 会社のなか。黒のTシャツを着てジーンズをはいた男性が、壁際にある浅い引き出しがたくさん付いた焦げ茶色(こげちゃいろ)のキャビネットを開けている。 黒のTシャツを着てジーンズをはいた男性が最上段の引き出しを開ける。中には、光沢のある濃い緑色(みどりいろ)のシートの上に、2本の柄を握って先端の刃を開閉する、ニッパーのような形をした銀色の道具が20個ほど並べられている。

テロップ: Nadir & Co.(ナディール アンド シーオー) サルマン・マフムード・ファルーキ 営業部長

ナレーション: その製品を見せてもらった。

映像説明: サルマン営業部長が、2本の柄を握って先端の刃を開閉する、ニッパーのような形をした銀色の道具で、細いワイヤーを切る。

サルマン営業部長・英語: ディスタルエンドカッターという道具です。ワイヤーを切ってつかむことができます。

映像説明: サルマン営業部長が、別のディスタルエンドカッターに持ち替えて、細いワイヤーを切って見せる。切ったワイヤーは、ディスタルエンドカッターの先端に挟まっている。

テロップ: 歯の矯正

ナレーション: 主に、歯の矯正処置で使われる道具で、ワイヤーを曲げたり切ったりできる。

映像説明: サルマン営業部長が、柄の形が少しずつ異なるディスタルエンドカッターを、30本ほど並べた引き出しを閉めて、1つ下(ひとつした)の引き出しを開ける。光沢のある紺色のシートの上に、平たく薄い、はさみや先端がカギのように曲がったピンセットが並べられている。

テロップ: 手術用の器具が世界を席けん(せっけん)

ナレーション: 世界市場を席けんする(モノとは、手術用や歯科用の器具。

映像説明: 工場の一角。数本のスパナと、さまざまなサイズの歯車のような形の部品がくっついた茶色い壁の前で、3人の男性がそれぞれ工作機械を操作している。 機械に取り付けられた、地面と平行に伸びた支柱のアップ。回転する支柱の先に付いている部品に向かって、細いパイプから水が流れ出ている。

テロップ: 手術用器具メーカー 2,500社以上

ナレーション: シアルコートには、2,500社以上の器具メーカーが集まっている。

映像説明: 会社のなか。壁際にある浅い引き出しがたくさん付いた焦げ茶色(こげちゃいろ)のキャビネットの前でサルマン営業部長がインタビューに答える。

撮影スタッフ・英語: どの国に輸出していますか?

テロップ: Nadir & Co.(ナディール アンド シーオー) サルマン・マフムード・ファルーキ 営業部長

サルマン営業部長・英語: 米国、英国、フランス、ドバイ、中国。

撮影スタッフ・英語: 日本には?

サルマン営業部長・英語: 日本へは、今のところまだ輸出していません。他に(ほかに)、エジプト、インドネシア、南アフリカなどです。

映像説明: Nadir & Co.(ナディール アンド シーオー)の社屋の出入り口。出入り口脇の外壁に、社名のプレートが掲げられている。 社名のプレートのアップ。「NADIR & CO.(ナディール アンド シーオー)」の文字の下に、「Sialkot Pakistan(シアルコート パキスタン)」と書かれている。

テロップ: 1947年 シアルコートで創業

ナレーション: この会社は、1947年、サルマンさんの祖父が、ここ、シアルコートで創業した。

映像説明: 会社のなか。浅い引き出しがたくさん付いた焦げ茶色(こげちゃいろ)のキャビネットがある部屋で、サルマン営業部長が、にこやかにインタビューに答える。 ディスタルエンドカッターの製造工程。白いシャツを着てマスクをつけた男性が、液晶ディスプレーのある白いデスクで作業をしている。デスクの上には、10数個のディスタルエンドカッターが並べられている。 カーキ色(いろ)のシャツを着て青のネックストラップを下げた男性が、銀色のプレートの上でディスタルエンドカッターに青いライトを当てながら、真剣な表情でモニター画面を見つめている。 手元を青いライトで照らしながら、ディスタルエンドカッターで挟んだワイヤーを細かく揺らして引っ張っている。

サルマン営業部長・英語: なぜこの町だったのか? それは優秀な職人が多いからです。 みんな真面目に働きますし、 彼らの手にはモノづくりがしみこんでいます。

映像説明: 町なか。路面店が次々に映し出される。店先にロール状のシートを並べた店や電動ドリルなどの工具をつるした店、輪っか状に巻いたワイヤーの束を並べた店やカウンターの上にはかりを載せた店。

テロップ: 古くからのモノづくりの町

ナレーション: 実は、シアルコートは、16世紀に成立したムガール帝国時代から、モノづくりの町として栄えてきた。

映像説明: 路面店。床に積み重なった段ボールの傍らで、2人の男性が白い紙箱を組み立てている。 棚いっぱいに工具を並べている店。木製の机について作業をしている白いひげを生やした男性の隣で、紺色のTシャツを着た男性が椅子に座っている。 別の店。白いシャツを着た男性がカメラに笑顔を向ける。傍らに立つ黒いポロシャツを着た男性が、エメラルドグリーン色(いろ)に塗った木枠の中をヘアドライヤーのようなものを使って乾かしている。

ナレーション: 手先の器用さや粘り強い姿勢など、長い歴史の中で、刃物や革製品のモノづくりの技術が培われてきた。

映像説明: サッカーボールが3個から4個入った透明な袋を軒先につり下げているスポーツ用品店。男性店員が笑顔で、カメラを店内に招き入れる。 店内。戸棚の中に、さまざまなデザインのサッカーボールが並んでいる。隣の戸棚には、空気を入れて膨らませる前の平たいサッカーボールがいくつも積み重ねられている。

ナレーション: さらに、イギリスの植民地時代に、サッカーボールの製造が始まった。

映像説明: 現地語で書かれた看板の下に、3個から9個のサッカーボールを入れた透明な袋がいくつもつり下げられている。さまざまなデザインやサイズのボールがある。ケースに入ったバドミントンラケットもつり下げられている。

ナレーション: ボールの多くが、ここで作られるようになったのだ。

映像説明: ガラス窓と木目調の壁が組み合わさったビルと、横に長い平屋の構造物からなる建物の外観。手入れされた広い前庭(まえにわ)には、水を高く噴き上げている噴水がある。 薄紫色(うすむらさきいろ)や鮮やかな緑色(みどりいろ)の服を着た男性たちが、前庭(まえにわ)に歩いてやって来る。歩いてくる男性たちの向こうには、駐車している数台のバスが見える。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): パキスタン・シアルコート サッカーボール工場を取材

テロップ: VISION TECHNOLOGIES(ヴィジョン テクノロジーズ)

ナレーション: サッカーボールを製造している大手企業、VISION TECHNOLOGIES。

映像説明: 駐車場。前面に「VISION」の文字があるバスが3台並んで駐車している。バスから、ヒジャブをかぶった大勢の女性が降りてくる。 1列に並んだ女性たちが、次々にバスに乗り込んでいく。

ナレーション: 社員を専用のバスで送迎してくれる、優良企業だ。

映像説明: 社内。吹き抜けになったフロアでは、サッカーボールを並べたラックの周りで、10人ほどの男性が打ち合わせや作業をしている。 ガラス張りの室内。液晶ディスプレーと、四角い銀色の機械を備えた机の前に藍色のヒジャブをかぶった女性が立っている。機械の上部にセットされたサッカーボールが少しずつ回転し、女性が液晶ディスプレーを見ながら手元のキーボードを操作する。

テロップ: 従業員数(じゅうぎょういんすう) 2,500人 ボール製造数 約400万個/年(ねん)

ナレーション: 従業員数(じゅうぎょういんすう)は2,500人。年間で製造するボールの数は、およそ400万個。

映像説明: すべての段にサッカーボールを並べたラックが何台も置かれたフロア。ラックのあいだの通路を奥に進んでいく。 作業台やサッカーボールを並べたラックを設置したエリア。向かい側には、積み重ねられた段ボール箱や、白い筒状の資材が置かれている。

ナレーション: 欧米や日本のメーカーにもボールを納入している。

映像説明: 白を基調とした明るく開放的なエリア。細長い銀色の作業台が等間隔に並んでいる。作業台の上には、白い玉をセットした機械がずらりと並んでいる。

ナレーション: まず案内してくれたのは、こちら。

映像説明: 機械にセットされた白い玉がアップになる。上下をローラーに支えられながら、高速で360度回転している玉に、白い糸が巻かれていく。 黒いエプロンをつけた男性が、糸を巻き終わった白い玉を機械から取り外し、糸を巻く前の黒い玉と入れ替えている。

テロップ: 糸巻き

ナレーション: ボールの中身を作る工程。ゴム製の玉に糸を巻き付けて、丈夫にしていく。

映像説明: 吹き抜けの上階(じょうかい)から、下に広がる作業エリアを見下ろす。ミシン台を操作している人たちの姿やサッカーボールが並んだラックが見える。 ミシン台で作業をする人々。机の傍らの棚に、手のひらほどの大きさの正六角形の白い外部パネルが数百枚、重ねて置かれている。

ナレーション: 続いては、ボールの外側を覆う外部パネル。

映像説明: ミシンを操作する手元のアップ。正六角形の外部パネルを2枚重ねて、端をミシンで縫い合わせていく。

ナレーション: これをミシンで縫い合わせていく。

映像説明: 白い壁に囲まれたフロア。数十人の男性が、低い椅子に座って作業をしている。男性たちの周りには、コンテナやサッカーボールの外部パネルが置いてある。

ナレーション: こちらでは…。

映像説明: 薄いグレーのシャツを着て、ひげを生やした男性が作業をしている。低い椅子に座り、外部パネルを両膝のあいだに挟んで固定し、両手に持った針で縫い合わせていく。

テロップ: 手縫い

ナレーション: 外部パネルを手で縫っている。

映像説明: 緑色(みどりいろ)のシャツを着た短髪の男性が、低い椅子に座って作業をしている。外部パネルを両膝のあいだに挟んで固定し、両手に持った針でリズムよく縫い合わせていく。男性の背後には、縫い合わさった黒と白の外部パネルや赤いラインが入った外部パネルが置いてある。

ナレーション: 太い糸を使うことで、より丈夫なボールを作ることができる。

映像説明: 薄水色のシャツを着た男性が低い椅子に座り、外部パネルを縫い合わせている。両手の針で、両膝のあいだに挟んで固定した外部パネルの端を素早く縫い合わせていく。 外部パネルを縫い合わせている男性の手元。が縫い合わせている外部パネルの端に、細かな縫い目が均等に入っていくのが見える。

ナレーション: 古くから多くの革製品が作られてきたこの町は、手作業で、質の良いサッカーボールを生み出してきた。

映像説明: 大理石のようなマーブル柄の壁の部屋。カラフルな幾何学模様の開襟シャツを着た短髪の男性が椅子に座ってインタビューに答える。

テロップ: VISION TECHNOLOGIES アハサン・ナイーム CEO

アハサン CEO・英語: サッカーボールの製造には多くの従業員が必要です。 そうすることで、多くの家族を養うことができます。 また女性の就労にも力を入れています。 サッカーボールは私たちの暮らしにとって、とても重要な産業です。

映像説明: ガラス張りの室内。ガラスの壁の前に置かれたテーブルやラックに、さまざまなサイズやデザインのサッカーボールが並べられている。

テロップ: 技術革新

ナレーション: そして今、サッカーボールの製造法も、技術革新が進みつつある。

映像説明: 茶色いTシャツを着た男性が、青い台の上に設置された銀色の球形の機械の前に立っている。手には、半円の形に縫い合わされた外部パネルを持っている。

ナレーション: こちらの製造ラインでは、

映像説明: 銀色の球形の機械が、真ん中で上下に分かれて、中が空洞の2つの半球形(はんきゅうけい)になっている。茶色いTシャツを着た男性が、半球形(はんきゅうけい)の型の中に外部パネルをはめる。

ナレーション: 型の中に、外部パネルをはめ、

映像説明: 茶色いTシャツを着た男性が、外部パネルをはめた銀色の半球形(はんきゅうけい)の型に、糸を巻き終わった白い玉をセットする。

ナレーション: そこに、ボールの中身をセット。

映像説明: 白い玉をセットした半球形(はんきゅうけい)の型の上に、外部パネルをはめた半球形の型がゆっくりと自動でかぶさる。上下の型がぴったりと合わさり、銀色の球形になる。

テロップ: パネルを熱で圧着

ナレーション: そして、反対側のパネルをかぶせて、熱と圧力で接着する。

映像説明: 銀色の球形から上部の半球形(はんきゅうけい)の型が自動で取り外されると、なかから外部パネルが接着されて球形になったサッカーボールが現れる。茶色いTシャツを着た男性がサッカーボールを手に取り、後ろにいる検品作業をする男性の机に置く。

ナレーション: この製法を使うと、大きさやゆがみなどの誤差を抑えることができる。

映像説明: 大理石のようなマーブル柄の壁の部屋。アハサンCEOが椅子に座ってインタビューに答える。 ガラス張りの室内。液晶ディスプレーと、四角い銀色の機械を備えた机の前に、藍色のヒジャブをかぶった女性が立っている。機械の上部にセットされたサッカーボールが少しずつ回転し、女性が液晶ディスプレーを見ながら手元のキーボードを操作する。 機械の上部にセットされたサッカーボールのアップ。左右から伸びる2本のアームに支えられながら少しずつ回転している。

テロップ: VISION TECHNOLOGIES アハサン・ナイーム CEO

アハサン CEO・英語: 新製品や技術革新に力を入れています。 また、バイヤーにとって、最大の関心も新製品です。 そこで研究開発施設を作りました。 今後は外国企業と製品作りをすることが最大の目標です。

映像説明: 背の高い街路樹が並ぶ大通り沿いに、門を構えた工場が建っている。 工場を囲う白いフェンスに、サッカーボールのオブジェが取り付けられているのが見える。

テロップ: サッカーボール工場 1,000社以上

ナレーション: このようなサッカーボールの工場がこの町には、1,000社以上集まっている。

映像説明: グレーの外壁に「molten(モルテン)」の青いロゴと「for the real game」の文字が掲げられた建物の外観。 社内。壁一面に取り付けられたグレーのパネルに、サッカーボールやバレーボール、ラグビーボール、バスケットボールなど、さまざまなボールが等間隔に整列して飾られている。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): パキスタンから調達 日本のボールメーカー

テロップ 東京都 墨田区

テロップ: モルテン

ナレーション: そのパキスタンからボールを調達しているのが、大手ボールメーカーのモルテン。

映像説明: 壁一面に取り付けられた、さまざまなボールが等間隔に整列して飾られたグレーのパネルの前で、メガネをかけてストライプのシャツを着た日本人男性(にほんじんだんせい)が、サッカーボールを手に持ち、話をしている。

テロップ: モルテン スポーツ事業本部 椙浦 正俊(すぎうら まさとし) 統括部長

ナレーション: すでに40年以上のつきあいだという。

映像説明: 会議室。3本の鉢植えの植物を背に、机の前に座った椙浦(すぎうら)統括部長がインタビューに答える。机の上に、白地に青いひし形の模様のあるサッカーボールが置かれている。ボールの中央には「molten(モルテン)」のロゴが入っている。 パキスタンのボール製造の工場。部屋の奥まで伸びる長い作業台が3台ほど並んでいる。作業台の上には、白い外部パネルが等間隔に並んでいる。黒いエプロンをつけてマスクをつけた男性が作業をしている。 黒いエプロンをつけてマスクをつけた男性が白い外部パネルの上に、黄色い液体が入った木枠を重ねて置く。ヘラでこすると、白い外部パネルに黄色い模様がプリントされる。並んでいる外部パネルの前を移動しながら、次々とプリントしていく。

撮影スタッフ: パキスタンで、サッカーボールを調達する、ま、もしくは作る、メリットっていうのはどんなとこにあるんでしょうか?

椙浦(すぎうら)統括部長: やはり、ま、端的に言うと2つ、ま、品質とコスト、ですね。 ワーカーと言われる方(かた)では、その賃金自体は、ほかのアジアの国に比べると、ま、低いと、いうところがある。 あとは、ま、きのう、きょう、始めた産業ではないので、やはり技術の蓄積があるという、その2つのメリット。

映像説明: ワールドカップ・カタール大会のサッカーボールの写真。白地の随所に、水色や赤、蛍光イエローのラインが描かれている。正面には、数字の8のような形の絵柄と、「FIFA WORLD CUP Qatar2022(フィファ ワールドカップ カタール 2022)」の文字を組み合わせたロゴが入っている。(写真提供:アディダス)

ナレーション ちなみに、ワールドカップのカタール大会で使われたボール。

映像説明: ワールドカップ・カタール大会のサッカーボールの正面部分の外部パネルを切り取り、中が見えている写真。中心に小型の白い球体が四方八方から伸びる黒い紐に固定されて浮かんでいるのが見える。(写真提供:アディダス)

ナレーション: 中にセンサーが入っていることで話題になったが、あれは、どのように作られているのか?

映像説明: 会議室。3本の鉢植えの植物を背に、机の前に座った椙浦(すぎうら)統括部長がインタビューに答える。 芝生の上に置かれたワールドカップ・カタール大会のサッカーボールの写真。外部パネルの一部が切り取られ、中に入っている白いセンサーが見えている。 白いセンサーをアップで映した写真。センサーに、四方八方から伸びる黒い紐がつながっている。(写真提供:アディダス) 会議室。3本の鉢植えの植物を背に、机の前に座った椙浦(すぎうら)統括部長が話を続ける。

椙浦(すぎうら)統括部長: なかなか複雑な生産工程を経て、実際カタールまで行っていると。…しか、ちょっと申し上げられないんですけど。 それぞれパーツごとで生産地が異なるんですね。センサー自体を開発しているのは、ドイツの会社、になるんで、 ま、いろんな、そのー、知見と言いますか、技術の集積が、あのカタールでの試合(球(しあいきゅう))。

映像説明: シアルコートの町なかのスポーツ用品店。軒先にサッカーボールが3個から4個入った透明な袋が、いくつもつり下げられている。 店内の戸棚の中央には、白や黄色(きいろ)など、20個ほどのサッカーボールが並べられている。 会議室。3本の鉢植えの植物を背に、机の前に座った椙浦(すぎうら)統括部長が話を続ける。

椙浦(すぎうら)統括部長: 実際の、世界で供給しているもの(ボール)っていうのは、試合球(しあいきゅう)の比率はそんなに高くなくて、 ほとんど、の、ま、プレイヤーはレプリカのボール、を使っているという意味で、 パキスタンで作ったものが世界で広がってる、のは事実ですね。

映像説明: 白い壁に囲まれたフロア。低い椅子に座って作業をしている緑色(みどりいろ)のシャツを着た短髪の男性が笑顔を見せる。男性が、サッカーボールの外部パネルを両膝のあいだで挟んで固定し、両手に持った針と糸で縫い合わせていく。

ナレーション: 世界各地で使われているサッカーボールの多くがパキスタンで作られている。

映像説明: シアルコートのスポーツ用品店。紺色のシャツを着た男性店員が箱からワールドカップ・カタール大会のレプリカ球(れぷりかきゅう)を取り出してカメラに向ける。白地の随所に、水色や赤、蛍光イエローのラインが描かれたボールのアップ。

ナレーション: そこには、長く培われたモノづくりへの精神が根づいていた。

映像説明: 水色のグラデーション背景画。画面の右側で地球の陸地部分だけが点描され、中が空洞になった地球儀のグラフィックイメージが回転している。

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