邦人向けから地元で愛される存在に メキシコで受け入れられた“日本らしさ”とは
2023年10月19日
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日本とほぼ同じ人口のメキシコでは、近年、進出する日系企業が増加しており、多くの日本人が暮らしている。在留邦人に向けたビジネスを地元で愛される存在に成長させた2人の女性経営者に密着。メキシコで受け入れられた「日本らしさ」とは?
(11分42秒)
テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。
映像説明: 高層ビルと歴史を感じる赤い屋根の低層の建物との谷間から、青空がのぞいている。カメラの視点が地上へ下りてきて、大勢の人々が行き交う路地を映し出す。画面左下の四角い枠内に米国の南に位置するメキシコの地図が緑色(みどりいろ)で表示される。南部にあるメキシコシティーの位置が赤い星印で示されている。
テロップ: 人口 約1億2,000万人
ナレーション: 人口およそ1億2,000万人のメキシコ。
映像説明: 大勢の人々が行き交う広い通り。
テロップ: 在留邦人 約1万1,200人
ナレーション: 日本と、ほぼ同じ数(かず)の人が住むこの国では、近年、進出する日系企業が増加。多くの日本人(にほんじん)が暮らしている。
映像説明: 飲食店のレジカウンター。茶色いボブヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)と、メガネをかけた女性スタッフが、レジカウンターの上のパソコンを見ながら真剣な表情で話している。
テロップ: 日本人女性(にほんじんじょせい)の活躍
ナレーション: なかには、経営者として活躍する日本人女性(にほんじんじょせい)も。
映像説明: 白いシャーベット状の液体が入ったジョッキが置かれたカウンターで、茶色いボブヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)がインタビューに答える。 メガネをかけた女性スタッフが、ガラスのジョッキから白いシャーベット状の液体をスプーンですくって口へ運ぶ。目を見開いて大きくうなずき、OKサインをしたあとで親指を立てる。
茶色いボブヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい): やっぱり何か(なんか)、メキシコ人の、子たちが求めてるもの、食べたいものとか、を、提供するとね、1番いいじゃないですか。
映像説明: 白い壁の部屋。中央に白い歯科医療機器が設置され、患者が座るブルーグレーの椅子が見える。濃い紫色のスクラブを着て黒髪をアップにした日本人女性(にほんじんじょせい)が、機器のそばに腰掛けてインタビューに答える。
黒髪をアップにした日本人女性(にほんじんじょせい): 日本(にほん)とメキシコの架け橋になりたい、っていうのが、大きな希望だったんですよ。
映像説明: 黒髪をアップにした日本人女性(にほんじんじょせい)がマスクをつけ、薄紫色(うすむらさきいろ)の長袖の予防衣(よぼうい)を着て、あおむけで口を開けた患者の歯にデンタルフロスをかけている。 茶色いボブヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)が、数人のスタッフと一緒にスマートフォンをのぞき込んでいる。メガネをかけた女性スタッフが画面を大笑いしている。
テロップ: 邦人向けから地元で愛される存在に メキシコで受け入れられた“日本らしさ(にほんらしさ)”とは
ナレーション: 在留邦人に向けたビジネスが、やがて地元で愛される存在に。メキシコで受け入れられた「日本らしさ(にほんらしさ)」とは?
映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。各国のさまざまな人々の笑顔や、農作物(のうさくぶつ)を収穫している様子、ガントリークレーンが並んでいる港、緑色(みどりいろ)の仏像、小型飛行機や新幹線、バイクなどの乗り物や生き物など、世界中のいろいろな写真が現れて白い画面を埋めていく。連なった写真に重なるように世界地図のCGが浮かび上がり、中央に紺色の文字で「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」と書かれたタイトルテロップが表示される。
映像説明: 閑静な町並みの通り沿いにある、こぢんまりとしたオープンテラス。街路樹が枝を広げる下に、白い屋根と柱でできた長方形の構造物がある。屋根の下に2人掛け(ふたりがけ)のテーブル席が4つあり、うち2つに男性や女性が座っている。天井には小ぶりな裸電球がところどころに下がり、床には細長い葉の観葉植物が置かれている。歩道を挟み、ショーウインドーのある店舗の出入り口が見える。ショーウインドーの前にもテーブル席があり、男性、女性、ピンク色のパーカーを着た女の子の3人連れが食事をしている。 ショーウインドーの上方(じょうほう)に、「TSUBOMI(ツボミ)」と書かれたクリーム色(いろ)の丸い突き出し看板が出ている。
サイドテロップ(画面右上に常時表示): メキシコ人も舌鼓 日本式(にほんしき)パンが大人気(だいにんき)
テロップ: メキシコシティ
テロップ: TSUBOMI
ナレーション: 土曜日の朝9時。メキシコシティーにあるベーカリー「TSUBOMI」では、
映像説明: 店内。ショーウインドーに陳列された丸い形のペストリーのアップ。バナナのスライスをのせた上にチョコレートを細いしま模様に絞ったもの、角切りの黄色いフルーツがのったもの、カスタードクリームとイチゴがのったものなどがある。
ナレーション: 開店と同時に次々にパンが並ぶ。
映像説明: TSUBOMIのちゅう房。茶色いボブヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)が、16個のペストリーがのったオーブンの天パンを持ってきて、こちらへ見せながら説明する。表面にスライスしたアーモンドを散らしたものや、渦巻き形のもの、真ん中にフィリングを詰める穴が空いたものなど、どれもこんがりと茶色に焼けている。
茶色いボブヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい): これ、焼きたてです。
映像説明: 茶色いボブヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)が、白い粉の入った茶こしを右手に持ち、左手で天パンにのったペストリーの向きをそろえている。
テロップ: TSUBOMI オーナー 見上 歌奈子(みかみ かなこ) さん
ナレーション: 店のオーナーは、こちらの日本人女性(にほんじんじょせい)。在住16年の見上さんだ。
映像説明: ショーウインドーに、籠に入った3種類のフランスパンが並んでいる。表面に雑穀をまぶして焼いたバタール、だ円形(だえんけい)のクッペ、細長いバゲット。
ナレーション: メキシコでは、フランスパンのような、歯ごたえのある固めのパンが主流だが、
映像説明: 透明なビニール袋で包装された6枚切りの食パン。表面が茶色い山型の食パンと、きつね色(いろ)の角型の食パンが並んでいる。 木製の棚に陳列されたパンの籠。籠にはメロンパンやチョコチップメロンパン、クロワッサンなどが盛られている。メロンパンとチョコチップ入りのメロンパンが盛られた籠がズームアップされる。
テロップ: 日本的(にほんてき)なやわらかいパン
ナレーション: この店では、日本ではおなじみのやわらかいパンも提供している。それが、「ここでしか食べられない」と、評判になっているのだ。
映像説明: TSUBOMIのオープンテラス。白髪交じりの短髪でサングラスをかけた男性客がインタビューに答える。
テロップ: 常連客
常連客・フランス語: 私はフランス人です。 TSUBOMIはパンがおいしいから大好きなんです。 フランス人は、みんなここで買っていますよ。
映像説明: 店内。髪をアップにまとめ、黄色(きいろ)の上着を羽織った女性客が食パンやペストリーをのせたトレーを持って商品棚の前に立ち、インタビューに答える。
テロップ: 常連客
常連客・スペイン語: 値段も手ごろで、とてもおいしいです。 毎日でも食べたいくらいよ。 おいしいだけでなく、ヘルシーで健康的なんです。
映像説明: 髪をアップにまとめ、黄色(きいろ)の上着を羽織った常連客の女性が店内のテーブルで抹茶色(まっちゃいろ)のアイシングが掛かったドーナツを食べている。 木製の棚に、籠に盛られたパンが陳列されている。クロワッサンや、白いアイシングが掛かった丸いパン、メロンパン、細切りのベーコンがのった総菜パンなどがある。
ナレーション: 味付けの濃い料理が多いメキシコでは、日本的(にほんてき)なパンはヘルシーな印象があるようだ。しかし…。
映像説明: TSUBOMIの店舗の前で、見上さんがインタビューに答える。 ショーウインドーに置かれたケーキスタンド。ガラスのドームの中に、バナナのペストリーとイチゴのペストリーが入っている。ケーキスタンドの足元には、バナナのペストリー、イチゴのペストリー、角切りの黄色い(きいろい)フルーツがのったペストリー、そのほかに、ガーリックバターがしみこんだバタールや、表面に雑穀をまぶしたバタールなども陳列されている。 ショーウインドーの前のテーブルで、ピンク色のパーカーを着た女の子が、白いクリームのケーキをほおばる。
見上さん: 当初は、あの、例えばケーキとかでも、味がないとか、言われたんですよね。 だから、でも、だからと言って、じゃあ、もっと甘くすればいいじゃんっていうことは特にせずに、あの、それは続けてきてて。 メキシコ、の食文化も、かなり変わってきたので、だんだん、このレベルの(控えめな)甘さを受け入れられるようになってきたのは、なんか、すごく感じますね。
映像説明: 石造りの建物に沿った歩道を、大勢の人が行き交っている。Tシャツやタンクトップ、ジーンズなどのカジュアルな服装。リュックサックを背負ったり、スーツケースを押している人もいる。
ナレーション: 中南米諸国のなかでは、ブラジルに次いで日本人(にほんじん)が多いメキシコ。
映像説明: 天パンの上の細長いだ円形(だえんけい)のドックパンに焼きそばを挟み、紅しょうがをトッピングしたパンのアップ。
テロップ: 在留日本人(ざいりゅうにほんじん)向けの裏メニュー
映像説明: TSUBOMIのキッチンカウンター。メガネをかけた女性スタッフが、左手に持ったフライパンからトングで焼きそばをつかみ、食パンの上に敷いたレタスの上に盛っている。焼きそばを山盛りにのせたパンがズームアップされる。
ナレーション: この店には、在留する日本人(にほんじん)に向けた裏メニューがある。からあげや焼きそばをサンドした総菜パンだ。
映像説明: ごはんとサラダ、ピクルスがのった白い皿に、トングでからあげを盛りつける手元。 オープンテラスのテーブルで、からあげのランチプレートを食べているカップル。 TSUBOMIの店舗の前で見上さんがインタビューに答える。
見上さん: 結構、なんか、日本(にほん)のごはんが好きなメキシコ人も増えてきてるから。 例えば今、からあげとか、ま、ランチプレートなんですけど、それは、ごはんと一緒に販売してるんですけど、そういうのは、だいぶ、こう、人気が出てきてるので、お客さまのニーズに合わせて、和風の総菜パンとか、ま、なんでも、取り組んでいくことは考えてます。
映像説明: オーブンの天パンに、淡い黄色(きいろ)のフィリングが詰まった丸いペストリーが5個並んでいる。黒い衛生手袋をはめた手が、その表面に、もみのりをトッピングしていく。 横半分に切ったバゲットにレタスと揚げた鶏肉(とりにく)のようなものを挟んだ総菜パン。小さなカップに入ったピクルスとともに、白い長方形の皿に盛りつけられている。 隣には白い長方形の皿に盛りつけられた、トーストした食パンにレタスと焼きそばを挟んだ総菜パンが置かれている。
テロップ: 総菜パンにも期待
ナレーション: メキシコの食の変化や広がりによって、甘さ控えめのメニューのように、日本的(にほんてき)な総菜パンも、やがては受け入れられるのでは、と期待されている。
映像説明: 高さ20cmほどの白いコック帽をかぶり、白いコック服の上に赤いエプロンをつけた見上オーナーの写真。右手にフォークを持ち、丸い皿に載せられた白いデコレーションケーキにフォークを入れようとしている。
サイドテロップ(画面右上に常時表示): “メキシコ式”と“日本式(にほんしき)”の調和 メキシコ人スタッフと働く
テロップ: パティシエ時代の見上さん
ナレーション: 16年前、パティシエとしてメキシコにやってきた見上さん。
映像説明: TSUBOMIの店内。ペストリーが入ったガラスのケーキスタンドを持って、見上さんがキッチンから出てくる。ショーウインドー内のテーブルにケーキスタンドを置き、卓上を整える。
ナレーション: 独立したのち、幾度かの失敗を乗り越え、5年前に日本人向け(にほんじんむけ)のメニューをそろえた、この店をオープンした。
映像説明: TSUBOMIの店内。そろいの白いTシャツの黒いエプロンをつけたスタッフたちが、忙しく働いている。急ぎ足でお客の待つレジへ入っていく男性スタッフ、カウンターに向かって何か書いている女性スタッフ、調理をしている女性スタッフがいる。
テロップ: メキシコの働き方
ナレーション: 今では12人の現地スタッフを抱えるまでに。しかし、当初はメキシコ人の働き方に戸惑ったという。
映像説明: TSUBOMIの店舗の前で、見上さんがインタビューに答える。
見上さん: (メキシコ人は)おしゃべり大好き! ほんと大好きですね。冗談ばっかり。
映像説明: 長髪を後頭部でまとめた男性スタッフが、青い液体の入ったスプレーボトルと布巾を持ってレジ周りを掃除している。キッチンカウンターの中の女性スタッフ3人と、カウンターの外に立つ見上さんが談笑している。
ナレーション: しかし、見上さんは、おしゃべりをやめさせようとはしなかった。
映像説明: そろいの白いTシャツに黒いエプロンをつけた女性スタッフが、白いワゴン車のスライドドアを閉める。ワゴン車には、窓いっぱいにTSUBOMIのパンの写真が貼られている。 女性スタッフが乗り込んだワゴン車が走り出していく。
テロップ: 丁寧で時間に正確な店
ナレーション: その代わり、彼らに指導したのは、時間を守って丁寧に仕事をする姿勢。これがスタッフに浸透することで、パンの配達時間も正確だと、客からの評判につながった。
映像説明: TSUBOMIの店内。そろいの白いTシャツに黒いエプロンをつけた3人の女性スタッフが、キッチンカウンターを挟んで笑顔でおしゃべりしている。 TSUBOMIの店舗の前で、見上オーナーがインタビューに答える。
見上さん: せっかくだから、やっぱ楽しく仕事したいし、いや、話してもいいけど、手は動かそうよ、みたいな。
映像説明: 長髪を後頭部でまとめた男性スタッフが、テラス席に座る女性客と話をしている。
ナレーション: スタッフたちは、日本的(にほんてき)な規則正しい仕事のやり方にやりがいを感じているようだ。
映像説明: オープンテラスの一角で長髪を後頭部でまとめた男性スタッフがインタビューに答える。 パンが並ぶ木製の棚の前で、男性スタッフが2人連れの女性客を応対している。
テロップ: スタッフ
男性スタッフ・スペイン語: 私は、これまで日本人(にほんじん)と接したことも、一緒に仕事をしたこともありませんでした。 でも、この店に来て、彼らの仕事のリズムや美しい日本食(にほんしょく)の文化などに触れました。 そして、この店を好きになったんです。
映像説明: メガネをかけた女性スタッフが、白いシャーベット状の液体をミキサーにかけている手元。 スプーンを使って、ミキサーから白いシャーベット状の液体をガラスのジョッキに盛りつけている手元の様子。
テロップ: 自発的な動き
ナレーション: すると徐々に、スタッフたちからも自発的な動きが出てきたという。
映像説明: レジ周りが見える店舗の出入り口付近で、見上オーナーがインタビューに答える。 キッチンカウンターの調理スペース。ミキサーの隣に、紙パックに入った濃縮タイプのカルピスと、ガラス瓶に入ったフラッペの材料が置かれている。メガネをかけた女性スタッフが、ミキサーのボタンを押して、ミキサー容器の中の白いシャーベット状の液体をかき混ぜている。
見上さん: ま、あの、スタッフの子たちが、「最近暑いし、カルピス、人気だから、あの、いいんじゃないか」って、フラペを作りました。
映像説明: キッチンカウンターでフラッペを試食する見上さん。ガラスのジョッキから白いフラッペをスプーンですくって口へ運ぶ。目を大きく見開き、カメラに向かって親指を立てて見せる。カウンターの中で、メガネをかけた女性スタッフが笑顔でうなずく。
ナレーション: 果たして、新メニューの味は…。
見上さん: んー。おいしい~!
映像説明: メガネをかけた女性スタッフが、ガラスのジョッキから白いフラッペをスプーンですくって口へ運ぶ。目を見開いて大きくうなずき、親指を立てる。 フラッペが置かれたカウンターで、見上さんがインタビューに答える。
見上さん: やっぱりなんか、メキシコ人の、子たちが求めてるもの、食べたいものとか、を、提供するとね、1番いいじゃないですか。で、 特に彼らがやっぱり、お客さん、接客とかしてるので、 あのー、多分アイデアも出しやすいんでしょうね。「こういうのがいいんじゃない?」って。
映像説明: 出入り口近くのテーブルで、野球帽をかぶった男性スタッフがジョッキに入ったフラッペをスマートフォンで撮影している。 キッチンカウンターに置いたフラッペのジョッキを、スマートフォンで撮影している。撮影した画面にズームインする。
ナレーション: さらに、写真が得意なスタッフが、SNSにアップするために、さまざまなシチュエーションで撮影。こうした取り組みも、スタッフたちからの提案だ。
映像説明: 出入り口近くのテーブルで野球帽をかぶった男性スタッフがフラッペを撮影している。見上さんが、そばに立ってその様子を見守っている。
テロップ: 日本的(にほんてき)な丁寧な仕事
ナレーション: 日本人(にほんじん)の、丁寧で規則正しく仕事をする姿勢と、
映像説明: キッチンカウンターの外から、見上さんがカウンターの中にいる3人の女性スタッフに指示を出している。スタッフも見上さんも真剣な表情で話をしている。 TSUBOMIの店舗の出入り口で、7人のスタッフたちと記念撮影をする見上さん。ロングヘアーの女性がスマートフォンを向けると、スタッフたちがそれぞれ一斉にポーズを取る。
テロップ: メキシコ的な楽しむ感性
ナレーション: メキシコ人の楽しく仕事をする感性を調和させ、地元で愛される店として定着したTSUBOMI。見上さんが思い描く、さらなる成長とは?
映像説明: TSUBOMIの店舗の前で、見上さんがインタビューに答える。 店舗の出入り口付近のテーブル席で、男性3人と女性2人のグループが談笑している。手前の席の短髪で黒いTシャツを着た男性が、振り向いてカメラに手を振る。続いて同席の女性や男性たちも笑顔でカメラに手を振る。 細長い葉の観葉植物の向こうに、オープンテラスのテーブルで談笑するカップルの姿が見える。 キッチンのカウンターに置かれたジョッキ入りのフラッペを、白髪交じりの髪の男性スタッフがスプーンで口へ運ぶ。男性スタッフがカメラに向かって親指を立てながらうなずく。 TSUBOMIの店舗の前で、見上さんが話を続ける。
見上さん: おうちに来て、楽しんで、ゆっくりくつろいでもらえるような、雰囲気にしたいんですよ。 なんか。その、自分の家に呼んで、ま、おいしいもの食べておしゃべりして、楽しんで、みたいな、 そういう雰囲気? ま、(スタッフにとっても)家族より長く一緒にいる、こともあるわけだから、 ま、楽しく仕事できるような環境、っていうのをやりたい、ですね。
映像説明: 交通量の多い通りに面した20階ほどの高さのガラス張りのビルの外観。 ビルの内部。白い壁の廊下を入った室内の中央に設置された白い歯科医療機器から、先端に小さなテーブルがついたアームや、モニターがついたアームが伸びているのが見える。 小さなテーブルがついたアームの向こう側で、黒髪をアップにした日本人女性(にほんじんじょせい)が薄紫色(うすむらさきいろ)の長袖の予防衣(よぼうい)を着て椅子に座っている。その横で黒いTシャツを着た男性が、背もたれを倒したブルーグレー色(いろ)の椅子であおむけになっている。テーブルの脇に濃い紫色(むらさきいろ)のスクラブを着た女性スタッフが立っている。
テロップ: DENTAL ARITA(デンタル アリタ)
ナレーション: 日本のよさを生かしつつ、地元にも寄り添う。そんなケースは、ほかにも…。
映像説明: 黒髪をアップにした日本人女性(にほんじんじょせい)が、薄紫色(うすむらさきいろ)の長袖の予防衣(よぼうい)を着て男の子を診療している。
サイドテロップ(画面右上に常時表示): メキシコと日本の架け橋に 日系歯科医が目指す未来
黒髪をアップにした日本人女性(にほんじんじょせい): はい、「ぐちゅぐちゅぺっ」して。何も飲み込まないでね。
映像説明: 黒髪をアップにした日本人女性(にほんじんじょせい)が、薄紫色(うすむらさきいろ)の長袖の予防衣(よぼうい)を着て、椅子であおむけになっている身頃が薄緑色(うすみどりいろ)で袖が黒いTシャツを着た男の子を診療している。女性は右手に電動式の器具を、左手には金属の棒の先に小さな鏡がついた歯科用のミラーを持っている。
テロップ: DENTAL ARITA 金口 明美(かなぐち あけみ) 歯科医師
ナレーション: メキシコシティーで歯科医院を営む、金口(かなぐち)さん。
映像説明: モノクロで印刷された冊子。開かれたページに「DR. ARITA LEONARDO TETSUNORI(ドクター アリタ レオナルド テツノリ)」と見出しがある。スペイン語
の本文に添えて、縦長のだ円形(だえんけい)に切り抜かれた顔写真、その下に別の顔写真入りの名刺が載っていて、「歯科医院」、「有田哲昇(ありたてつのり)」と漢字で書かれている。 白い壁に、冊子の本文と同じ写真が飾られている。つやのある黒い縦長の長方形のフレームに、縦長のだ円形(だえんけい)に切り抜かれたセピア色(いろ)の写真が収められている。
テロップ: メキシコ初の日本人(にほんじん)歯科医 有田 哲昇(ありた てつのり) 歯科医師
ナレーション: 実は、彼女の祖父はメキシコで初めての日本人(にほんじん)歯科医。歯科医を目指しアメリカ留学に向かう途中で第2次世界大戦が始まり、足止めされたメキシコで開業した。
映像説明: DENTAL ARITAの診療室。、白い壁の部屋の中央には白い歯科医療機器が設置され、患者が座るブルーグレーの椅子が見える。機器のそばに腰掛けて、金口(かなぐち)歯科医師が話を聞いている。
ナレーション: 金口(かなぐち)さんは、その3代目だ。
映像説明: DENTAL ARITAの診療室。、歯科医療機器機器のそばに腰掛けて、金口(かなぐち)歯科医師がインタビューに答える。 白い壁の診療室で、金口(かなぐち)歯科医師が、メガネをかけた男性を診療している。
金口(かなぐち)歯科医師: 私、クオーターでもあるんですけど、ま、日系人なので、 もう、幼いから、日本とメキシコの架け橋になりたいっていうのが、大きな希望だったんですよ。 歯科になったことで、歯科医療で架け橋になれればいいと思った。
映像説明: 金口(かなぐち)歯科医師の学生時代のスナップ写真。金口(かなぐち)歯科医師以外の顔にはプライバシー保護のぼかしが入っている。白衣を着た男性や女性9人が写っていて、小ぶりのケーキを持って中央に座っている人物を、ほかの8人が囲み、ポーズを取っている。
ナレーション: メキシコの大学を卒業後、東京の大学院で4年間、歯科医療を学んだ金口(かなぐち)さん。
映像説明: DENTAL ARITAの白い壁の診療室。金口(かなぐち)歯科医師が、電動式の器具を使って男性を診療している。
ナレーション: 帰国して、このクリニックを引き継いだ。患者のおよそ7割は日本人(にほんじん)だという。
映像説明: 治療用資材の黒いチューブを3本、両手のひらにのせ、こちらへ見せている手元。
テロップ: レジン 虫歯治療などで削った場所に 詰める材料の1つ
ナレーション: その治療に役立っているのが、大学院で使っていた日本の製品だ。
金口(かなぐち)歯科医師: こちらが日本製(にほんせい)ですね。
映像説明: 白い壁の診療室。部屋の中央には白い歯科医療機器が設置され、患者が座るブルーグレーの椅子が見える。機器のそばに腰掛けて、金口(かなぐち)歯科医師がインタビューに答える。手にレジンの黒いチューブを3本持っている。
金口(かなぐち)歯科医師: 日本人(にほんじん)の患者さんに、の、歯に、合うんですよ、色が。
映像説明: 白い壁の診療室で、金口(かなぐち)歯科医師が3歳くらいの女の子を診療している。 白い歯科医療機器のアームに取り付けられたモニターにアニメの映像が流れている。それを横目に見ながら、身頃が薄緑色(うすみどりいろ)で袖が黒いTシャツを着た男の子が口を開けて金口(かなぐち)歯科医師の診療を受けている。
ナレーション: しかし、メキシコで購入できる日本製(にほんせい)の医療機器は、ごく一部。金口(かなぐち)さんは、今後、もっと入手できるようになってほしいと話す。
映像説明: 黒いTシャツを着た男性が、背もたれを倒したブルーグレーの椅子にあおむけになり、金口(かなぐち)歯科医師の診療を受けている。 背もたれを起こした椅子に、黒いTシャツを着た男性が座っている。金口(かなぐち)歯科医師が、手に持った青い小さなケースからデンタルフロスを引き出して見せながら男性に説明をしている。
テロップ: 日本語でのコミュニケーション
ナレーション: 日本人患者(にほんじんかんじゃ)にとって貴重なのは、日本製(にほんせい)の医療機器ばかりではない。何より安心なのは、母国語でのコミュニケーション。
映像説明: 黒いTシャツを着た男性がベージュ色(いろ)のソファーに座ってインタビューに答える。 白い壁の診療室で、背もたれを起こしたブルーグレーの椅子に黒いTシャツを着た男性が座っている。金口(かなぐち)歯科医師が、手に持った青い小さなケースからデンタルフロスを引き出して見せながら男性に説明をしている。
テロップ: 日本人(にほんじん)の患者
日本人の患者・男性: スペイン語も、ちょっとしゃべりますけど、やっぱり、日常会話だったりとか、その程度なので、 こういう専門的な用語とか、やっぱ分からないとこがあるので、 こういう歯医者とか病院とか、だとやっぱり、日本語でコミュニケーション取れるほうが安心して。
映像説明: 白い壁の診療室。メガネをかけた男性がブルーグレーの椅子に座り、金口(かなぐち)歯科医師に話しかけている。金口(かなぐち)歯科医師が薄紫色(うすむらさきいろ)のの長袖の予防衣(よぼうい)に腕を通しながら返答している。
テロップ: 日本で学んだ診療方法
ナレーション: そして、日本で学んできた診療方法は、メキシコ人患者の心をも捉えていった。
映像説明: 白い壁の前でメガネをかけた男性がインタビューに答える。 白い壁の診療室。金口(かなぐち)歯科医師メガネをかけた男性の診療をしている。 メガネをかけた男性が、背もたれを起こしたブルーグレーの椅子に座っている。金口(かなぐち)歯科医師が、白い歯科医療機器のアームに取り付けられたモニターを手で示しながら話をしている。メガネをかけた男性が、モニターを見ながら何度もうなずく。 白い壁の前でメガネをかけたメキシコ人男性が話を続ける。
テロップ: メキシコ人の患者
メガネをかけたメキシコ人男性・スペイン語: メキシコの歯科との大きな違いは、 先生が細部にまで気を配っていることだと思います。 特に違いを感じたのは、先生が、今、治療で何をしているのか、 この治療の後(あと)に、何を食べられて、何が食べられないのか、 すべてのプロセスを、とてもよく説明してくれることです。
映像説明: 白い壁の診療室。メガネをかけたメキシコ人男性の口に、金口(かなぐち)歯科医師が白い電動式の器具を差し込んでいる。男性の前にはモニターがあり、口腔内(こうくうない)の様子が映っている。 口腔内(こうくうない)の様子が映し出されたモニターのアップ。
テロップ: 口腔内(こうくうない)カメラ 小さなクリニックで 設置しているところは少ない
ナレーション: 例えば、メキシコでは、この規模のクリニックで口腔内(こうくうない)カメラを設置しているところは、まだ少ない。
映像説明: DENTAL ARITAの診療室。白い室内の中央には白い歯科医療機器が設置され、患者が座るブルーグレーの椅子が見える。機器のそばに腰掛けて、金口(かなぐち)歯科医師がインタビューに答える。 白い壁の診療室。メガネをかけたメキシコ人男性の口に、金口(かなぐち)歯科医師が白い電動式の器具を差し込んでいる。男性の前にはモニターがあり、口腔内(こうくうない)の様子が映っている。 漢数字の「十」の字に4分割(よんぶんかつ)された画面に、次々に映像が映し出されていく。金口(かなぐち)歯科医師とメガネをかけたメキシコ人男性がモニター画面に注目している。 DENTAL ARITAの診療室。機器のそばに腰掛けて、金口(かなぐち)歯科医師が話を続ける。
金口(かなぐち)歯科医師: メキシコ人でも結構、不安なところもあるので、 もう、私は結構、説明するんですよね。 で、こういう口腔内(こうくうない)カメラがあって説明すると、ちょっと安心感?があるので。 そう、みんなもう、不安、もう痛い、不安、で、来てるので、もう、コミュニケーションは大事だと思ってます。
映像説明: 身頃が薄緑色(うすみどりいろ)で袖が黒いTシャツを着た男の子が、あおむけになって口を開け、金口(かなぐち)歯科医師の診療を受けている。濃い紫色(むらさきいろ)のスクラブを着た女性スタッフが、男の子の口の中を吸引しながら、声をかけている。 金口(かなぐち)歯科医師が口腔内(こうくうない)カメラの映像が映ったモニターを前にメガネをかけたメキシコ人男性と話をしている。
テロップ: 丁寧なコミュニケーション
テロップ: 日本の診療技術
ナレーション: 患者に寄り添ったコミュニケーションと、日本で得た診療の技術が、国籍を問わず患者たちに喜ばれていた。
映像説明: 金口(かなぐち)歯科医師がメガネをかけたメキシコ人男性の歯にデンタルフロスをかけている。 TSUBOMIのレジ周り。見上さんと、メガネをかけた女性スタッフがレジカウンターの上のパソコンを見ながら真剣な表情で話している。
サイドテロップ(画面右上に常時表示): コロナで変化したメキシコ 女性が活躍する分野とは
テロップ: 女性の社会進出の課題
ナレーション: 近年では、このように国内外で活躍する女性たちは少なくない。しかし、女性の社会進出については、メキシコでも日本と同様の課題があった。
映像説明: 白い壁の応接室。カラフルな花柄のブラウスを着たロングヘアーの女性が、ベージュ色(いろ)の1人掛け(ひとりがけ)ソファーに座って、対面に座る女性と話している。部屋の隅には赤茶色(あかちゃいろ)のマガジンラックがあり、その手前にメキシコの国旗が立てられている。カラフルな花柄のブラウスを着たロングヘアーの女性がクローズアップされる。
テロップ: MAREA Consulting(マリア コンサルティング) 創設者 マリア・ベルナル さんナレーション: 長年、こうした問題に携わってきた識者に話を聞いた。
映像説明: 赤茶色のマガジンラックとメキシコ国旗のそばで、ベルナルさんがインタビューに答える。
ベルナルさん・スペイン語: サービス業、接客業、食品関連など、主に女性が従事している業種はあります。 しかし、まだ女性の参画が進んでいない分野もあります。 「STEM(ステム)企業」と呼ばれるものです。
映像説明: 歴史的建造物の前の通り。たくさんの観光客が行き交っている。建物の前には、観光スポットの写真とともに「TOURS(ツアーズ)」の文字などが書かれた現地ツアー業者のスタンドバナーが立っている。 交通量の多い道路に面した歩道。白抜きでスペイン語のバックプリントが入った、そろいの青いTシャツを着た若者たちが、談笑しながら歩いて行く。ほかにも観光客風の歩行者が行き交っているのが見える。
テロップ: STEM Science=科学 Technology=技術 Engineering=工学 Mathematics=数学ナレーション: 「STEM」は、科学や工学などの総称。さまざまなバックグラウンドの人材が集まることで、ビジネスの発展につながるという。
映像説明: TSUBOMIの店内。見上さんがメガネをかけた女性スタッフと一緒にスマートフォンの画面を見ながら談笑している。 DENTAL ARITAの白い壁の診療室。金口(かなぐち)歯科医師が、ブルーグレー色の椅子に座ったメキシコ人男性と話をしている。金口(かなぐち)歯科医師が、手に持った青い小さなデンタルフロスのケースをしまい、口腔内(こうくうない)カメラを手に取る。
ナレーション: 国を超えて、双方の架け橋となっている日本の女性経営者。さらなる女性の進出が期待されている。
映像説明: 水色のグラデーション背景画。画面の右側で地球の陸地部分だけが点描され、中が空洞になった地球儀のグラフィックイメージが回転している。
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11月14日(予定)
テーマ:水素革命Ⅲ 世界がわかる! オーストラリアで見た最前線
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