目の難病に立ち向かえ! 世界最大級のバイオ展示会 in ボストン
2023年07月13日
「世界は今」のアクセシビリティ対応について
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いまだ、根本的な治療が難しい、加齢黄斑変性。網膜の細胞が減少し、視力が大幅に低下する病気だ。いま日本のスタートアップが目指すのは、iPS細胞の技術を使った、世界初の治療法の実用化。米国ボストンで開催された世界最大級のバイオ展示会での、彼らの奮闘を追った。
(10分35秒)
テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。
映像説明: 青地に黒い花柄のあるエプロンを着てメガネをかけた女性が、自宅の居間のような場所でインタビューに答える。
青地に黒い花柄のあるエプロンを着てメガネをかけた女性: お線香の火が、ちょっと、つけれなくて、あの、主人が「どこ、つけてんだ?」って言うんですけど…。 (目が)見えなくなる不安っていうの、すごくありましたね。
映像説明: 青地に黒い花柄のあるエプロンを着てメガネをかけた女性が、対面キッチンの流しで包丁とまな板を洗っている。
ナレーション: こちらの女性。20年前に、ある難病を発症し、以来、ずっと闘病生活を送ってきた。
青地に黒い花柄のあるエプロンを着てメガネをかけた女性: だいたいこんなもんですね、毎日毎日。
映像説明: 青地に黒い花柄のあるエプロンを着てメガネをかけた女性が、自宅の居間のような場所で、手に持った2L判(ツーエルばん)の花の写真の一部を手で隠したり、見る角度を変えたりしながら話している。
青地に黒い花柄のあるエプロンを着てメガネをかけた女性: この辺しか見えないんですよね…。で、こう…。
ナレーション: 高額な治療費がかかり、眼球への注射など、体への負担も大きい。
映像説明: 加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)の症例写真。暗いオレンジ色(いろ)の球体を包むように血管が走り、端のほうに明るく光る小さな点が1つある。中央に、血管が破れて出血した痕のような赤い塊が見える。(写真提供:日本眼科医会(にほんがんかいかい))
テロップ: かれいおうはんへんせい 加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)
ナレーション: その難病とは、加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)。
映像説明: 青空の下に富士山が見えている写真。中心部だけが明瞭で、周囲はかすんでいる。明瞭に見えていた中心部に、黒い渦巻きのようなフィルターが重なる。
テロップ: 加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい) 網膜の細胞が減少 大幅な視力低下の可能性も
ナレーション: 光を取り込む網膜の細胞が徐々に減少し、視力が大幅に低下する可能性もあり、根本的な治療が難しいとされている。
映像説明: 白い壁のオフィス。左手の壁に沿ってデスクが8席ほど、また、奥の窓際には、立って作業できる高さの作業テーブルが3席ある。中央には、4席ずつの長テーブルが3つ並んでいる。女性4人と男性1人が各自の席でパソコンに向かい、オフィス内を歩いている男性も1人いる。 イベント会場。短髪の日本人男性(にほんじんだんせい)と、濃いグレースーツを着てあごひげを生やし、メガネをかけた男性が笑顔で握手を交わして別れる。
テロップ: 日本のスタートアップ
ナレーション: この難病治療に、日本のスタートアップが立ち向かっている。
映像説明: 白い実験用ゴム手袋をして、電動ピペットの内容物を、ふた付きのガラス容器に入れる手元のアップ。
テロップ: iPS細胞(アイピーエスさいぼう)の技術を使った治療
ナレーション: 彼らは、iPS細胞の技術を使った治療法を、世界で初めて実用化しようとしている。
映像説明: たくさんのオレンジ色(いろ)のペンダントライトが温かな光を放つラウンジのような場祖で、短髪の日本人男性(にほんじんだんせい)がインタビューに答える。
短髪の日本人男性(にほんじんだんせい): 患者さんに(治療法を)届け始めるっていうことをしていきたいなと思っているので、ま、それが1番、あの、重要なことかなと。
映像説明: 走る車からの車窓風景。現代的な高層ビルと、背の低い歴史的な建物が共存する街並み。 市街地の街角に立つ電光掲示板。「Welcome to: BIO International Convention(ウェルカム トゥー ビーアイオー インターナショナル コンベンション)」の文字が映し出されている。
テロップ: 米国 ボストン
ナレーション: 世界中の患者に届けるため、彼らが向かったのは、アメリカ。
映像説明: 白衣(はくい)を着て白いマスクをつけ、メガネをかけた女性が、電子顕微鏡と液晶ディスプレーを並べたデスクに座り、ディスプレーの映像をのぞき込んでいる。液晶ディスプレーには細胞写真のようなものが映し出されている。 白い壁の部屋。短髪の日本人男性(にほんじんだんせい)と薄いグレーのチェックのブレザーを着てメガネをかけた男性が、それぞれ1人掛け(ひとりがけ)の白いソファに座り、談笑している。
テロップ: 目の難病に立ち向かえ! 世界最大級のバイオ展示会 in ボストン
ナレーション: 医療の未来を変えようとする挑戦を追った。
映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。各国のさまざまな人々の笑顔や、農作物(のうさくぶつ)を収穫している様子、ガントリークレーンが並んでいる港、緑色(みどりいろ)の仏像、小型飛行機や新幹線、バイクなどの乗り物や生き物など、世界中のいろいろな写真が現れて白い画面を埋めていく。連なった写真に重なるように世界地図のCGが浮かび上がり、中央に紺色の文字で「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」と書かれたタイトルテロップが表示される。
映像説明: 緑色(みどりいろ)の鉄骨造りの建物に沿って、車がずらりと路上駐車している。道路の上のほうに「Welcome to FENWAY PARK(ウェルカム トゥー フェンウェイ パーク)」と書かれた横断幕が掛かり、その奥にダウンタウンの高層ビル群が見える。画面左下の四角い枠に地図が表示される。薄茶色(うすちゃいろ)の周辺地形に北米の国土が緑色(みどりいろ)で示され、東海岸に位置するボストンの位置が赤い星印で示されている。 三角形の切妻屋根とアーチ型の窓が特徴的な3階建ての茶色の建物が、高層ビルのあいだに建っている。前にある広場には、腕組みをした男性の像があり、観光客らしき男性や女性が、立ち話をしたり写真を撮ったりしている。
ナレーション: アメリカ東海岸の都市、ボストン。
映像説明: 天然の地形を利用した港に小型船の白いマストが並ぶ船着き場。フェリーがゆっくりと入ってくる。 「FENWAY PARK」、「HOME OF THE BOSTON RED SOX」の文字と赤い靴下のイラストとロゴを描いた大きな看板が掲げられたと書かれた看板がある緑色(みどりいろ)の鉄骨造りの建物の外観。手前にはレンガ調の壁で縦長の格子窓がある建物が見える。
ナレーション: 美しい港やベーブ・ルースが活躍した野球場など、歴史的な建造物が並ぶなか、
映像説明: 走る車からの車窓風景。近代的なガラス張りのビルが建ち並ぶ一角。外壁の高い位置に「Bristol Myers Squibb(ブリストル マイヤーズ スクイブ)」や「sanofi(サノフィ)」といった社名ロゴが掲げられている。 外壁の高い位置に掲げられた「sanofi」の社名ロゴのアップ。テロップ: ボストンに拠点を持つ製薬会社 サノフィ ファイザー ロシュ 武田薬品工業 エーザイ など
ナレーション: 街には、世界的に著名な製薬会社などが拠点を構える。
映像説明: 屋内。白い壁に「Tufts Launchpad biolabs(タフツ ランチパッド バイオラブズ)」の社名ロゴが掲げられている。 通路の壁。スタートアップ企業やスポンサー企業の社名ロゴをプリントした長方形のプレートが、6列5行に並べて整然と掲示されている。テロップ: biolabs(バイオラブズ) バイオ分野などのスタートアップ支援施設ナレーション: バイオ分野のスタートアップを育成・支援するインキュベーション施設も多い。
映像説明: 大きな窓がある白い壁の室内。茶色のロングヘアーで黒い服を着た女性がテーブルでインタビューに答える。
テロップ: biolabs(バイオラブズ) ローラ・スティーブンス プロジェクトマネージャースティーブンスプロジェクトマネージャー・英語: ボストンはバイオ産業の中心地です。 細胞を使った治療技術に特化した(とっかした)スタートアップが増えています。
映像説明: グレーの壁でガラス張りのエントランスがあるビル。出入り口の上には「One Broadway」の立体文字看板があり、フラワーポットで区切られた向こう側に紺色のパラソルを開いたカフェスペースが見える。 人々でにぎわうカフェスペースのカウンター。白いシャツを着てメガネをかけた男性が、紺色のスーツを着た男性に、カウンター越しにプラスチックカップに入った飲み物を渡している。 OOLONG TEA(ウーロンティー)のプレートが置かれたカウンターでは、赤いセーターに黒い上着を着た女性が、黒いセーターを着た女性に、カウンター越しにプラスチックカップに入った飲み物を渡している。
ナレーション: そんな街の中心にあるビルでは、時々、こんなパーティーが。
映像説明: ダウンタウンが見えるバルコニー。丸刈りでひげを生やし、カラフルなシャツを着た男性がインタビューに答える。隣で、茶色の髪をポニーテールにした女性が笑顔を浮かべながら話を聞いている。
テロップ: 参加者
参加者・英語: よく、こうして集まっています。 ハーバード大学やMIT(エムアイティー)が近くにある、学生が多い街です。
映像説明: ガラス張りのビルとビルのあいだの通路に設けられたオープンカフェのようなスペース。スーツを着た男性や女性でにぎわっている。カジュアルな服装の学生らしき人たちもいる。
ナレーション: 集まっていたのは、有名大学の学生や投資家たち。
映像説明: 屋内。会議室のようなスペースの出入り口付近に置かれたホワイトボードに「What in the Harana Room Today?」のタイトルとタイムテーブルが書かれている。JapanやTokyo、Yokohama、Kobeといった文字も見える。 出入り口付近に置かれたホワイトボードのアップ。「Hear Pitches from Japanese Companies」の1行が赤い枠で囲まれる。
ナレーション: 彼らのお目当ては…。看板には「日本企業(にほんきぎょう)によるピッチ」と書いてある。
映像説明: 大きな会議室。椅子がぎっしりと並べられ、100人ほどの人が集まっている。部屋の左右や後ろで立ち見している人も大勢いる。 前方の壁には大型の液晶ディスプレーが2台並べて設置され、その脇にCIC JAPAN DESK(ケンブリッジ イノベーション センター ジャパン デスク)と書かれたロールバナースタンドが置かれている。 グレーのスーツにオレンジ色(いろ)のネクタイをした日本人男性(にほんじんだんせい)がマイクを持って、手ぶりを交えながらプレゼンしている。 大型液晶ディスプレーの前で黒いスーツを着た日本人男性(にほんじんだんせい)が、マイクを持ってプレゼンしている。
サイドテロップ(画面右上に常時表示): ボストンで脚光を浴びる 日本のスタートアップ
テロップ: Japan Innovation Night 主催:ジェトロ CIC(ケンブリッジ イノベーション センター)
ナレーション: この日、行われていたのは、日本のスタートアップが投資家やパートナーを探すプレゼンイベント。
映像説明: 大型の液晶ディスプレーに、日章旗とフラワーアレンジメントを背に岸田 文雄(きしだ ふみお)首相がメッセージを述べる映像が流れている。画面の下部には英語の翻訳字幕が表示されている。 岸田首相のメッセージ映像が画面全体に映し出される。岸田首相がメッセージを述べている。(映像提供:内閣広報室)
テロップ: 岸田首相
岸田首相: 世界の創薬イノベーションをリードするボストンの皆さん。 今こそ日本の創薬スタートアップに投資するときだ、ということです。
映像説明: 「Japan Innovation Night」の会場。聴講席の人々が前方の大型液晶ディスプレーに映し出されている岸田首相のメッセージ映像を見ている。
ナレーション: 世界有数のバイオ産業の集積地で、彼らの活動を後押ししようと、岸田総理大臣からもメッセージが寄せられた。
映像説明: 大型液晶ディスプレーの横で白いシャツに黒いスーツを着てメガネをかけた日本人男性(にほんじんだんせい)がプレゼンしている。
ナレーション: 先進的な技術を持つ企業、11社がプレゼンするなか、
映像説明: 青いシャツにグレーのジャケットを着た短髪の日本人男性(にほんじんだんせい)が演題でマイクを渡され、プレゼンを始める。
テロップ: iPS細胞の技術を使った難病治療
テロップ: ビジョンケアグループ 大谷 朋輝(おおたに ともき) COO(シーオーオー)
ナレーション: 注目された技術の1つが、iPS細胞の技術を使った難病治療。プレゼンするのは、ビジョンケアグループで海外展開を担当する大谷(おおたに)さん。
映像説明: 加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)の症例写真。暗いオレンジ色(いろ)の球体を包むように血管が走り、端のほうに明るく光る小さな点が1つある。中央に、血管が破れて出血した痕のような赤い塊が見える。(写真提供:日本眼科医会(にほんがんかいかい))
テロップ: かれいおうはんへんせい 加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)
ナレーション: その難病とは、加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)。視力が大幅に低下する恐れがある。
映像説明: 会場前方にある大型液晶ディスプレーに、眼球の断面などの模式図が表示されている。その横で大谷(おおたに)COO(シーオーオー)がプレゼンしている。
ナレーション: この治療法の実用化を目指しているのだ。
映像説明: 室内。ガラスのドアに白い文字で「ビジョンケアグループ本社」、「株式会社ビジョンケア」、「株式会社VC Gene Therapy」、「株式会社VC Cell Therapy」など、ビジョンケアグループの系列会社の社名が書かれている。
テロップ: ビジョンケアグループ
ナレーション: こちらが、その、ビジョンケアグループ。
映像説明: ガラス張りの室内で、黒いワンピースに白いジャケットを着てメガネをかけた女性が手ぶりを交えながら話している。
テロップ: ビジョンケアグループ 髙橋 政代(たかはし まさよ) CEO
ナレーション: iPS細胞から作った網膜組織の世界初の移植に成功した髙橋(たかはし)教授が、自ら立ち上げた。
映像説明: 画面が左右に2分割され、左に髙橋(たかはし)CEO、右に大谷(おおたに)COO(シーオーオー)の写真が映っている。
ナレーション: 大谷(おおたに)さんとともに、実用化を目指している。
映像説明: 額に入った証書や本が並ぶ棚の前で髙橋(たかはし)CEOがインタビューに答える。 白衣(はくい)を着て白いマスクをつけた女性が電子顕微鏡と液晶ディスプレーを並べたデスクに座り、ディスプレーの映像をのぞき込んでいる。画面には、白地に黒い砂をまいたような細胞の画像が映っている。 額に入った証書や本が並ぶ棚の前で髙橋(たかはし)CEOが話を続ける。
髙橋(たかはし)CEO: 網膜っていうのは、もう、再生しないことでよく知られています。 ですから、いっぺん悪くなってしまうと、もう神経細胞がなくなってしまって、もう二度と戻らないんですね。 ですので、細胞を移植して戻してあげないといけないと。 やっぱり治らない病気がたくさんあると。 この治療法は、私が作らないといけないんじゃないかと思いまして。
映像説明: 白い壁の部屋の中央に、胴体に両腕だけをつけた形の白いロボットが設置されている。ガラス越しに、ロボットの前や両側の壁に置かれた白い用具棚が見える。 白いロボットが棚から平らな透明容器を両腕で持ち上げて移動させている様子のアップ。
テロップ: 汎用ヒト型ロボットLabDroid(ラボドロイド)「まほろ」 開発元:ロボティック・バイオロジー・インスティテュート
ナレーション: しかし、iPS細胞の技術を使った治療には、細胞を量産するためのパートナーや資金調達が必要だ。
映像説明: 大きく張り出した玄関のひさしが特徴的な国際会議場クラスの建物の外観。前を通る道路には多くの車が行き交っている。 広大な会場内。たくさんのブースがあり、通路には、たくさんの来場者が行き交っている。
サイドテロップ(画面右上に常時表示): 世界最大級! バイオ展示会 難病治療の糸口は!?
テロップ: 2023年6月5~(から)8日 BIO International Convention(ビーアイオー インターナショナル コンベンション)
ナレーション: 彼らが向かった先は、毎年、アメリカで開かれる「BIO International Convention(ビーアイオー インターナショナル コンベンション)」。
映像説明: 会場内。ITALIA、KOREAや、Belgium(ベルギー)、INDIA(インド)などの国名や企業名が書かれた色とりどりの看板やアイキャッチが並んでいるのが次々に映される。各パビリオンやブースでは、展示を見る人や立ち話をする人がいる。 通路を移動している人やプレスの取材を受けている人たちもいる。
テロップ: 73の国と地域から約1,500社が出展
ナレーション: ことしは、世界73の国と地域から、およそ1,500社が出展。来場者は20,000人を超え、世界が注目する展示会だ。
映像説明: 白いパーティションにポスターなどが掲げられたブースの前。茶色のロングヘアーを左肩に流しメガネをかけた女性がインタビューに答える。
テロップ: 米国国旗 来場者
米国の来場者・英語: 新しい技術を見つけたいと思って来ました。
映像説明: Japanと書かれた看板のあるブースの前。栗色(くりいろ)のショートヘアーでベージュ色(いろ)のストールを肩に巻いた女性がインタビューに答える。
テロップ: 米国国旗 来場者
米国の来場者・英語: すばらしい出会いが、たくさんあるんです。
映像説明: 会場内の高いところから見た、「JAPAN」や「JETRO(ジェトロ)」のロゴがあるパビリオン。 10m四方ほどのスペースに、白いパーティションが正方形の菓子箱のような形に組まれている。4つの面が全て通路に面し、複数の企業がブースを出展している。内部は小さく仕切られ、商談スペースになっている。 ブースの前では、スーツを着た出展企業の担当者たちが来場者と話している。
テロップ: ジャパンパビリオン 主催:ジェトロ
ナレーション: 日本のスタートアップが出展する、ジャパンパビリオン。
映像説明: ジャパンパビリオンの一角。「VCCT Inc.(ブイシーシーティー インク)」の看板を掲げ、「Vision Care(ビジョンケア)」と書かれたポスターなどを貼ったブースの前に大谷(おおたに)COO(シーオーオー)が立っている。
ナレーション: ここに、大谷(おおたに)さんは初めてブースを構えた。
映像説明: ジャパンパビリオン。VCCT Inc.(ブイシーシーティー インク)のブースの前で、大谷(おおたに)COO(シーオーオー)がインタビューに答える。
テロップ: ビジョンケアグループ 大谷 朋輝(おおたに ともき) COO(シーオーオー)
大谷(おおたに)COO(シーオーオー): 来年度に、ま、弊社として資金調達をしなければなりませんので、えー、投資家の方々との、えっと、コネクションを作るためと。 で、2つめの目的は、ま、あの、米国での製造パートナーを探している、ということなので、 ま、できるだけ、いろんな方々とお会いしている、という形になります。
映像説明: 大谷(おおたに)COO(シーオーオー)が、薄いグレーのチェックのブレザーを着てメガネをかけた男性とグレーのスーツを着た男性を伴って、会場内を歩いて移動している。 濃いグレーのスーツを着てあごひげを生やし、メガネをかけた男性も加わり、4人で白い扉のあるガラス張りの商談ルームへ入っていく。
ナレーション: まず、大谷(おおたに)さんが探し始めたのは、海外でのiPS細胞の製造パートナー。
映像説明: 白い壁の商談スペース。白い1人掛け(ひとりがけ)のソファに座り、内ポケットから名刺を取り出す大谷(おおたに)COO(シーオーオー)。薄いグレーのチェックのブレザーを着てメガネをかけた男性が隣のソファに座り、名刺を受け取る。
ナレーション: 細胞を量産するには、培養のノウハウや製造管理が求められる。
映像説明: 大谷(おおたに)COO(シーオーオー)がノートパソコンを見ながら、同席者に質問を投げかけている。薄いグレーのチェックのブレザーを着てメガネをかけた男性が、おだやかな表情で聞いている。
大谷(おおたに)COO(シーオーオー)・英語: iPS細胞を扱った実績は、どのくらいありますか?
映像説明: 濃いグレーのスーツを着て、あごひげを生やし、メガネをかけた男性が大谷(おおたに)COO(シーオーオー)の質問に答える。
濃いグレーのスーツを着て、あごひげを生やし、メガネをかけた男性・英語: iPS細胞の技術を持つパートナーと事業を進めています。
映像説明: 大谷(おおたに)COO(シーオーオー)とスーツ姿の男性2人組(ふたりぐみ)との商談の様子。 大谷(おおたに)COO(シーオーオー)と金髪をポニーテールにした女性の商談との様子。 大谷(おおたに)COO(シーオーオー)と金髪のロングヘアーで白いスーツを着た女性との商談の様子。
ナレーション: 次々と商談を進める大谷(おおたに)さん。その数は、30社に及んだ。
映像説明: イベント会場内を歩きながら、大谷(おおたに)COO(シーオーオー)がインタビューに答える。
大谷(おおたに)COO(シーオーオー): ま、1番は、あの、エクスパティーズ(専門性)になりますよね。 あ、その、われわれの使っているような細胞みたいなのを扱ったことがあって、それでもう臨床ステージに進んでいるのか、みたいなのが、やっぱり重要になってくると思います。
映像説明: 白、オレンジ色(いろ)、紺色でコーディネートされたブースを訪れた大谷(おおたに)COO(シーオーオー)が、金髪のボブヘアーでメガネをかけた女性と握手を交わす。
ナレーション: 次に大谷(おおたに)さんが向かったのは、アメリカの各州が出展するエリア。
映像説明: 紺色に白抜きの文字で「North Carolinaw(ノース カロライナ)」と書かれた、ノースカロライナ州ブースの看板。裏面(うらめん)はオレンジ色(いろ)に塗られ、紺色の文字でスローガンが書かれている。 ニュージャージー州のブース。白、水色、黄緑色(きみどりいろ)でデザインされている。カウンターの前には、州の地形を遺伝子の2重らせん構造になぞらえたような、エメラルドグリーン色(いろ)のオブジェが飾られている。ナレーション: アメリカで投資を受けるために、国内に拠点を持つことは、大きなポイントになる。
映像説明: 壁にある液晶ディスプレーに、ノースカロライナ州のバイオテック支援事業の模式図が表示されている。その前に置かれたテーブルで、金髪のボブヘアーでメガネをかけた女性がノートパソコンを開き、話している。
ナレーション: 大谷(おおたに)さんは、進出先のコストやメリットなどを、州の担当者から直接聞き出していた。
映像説明: 金髪のボブヘアーでメガネをかけた女性が、ノートパソコンの画面を指さしながら説明をし、大谷(おおたに)COO(シーオーオー)が、うなずきながら聞いている。
テロップ: ノースカロライナ州 誘致担当者
ノースカロライナ州誘致担当者・英語: 研究の補助金制度や、実用化に向けた資金援助も行います。 投資を受けやすくなると思います。
映像説明: ニュージャージー州のブース。白髪で濃いグレーのスーツを着た男性が丸テーブルに座ってインタビューに答える。
テロップ: ニュージャージー州 誘致担当者
ニュージャージー州誘致担当者・英語: 今、法人税を2.5%まで下げようとしています。 ボストンと比べ、どのくらいメリットがあるか、あとで比較表をお送りしましょう。
映像説明: ジャパンパビリオンの前で、大谷(おおたに)COO(シーオーオー)が、2人の日本人男性(にほんじんだんせい)と談笑している。 大谷(おおたに)COO(シーオーオー)と談笑している、淡いグレーのブレザーを着てバックパックを肩に掛けた男性がズームアップされる。
テロップ: 広島大学 大学院医系科学研究科 田原 栄俊(たはら ひでとし) 教授
ナレーション: 同じくジャパンパビリオンに出展したのが、広島大学の田原教授。がんの最先端治療薬の実用化に向けて、スタートアップを立ち上げた。
映像説明: 白衣(はくい)を着て白いマスクをつけた女性研究者が、白い実験用ゴム手袋をした手をガラスのボックスに入れ、ピペットを持って実験を行っている。 白衣(はくい)を着て白いマスクをつけ、メガネをかけた女性が、電子顕微鏡と液晶ディスプレーを並べたデスクに座り、ディスプレーの映像をのぞき込む。画面には、白地に黒い砂をまいたような細胞の画像が映っている。
ナレーション: どんなに優れたバイオの技術も、実用化には海外の製薬業界との協力が欠かせないと話す。
映像説明: ジャパンパビリオンの前で、田原教授がインタビューに答える。
テロップ: 広島大学 大学院医系科学研究科 田原 栄俊(たはら ひでとし) 教授
田原教授: 海外の大きなファーマ(製薬メーカー)とつながると。 あるいは、海外で、えー、テクノロジーを持ってる会社と、ま、つながるっていうことが非常に大事だと思ってますので。 もう最初から「世界」という目線で、ま、われわれは動いてます。
映像説明: ジャパンパビリオン。VCCT Inc.(ブイシーシーティー インク)のブースの前で、大谷(おおたに)COO(シーオーオー)と田原教授が立ち話をしている。
ナレーション: 今回の展示会で、大谷(おおたに)さんは、今後、投資を受けるための具体的な対策が見えてきたようだ。
映像説明: ジャパンパビリオンの一角。大谷(おおたに)COO(シーオーオー)がインタビューに答える。 白い壁を背にして、大谷(おおたに)COO(シーオーオー)が話を続ける。
大谷(おおたに)COO(シーオーオー): やっぱり、日本(にほん)の法人に投資をするときの、やっぱり、ハードルっていうのが高くなるので、 やはりその、アメリカの法人みたいなのをセットアップするのがいいのか、とか、そういったような議論をさしていただきました。 やっぱり今回、こっちに来てみても、いろんな方々(かたがた)に、ま、「実は私も」とか 「同僚も、なんかそういったような疾患を持ってる」みたいな方々がたくさんいて、 やっぱり応援してくれる人って多いんだなっていうの、すごく、それは改めて、あのー、感じて、あのー、いい刺激になりました。
映像説明: 茶色のレンガ造りのビルの外観。黒地(くろじ)にオレンジ色(いろ)で「CIC(ケンブリッジ イノベーション センター)」と書かれた看板が掲げられている。 屋内。ガラス張りの出入り口付近で、大谷(おおたに)COO(シーオーオー)が、茶色のセミロングヘアーの女性と笑顔で挨拶を交わしている。 白い壁の室内。大谷(おおたに)COO(シーオーオー)が歩いてきたグレーのスーツを着た男性と挨拶しながら握手を交わす。
ナレーション: 展示会の翌日。大谷(おおたに)さんは、次のステップに向けて動き出した。
映像説明: 白い壁とレンガの床のカジュアルな雰囲気のスペース。L字に設けられた受付の周りに、テーブルやドリンクコーナーのあるエリアや電話ボックスのような縦長の個室の電話ブースが並ぶエリアがある。受付の向こうには奥へ続く通路も見える。
テロップ: CIC(ケンブリッジ イノベーション センター) スタートアップやVC 研究機関などが集積
ナレーション: ここは、大谷(おおたに)さんが支援を受けるケンブリッジイノベーションセンター。スタートアップや投資家など、利用者は4,000を超える。
映像説明: ガラスドアの向こうの会議室で、大谷(おおたに)COO(シーオーオー)とグレーのスーツを着た男性がテーブルを挟んで座り、話をしている。 グレーのスーツを着た男性が話をしている。
テロップ: メンター 投資や事業立ち上げに関する アドバイスを行う専門家
ナレーション: この日は、数々(かずかず)の投資案件をまとめてきたメンターからアドバイスを受けた。
映像説明: ガラス窓を背にして座った男性メンターが、大谷(おおたに)COO(シーオーオー)にアドバイスしている。 男性メンターのアドバイスを聞く大谷(おおたに)COO(シーオーオー)の真剣な表情がクローズアップされる。 ガラス窓を背にして座った男性メンターが話を続ける。
男性メンター・英語: 期待の大きい技術も、実用化で失敗することもある厳しい世界だ。 一方で、金額の大きい成功事例が出ると、投資家の関心が急上昇し、 投資を受けやすくなる。
映像説明: たくさんのオレンジ色(いろ)のペンダントライトが温かな光を放つケンブリッジイノベーションセンターのラウンジのような場所で、大谷(おおたに)COO(シーオーオー)がインタビューに答える。
大谷(おおたに)COO(シーオーオー): 日本(にほん)では、えっと、いろんなシステムを使って、ま、患者さんに(治療法を)届け始めるっていうことをしていきたいなと思っているので、ま、それが1番、あの、重要なことかなと。 で、そこから出てくるデータを使って、さらに皆さんに、えーっと、投資をいただいて、 さらに、国外にも、えーと、同じような治療を広げていけるということを目指していきたいなというふうに思います。
映像説明: ケンブリッジイノベーションセンターの会議室で、大谷(おおたに)COO(シーオーオー)と男性メンターがテーブルを挟み、なごやかに話している。
ナレーション: 来年にはアメリカで法人の設立を目指している、ビジョンケアグループ。
映像説明: 緑豊かな河畔に赤レンガの歴史的な建物と高層ビルが混在する街並みの遠景。
ナレーション: 世界に向けた、彼らの挑戦は続く。
映像説明: 水色のグラデーション背景画。画面の右側で地球の陸地部分だけが点描され、中が空洞になった地球儀のグラフィックイメージが回転している。
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