シリーズ「ケニア」 知ればおもしろいモバイルマネー先進国

2022年06月09日

今や、さまざまな場面で使われているモバイルマネー。東アフリカに位置するケニアは、世界で初めて携帯電話での送受金システムを導入した国だ。街中の買い物、公共料金の支払い、給料の受け取りなどにも利用され、モバイルマネーの普及率はおよそ80%、その総取引額は、GDPの半分を超えるという。そのモバイルマネーによりケニアで普及したビジネスや日本のスタートアップの取り組みを取材した。

(10分00秒)

テキスト解説を読む

テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 フランス・パリのエッフェル塔や凱旋門、アニメキャラクターのコスプレをした20代くらいの海外の女の子や、渋谷のスクランブル交差点の写真など、世界中の12枚の写真が画面の奥から飛び出してくる。水色を基調としたコンピューターグラフィックスの背景に、中が空洞になった緑色(みどりいろ)の地球儀が回転しながら現れる。画面右側で地球儀が回転し、左側に紺色の文字で「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」と書かれたタイトルテロップが表示される。

映像説明: スタジオ。横長の薄い黄緑色(きみどりいろ)の背景モニターに緑色(みどりいろ)を基調とした地球儀と「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」のロゴが映し出されている。前方にも小さいモニターが置いてある。モニターには、奥にビル群が見える草原に鼻先を胴体へ向けている湾曲したツノがある茶色の四足歩行(よんそくほこう)の動物が立ち止まっている映像が映し出されている。モニターの左側、スタジオ中央に女性キャスターが座っている。ベージュ色(いろ)のブラウスと薄黄緑色(うすきみどりいろ)のズボンを着てネックレスをつけている。

女性キャスター: 世界は今、ジェトログローバルアイ。

映像説明: スタジオ。画面の左側に女性キャスターが、右側に小型モニターがある。モニターには、草原に湾曲したツノがある茶色の四足歩行(よんそくほこう)の動物数頭が茂った草を食べている様子、髪を後ろに束ねた女性がソファに座りスマートフォンを操作している様子、「M‐PESA(エムペサ)」と書かれているピンクの外壁の店に柄模様(がらもよう)のあるピンクの帽子をかぶり作業道具を持った男性が入っていく様子、髪を後ろに束ねた女性が視線を上に向けている様子、天井の傘付きの電球が灯っている様子、雲が浮かぶ青空の下、水色の車の前で車の大きなレプリカキーを手にした白いキャップをかぶった男性が立っている映像が映し出されている。女性キャスターが話をする。

テロップ: 江連 裕子(えづれ ゆうこ)

江連(えづれ)キャスター: 「シリーズケニア」の第2弾。今やいろいろなところで使用できるモバイルマネー。ケニアでも多くの人が活用していますが、普及した背景には日本とは違う事情が隠されているようです。ケニアではモバイルマネーはどのように誕生し、ビジネスに何をもたらしたのでしょうか。

テロップ: シリーズ「ケニア」 知ればおもしろいモバイルマネー先進国

映像説明: 街なかの道路沿いの通り。白いシャツにダークグレーのネクタイを締めた男性や黒地に白の水玉模様のシャツにブルーグレーの上着を着て赤いバッグを肩からかけた女性など多くの人が行き交っている。全員マスクをつけている。 別の通り。バスや車が走行し、多くの人が行き交い、道路の向こうには企業の看板が掲げられたビルが並んでいる。

サイドテロップ(画面右上にほぼ常時表示): モバイルマネー先進国ケニア 街を歩けば“M‐PESA(エムペサ)”に当たる

テロップ: ケニア ナイロビ

ナレーション: およそ440万人が暮らす、ケニアの首都ナイロビ。

映像説明: 奥にビル群が見える草原。メスのライオンがビル群の方へ顔を向け立ち止まっている。 草原の中の別の場所。キリンがゆっくりと歩いている。 草が生い茂った草原。湾曲したツノがある茶色の四足歩行(よんそくほこう)の動物数頭が茂った草を食べている。 奥にビル群が見える草原。鼻先を胴体へ向けている湾曲したツノがある茶色の四足歩行(よんそくほこう)の動物が立ち止まっている。

テロップ: 世界で初めて 携帯電話での送受金システムを導入

ナレーション: この大都市を少し離れれば、野生動物が暮らすサバンナが広がる。そんなケニアが、携帯電話での送受金システムを世界で初めて導入した国であることは、あまり知られていない。

映像説明: 雲が浮かぶ青空の下。ケポールに掲げられたニア国旗がはためいている。 樹木が植えられている街なかの通り。黄色いバスや赤や白い車などが走行し、多くの人が車道を横切って歩いている。 歩道。白と黒のチェック柄の服を着た男性や白い柄模様(がらもよう)のある黒い服を着た女性、眼鏡をかけ黒い上着を着た男性など多くの人が行き交っている。

テロップ: モバイルマネー普及率 約80%

テロップ: 総取引額 GDP半分超

ナレーション: 人口はおよそ4,760万人で、モバイルマネーの普及率はおよそ80%。その総取引額は、GDPの半分を超える。

映像説明: 出入り口に3個の電球が縦に並んでいる店舗の外観。「m‐PESA(エムペサ) EQUITY AGENT」と書かれた緑(みどり)の看板が掲げられ、黒や茶色のベルト数本や手提げのカラフルなビニール袋数枚がピンクの外壁につり下げられている。 別の店舗。「M‐PESA(エムペサ) AGENT NO(ナンバー)」と書かれた緑(みどり)の看板が掲げられている。 水色と緑色(みどりいろ)のトタンの外壁の店。出入り口の緑(みどり)の外壁に白い文字で「M‐PESA(エムペサ)」と書かれている。 オレンジやピンク、黄色(きいろ)のボンベ21本が4段に積まれた店。店の前の歩道に「CHEMIST COSMETICS(ケミスト コスメティックス) m‐PESA(エムペサ)」と書かれた緑(みどり)の立て看板が置かれている。

ナレーション: ナイロビの街の至る所で見かけるのが、「M‐PESA(エムペサ)」と書かれた緑色(みどりいろ)が特徴的な看板だ。

映像説明: 曇り空の下。緑の文字で「M‐PESA(エムペサ)」などと書かれた白い看板が掲げられている。「M」と「PESA」の下に赤い下線が表示されている。

テロップ: モバイル

テロップ: お金

ナレーション: Mは「モバイル」、PESAは現地の言葉で「お金」。

映像説明: 出入り口に鉄格子が設置されたカウンターのある店。出入り口の上に「M‐PESA(エムペサ)」と書かれた看板が掲げられ、緑色(みどりいろ)の外壁には「EQUITY AGENT」などの文字がある。店の前には立て 看板や「Coca‐Cola(コカ・コーラ)」のロゴがある冷蔵ショーケースが置かれている。 鉄格子が設置されたカウンターの前に白いシャツを着た男性が立ち、スマートフォンを操作している。

テロップ: モバイルマネー “M‐PESA(エムペサ)” 2007年 大手モバイル通信会社サファリコムが開始

ナレーション: M‐PESA(エムペサ)は、ケニアで高いシェアを占めるモバイルマネー。2007年に大手モバイル通信会社、サファリコムがサービスを開始した。

映像説明: クリームイエローの背景に、「“M‐PESA(エムペサ)”の送受金の仕組み」と題されたコンピューターグラフィックス画像が表示されている。画面の左側に鉄格子が設置されたカウンターのある店の前に白いキャップをかぶり赤い服を着た男性がスマートフォンを操作している写真、写真の下に緑(みどり)の外壁の店と赤いスマートフォンのイラストがあり、画面の右側に緑(みどり)の外壁の店の前に眼鏡をかけグレーのパーカを着た女性がスマートフォンを操作している写真、写真の下にオレンジのスマートフォンと緑(みどり)の外壁の店のイラストが表示されている。画面の左から右に向かって茶色い矢印がある。画面の左側に鉄格子が設置されたカウンターのある店の前に白いキャップをかぶり赤い服を着た男性がスマートフォンを操作している写真に「①入金」の文字が表示される。男性の下にある緑(みどり)の屋根の店と赤いスマートフォンのイラストから、画面の右側に表示されているオレンジのスマートフォンと緑(みどり)の外壁の店とのイラストのあいだに「②情報送信」の文字が表示される。緑(みどり)の外壁の店の前に眼鏡をかけグレーのパーカを着た女性がスマートフォンを操作している写真に「③受け取り」の文字が表示される。

ナレーション: 仕組みは、こうだ。送金者が街の代理店で現金をチャージし、受け取り相手の携帯電話にショートメッセージで、金額、暗証番号を送信。受け取った人は、近隣の代理店で、そのショートメッセージと暗証番号を確認してもらうことで、現金を受け取れる。

映像説明: 「M‐PESA(エムペサ)」と書かれた小さな看板が掲げられた店の前。茶色いニット帽をかぶりピンクのパーカを着てリュックサックを背負った人物が立っている。 鉄格子が設置されたカウンターのある店の前。白いキャップをかぶり赤い服を着た人物がスマートフォンを操作している。

テロップ: 買い物

テロップ: 公共料金の支払い

ナレーション: また、そのまま貯めておいて、街なかの買い物、公共料金の支払いなどに使うこともできる。

映像説明: 土(つち)の道沿いにある緑色(みどりいろ)の外壁に白い文字で「M‐PESA(エムペサ) AVAILABLE」と書かれた店の前。眼鏡をかけグレーのパーカを着た女性がスマートフォンを片手にお金を受け取る。道沿いには露店などが立ち並んでいる。

テロップ: 給料の受け取り

ナレーション: 給料の受け取りなどにも利用されている。なぜ、ここまで普及したのだろうか。

映像説明: 曇り空の下、田畑が広がるあぜ道を走行する車の車窓風景。青々とした草が一面に生い茂り、奥にはところどころに樹木が生えている。 水が張られた田畑。田畑とあぜ道が遠くまで続き、農業用機械のような乗り物がゆっくりと進んでいる。 街なかの石畳の通り。赤い服を着た男性やグレーの服を着た人物が靴を磨いている。 3段の台の1番上の段に肘付きの赤と黒の座椅子7脚が置かれている。右端で赤い服を着た男性が眼鏡をかけ薄茶色(うすちゃいろ)のシャツを着た男性のスニーカーを布地で泡立て磨いている。2人ともマスクをつけている。

ナレーション: ケニアは、コーヒーやお茶、園芸作物などの生産を中心とする農業国だ。農家の多くは貧しく、若者たちは都市に出稼ぎに出て、実家に仕送りをしているという。

映像説明: ベージュの壁の部屋。白いシャツに紺色の上着を着た女性がインタビューに答える。 街なか。「m‐PESA(エムペサ) EQUITY KCB COOP(エクイティー ケーシービー コープ)」と書かれた電飾看板(でんしょくかんばん)が掲げられている。 鉄格子が設置されたカウンターの上に「m‐PESA(エムペサ)」と書かれた電飾看板(でんしょくかんばん)が置かれている。

テロップ: ジェトロ ナイロビ事務所 久保 唯香(くぼ ゆいか)

久保(ジェトロナイロビ事務所): 若い方(かた)が都市に出稼ぎに来て、えー、稼いだお金というのは、 その多くが、えー、知り合いに頼んで、手渡しで実家に持っていってもらうしか、かつてなかったわけですね。 えー、そのため、盗難など多くのトラブルが発生していました。 モバイルマネーが出てきたことによって、安心して実家に仕送りができるようになりました。

映像説明: 街なか。赤い看板が掲げられている建物などがある通り。道路沿いの通りにM‐PESA(エムペサ)と書かれたシールが貼られたボックスのそばを多くの人が行き交っている。 部屋の一角。小型の携帯電話を操作している人物の手元。

ナレーション: 銀行の支店があまりなく、銀行口座を持っている人が少ないケニア。多くの人にとって、モバイルマネーが銀行代わりになっているのだ。

映像説明: 胸元ほどの高さの銀色のカウンターのある店の前。銀色のカウンターの上にペットボトルに入った飲み物数本やショーケースに揚げもののような食べ物がある。眼鏡をかけヒョウ柄の服を着た女性が話をしながらスマートフォンを操作している。眼鏡をかけヒョウ柄の服を着た女性がカウンターに置かれた食べ物が入った茶色の小さな袋を手に取り、袋から食べ物を取り出そうとしている。

ナレーション: また、この国の平均年齢はおよそ20歳。若い世代がモバイルマネーという新しいシステムを受け入れやすかったことも普及した理由の1つだという。

映像説明: 曇り空の下。外壁が湾曲したデザインの高層ビルなどが建ち並び、周囲には樹木が植えられている。 2車線の道路がある街なか。道路の上に「NAIROBI CITY COUNTY(ナイロビシティーカウンティー)」と書かれたアーチがあり、通り沿いに樹木が植えられている。正面が緑色(みどりいろ)、側面が黄色(きいろ)のバスや黒や青の車などが走行し、歩道を紺色のジャンパーを着た2人の男性や青いキャップをかぶりオレンジの服を着た人物など数人が行き交っている。全員マスクをつけている。

サイドテロップ(画面右上にほぼ常時表示): モバイルマネーがケニアを変える 電線がなくても充電できる?

ナレーション: モバイルマネーの普及によって、その後、ケニアではさまざまなビジネスが生まれた。

映像説明: 「Bboxx(ビーボックス)」と書かれた水色を基調とした扉がある白い壁のオフィス。カウンター前の壁際にオレンジ色(いろ)のクッション3個があるグレーのソファが置かれている。眼鏡をかけ水色のシャツを着てマスクをあごにずらした男性が携帯電話を耳にあてグレーのソファに座っている。奥には机が並べられ、数人の従業員が座っている。 オフィスの一角。水色の展示台にテレビや黒と水色の箱型の機器や数字のテンキーがある黒い小さな機器、ソーラーパネルなどが置かれている。水色のバックパネルには「Bboxx(ビーボックス) FAIDA(ハイダ)」などと書かれたポスターが貼られ、小型のソーラーパネルや円形の照明器具が展示されている。

テロップ: Bboxx(ビーボックス)

ナレーション: スタートアップのBboxx(ビーボックス)は、家庭用ソーラー蓄電池に組み合わせて、テレビや照明などの電化製品をセット販売している。

映像説明: 雲が浮かぶ空の下。広大な田畑や草原が一面に広がり、ところどころに家が見え、遠くには山が連なっている。 樹木が茂り、小石が集められた作業場。運搬作業用の手押しの一輪車2台や青いマット、重ねられた黄色(きいろ)のバケツ2セット、赤やオレンジ、青の容器が置かれている。 屋根と外壁がトタンの平屋の建物。壁際に円筒形(えんとうけい)の水色の容器が3個と黒い大きなタンクのような容器が置かれ、周囲には樹木が茂っている。 屋根の上。中央に3枚のソーラーパネルや白いパラボラアンテナが設置されている。 部屋の一角。手に持った黒いスイッチを押す人物の手元。 視線を上に向けている髪を後ろに束ねた女性が明るく照らされる様子。 天井にある傘付きの電球がともっている。

ナレーション: 電力インフラが整っていない地域や、電力会社の送電システムが不安定な地域が多いケニア。太陽光を使った電力の自給自足サービスを提供してきた。

映像説明: 雲が浮かぶ空の下。窓があるレンガ造りの1階建ての家が建っている。外壁から張られた物干しロープ2本に多くの洗濯物が干され、家の前の椅子や黄色(きいろ)の台の上に赤や紫、水色の器3個が置かれている。樹木がある小屋の傍らで白い文字が書かれた水色の服を着た女性が木陰に座っている。

テロップ: ケニア マチャコス

映像説明: 木製のローテーブルがある部屋。白い布地がかけられた木製の食器棚の上にテレビと「Bboxx(ビーボックス)」と書かれた薄茶色(うすちゃいろ)の小さな箱が置かれている。部屋の隅に椅子2脚や窓際に黒いソファが置かれている。白い文字が書かれた水色のTシャツを着た女性が黒いソファに座り、テレビに視線を向け、手に持ったリモコンを操作している。

ナレーション: 首都ナイロビから離れた町に暮らし、蓄電池セットを利用しているこちらの女性は…。

映像説明: レンガ造りの1階建ての家の前。白い文字が書かれた水色のTシャツを着た女性がインタビューに答える。

テロップ: Bboxx(ビーボックス)の利用者

Bboxx(ビーボックス)の利用者の女性・スワヒリ語: ソーラーパネルが付いている32インチテレビのセットを使っています。 (この辺りは)電力供給が不安定で、停電もあります。蓄電池セットで本当に助かっています。

映像説明: 木製のローテーブルがある部屋。テレビのリモコンを操作する人物の手元。 黒いソファに白い文字が書かれた水色のTシャツを着たBboxx(ビーボックス)の利用者の女性が座り、テレビに視線を向けている。 女性越しに映した、白い布地がかけられた木製の食器棚の上にテレビと「Bboxx(ビーボックス)」と書かれた薄茶色(うすちゃいろ)の小さい箱が置かれている様子。

テロップ: 少額分割払い×モバイルマネー

ナレーション: 収入が少なく発電機や家電を手に入れることができない人は多い。そこで、少額の分割払いとモバイルマネーを掛け合わせたサービスが生まれた。

映像説明: 花柄の白いカバーのソファがある部屋。髪を後ろに束ねた女性がソファに座り、スマートフォンを操作している。 スマートフォンの画面。画面にある3つの項目のうち、「M‐PESA(エムペサ)」の項目をタップすると7つの項目が表示され「Lipa na(リパ ナ) M‐PESA(エムペサ)」の項目をタップすると「Safaricom」など4つの項目が表示される。

ナレーション: 一度にまとまった額を支払うことはできないが、日ごと、週ごとであれば支払える。

映像説明: レンガ造りの1階建ての家の前。Bboxx(ビーボックス)の利用者の女性がインタビューに答える。

テロップ: Bboxx(ビーボックス)の利用者

Bboxx(ビーボックス)の利用者の女性・スワヒリ語: M‐PESA(エムペサ)を使って、1日に120ケニアシリング(約132円)。時々、1週間分をまとめて支払っています。

映像説明: グレーの壁。Bboxx(ビーボックス)と書かれた青い文字の立体看板が掲げられている。

ナレーション: 企業にとってもこのシステムにはモバイルマネーがなくてはならない。

映像説明: 壁にBboxx(ビーボックス)と書かれたオフィスの一角。白いシャツを着た男性がインタビューに答える。

テロップ: Bboxx Capital Kenya(ビーボックス キャピタル ケニア) ジェフ・バンデン・ベルヘ 代表

ベルヘ代表・英語: モバイルマネーは、私たちのビジネスモデルの鍵でした。 少額の返済金の場合、その集金に、ばく大なコストがかかるのです。

映像説明: 花柄の白いカバーのソファがある部屋。髪を後ろに束ねた女性がソファに座り、スマートフォンを操作している。 数台の机が並べられているオフィスの一角。ピンクや緑(みどり)、青の上着を着た人物3人がそれぞれパソコンに向かっている。 木目調のテーブルの上。数字のテンキーがある黒い小さな機器やソーラーパネル、英数字が書かれた茶色い小さな箱が置かれている。

ナレーション: 代金は、モバイルマネーで入金してもらうため、回収のコストはかからない。入金が確認できない場合、蓄電池セットを遠隔操作で止めることができる仕組みになっているという。

映像説明: 白い壁に数人の人物がバイクの後ろに立っている写真と「BBOXX(ビーボックス)」のロゴがあるポスターが貼られているオフィス。ポスターの横にある水色の棚に水色の箱が置かれ、奥の壁際の水色の展示台にテレビや黒と水色の箱型の機器や数字のテンキーがある黒い小さな機器、ソーラーパネルなどが置かれている。グレーとオレンジのチェック柄の服を着た男性が白いカウンターに向かって歩き、水色の服を着て座っている男性に話しかけ、グータッチを交わす。 カウンターの中に座っている水色の服を着た男性がテレビを手で示し、グレーとオレンジのチェック柄の服を着た男性に話をしている。 水色の展示台の前にグレーの小型冷蔵庫のような物が置かれ、多くの小さなボタンがあるスピーカーのような黒い機器が上部から差し込まれた水色の箱型の機器が載せられている。

テロップ: 10万世帯 50万人以上の利用者

ナレーション: 現在、ケニア国内では、10万世帯以上、50万人以上の顧客にサービスを提供。ほかに、ルワンダ、ナイジェリア、コンゴ、トーゴなどで展開している。

映像説明: オフィスの一角。4段の白い壁棚にソーラーパネルや「BBOXX(ビーボックス)」などと書かれた用紙が入った額、テレビが載せられ、白い傘のある照明がつり下げられている。 床に「Bboxx(ビーボックス)」と書かれた水色のガスボンベが置かれている。室内の奥のほうにガラス張りの壁や観葉植物が見えている。

ナレーション: 今後は、このビジネスモデルを利用し、温暖化対策を視野に入れて、ガスの普及を考えているという。

映像説明: 壁にBboxx(ビーボックス)と書かれたオフィスの一角。ベルヘ代表がインタビューに答える。 オフィスの一角。床に「Bboxx(ビーボックス)」と書かれた水色のボンベが置かれ、室内の奥のほうには机が並んでいる。

テロップ: Bboxx Capital Kenya(ビーボックス キャピタル ケニア) ジェフ・バンデン・ベルヘ 代表

ベルヘ代表・英語: 今は試験段階で、これをアップグレードして、国内だけでなく他国にも拡大したい。

映像説明: 建物が建ち並ぶ市街地の道路。「Infinix」、「NOKIA」、「itel Smartphone(スマートホン)」などと書かれた看板が掲げられている。路肩には数台の車が駐車されている。道路の真ん中に等間隔にポールが立ち、大勢の人々が通りを歩いている。 水色のトタンの壁の建物。出入り口付近の水色の壁や緑色(みどりいろ)の扉に白い文字で「SHOP」、「M‐PESA(エムペサ)」、「FRESHMILK」と書かれている。白いTシャツの人物が建物の中に入っていく。

サイドテロップ(画面右上にほぼ常時表示): 日本企業(にほんきぎょう)がケニアに挑む ローンでもモバイルマネー

ナレーション: モバイルマネーを使用したインフラが整い、代金回収がしやすくなったケニアで、

映像説明: 白い壁の部屋。奥には緑(みどり)の葉が絡まっているラティスフェンスが置かれている。部屋に置かれた長机(ながづくえ)で黒いジャケットを着た男性がノートパソコンに向かっている。ノートパソコンはスタンドに支えられている。隣に灰色のスーツを着て眼鏡をかけた男性が着席する。

ナレーション: 2018年、日本のスタートアップが生まれた。

映像説明: 白い壁の部屋。壁に黒い文字で描かれた「HAKKI」のロゴを囲むようにたくさんの写真が貼られている。奥に数人の従業員がソファや椅子に座っている。 部屋の一角。壁の前に「Get your finance Then get your car」の文字とピンクの車の写真があるバナースタンドが置かれている。

テロップ: HAKKI AFRICA タクシードライバー向け中古車ファイナンス

ナレーション: HAKKI AFRICAは、タクシードライバー向けに、中古車購入の融資をする企業だ。

映像説明: 白い壁の部屋。奥には緑(みどり)の葉が絡まっているラティスフェンスが置かれている。灰色のスーツを着て黒縁眼鏡をかけた男性がノートパソコンに向かっている。机には操作するマウスと傍らにタンブラーが置かれている。 緑(みどり)の葉が絡まっているラティスフェンスが置かれた部屋。灰色のスーツを着て黒縁眼鏡をかけた男性がインタビューに答える。

テロップ: HAKKI AFRICA 時田 浩司 COO(シーオーオー)

ナレーション: 共同創業者で、COO(シーオーオー)の時田さんはこのビジネスを始めた理由について。

時田COO(シーオーオー): (ケニアは)いわゆる銀行の、その審査基準だったりが、非常に高かったり、 銀行の手続きの長さ、まあ、ひどい場合だと数ヵ月間、こう、ローンの手続き、開始してから、かかってしまうっていうようなこともあって、 非常にそこに不満があるっていうのは聞いていたり。

映像説明: 車道と歩道。青地に白い水玉模様と煙草を吸っている男性が描かれているバスと、赤いバスが走行し、白いタクシーや赤茶色(あかちゃいろ)の小型バスが停車している。白いタクシーの前を数人の男性が歩いている。 広々とした砂利が敷かれた駐車場。さまざまな車種が止められている。手前に2人の人物が立っている。

ナレーション: ナイロビを走るタクシードライバーの4割近くが車をレンタルしているものの、本当は自身が所有する車での営業を望んでいることが分かった。

映像説明: 広々とした砂利が敷かれた駐車場。何十台も車が止められている。バックドアを開けた白い車の傍らで黒いシャツを着た人物が作業している。 薄い黄緑色(きみどりいろ)のシャツを着て帽子をかぶった男性が車を運転している車内の様子。

ナレーション: しかし、個人事業主(こじんじぎょうぬし)であるドライバーは、銀行のローンを利用できず、購入資金を調達できないという。

映像説明: HAKKI AFRICAのオフィス。緑(みどり)の葉が絡まっているラティスフェンスが置かれた部屋。時田COO(シーオーオー)がインタビューに答える。 観葉植物が置かれている部屋。薄い黄緑色(きみどりいろ)の半袖のシャツを着た男性がスマートフォンを操作している。 薄い黄緑色(きみどりいろ)の半袖のシャツを着た男性がスマートフォンを操作している手元の様子。 緑(みどり)の葉が絡まっているラティスフェンスが置かれた部屋。灰色のスーツを着て黒縁眼鏡をかけた時田COO(シーオーオー)がインタビューに答え続ける。

テロップ: HAKKI AFRICA 時田 浩司 COO(シーオーオー)

時田COO(シーオーオー): ローンが欲しいっていう人はたくさんいるのに対して、ま、全く供給が追いついていないっていうところをみて、 銀行が使っていないような、あの、情報を信用スコアリングに組み込むことによって、 ま、銀行が対象にしてない方々でも比較的、あの、返済のめどが立っている人っていうのを抽出して、あの、ローンを貸すことができているという形です。

映像説明: 白い壁の部屋。書類やミニカーなどが置かれた木目調の丸いテーブルに黒い半袖シャツを着て眼鏡をかけた女性と白いシャツの袖をまくって着ている女性、黄緑色(きみどりいろ)の半袖シャツを着てひげを生やした男性が座っている。 白いシャツの袖をまくって着ている女性が鉛筆で書類に文字を書いている。

テロップ: 信用情報

ナレーション: 自動車ローンの審査には、その判断材料となる「信用情報」が必要だ。

映像説明: 白い壁の部屋。白いシャツの袖をまくって着ている女性が左手に書類を持ち手元に持ってくる。 テーブルの上で。白いシャツの袖をまくって着ている女性が書類をめくっている。右手には鉛筆を持っている。

テロップ: モバイルマネーの利用履歴

ナレーション: そこで、支払い情報が記録されたモバイルマネーの利用履歴に目を付けた。

映像説明: 黄緑色(きみどりいろ)の半袖シャツを着てひげを生やした笑顔の男性が鉛筆で書類に文字を書いている。 黄緑色(きみどりいろ)の半袖シャツを着てひげを生やした男性が書類をめくりながら書き込んでいる様子を黒い半袖シャツを着て眼鏡をかけた女性と白いシャツの袖をまくって着ている女性が眺めている。

ナレーション: ほかにも、ドライバーが使っているウーバーなどの配車アプリによる顧客評価などを分析し、独自の審査を行っている。

映像説明: ところどころに白い雲が浮かぶ青空の下。駐車場に止められている、黒い車の車体の側面が白と黄色(きいろ)に塗られ、そこに「Car Finance HAKKI」と書かれている。白い半袖シャツを着た女性が車に乗り込む。手前や奥にも車が何台か止められている。

ナレーション: HAKKI AFRICAの融資を受けて、マイカーを手に入れたタクシードライバーは…。

映像説明: 白い壁の部屋。「YSL」の文字が縦に重なったロゴが描かれた白いTシャツを着た女性がインタビューに答える。 「YSL」の文字が縦に重なったロゴが描かれた白いTシャツを着た女性が黒い車体の側面が白と黄色(きいろ)に塗られ、「Car Finance HAKKI」と書かれている車を運転している。 白い壁の部屋。「YSL」の文字が縦に重なったロゴが描かれた白いTシャツを着た女性が話を続ける。

テロップ: HAKKI AFRICAの利用者

HAKKI AFRICAの利用者女性・英語: とても満足しています。スタッフがとても丁寧なんです。 公平で、とてもよく理解してくれます。 携帯電話で支払っています。M‐PESA(エムペサ)を使った週払いです。 HAKKI AFRICAのローンは金利や頭金も安めなんです。

映像説明: 白い壁の部屋。青と白の模様が入った服を着て眼鏡をかけた女性がノートパソコンに向かっている。隣に青いシャツを着た男性が座っている。男性は黒いマスクを付けている。背後にある壁に黒い文字で描かれた「HAKKI(ハッキ)」のロゴを囲むようにたくさんの写真が貼られている。 白い壁に貼られている、白い車の後部の傍らに立つ青いシャツを着た男性の写真、赤いシャツを着て車の大きなレプリカキーを持った男性の写真、黒いシャツを着て車の大きなレプリカキーを持ち、グレーの車の傍らに立っている男性の写真。

ナレーション: 銀行ローンに比べ、手ごろな金利や頭金を設定。また、ローンの集金にモバイルマネーのシステムを使うことで、手続きのミスを防ぎ、取り引きを確実なものにしている。こうしたサービスがドライバーたちからの信頼を得て、現在、数百人がサービスを利用しているという。

映像説明: 白い壁の部屋。HAKKI AFRICAの利用者の女性がインタビューに答える。

テロップ: HAKKI AFRICAの利用者

HAKKI AFRICAの利用者の女性・英語: (ローンを返済したら)今の仕事をもっと大きくしたい。もっとお客さんを増やしたいですね。

映像説明: 白い壁の部屋。壁に黒い文字で描かれた「HAKKI」のロゴを囲むように、車の大きなレプリカキーを持つ赤いシャツを着た男性や青いシャツを着た男性が写ったたくさんの写真が飾られている。

ナレーション: アフリカの地で起業してから、まもなく4年。

映像説明: 白い壁の部屋。奥には緑(みどり)の葉が絡まっているラティスフェンスが置かれている。部屋に置かれた長机(ながづくえ)で黒いジャケットを着た男性がノートパソコンに向かっている。ノートパソコンはスタンドに支えられている。奥には眼鏡をかけた時田COO(シーオーオー)がパソコンモニターに向かいながらキーボードを捜査している。 緑(みどり)の葉が絡まっているラティスフェンスが置かれた部屋。黒いジャケットを着た男性が話をしている。

テロップ: HAKKI AFRICA 小林 嶺司(こばやし れいじ) CEO

ナレーション: 共同創業者でCEOの小林さんは、このビジネスを通じて、ケニアの社会や人々の考え方を変えていきたいと話す。

映像説明: 緑(みどり)の葉が絡まっているラティスフェンスが置かれた部屋。黒いジャケットを着た小林CEOがインタビューに答える。 駐車場。白い帽子をかぶり、薄い黄緑色(きみどりいろ)の半袖のシャツを着た男性が水色の車の傍らに立ち、車の大きなレプリカキーを持って立っている。 白い壁に車の大きなレプリカキーを手に持ち、ほほえむ男性の写真が何枚も飾られている。 緑(みどり)の葉が絡まっているラティスフェンスが置かれた部屋。黒いジャケットを着た小林CEOが話を続ける。

小林CEO: ま、今まではやっぱり、この信用スコアリングが存在していなかったがために、ま、「努力しても無駄だろう」と、 だったらこう、不正を働いたりとか、なんか盗みを働いてやろうっていう考えに陥ってしまう方々もいたと思うんですけども、 ま、頑張れば頑張るほど自分にとって得になるんだ、と、 自分の人生がもっとこの、えー、花開くんだよっていうところをもっと、こう、押しだ、あの、全面に押し出していければなと考えていて。 結構、先の世界観だとは思うんですけども、 その、頑張る人が報われるような世界をつくるための、このIT(アイティー)サービスっていうのを、金融を軸に広めて行きたいなと考えております。

映像説明: スタジオ。画面左側には江連(えづれ)キャスターが写り、右側には小型モニターがある。モ ニターには看板の文字と枠が光っている「M‐PESA(エムペサ)」と書かれた緑色(みどりいろ)の看板が掲げられている様子、赤い文字で「ZATEX ELECTRICALS(ザテックス エレクトリカルズ)」と書かれた看板が掲げられた店舗の前に茶色いニット帽をかぶりピンクのパーカを着てリュックサックを背負った人物が立っている様子、車が数台停車している街なかの通りの歩道を大勢の人々が歩いている様子が映し出されている。江連(えづれ)キャスターが話をする。

江連(えづれ)キャスター: このモバイルマネーがスタートアップ発展の一助となり、アフリカでのビジネスが盛り上がるといいですね。

映像説明: 薄い黄緑色(きみどりいろ)を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。緑(みどり)を基調とした、中が空洞になった地球儀が回転している。

次の番組も併せてご覧ください:
番組DVDのご提供(有料)について
当サイトでオンデマンド配信中の番組を有料でご提供いたします。(一部、提供対象外のものがございます。予めご了承ください。)ご希望の方はジェトロ情報データ統括課 映像メディア班(E-mail:PLG-TV@jetro.go.jp、Tel:03-3582-5219)までご連絡ください。
なお、著作権法で定められた例外の場合を除き、番組映像を複製することや不特定の人(外部者)に視聴させることはできません。
リンクバナーについて
banner

「世界は今」のリンクバナーを用意しておりますので、ご利用ください。
なお、利用に関するルールについては、当ウェブサイト「利用規約」をご参照ください。

動画視聴推奨環境について
Microsoft Edge、Internet Explorer 11、Google Chrome、Firefoxでご利用いただけます。ただし、Windows7でご覧いただく場合は、Google Chrome、Firefoxをご利用ください。
Mac OS Xをご利用の場合は、Yosemite以降のバージョンで視聴いただけます。
番組は、YouTubeでも配信しておりますので、「世界は今-JETRO Global Eye」公式チャンネル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますもあわせてご利用ください。
ご利用にあたって
会社・学校等からご覧のお客様は、ブラウザのセキュリティ設定などによりご覧いただけない場合があります。その場合は社内のネットワーク管理者にお問い合わせください。
動画の視聴について
本ページに掲載している動画は、都合により削除されることがあります。

次回の番組

11月14日(予定)
テーマ:水素革命Ⅲ 世界がわかる! オーストラリアで見た最前線

関連情報

ご質問・お問い合わせ

ジェトロ情報データ統括課 映像メディア班
Tel:03-3582-5219
E-mail:PLG-TV@jetro.go.jp

または最寄のジェトロまで、ご連絡ください。