シリーズ「売れるパッケージ」 米国食品市場の攻略法

2021年02月11日

バイヤーや消費者の関心をひくには、商品の見た目や分かりやすさを表すパッケージがポイントになる。そのため、海外市場でのパッケージのトレンドをつかむことは、輸出を目指すうえで重要な要素となる。米国では、健康維持を図る目的で、20年ぶりに栄養成分表示のルールが改定された。健康を意識した、わかりやすい成分表示が注目されている。そうしたなか、島根県内企業の「和風ハーブティー」や「のりのつくだ煮」などの商品パッケージ開発を通じて、米国の食品市場に売り込むポイントを紹介する。

(10分16秒)

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テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 世界地図の上で回転する、中が空洞になった地球儀から、もうひとつ地球儀が飛び出す。 拡大表示された地球儀の横にタイトルが現れる。 「世界は今 ジェトログローバルアイ」

映像説明: スタジオ。地球儀と世界地図の画像をバックに、女性キャスターが入ってくる。 ひだの入ったクリーム色(いろ)のブラウスにやまぶき色(いろ)のスカートをはいている。

テロップ: 八木 ひとみ(やぎ ひとみ)

八木(やぎ)キャスター: 世界は今、ジェトログローバルアイ。 バイヤーの関心を引くには、まずは商品の見た目、パッケージがアピールのポイントになります。売れるパッケージとは、どのようなものなのでしょうか。

テロップ: シリーズ「売れるパッケージ」 米国食品市場の攻略法

映像説明: 3種類の箱入りのクラッカーが棚に並べられている。青と薄紫、オレンジの色違いの箱に、それぞれ「RUDE HEALTH」、「Brown Rice Crackers」、「Buckwheat & Black Bean Crackers」とあり、すべての箱に、「ORGANIC」、「GLUTEN FREE」などと書かれている。箱の表に円い窓が開けられ、白や薄茶色(うすちゃいろ)のクラッカーが見えている。稲穂や白い花、小豆色の豆のさや、開いた口のイラストが周りに描かれている。 紙パック入りの豆腐が棚にいくつも置かれている。表面にしその葉と刻みねぎ、おろししょうがの添えられた冷ややっこの写真が表示され、「ORGANIC TOFU」、「有機絹にがり豆腐」などと書かれている。 キャップの付いた縦型のスパウトパウチに入った離乳食が4種類、棚に並べられている。薄紫とオレンジ、赤、緑の色違いのパウチに、さつまいもやにんじん、カリフラワー、キヌアのイラストなどが描かれ、「BABEASE(ベイビーズ)」と書かれている。 キャップ付きの紙パックに入ったオーツミルクが棚に陳列されている。パックに「PLANET ORGANIC」、「UNSWEETENED OAT(アンスウィーテンド オーツ)」と書かれ、筋の入っただ円形の穀物のイラストが描かれている。

テロップ: パッケージは、もの言わぬセールスマン L.チェスキン

ナレーション: 消費者にブランドメッセージを伝える。パッケージは、もの言わぬセールスマンだ。海外のパッケージのトレンドをつかむことは商品の輸出には欠かせない。

映像説明: RITZ Crisp & ThinのCM。 赤を基調としたデザインのパウチに入ったクラッカーがテーブルに並べられている。パウチには「RITZ CRISP & THINS」と書かれている。パウチのそばに赤い平たい皿が置かれている。 こんがりと焼き上げられた六角形のクラッカーが上から何十枚も降ってくる。 焼き目が付けられ、小さな穴が開けられたクラッカーが回転しながら落ちる。 パウチ入りのクラッカーが5種類、そろえて置かれている。それぞれの表に「CHEDDAR(チェダー)」、「ORIGINAL」、「SALT & VINEGAR」、「CREAM CHEESE & ONION」、「BARBECUE」と書かれている。皿に盛りつけられたクラッカーが前に置かれている。白と黒の手袋をして、薄紫のシャツを着た手が「SALT & VINEGAR」のパウチを持っていく。 クラッカーが盛られた皿の上に「LIFE'S RICH(ライフズ リッチ)」と書かれたロゴが表示されたあとに、「RITZ」と書かれたロゴが表示される。クラッカーが皿の中から持ち上がり、1枚が皿の外にこぼれる。

テロップ: RITZ Crisp & ThinのCM

ナレーション: 赤色のブランドイメージでおなじみ、アメリカのリッツシリーズのスナック菓子。パッケージは箱ではなく、二重包装が不要で、エコなパウチのタイプだ。

映像説明: 長方形の袋入りの平たい食品が6種類、テーブルに並べられている。パッケージはピンクと茶色、淡い黄色(きいろ)、薄茶色(うすちゃいろ)、青、エメラルドグリーンの色違いになっている。 袋の表面に「RXBAR(アールエックスバー)」、「12 G.(12グラム) PROTEIN BAR」、「3 Egg Whites」、「14 Peanuts」、「2 Dates」などと書かれている。すべてのパッケージに「No B.S.」の文字がある。 青いパッケージがアップになり、「No B.S.」の表示に赤いアンダーラインが引かれる。

テロップ: No Bad Stuff

ナレーション: アメリカで「斬新なパッケージ」と話題になった、こちらのプロテインバー。原料の成分をおもて面いっぱいに表示。いちばん下(した)に記載されているのは…。これは、No Bad Stuff。つまり、悪いものは含まない意味だという。

映像説明: 8種類の食品がテーブルに置かれている。「POTATO STICK(ポテト スティックス)」と書かれた筒型の容器に入ったスナック菓子。「macaroni & CHEESE」と書かれた箱入りのインスタント食品。「AVOCADO OIL」と書かれた袋入りのポテトチップスなどがある。 緑のパッケージに「SOY‐FREE」、「DAIRY‐FREE」などと書かれ、長方形や円形のマークが7つ表示されている。マークにはそれぞれ「CALIFORNIA REPUBLIC」、「USDA ORGANIC」、「Certified Gluten‐Free」、「CONTAINS NO NUTS」、「ORGANIC IS NON‐GMO & MORE」、「CERTIFIED VEGAN(ビーガン) VEGAN(ビーガン).ORG」と書かれている。

ナレーション: 健康的な商品であることのアピールは多くのパッケージで見られる。「ビーガン」や「遺伝子組み換えではない」など、マークはさまざま。

映像説明: スーパーマーケットの中。ライトブルーのトップスを着た女性が棚に並べられたパウチ入りや瓶入りの商品を見ている。 ヨーグルト売り場。白いシャツを着た女性が白い筒型の容器に入った商品を手に取り、商品かごに入れながら立ち去る。 飲料売り場。「Oat(オーツ) Drink」、「Coconut(ココナッツ) Drink」、「ORGANIC SOYA」と書かれた5種類の紙パック入りの飲み物が棚に並べられている。

ナレーション: 消費者が棚にある商品を見る時間は0.5秒ともいわれ、一目(ひとめ)で分かりやすいことは重要なのだ。

映像説明: スーパーマーケットの外観。出入り口の上に「WHOLE FOODS MARKET」と書かれた立体ロゴが掲げられている。店の前を大勢の人が歩いている。

テロップ: 米国 ニューヨーク

ナレーション: 大手高級スーパーマーケットWHOLE FOODSなどで、

映像説明: 室内。オレンジの箱入りのマカロニが棚に置かれている。表に「Banza(バンズ)」と書かれ、箱に開けられた窓から薄茶色(うすちゃいろ)のマカロニが見えている。箱が裏返され、裏面(うらめん)がこちら側に向けられる。 箱の裏面(うらめん)にBanza(バンズ)と一般的なパスタの栄養成分が英語で表示されている。たんぱく質の量はBanza(バンズ)が23グラム、一般的なパスタは13グラムとなっている。食物繊維についてはBanza(バンズ)が8グラム、一般的なパスタは3グラムと書かれている。糖質はBanza(バンズ)が48グラム、一般的なパスタは71グラムとなっている。

テロップ: 一般的なパスタ たんぱく質 食物繊維 糖質

ナレーション: 売り上げナンバーワンとなったというパスタが、こちら。ひよこ豆を使い、高たんぱく質で、グルテンフリーであることが特徴。パッケージで一般的なパスタとの違いを分かりやすく示している。

映像説明: 約30種類のさまざまな食品がテーブルに並べられている。

ナレーション: 商品のブランディングの鍵となるパッケージ。

映像説明: 緑豊かな公園。松などの木々(きぎ)に囲まれた巨大な石垣の向こうに、城の天守閣が高くそびえている。画面左下の四角い枠に中国地方の地図。島根県は中国地方北部にある日本海沿岸の県。松江市は県の北東部に位置していて赤い星印で示されている。広島県は北部の県境(けんざかい)で島根県と接している。

テロップ: 島根県 松江市

映像説明: セミナー会場。グレーの壁の室内に長机(ながづくえ)が並べられ11人の人物が席に着いている。前方のスクリーンにスライドが表示され、薄茶色(うすちゃいろ)のネクタイをした男性がマイクを手に話をしている。

テロップ: 2020年10月23日 米国向けパッケージセミナー 主催:ジェトロ

ナレーション: どのようなものが受け入れられるのか。島根県ではアメリカへの輸出に力を入れる県内企業に向けて、セミナーとワークショップが開催された。

映像説明: セミナー会場。マスクを着け、白いワイシャツに紺のカーディガンを着た男性がインタビューに答える。 マスクを着け、白いワイシャツに紺のカーディガンを着た男性を含む4人の人物が長机(ながづくえ)でレジュメに目を落としている。 マスクを着け、白いワイシャツに紺のカーディガンを着た男性が話を続ける。

テロップ: のりのつくだ煮を製造 海産物松村 営業部 平石 直大(ひらいし すなお) さん

平石さん: (海外で)イベント販売というか試食販売で立たせていただいたりする機会がありまして、そういうときに海外に向けての、その、パッケージングであったりとか、そういう知識が全くなかったっていうところがあって、 そういうところを1から勉強したいなっていうのと、それを形にできるようにしたいなっていうところから、あの、参加のほうをさせていただきました。

映像説明: セミナー会場。15人ほどの人物が長机(ながづくえ)で話を聞いている。 ポニーテールの女性がメモを取っている。

ナレーション: 日系ではなく、アメリカの現地の市場で販路を拡大するねらいがあるとジェトロ松江の担当者は言う。

映像説明: 世界地図が貼られた部屋。ダークグレーのネクタイをした男性がインタビューに答える。

テロップ: ジェトロ松江 谷本 敦

谷本(ジェトロ松江): パッケージか、さらにマーケティングデザインっていうところを合わせて勉強してもらうことで、さらにその現地のニーズに沿った商品、 マーケットインの発想を企業さんに持っていただくという狙いがあります。

映像説明: セミナー会場。スクリーンに「米国パッケージ業界のトレンド」と題されたスライドが表示されている。「HALO TOP(ハロ トップ)の乳製品フリーの低カロリーアイスクリーム」、「IRI (アイアールアイ)2017年売上1位(3.2億ドル:除く大手小売、コンビニ、ネット通販)」、「容器の正面にカロリー数を大胆に表示。低カロリーだが味が良いと評判になり爆発的な売れ行き」と書かれている。「360 calories」、「280 calories」などと書かれた円筒形(えんとうけい)の容器に入ったアイスの写真が表示されている。薄茶色(うすちゃいろ)のネクタイをした男性がスライドを指さし、話をしている。

テロップ: パッケージング・ストラテジー・ジャパン 森 泰正 社長

森社長: ブランドよりもカロリーをドンと書いてですね、これがかなり消費者にアピールした。

映像説明: 街なか。ビルの壁にななめに掲げられたポールに星条旗がはためいている。 街路樹のそばの横断歩道。大勢の人が信号待ちをしている。(資料映像)

テロップ: 米国食品医薬品局(FDA)が栄養成分表示規則を改正

ナレーション: アメリカでは健康維持を図る目的で、去年、およそ20年ぶりに栄養成分表示のルールが変更された。

映像説明: 英語で書かれた新旧2つの栄養成分表示のラベルが表示される。カロリーの数値は旧ラベルでは小さく、新ラベルでは大きく書かれている。糖分については、旧ラベルでは合計の値のみ記載され、新ラベルでは内訳が表示されている。(出所:FDA「栄養成分表示の変更」2020年)

ナレーション: カロリー表示は大きく。糖分はこれまでは総量のみだった表示を、添加した量を分けて記載するなど、輸入品にも条件を満たすことが求められる。

映像説明: セミナー会場。藍色のトップスを着た女性とポニーテールの女性、白いワイシャツを着た平石さん、薄茶色(うすちゃいろ)のネクタイをした森社長がうなずきながら話をしている。全員がマスクを着けている。

ナレーション: 講師に質問していたのは、のりのつくだ煮を扱う平石さん。

映像説明: 平石さんが話をしながら紫の紙袋から瓶詰の商品を出し、長机(ながづくえ)に並べる。 瓶詰ののりのつくだ煮が3種類、置かれている。紫と黄緑、オレンジの色違いのラベルが飾りひもで取り付けられ、それぞれに「海苔佃煮」、「茎わさびのり」、「きのこのり」と書かれている。 平石さんが身ぶりを交えて話を続ける。 「Nori‐Paste!」、「olive‐oil」と書かれたラベルの貼られた瓶詰のつくだ煮が長机(ながづくえ)に置かれている。 3種類ののりのつくだ煮が置かれた長机(ながつくえ)を囲み、平石さんが身ぶりを交えて話しているのを、講師である森社長、ポニーテールの女性、藍色のトップスを着た女性が聞いている。藍色のトップスを着た女性がうなずいている。

平石さん: 日本(にほん)でも、このままの状態で出てるんですけど、日系スーパーなどにメインで出てるので、 新商品、せっかくオリーブっていうのが海外向けにできたので、 パッケージもできてるところにそろえた方がいいのか。

映像説明: つくだ煮のラベルに「Enjoy various Menus(エンジョイ ヴァリアス メニューズ)!」と書かれている。のりを巻いたお握りやつくだ煮を塗った食パン、カナッペのようなピンチョス、チーズ、ピザのイラストが描かれている。

ナレーション: 英語表記のパッケージを作ったが、講師から意外なアドバイスが…。

映像説明: 森社長が瓶詰を手に身ぶりを交えて話をしている。 「Nori-Paste!」、「olive-oil」などと書かれたラベルが貼られた瓶詰が長机(ながづくえ)に置かれている。 平石さんがうなずきながら話を聞いている。 皿にのせた食パンが長机(ながづくえ)に置かれている。スパウトパウチ入りのマヨネーズからパンにマヨネーズをのせられる様子。パウチには「Duke's REAL MAYONNAISE(デュークス リアル マヨネーズ)」と書かれている。

森社長: 日本人(にほんじん)の場合は、これを、スプーンで取って熱いごはんに…。 向こうは付けるんですよね。だから、これだとやっぱりまずいです。 マヨネーズとかケチャップの容器あるじゃないですか。ああいうスクイーズできて、パンの上に付けるとか チーズの上にのせるとか、そっちの方がパッケージとしてはいいと思いますね。

映像説明: 3種類の瓶詰のつくだ煮が長机(ながづくえ)に並べられている。

ナレーション: のりのつくだ煮はアメリカ人にはなじみがなく、黒い食べ物に抵抗感がある人もいる。

映像説明: パック入りのサラダが置かれている。「Hidden Valley THE ORIGINAL Ranch(ヒドゥン バレー ザ オリジナル ランチ)」のDip & Pour Cupsの容器の「POUR」の文字がある部分を折り、サラダにドレッシングをかける。 同じ容器の「DIP」の文字がある方からフタがはがされ、三角形のトルティーヤチップスでドレッシングをすくい取られる。

テロップ: 食べ方の提案が大切

ナレーション: そこで、より手軽に取り入れてもらえるように小さいパッケージにし、絞ったりディップするという食べ方の提案が講師からあった。

映像説明: 手に持ったドレッシングの容器を裏返す。容器は一方が太く、他方が細くなっていて、ボトルのような形になっている。 スパウトパウチ入りのマヨネーズが長机(ながづくえ)に置かれている。おもて面には「Duke's REAL MAYONNAISE(デュークス リアル マヨネーズ)」などと書かれている。

ナレーション: こうしたドレッシングやマヨネーズなどの小さなパッケージの商品は、アメリカの市場に出始めているという。

映像説明: セミナー会場。ポニーテールの女性と平石さんが、森社長と藍色のトップスを着た女性と、身ぶりを交えて話をしている。

ポニーテールの女性: 大容量かと思ってました。アメリカとかだと大きい…。

平石さん: ああ、そうそう。大きいのがいいと。

映像説明: ワークショップの会場。ブラインドが下ろされた部屋にロの字型に長机(ながづくえ)が置かれ、平石さんとポニーテールの女性、眼鏡を掛けた男性、紺のスーツを着た男性を含む7人の人物が席に着いている。前方にスクリーンが立てられ、スライドが投影されている。茶色いブラウスを着た女性がスクリーンのそばに座り、話をしている。

テロップ: 2020年11月27日 米国向けパッケージ ワークショップ 主催:ジェトロ

映像説明: 黒いスーツを着た男性がレジュメに書き込みをしている。

ナレーション: ワークショップでは自社のパッケージを改めて分析。

映像説明: 「現在のラベル/パッケージのデザインについて」と題されたレジュメが表示される。「現在の商品パッケージのイメージに○をつけてください。」と書かれ、16個の項目があり、それぞれに中央部分にくぎりのある点線が16本引かれている。それぞれの点線の両端(りょうはし)に「クール、熱い」、「シンプル、手の込んだ」、「派手、シック」、「和風、洋風」、「柔らかい、かたい」、「真面目、くだけた」、「大人、若々しい」、「上品、気取らない」、「軽い、重い」、「小さい、大きい」、「携帯しやすい、携帯しにくい」、「エコ、エコではない」、「インスタ映え、インスタ萎え」、「環境問題重視、環境問題軽視」、「健康的、ジャンク」、「楽しい、落ち着く」と書かれている。次に「現在の商品のシンボルカラーは何色でしょうか。」と記載されている。

ナレーション: 「ターゲットは誰か」を明確にすることがブランディングのポイントとなる。

映像説明: 街路樹が植えられた歩道。枯れ葉が舞い落ちる通りを大勢の人が歩いている。

テロップ: ターゲットはミレニアル世代 1981~(から)1996年生まれ 米国の労働力人口の35% 出所:Pew Research Center 2017年

ナレーション: 主なターゲットとなるのはミレニアル世代。消費力が高く、発信力があり、環境配慮への意識が高いのが特徴だ。

映像説明: ワークショップの会場。マスクを着け、眼鏡を掛けた男性が長机(ながづくえ)でうなずきながら、手元のレジュメに目を落とす。

ナレーション: そして、「商品を通じて提供したいものは何か」を考えてみる。

映像説明: マスクを着け、眼鏡を掛けた男性が身ぶりを交えて話をしている。茶色いブラウスを着た女性がうなずき、メモを取る。

テロップ: 奥出雲薔薇園 福間 裕紀 専務

福間専務: 僕らが提供してるのは感動です。 まず一に香りで驚いていただきたい。

映像説明: 山あいに広がる畑。畝が何本も奥へ延び、低木が無数に植えられている。畑の周りには住宅が立ち並んでいる。画面左下の白枠に中国地方の地図。大田市(おおだし)は島根県のほぼ中央に位置する海沿いの街で赤い星印で示されている。

テロップ: 島根県 大田市(おおだし)

映像説明: バラ園。バラの木が畑いっぱいに植えられている。枝にはとげがいくつも出ており、小さなピンクの花がところどころに咲いている。

テロップ: 奥出雲薔薇園

映像説明: 眼鏡を掛けた福間専務がハサミを手にしゃがみ、バラの木をせんていしている。

ナレーション: オーガニックの食用バラを使った製品を手がける、奥出雲薔薇園の福間専務。

映像説明: 見本市の会場の写真。赤いバラの写真が載った垂れ幕がつり下げられたブースで福間専務がデモンストレーションしている。大勢の人が周りに集まっている。 カウンターに並べられた商品の写真。赤い袋入りの商品や赤黒い瓶詰、リボンが付けられたボトル入りの赤い液体などが置かれている。商品の傍らに、「神話の里の神秘の香り」と題されたポスターが飾られている。摘んだバラの花でいっぱいになった籠を手にした人物の写真に「原料のバラは、奥出雲薔薇園が独自に開発した甘く芳醇な香りと深い赤色が特徴の食用薔薇『さ姫』です。」と書かれている。

テロップ: 米国 サンフランシスコ

テロップ: 1月19~(から)21日 Winter Fancy Food Show 2020

ナレーション: 去年、サンフランシスコで開催された食品見本市に初めて参加。ローズシロップなどを出品した。

映像説明: 棚のある部屋。バラから作られた、さまざまな商品が並べられている。その前で、福間専務が身ぶりを交えてインタビューに答える。 テーブルに商品が取りそろえられている。白い袋入りの「薔薇の紅茶」。赤い袋入りの「薔薇のお茶」。丸みのある瓶詰の「薔薇色の塩」。円筒形(えんとうけい)の瓶詰の「完熟梅と薔薇」のジャム。「PREMIUM SPARKLING Rose」と書かれた瓶入りのサイダー。 半透明の赤いシロップが入った四角錐(しかくすい)のボトルが置かれている。飲みくちの部分に「食用薔薇『さ姫』を使用した無着色・無香料のローズシロップです。」などと書かれた四角いラベルが取り付けられている。 棚のある部屋で、福間専務が話を続ける。

テロップ: 奥出雲薔薇園 福間 裕紀 専務

福間専務: かなりニッチな商品なんですけど、アメリカの人にとっては、非常にこう、おいしく食べていただいとって、好評っていうところも聞いていたので、 じゃ、どういうふうに使えばいいのかとか、またはそのデザイン的なところへもっと目を引くようなものとか、そういった専門的なところは、もっと学びたいなと思っていましたので…。

映像説明: 四角錐(しかくすい)のボトル入りのローズシロップがテーブルに並べられている。 オフィス。福間専務がデスクでパソコンに向かっている。

ナレーション: パッケージデザインについて良い評価を得ることができた福間専務は、マーケティングに力を入れていた。

映像説明: 奥出雲薔薇園のウェブサイト。山林に囲まれたバラ園の写真が掲載され、英語で説明が書かれている。ページがスクロールされ、バラの入った籠を手にした人物の写真やさまざまな商品の写真が表示される。

ナレーション: 英語など外国語のホームページを新しく制作。セミナーで学んだことをホームページの改良にも活用したいという。

映像説明: 棚のある部屋。福間専務がインタビューに答える。 オフィス。福間専務がパソコンに向かっている。モニターに奥出雲薔薇園のウェブサイトが表示されている。 バラから作られたさまざまな商品が棚に並べられている。

テロップ: 奥出雲薔薇園 福間 裕紀 専務

福間専務: SNSですとか、ま、ホームページ、またはその動画や取材記事。ま、いろんなコンテンツを、もうフル活用しながら 1人でも多くの方(かた)にまず知っていただいて、ちょっと使ってみたいという思いにさせるような、こう、いろんな発信がしていけれたらなと思ってます。

映像説明: ワークショップの会場。マスクを着け、紺のスーツを着てレジュメを手にした男性が長机(ながづくえ)でうなずきながら話をしている。

テロップ: お茶の三幸園 大島 正也 社長

ナレーション: お茶の三幸園の大島社長は、今、パッケージの重要性が増していると感じていた。

映像説明: ワークショップの会場。長机(ながづくえ)で、大島社長が話をしている。

大島社長: (バイヤーに)オンラインで画像を見てもらうなり、カメラに見せたりするときも、ラベルのインパクトがないと 「それは何ですか(なんですか)?」っていう話にならないなって…。

映像説明: 車道沿いの2階建ての店舗の外観。白い壁に「お茶の三幸園」と書かれた立体ロゴが掲げられている。出入り口のそばに「八百万の神々(かみがみ)集う神在月(かみありづき)」、「神在茶で結ぶ御縁の輪」、「季節限定煎茶 冬茶物語 絶賛販売中!!」と書かれた貼り紙が出されている。

テロップ: 島根県 松江市

テロップ: お茶の三幸園

ナレーション: お茶の三幸園は、欧米やオーストラリアなどに茶葉(ちゃば)を輸出している。

映像説明: 作業場。白い縦型の装置の中に取り付けられたアームが長方形のラベルを機械の内部へ運んでいる。白いフードをかぶり、いすに座った女性が緑の細長い袋入りの商品をはかりにのせる。はかりの表示部に「100」と表示される。 店内。半透明の白い袋入りのお茶が10種類、棚に並べられている。袋の表に「美健グァバ茶」、「しそ茶」、「しょうが茶」、「桑の葉茶」、「黒豆茶」、「ごぼう茶」、「わさび茶」、「シモン茶」、「ゆず茶」、「くろもじ茶」と書かれた原料のイラスト入りのラベルが貼られている。それぞれのお茶のそばに「ノンカフェイン飲料」、「香りにはリラックス効果」、「鉄分豊富で冷え性を解消」、「殺菌・抗菌作用」、「花粉症でお困りの方(かた)に最適」などと書かれた札(ふだ)が立てられている。

ナレーション: 「カフェインが苦手な人も取り込みたい」と開発したのが和風のハーブティーだった。

映像説明: 乾燥させた葉や茎をのせた円い皿がテーブルに置かれている。葉はくすんだ緑(みどり)や濃い灰色に変色している。

テロップ: 原料のしそ

ナレーション: 原料は、しそやしょうがなどの野菜のみだ。

映像説明: ソーサーにのったティーカップがテーブルに置かれている。カップには透明な茶色いお茶が注がれ、湯気を立てている。茶わんに入った茶葉(ちゃば)が隣に置かれている。白や灰色の葉が細かくカットされ、交じり合っている。奥に原料のしそが載った円い皿が置かれている。 ソーサーにのったティーカップ。透明な茶色いお茶が注がれ、湯気を立てている。

テロップ: しそ茶

テロップ: お茶の三幸園 大島 正也 社長

大島社長: 100%ナチュラルでというところが売りになりますし、 健康志向などにも合ってるかなというふうに感じています。

映像説明: オフィス。英語のラベルが貼られた袋入りのしょうが茶の写真がモニターに映っている。袋のおもて面に「Ginger」と書かれたしょうがの写真が載り、裏面(うらめん)には栄養成分が表示されている。 マスクを着けた大島社長がモニターに映ったしょうが茶の写真の隣に日本語のラベルが貼られた袋を差し出し、話をしている。

ナレーション: 海外での販路拡大を目指し、パッケージをこれまで3回も作り直していた。

映像説明: 英語のラベルが貼られた袋入りのしそ茶としょうが茶がテーブルに置かれている。おもて面に「JAPANESE MEDICINAL HERBAL TEAS」、「Ancient Japanese Wisdom(エインシェント ジャパニーズ ウィスダム)」と書かれ、漢字でそれぞれ「赤紫蘇」、「生姜」と書かれている。下の方には「ALL NATURAL」、「Anti Oxidants」、「CAFFEINE FREE」、「VITAMINS」、「VEGAN(ビーガン)」と書かれた5つの円いマークがある。

ナレーション: まずは国内向けの商品とはデザインを変えた。

映像説明: テーブルに英語のラベルが貼られた袋入りのしそ茶としょうが茶の後ろに袋入りのくろもじ茶とわさび茶、黒豆茶が置かれている。 テーブルに置かれた英語のラベルが貼られた袋入りのしそ茶。

大島社長: 「中国っぽい。日本(にほん)っぽくない」っていう指摘をいただきまして。 英語以外のところはあと漢字しか入っておりませんで…。

映像説明: 英語のラベルが貼られた箱入りのお茶がテーブルに並べられている。しそ茶としょうが茶、くろもじ茶、黒豆茶、わさび茶のそれぞれのラベルに原料のイラストが描かれ、イラストの中に原料名が漢字や平仮名で書かれている。

ナレーション: ほかにも売り場での置きやすさを考えて、箱のタイプを制作したが…。

映像説明: 額入りの写真が飾られた部屋。大山社長が箱入りのくろもじ茶を手にインタビューに答える。 テーブルに英語のラベルが貼られた5種類の箱入りのお茶が置かれている。 額入りの写真が飾られた部屋で大山社長が話を続ける。

大島社長: ニューヨークの方の店頭に少し並べていただいた時期もあったんですけども、ただやはりなかなか動きが、もうひとつ良くなくてですね。

映像説明: 日本語のラベルが貼られた袋入りのしょうが茶としそ茶がテーブルに置かれている。 英語のラベルが貼られたしょうが茶としそ茶が並べられている。 商品名の下部に円いマークが5つ表示されている。「ALL NATURAL」と書かれたマーク。「CAFFEINE」と書かれ、斜線が入ったマーク。「GMO」と書かれ、斜線が入ったマーク。「GLUTEN」と書かれ、斜線が入ったマーク。「VEGAN(ビーガン)」と書かれたマーク。その上に、「It is a wonderful tea for stress relief and relaxation.」、「PRODUCT OF JAPAN」と書かれている。 英語のラベルが貼られたしょうが茶のアップ。

テロップ: 「健康」をアピール

ナレーション: そうしたなか、日本向け(にほんむけ)パッケージのイメージはそのままに、ビーガンや遺伝子組み換えなしなどのマークを入れたラベルを制作。健康志向の人へのアピールにつながった。

映像説明: 作業場。白い衛生帽をかぶった2人の女性スタッフが作業台でラベルを台紙から剥がし、袋に貼っている。 別の一角。作業台に敷かれたシートの上に三角形のティーバッグが積まれている。女性スタッフがラベルの貼られた袋にティーバッグを詰める。

ナレーション: 現在、サンフランシスコの地元の人が利用するスーパーマーケットで継続して販売されている。

映像説明: オフィス。黒いカーディガンを着た女性と青いジャンパーを着た男性がデスクで作業をしている。 大島社長が耳にスマートフォンを当て、話をしている。全員がマスクを着けている。

ナレーション: 大島社長の新製品の開発は続く。

映像説明: 額入りの写真が飾られた部屋。大島社長がインタビューに答える。

テロップ: お茶の三幸園 大島 正也 社長

大島社長: 日本(にほん)のお茶というものを海外、ま、特にあの、今はアメリカ市場が多いんですけども、そこに限らずですね、市場を広く取れるように、商品を開発していきたいなというふうに考えておりますし、 (輸出が)会社の柱になるような事業にいけるように、頑張っていかないといけないなというふうに考えています。

映像説明: スタジオ。地球儀と世界地図の画像をバックに八木(やぎ)キャスターが話をする。

テロップ: 米国食品市場向けパッケージ ポイント ターゲットはミレニアル世代 食べ方の提案が大切 「健康」をアピール

八木(やぎ)」キャスター: アメリカ食品市場向けのパッケージのポイントは「ターゲットはミレニアル世代」、「食べ方の提案が大切」、「『健康』をアピール」でした。どのようなパッケージデザインが受け入れられるかは、商品コンセプトやトレンドによって変わっていきます。番組では世界のパッケージのニーズをシリーズで探っていきます。ぜひご覧ください。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターがおじぎをする。

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