ベトナムの新たなビジネスの可能性 ‐ダナンの魅力を探る‐

2020年03月19日

ビーチリゾートとして知られるベトナムのダナン。高級ホテルの建設ラッシュに沸くその地で今、新たな市場を開こうと日本のホテルチェーンが大型プロジェクトを進めている。しかし、ダナンに着目するのは観光分野の企業に留まらない。ハノイやホーチミンと比べて低廉な労賃や、ベトナムのほぼ中央に位置する地の利を生かし、製造業の進出も始まっている。そうしたなか、栃木県のメーカーには地元の企業と連携して新たに組織を立ち上げ、事業の展開を図ろうとする動きも。ベトナムの新たな可能性をダナンで取材した。

(11分57秒)

テキスト解説を読む

テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 世界地図の上で回転する、中が空洞になった地球儀から、もうひとつ地球儀が飛び出す。 拡大表示された地球儀の横にタイトルが現れる。 「世界は今ジェトログローバルアイ」。

映像説明: スタジオ。地球儀と世界地図の画像をバックに、女性キャスターが入ってくる。白のワンピースに、うぐいす色のスカート姿。

テロップ: 八木 ひとみ(やぎ ひとみ)

八木(やぎ)キャスター: 世界は今、ジェトロ グローバル アイ。 ベトナムへの企業の進出が続いています。その中で注目される都市の一つが、中部に位置するダナンです。観光の町としても知られていますが、それだけではありません。そのビジネス環境を取材しました。

テロップ: ベトナムの新たなビジネスの可能性 ‐ダナンの魅力を探る‐

映像説明: 港。小型の漁船やボート、竹で編んだ丸い籠のような形の船が数多く停泊している。いずれも赤地の中心に黄色(きいろ)の星を配置した、ベトナムの国旗を掲げている。 海に浮かぶ数十隻のボートや籠のような形の船。遠くの陸地には、海岸線に沿ってたくさんの近代的な高層ビルが建っている。

ナレーション: 小さな港町(みなとまち)から、近代的なホテルが建ち並ぶリゾート都市へと変ぼうを遂げている、ベトナムのダナン。

映像説明: 木々(きぎ)が生い茂る緑の山と、遠浅の海に挟まれた街。海岸近くには何棟(なんとう)か高層ビルが建っている。画面左下の四角い枠内にインドシナ半島の地図。半島の東部に位置するベトナムは、北は中国と国境を接し、東と南は南シナ海に面している。西側に隣接するラオスとカンボジアを挟み、タイが位置している。北部に首都のハノイ、南部にホーチミンがあり、赤い丸印で示されている。ダナンは、国のほぼ中央に位置する港町(みなとまち)で、赤い星印で示されている。 中層や高層の建物が建ち並ぶ街の俯瞰。

テロップ: 人口 113万

ナレーション: 南北に長いベトナム。 その中央に位置し、およそ110万の人々が暮らしている。

映像説明: 1階部分を木の板で覆った建設中の高層ビル。コンクリート造りの建物に沿って、金属製の黄色い柱が立てられている。 表面に緑のネットが掛けられた建設中のビル。鉄骨がむき出しの最上部にタワークレーンが設置されている。

ナレーション: リゾート開発が急速に進み、建設ラッシュに沸く。

映像説明: 海岸に沿って植えられたヤシの木の向こうに、高層の建物が4棟(よんとう)並んで建っている。

ナレーション: 次々に高級ホテルが建てられている。

映像説明: 木々(きぎ)の多い住宅地の一角に、茶色い土(つち)がむき出しになった広大な土地の空撮映像(くうさつえいぞう)。赤い鉄骨で作られた建物の骨組みの横に巨大な黄色いタワークレーンが置かれている。手前の木々(きぎ)が多く植えられている一角には、切妻屋根の2階建ての建物が12軒建っている。(映像提供 ホテル三日月(みかづき)グループ)

ナレーション: そのダナンで、一大開発事業を進めている日本の企業がある。

映像説明: さまざまな資材が置かれた建築現場。4階ほどの高さの建物の骨組みに、青いネットが掛けられている。骨組みの最上部に立つヘルメットをかぶった作業員たち。足元は鉄の棒が敷き詰められている。作業員の1人が、上からつるされた巨大なホースを右手で支え、ホースから流れ出てくるやわらかなコンクリートを所定の位置に落ちるよう導いている。

テロップ: ダナン三日月(みかづき)

ナレーション: 千葉県に本社を置き、複数のホテルを経営しているホテル三日月(みかづき)。

映像説明: 広い敷地に、建築中の建物が4棟(よんとう)並んで建ち、黄色い大型クレーンも置かれている。 建設中の建物の最上部で、黄色いヘルメットをかぶった作業員たちが働いている。

テロップ: 1億ドルの大型プロジェクト

映像説明: 建設中の建物の屋上。スーツを着て、白いヘルメットをかぶった男性たちが、建築現場を見下ろしながら話をしている。

ナレーション: 初の海外進出。1億ドルの投資を行なった。スパとホテルを兼ね備えた複合(ふくごう)レジャー施設を開業させる。

映像説明: 浜辺で、紺のスーツに黄色いネクタイを締めた男性が手ぶりを加えながらインタビューに答える。

テロップ: ホテル三日月(みかづき)グループ 小髙 芳宗(おだか よしむね) 代表

小髙(おだか)代表: ベトナム人の親子3世代に愛されるホテル。 地域の人たちに愛されるホテル作りを目指していこうと。

映像説明: コンピューターグラフィックスの映像。木々(きぎ)が植えられた広大な敷地に、大きな池や流れるプールがあり、突き当りに20階ほどの高さのホテルが立っている。(映像提供 ホテル三日月(みかづき)グループ) はりや柱に木材が使われた温泉のエントランスのコンピューターグラフィックス映像。たくさんの和風のちょうちんがつるされている。入口の両脇に小さな灯籠が置かれ、壁には障子が取り付けられている。画面の右上には赤いひし形の中に白い文字でアルファベットのRが書かれたマークと、「ENTRANCE ONSEN」の白い文字がある。 屋根のついた露天風呂のコンピューターグラフィックス映像。笹や赤い葉をつけた木が植えられ、通路と建物のあいだに小さな赤い太鼓橋が架けられている。画面の右上には赤いひし形の中に白い文字でアルファベットのRが書かれたマークがある。

テロップ: 完成イメージCG

ナレーション: 外国人観光客だけでなく、これから台頭するベトナムの中間層(ちゅうかんそう)を取り込む狙いだ。和のコンセプトを前面に打ち出し、日本文化(にほんぶんか)の発信基地にしたいという。

映像説明: 赤い鉄骨で組まれた巨大な建物の骨組み。地面には建築資材が並べられている。 高所作業車のバケットが、骨組みの最上部まで首を伸ばしている。オレンジのヘルメットと作業服姿の2人の男性が、上からつるされたはしごのような黒い鉄骨が配置されるのを見守っている。

ナレーション: 来年の全面開業に向けて、急ピッチで工事が進む。

映像説明: 建築現場の一角。紺のスーツに黄色いネクタイを締めた小髙(おだか)代表が、2人のスーツ姿の男性たちと、手ぶりを交えて話をしている。

ナレーション: 2015年に代表に就任した2代目の小髙(おだか)さん。

映像説明: 建築現場の一角。建設中の建物の脇のむき出しの土(つち)の上を白いヘルメットをかぶった小髙(おだか)代表が歩いてくる。スーツの上から安全ベストをつけ、白い長靴をはいてヘルメットを手にした10人ほどの男性たちが後ろから続いて歩いてくる。 紺のスーツを着て白いヘルメットをかぶった小髙(おだか)代表と、スーツを着て、白いヘルメットをかぶった男性たちが、建築中のビルの屋上に立ち、足場が組まれた方向を指でさしながら話をしている。

ナレーション 先頭に立ち、プロジェクトを引っ張ってきた。海外事業を成功させ、地域に貢献する企業を目指す。

映像説明: もみじや金魚、扇子などが描かれた絵が飾られた壁の前で、小髙(おだか)代表が手ぶりを交えてインタビューに答える。

小髙(おだか)代表: 創業者から受け継いだ、この会社を長く続けていくために、 常に、新しいことに取り組み続けていって、100年企業を目指していきたいと。

映像説明: 幅の広い高架道路。中央分離帯に、龍を模した巨大なフェンスが設置されている。バイクは多いが、全体的に交通量は少ない。

ナレーション: 進出先に選んだダナンは、空港や港が近く、コンパクトな街だ。ほかのベトナムの大都市と比べると渋滞が少ない。

映像説明: 「ダナン近郊の世界遺産」と題された地図と写真が表示される。 ダナンの南に位置するのが、海に近い都市ホイアン。瓦屋根のついた橋の写真が示されている。ホイアンから南西の内陸部にあるのがミーソン。レンガ造りの遺跡の写真が示されている。フエは、ダナンの北にある海に近い都市。オレンジや緑の瓦屋根を戴く城の写真が示されている。

ナレーション: さらに、周辺には世界遺産が3つあり、観光資源も豊富だ。

映像説明: たくさんのボートが接岸している大きな運河沿いの道。街路樹が並び、多くの人が散策している。通りの向こうに瓦屋根の家が建ち並んでいる。

テロップ: ベトナム ホイアン

ナレーション: その一つ、ホイアン。

映像説明: 大勢の人々でにぎわう街中(まちなか)の狭い通り。竹ひごで編んだ円すい形(えんすいけい)の笠や、カバンを売る店がある。道を挟んで建物と建物のあいだにひもが渡され、ピンクや青、紫など、色とりどりのちょうちんがつるされている。 店が並ぶ静かな通り。建物の軒先には、さまざまなデザインのちょうちんがつり下げられている。赤いちょうちんがつるされた、こげ茶色(こげちゃいろ)の洋風の建物の前で、2人の女性が看板を見ている。黒いリュックを背負った男性が、2階のバルコニーに立つ女性のほうにカメラを向けている。

ナレーション: 街の至る所にちょうちんが飾られ、古い建造物が残る。

映像説明: 運河に架けられた橋を大勢の人が渡っている。等間隔に立てられた支柱に赤いちょうちんがぶら下げられている。

ナレーション: 16世紀の終わりごろから交易の拠点として発展した。

映像説明: 狭い運河の上に建つ瓦屋根がついた橋。10人ほどの観光客が橋の上で手を振り、橋のたもとの河岸に立つ赤いTシャツを着た人が観光客にカメラを向けている。

ナレーション: 世界遺産には、1999年に登録されている。

映像説明: 運河の上に建つ瓦屋根のある橋。屋根に古びたかまぼこ型の瓦が敷き詰められている。橋のたもとの河岸にいる大勢の観光客が、瓦屋根のある橋のほうに向かってカメラを向けている。

テロップ: 来遠橋(らいえんばし)(通称:日本橋)

ナレーション: こちらの瓦屋根がある太鼓橋、通称、日本橋と呼ばれている。

映像説明: 小舟が通る運河と、その奥に見える瓦屋根のある来遠橋(らいえんばし)。その手前にも運河を渡る橋が架かっていて、多くの人々が歩いている。

ナレーション: 多くの日本人(にほんじん)が暮らしていた名残だ。

映像説明: 薄暗い博物館の中。大きな帆のある木造の船の模型や、魚の絵が描かれた、つぼやとっくり、おちょこのような小さな器が展示されている。

ナレーション: 実は、17世紀の初めごろ、朱印船が行きかい、日本と貿易が行われていた。

映像説明: ヤシの木に囲まれた運河にボートがずらりと並んで停泊している。ボートの日よけの幕を張ったポールには、さまざまな色のちょうちんがいくつもつるされている。 竹笠をかぶった船頭たちがオールを手に船をこいでいく。

ナレーション: その役割は現在、大型船が停泊できるダナンへと移っている。

映像説明: 敷地内の入口。大きな赤い風船でできた、半円形のゲートをスーツ姿の人々が続々とくぐっていく。

テロップ: 2020年1月12~(から)13日 日越文化経済観光交流団

ナレーション: 古くから、ゆかりの深いこの地に今年1月、日本から1,000人を超える人々が訪れた。

映像説明: 明かりが消された部屋。白い壁にスライドが映し出され、黄色い法被を着た小髙(おだか)代表が横に立って話をしている。画面には、「工事現場が着工してから、支援団体から多くのニーズを受け」、「セミナー聴衆人数は、延べ1,000名を超えた」の文字と、「JETRO(ジェトロ)」や「商工中金」などのロゴマークが映し出されている。 スーツ姿の30人ほどの男女が話を聞いている様子。壁際には、小髙(おだか)代表が着ている法被と同じ黄色い法被を着た人々が並んで立って話を聞いている。

ナレーション: 日本とベトナムの相互交流の促進を目的に行われたもの。

映像説明: 大きなステージに演台(えんだい)が置かれ、スーツ姿の男性が話をしている。ステージの後ろのパネルには、ハスの花のマークとともに、現地の言葉と日本語で、「日本(にほん)ベトナム文化経済観光交流団」と書かれている。

テロップ: 日越友好議員連盟 二階 俊博 会長

映像説明: 広い会場内は、数百人の聴衆で満席になっている。 ステージに金色の布で覆われた長机(ながづくえ)が置かれ、9人のスーツ姿の男性たちが並んで座っている。後ろのパネルには、現地の言葉と日本語で、「日越投資・人材活用促進セミナー」と書かれ、ジェトロのほか、厚生労働省や出入国在留管理庁などのロゴマークが入っている。 ステージに「日本ベトナム文化経済観光交流団」のパネルがある会場。椅子が並べられた大きなホールがスーツ姿の人々で埋め尽くされている。

ナレーション: これに合わせて、ジェトロは両国の国会議員やビジネス界の代表が参加する経済セミナーを開催した。今、日本の領事事務所の開設や直行便の就航など、より多様な関係が築かれつつある。

映像説明: 走る車の車窓風景。金網で囲まれた広い敷地内にある青い平屋の建物の先は草地となっており、「DANANG IT PARK(ダナン アイティー パーク)」と書かれた大きな白い看板が立っている。

ナレーション: そのダナン、観光だけでなく、製造業やIT(アイティー)分野でも関心を持つ企業が増えている。

映像説明: 水色とクリーム色(いろ)に塗り分けられた、2階建ての大きな建物。外壁に「Tokyo KEIKI」と書かれたロゴマークが掲げられている。エントランスには青いコンクリートのひさしが大きく突き出ている。

テロップ: 東京計器プレシジョンテクノロジー

映像説明: 工場の中。水色のキャップとポロシャツ姿の男性作業員が、スイッチやモニター、計器がついた大きな箱型の機械に向かっている。中央に設置されたグレーの機器の下に黒っぽい塊を置くと、手前にある透明の窓が下りてきて閉まる。 箱型の機械に、同じかたちの3つの黒い部品が取り付けられている。さまざまな太さの管(くだ)が何本も伸びていて、一部はアナログの計器とつながっている。部品には、「TOKYO KEIKI」のロゴマークがついており、「DIRECTIONAL CONTROL VALVE(ディレクショナル コントロール バリュー)」と書かれている。 円形の台の上で回転する、黒っぽい四角い金属の部品。凸凹のついた面や、小さなネジ穴がたくさん開いた(あいた)面がある。

ナレーション: こちらは5年前、ハイテク企業専用の工業団地に入居した、東京計器プレシジョンテクノロジー。建設機械などで使われる油圧機器の生産を行い、材料の現地調達に力をいれている。

映像説明: 水色のキャップとポロシャツ姿の男性作業員が、シルバーの縦長の機械を両手で支え、四角い金属の部品にかざして少しずつ動かす。 大型の機械の横に設置された、小さなダンボール箱が積み上げられた作業台。水色のキャップとポロシャツ姿の女性作業員が、白い紙と黒っぽい四角い金属の部品を一緒にビニール袋の中に入れ、整えている。

ナレーション: ベトナムでも質の高い投資が求められており、日本と同じ品質のモノを低価格で作る体制を整えた。

映像説明: 工場の一角。「TOKYO KEIKI」のロゴマークが入った青と白のキャップをかぶった男性が、歩きながらインタビューに答える。 広い工場。大型の機械の横にコンベヤが設置され、水色のキャップとポロシャツ姿の2人の男性作業員が作業をしている。通路を挟んで、別の大型機械の周りで水色のキャップとポロシャツ姿の2人の女性作業員が作業をしている。

テロップ: 東京計器プレシジョンテクノロジー 篠 美徳(しの よしのり) 社長

篠社長: ベトナムは人海戦術でやるような、あの業態が多いと思うんですけれども、 当社の場合は、メイド・イン・ジャパンの高級な機械を入れて、日本(にほん)と同じような品質のものを、あの日本(にほん)と同じように作っていこうというコンセプトでやってますので。

映像説明: 作業台に、表面に四角(しかく)や丸い穴の開いた(あいた)、四角い金属の部品がずらりと並んでいる。水色のキャップとポロシャツ姿の男性作業員が、小さな黒い輪ゴムのようなものを金属の部品にはめ込む。

ナレーション: 一体、なぜダナンに進出したのか。

映像説明: 「日本からベトナムへの直接投資件数(2019年12月20日までの累計)」と題された画像が表示される。ハノイのある北部は1,893件、ホーチミンのある南部は2,172件なのに対し、ダナンのある中部は316件となっている。(出所:ベトナム外国投資庁のデータを基に作成)

ナレーション: そのヒントとなるのが、日本からベトナムへの直接投資の件数。ダナンのある中部は、首都ハノイのある北部や、経済都市ホーチミンのある南部と比べると、桁が1つ少ない。

映像説明: 機械やボンベが置かれた工場の一角。水色のキャップとポロシャツ姿の3人の男女作業員が作業をしている。女性作業員が四角い金属の部品を左手に持ち、布でぬぐう。

ナレーション: ほかの地域に比べ、競争が少なく、用地の確保がしやすかったことが進出理由だという。

映像説明: 別の作業台。大型の機械の横で、水色のキャップとポロシャツ姿の女性作業員が、ビニール袋に入った四角い部品を小さなダンボール箱に入れる。 水色のキャップとポロシャツ姿の男性作業員が、表面に穴の開いた(あいた)四角い部品を布でぬぐう。周囲には7台ほどの作業台用ワゴンが置かれ、それぞれに50個ほどの部品がぎっしりと並べられている。

ナレーション: 人の確保が少しずつ難しくなってきていると話すが、コスト面での優位性は大きく、今後、工場を拡張する計画だ。

映像説明: ソファーが置かれた部屋。左胸に「TOKYO KEIKI」のロゴが入った水色のポロシャツを着た篠社長がインタビューに答える。

篠社長: もうすでに隣に第2期工場、第3期工場の土地を確保してありますので、 今は電磁弁だけなんですけれども、電磁弁以外の油圧製品のほうの、生産のほうを進めていきたいと。

映像説明: 車通りのない、片側1車線の直線道路。両脇には格子のフェンスがどこまでも続く。左手のフェンスの奥に、巨大な水色の建物がいくつも建っている。ゲート前の黒い看板には、「DAIKU‐JV Co., Ltd(ダイク ジェイブイ カンパニー リミテッド)」と書かれている。

テロップ: DAIKU‐JV(ダイク ジェイブイ) レンタル工場

映像説明: 天井の高い工場の内部。壁際に、シルバーのフードとモニターがついた機械がずらりと並び、中央には大型の扇風機が2台置かれている。紺のキャップとシャツを着た作業員が、手にしたノズルから吹きだす液体を四角い部品にかけている。 機械の中。パイプから流れる透明の液体が部品にかけられている。 広々とした工場の中。天井からつるされた水色の看板に、英語と現地の言葉で、「品質第一」、「整理、整頓、清掃」と書かれ、中央にベトナムと日本の国旗も描かれている。制御室の脇にはロッカーが設置され、ホワイトボードやワゴン、扇風機などが整然と並べられている。

ナレーション: 一方、こちらは中小企業を対象にしたレンタル工場。初期投資をかけずに製造を始められる。経営しているのは栃木県にある企業。そのつながりを生かして、ダナンを目指す企業が増えている。

映像説明: 切妻屋根の巨大な水色の建物が4棟(よんとう)ほど建っている。

テロップ: 横浜テクニカ ダナン

映像説明: 広い工場の中。透明のビニールシートで区切られたスペースで、黒いマスクをつけ、袖口と襟が赤いグレーのポロシャツを着た男性がハンドルのついた小さな機器に向かっている。

ナレーション: 2年前に進出した栃木県の企業。自動車関連の部品を製造している。

映像説明: クリーム色(いろ)の壁の部屋で、襟元が赤いグレーのポロシャツ姿で茶色いフレームの眼鏡を掛けた男性がインタビューに答える。

テロップ: 横浜テクニカ ダナン 栗木 康史 社長

栗木社長: 本社が(栃木県)大田原で、そこで社長同士が知り合いになったっていうのがありまして。

映像説明: 事務所。茶色いフレームの眼鏡を掛けた栗木社長がデスクに座り、ノートパソコンを見つめている。 栗木社長がデスクに積み上げられた書類をめくりながら、そばに立つ青いマスクをつけた男性に話をし、手にしていた書類をその男性に手渡す。

ナレーション: 現地でビジネスを取り仕切る、栗木社長。ダナンの魅力は、ベトナムの中央に位置する地理的な優位性だと言う。

映像説明: 工場の中。天井からつるされた透明のビニールシートの前で、栗木社長がインタビューに答える。ビニールシートの向こうには作業台が並び、グレーのポロシャツ姿の4人ほどの女性たちが作業をしている。

栗木社長: うちのお客さんが、えーと、北と南に3工場ずつあるんで。ちょうど真ん中なんで、どちらにも行きやすいっていうのもありますね。

映像説明: 工場の一角に、巨大な四角いおけが3つ、並べて置かれている。袖口と襟が紺のグレーのポロシャツにオレンジのゴム手袋をつけた女性たちが、おけの中に入って内側をこすっている。 作業台の上に置かれた黒い液体がしたたっている金属製の大きな部品。作業台の前に立つ透明のビニールの手袋をつけた女性が、白いプラスチックの容器から何かをすくい出す。

ナレーション: 栃木県から進出したほかの企業は、第2工場をダナンに作った。

映像説明: 青い工場の建物の前で、水色のシャツを着た男性がインタビューに答える。

テロップ: TANOI 青木 利幸 さん

青木さん: (1つの拠点だけだと)なんかトラブルがあった時に、まあリスクが高いというところで、まあ、もう1社。 ま、社長は、ベトナムのほかに、カンボジアだったり、見たらしいんですけど、だったら、ダナンにしよう、ベトナムの経験のあるっていうところを生かして、じゃダナンに出そうと。

映像説明: 白い外壁の中央に青いラインが入った2階建ての建物。入口横の壁には、ひし形の中にアルファベットの「ai(エーアイ)」をデザインしたマークと、「株式会社アイ電子工業 黒磯事業所」と書かれた看板がある。

テロップ: 栃木県 那須塩原市

ナレーション: 栃木県、那須塩原市。

映像説明: 工場の中。壁際にはスチール製の棚が、中央には細長い作業台がいくつも置かれている。

テロップ: アイ電子工業 黒磯工場

ナレーション: ここに、ダナンでレンタル工場を経営する、アイ電子工業の工場がある。

映像説明: 作業台の上に、大きなカーキ色(いろ)の金属製のパネルが3台載せられている。大きさや形の異なる四角い基板がパネル一面に取りつけられ、青いビニールコードが何十本も差し込まれている。グレーの作業服を着た2人の男性が、1台のパネルを見ながら話をしている。 グレーの作業服を着た男性が、細いオレンジのビニールコードの先を大きなニッパーで挟む。

ナレーション: 本業は製造業。電子機器の受注生産などを行なっている。

映像説明: 事務所。グレーの作業服を着て、ストライプ柄の黒のネクタイを着けた男性がモニターを見ながら、キーボードを操作している。

ナレーション: 2006年に自社工場の設立とあわせて、レンタル工場の運営を始めた。レンタル工場は好評で、事業を拡大させている。

映像説明: 「関係者以外立入禁止」のパネルが貼られたすりガラスのドアを開け、ストライプ柄の黒のネクタイを着けた男性が広い部屋の中へと入っていく。広々としたスペースに、たくさんのダンボール箱やビニールシートをかぶせた資材、台車などが置かれている。ストライプ柄の黒のネクタイを着けた男性が室内のほうを手で示しながら話をしている。

ナレーション: そして、去年、地元、栃木県の企業を支援する団体を立ち上げた。

映像説明: 40人ほどの男女がステージに並ぶ集合写真。壁に掲げられた白い看板には、「第1回 ベトナム・ダナン栃木法人会 総会&懇親会」と書かれている。(写真提供 アイ電子工業)

テロップ: ダナン栃木法人会 2019年6月に発足

映像説明: 別の集合写真。「TOCHIGI JOB FAIR IN DANANG(トチギ ジョブ フェアー ダナン)」と書かれたパネルの前に、30人ほどの人が並んでいる。白い文字で「ダナンが好き」と書かれた緑のTシャツを着た女性たちもいる。(写真提供 アイ電子工業) 「TOCHIGI JOB FAIR IN DANANG(トチギ ジョブ フェアー ダナン)」の会場の写真。青い看板を掲げた企業のブースが通路の左右に並び、大勢の人々でにぎわっている。(写真提供 アイ電子工業)

ナレーション: それが、ダナン栃木法人会だ。すでに拠点を持つ企業が中心となり、これから進出する企業をサポートする。背景には、地域が抱える閉塞感を打開したいという思いがある。

映像説明: 壁に額に入った賞状や認証状が飾られた部屋で、ストライプ柄の黒のネクタイを着けた男性が、インタビューに答える。

テロップ: アイ電子工業 髙橋 温(たかはし ゆたか) 社長

髙橋(たかはし)社長: ま、危機感と言いますかね。特に皆さん、栃木県内の企業さんなんで、これから10年先、20年先どうなるのか。ま、このままだとやっぱりダメだよねっていうことは常々思っているはずなんです。 で、今のうちに海外展開も含めて、可能性をちょっと見せておかないと。 まあ、ベトナム、ダナンということになりますけども。まあ、そこでチャンスができればね。

映像説明: 工場の一角。緑のシートを敷いた作業台の上に並べたグレーの太いケーブルを、グレーの作業服姿の男性が工具を使って整えている。 斜め向かいに座るグレーの作業服姿でポニーテールの女性が、細いビニールコードの先をニッパーで切ったあと、作業台に設置した大きなクリップに挟み込む。

ナレーション: さらに、もう一つ、課題が。それは日本での人材不足(じんざいぶそく)だ。この工場にもベトナム人の姿が。外国人材の採用に力を入れている。

映像説明: 事務所の中。白いマスクをつけたグレーの作業服姿の男性が、モニターに向かっている。 工場の一角。グレーの作業服姿でポニーテールの女性が真剣な表情で作業をしている。

ナレーション: 安価な労働力を求めて海外進出した時代から、国内の人材不足(じんざいぶそく)を補うため、海外から人に来てもらう時代に。

映像説明: 壁に額に入った賞状や認証状が飾られた部屋で、ストライプ柄の黒のネクタイを着けた髙橋(たかはし)社長がインタビューに答える。 工場の一角。グレーの作業服でポニーテールの女性が、はんだごてを使って作業をしている。手元から白い煙がかすかに立ち上る。

髙橋(たかはし)社長: 僕ら、中小企業ですよね。で、仲間、こう見てると、みんな、おんなじ悩み持ってるんです。 栃木県、製造業いっぱいあるんですよ。そこで人材不足(じんざいぶそく)が、困っているわけですから。 そこに何かね、ソリューションができればってことで。

映像説明: 黒いケースに入った縦長の機械が並ぶ一角。それぞれの機械の前に、棚とプラスチックのトレイが置かれ、巨大な扇風機が等間隔に設置されている。 黄色い縁取り(ふちどり)の引き戸のカバーがあるシルバーのケースに入った機械。上部に取り付けられた円いプレートには、円周の内側に数字が書かれた黄色いテープが貼られている。プレートの縁(ふち)には、ドライバーの先端のような、さまざまな形の工具が取り付けられている。紺の作業服姿の男性が緑のゴム手袋をつけて、金属製の部品に液体をかけている。

ナレーション: 法人会を通じて、栃木県とダナンを結び、ビジネスの橋を架ける。

映像説明: 閑静な通りに立つ黄色い壁の建物。黄色いビニールのひさしに赤や黄色(きいろ)のほおずき型のちょうちんがつるされ、店頭にはたくさんのバイクが並んでいる。入口上部の黒い看板には、フランスパンと麦の穂を組み合わせたマークと、黄色(きいろ)の文字で「GOCHIPAN Japanese Bakery」と書かれたロゴが入っている。

テロップ: ベトナム ダナン

テロップ: ゴチパン

ナレーション: そのダナンで、人材不足(じんざいぶそく)の課題に取り組む企業がこちらにもある。

映像説明: 黄色い壁の店内。天井からほおずき型のちょうちんがたくさんつるされている。陳列台にはメロンパンやサンドイッチ、カレーパンなどを載せた茶色のトレイが置かれている。 棚にはレーズンパンやくるみのパンが並んでいる。

ナレーション: 5年前にオープンしたベーカリー。その法人会のメンバーだ。

映像説明: ちゅう房。背中に「GOCHI PAN」のロゴが入った紫の制服を着た男性が、大型のオーブンに成型した白いパン生地を載せた鉄板を入れてドアを閉める。 「GOCHI PAN」のロゴが入った緑のポロシャツに赤いキャップ姿の男性が、丸いパン生地を載せた鉄板を別のオーブンに入れる。ステンレスの作業台は、成型前のパン生地でいっぱいになっている。

ナレーション: 技能実習生などが日本に行く前に、店を使って教育を行う。事前に日本の文化や商習慣について、学んでもらうのが狙いだ。

映像説明: 左胸に「GOCHI PAN」のロゴが入った紫のポロシャツを着た男性が、店の中でインタビューに答える。

テロップ: ゴチパン ダナン栃木法人会 秋元 輝彦 副会長

秋元副会長: ベトナムにいるあいだに、教育をして、来日した際にはスムーズに働き始められる、そういう流れを作れれば、 受け入れ企業としても、実習生本人にしても、すごく、あの、意味のあることになるんじゃないのかな。

映像説明: ちゅう房。成型前のパン生地でいっぱいになっている作業台で、「GOCHI PAN」のロゴが入った緑のポロシャツ姿の男女が作業をしている。「GOCHI PANのロゴが入った緑のポロシャツ姿で赤いキャップをかぶった男性が、ステンレスのボウルの中に、薄茶色(うすちゃいろ)の粉を入れる。 成型前のパン生地でいっぱいになっている作業台。「GOCHI PAN」のロゴが入った緑のポロシャツ姿で赤いキャップをかぶった姿の男性の前に置かれた鉄板の上には丸い耳がついた動物の顔になった生地が載せられている。

ナレーション: 質の高い人材を確保できれば、地域が抱える課題の解決にもつながる。

映像説明: グレーのキャップをかぶり、「GOCHI PAN」のロゴが入ったポロシャツ姿の男性が、食パンの型から焼きあがったパンを取り出す。 事務所の中で、ストライプ柄の黒のネクタイを着けた髙橋(たかはし)社長がモニターに向かっている。

ナレーション: これまでに築いた拠点や経験を生かし、新たなビジネスに挑戦する企業。

映像説明: 打ち寄せる波が描かれた壁の前で、黄色いネクタイを締めた小髙(おだか)代表が手ぶりを交えて話をしている。

ナレーション: 社運をかけ、観光業に乗り出す企業。

映像説明: 穏やかな入り江。雲のあいだから差す日光が、対岸に立ち並ぶ高層ビルをぼんやりと照らしている。

ナレーション: ダナンから、次のベトナムビジネスが動きだす。

スタジオの八木(やぎ)キャスター: ベトナムと日本の関係は、ますます深まっていますが、今後は、首都のハノイや経済都市のホーチミンだけでなく、より幅広い視野で、関係を築いていくことが求められるのではないでしょうか。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターがお辞儀をする。

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11月14日(予定)
テーマ:水素革命Ⅲ 世界がわかる! オーストラリアで見た最前線

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