正月は二度来る!? 市田柿の挑戦

2019年11月28日

日本有数の干し柿の産地、長野県南部の飯田下伊那地域。特産の「市田柿」は、正月の縁起物として親しまれる一方、それ以降の需要減が課題となっていた。そこで、狙いを定めたのが旧正月の贈答品需要だ。台湾を皮切りに中華圏の“春節“をターゲットに輸出を伸ばすなか、ベトナムの”テト”商戦にも挑む。ブランドを保護する「地理的表示(GI)」の登録により地域全体の意識の向上、さらに、加工工場の増強を図るなど、地元のJAは体制の整備も進める。日本と異なる時期の海外の商機に着眼し、市場開拓に取り組む産地の挑戦を追った。

(12分29秒)

※本番組は英語版(字幕)でもご覧いただけます。

テキスト解説を読む

テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 世界地図の上で回転する、中が空洞になった地球儀から、もうひとつ地球儀が飛び出す。 拡大表示された地球儀の横にタイトルが現れる。 「世界は今ジェトログローバルアイ」

映像説明: スタジオ。地球儀と世界地図の画像をバックに、女性キャスターが入ってくる。 襟ぐりが肩口まで大きく開いた(あいた)柿色のワンピース姿。

テロップ: 八木 ひとみ(やぎ ひとみ)

八木(やぎ)キャスター: 世界は今、ジェトログローバルアイ。 秋のフルーツといえば、柿です。柿の生産が盛んな長野県南部では、古くから「市田柿(いちだがき)」という干し柿が作られてきました。そして今、海外への輸出に力を入れています。その取り組みを追いました。

テロップ: 正月は二度来る!? 市田柿(いちだがき)の挑戦

映像説明: 濃い緑の葉の中に、オレンジ色(いろ)に色づいた柿の実。あたりには添木で支えられた柿の木が何本も立っている。車通りの少ない道の向こうに、高い建物のない街が広がる。遠くに連なる山々が白く霞んでいる。

ナレーション: 10月末(じゅうがつすえ)の南信州。

映像説明: ビニールハウスの中。人の背丈より高い位置に太い金属のパイプと木の板ではりが組まれ、あいだには何本もの細い竹の棒が渡されている。竹の棒には、柿をつるしたヒモが何十本もたまのれんのようにぶら下がり、1本のヒモに20個ほどの柿の実がつり下げられている。 マスクをして白い衛生帽を耳まですっぽりとかぶり、黒いパーカーの上に水色の袖付きエプロンを着けた男性が、つり下げられた柿のあいだの通路に入っていく。ゴム手袋をはめた指を頭上の木の板に伸ばし、白い札(ふだ)のようなものをつまんでみせる。

ナレーション: こちらの農家は、3日前から市田柿(いちだがき)の加工を始めたばかり。

映像説明: ビニールハウスの中。竹の棒にたまのれんのようにヒモにつるされた柿の実の前で、黒いパーカーの上に水色の袖付きエプロンを着けた男性が、白い衛生帽を取り、つけていたマスクを外してインタビューに答える。 ヒモにつり下げられたつややかに光る大量の柿の実。ヒモに取り付けられた四角いフックには、鍵穴のような形の穴があり、柿のヘタから突き出た枝をひっかけてある。 ヒモでつるされた柿の前で、黒いパーカーに水色の袖付きエプロンを着けた男性が話を続ける。

テロップ: 生産者 丸恵(まるけい) 河合 一雄 代表

河合代表: 生育初期っていうのは非常に低温で、凍霜害(とうそうがい)も心配をされたなかだったんですが、 ま、うち的には割となくて、今年は割と、その意味で恵まれとる。

映像説明: 屋内の広い作業場。壁際の棚には作業着やが雨がっぱがつるされ、袋や段ボール箱が積み重ねられている。 手前のスペースに置かれた横長の機器。金属製の板を中心に、スコップの先のような形の緑色(みどりいろ)の皿が20個ほど取り付けられ、板の周りを回転している。マスクをつけ、白い衛生帽をかぶり、黒いパーカーに水色の袖付きエプロンをつけた河合代表が、へたのついた柿の実を皿の上に次々と置いていく。機器を挟んで向かい側には黄色いコンテナが3つ並べて置かれている。柿を載せた皿が黄色いコンテナの前で傾き、柿の実がより分けられていく。

テロップ: 選果(せんか)

ナレーション: 収穫した柿を重さで選別し、

映像説明: スチール製の大きな機器が置かれた一角。マスクをつけ、白い衛生帽をかぶり、茶色のパーカーの上に水色の袖付きエプロンをつけた男性が機器の前に座り、右側に置いた黄色いコンテナから柿を取り出して、機器の中の台に載せる。 高速で回転する柿の実。へたの部分が筒型の部品で固定されている。ピーラーのような刃が実の側面に当てられ、上から下におりていく。つやのある皮があっという間にむかれ、淡いオレンジ色(いろ)の果肉が現れる。

テロップ: 皮むき

ナレーション: 皮をむき、

映像説明: 別の一角。背の高い金属製の棚に、柿の実を取り付けたヒモが何本もつり下げられている。マスクをつけ、白い衛生帽をかぶり、グレーの上着の上に水色の袖付きエプロンを着けた女性が、ヒモに取り付けられた四角いフックにある鍵穴のような形の穴に、柿の実のへたから突き出た枝をはめこんでいく。

テロップ: のれん作り

ナレーション: 短冊のようにつるす。

映像説明: 開き戸がある板張りの部屋。小さなのぞき窓のついた扉の奥に、背の高い四角い棚が2つ置かれ、1本に20個ほどの柿の実がつるされたヒモがたくさんつるされている。マスクをして白い衛生帽をかぶり、白いシャツに白と黒のチェックのジャンパースカートの上に袖付きエプロンをつけた女性が開き戸を閉める。扉の横の板壁には、液晶画面のついた白いコントローラーが取り付けてある。

テロップ: くん蒸

ナレーション: これをくん蒸し、

映像説明: ビニールハウスの中。太い金属のパイプと木の板ではりが組まれ、あいだには何本もの細い竹の棒が渡されている。竹の棒には、柿をつるしたヒモが何十本もたまのれんのようにぶら下がり、1本のヒモに20個ほどの柿の実がつり下げられている。天井からさし込む日の光に、鮮やかなオレンジ色(いろ)の柿の実が照らされている。

テロップ: 乾燥

ナレーション: 3週間ほど時間をかけて、ゆっくりと干していく。

映像説明: 作業場の中。奥に置かれた大きな皮むき機の前に、マスクをつけ、白い衛生帽をかぶり、茶色のパーカーに水色の袖付きエプロンを着けた男性が座り、柿の実を機器に載せている。左手の壁際にある金属製の棚には、20個ほどの柿の実がぶら下がったヒモが何本もつり下げられている。グレーの上着の上に水色の袖付きエプロンをつけた女性が、部屋の中央に積み上げられた青いコンテナを力いっぱいに持ち上げ、金属製の棚の前に置かれた緑色(みどりいろ)のコンテナの上に載せる。

ナレーション: 作業はすべて、家族6人だけで行う。

映像説明: 青空の下。小高い場所にある広大な果樹園。杉の木立の横に、緑の葉をつけた木が一面に植えられ、枝の下に青いビニールシートが掛けられている。所々に背の高い柱が建てられ、小さな風車(ふうしゃ)が回っている。眼下の平野には緑の田畑が広がり、山裾には建物が集まっている。はるか遠くには、層雲の上に雪を頂く山々が連なっている。 画面左下の四角い枠に長野県の地図。県北部には県庁所在地の長野市が位置しており、赤い丸印で示されている。飯田下伊那地域は県の南部を占め、岐阜県や愛知県、静岡県と隣接しており、オレンジ色(いろ)で示されている。 山すそに広がる街。鉄橋のかかる大きな川には、緑の木々(きぎ)が茂る巨大な中州がある。岸の近くには背の低い学校のような建物や切妻屋根の家などが建っている。

ナレーション: 長野県、飯田下伊那地域。南アルプスと中央アルプスのあいだを天竜川が流れ、標高差がある。

映像説明: 連なる山々のふもとにある果樹園。たくさんの柿の木が一定の間隔を置いて植えられ、枝先の柿の実が色づき始めている。 青空に向かって伸びる柿の枝。濃い緑の葉のあいだに4つの大きな実があり、日の光に照らされている。

テロップ: 果実生産額の約4割

ナレーション: この地域ではフルーツの栽培が盛んで、中でも市田柿(いちだがき)は、生産額のおよそ割を占める主力商品。

映像説明: 表面に均一に白い粉がふいた干し柿が3つ置かれている写真。 カットされた干し柿の断面。ゼリーのような透明感のあるオレンジ色(いろ)で、つやつやと輝いている写真。(コピーライト Japan Video Topics(ジャパン ビデオ トピックス))

ナレーション: 小ぶりな果実を覆う白い粉と鮮やかなオレンジ色(いろ)の果肉のコントラストが特徴だ。

映像説明: 霧に煙る峡谷。川岸はごつごつとした石で覆われ、崖の中ほどから、枝を広げた松の木などの樹木が茂る。(コピーライト Japan Video Topics(ジャパン ビデオ トピックス)) 岩肌を彩る紅葉し始めた木々(きぎ)や緑の針葉樹が、霧でうっすらと霞んでいる。(コピーライト Japan Video Topics(ジャパン ビデオ トピックス)) ヒモにつけられた四角いフックにつるされたオレンジ色(いろ)の柿の実。1つ1つが少ししなびて、ヘタから下のほうに垂れ下がっている。(コピーライト Japan Video Topics(ジャパン ビデオ トピックス)) 丸みのある、少ししなびた柿の実。表面が濡れたように光り、オレンジ色(いろ)のグラデーションを作っている。(コピーライト Japan Video Topics(ジャパン ビデオ トピックス)) 瓦屋根の民家。霧のかかる2階の軒先に、たくさんの柿の実を付けたヒモが60本ほど、すだれのようにぶら下がっている。(コピーライト Japan Video Topics(ジャパン ビデオ トピックス))

ナレーション: その秘けつは、自然の恵み。日中の日ざしと風が柿の水分を飛ばし、川に立ち込める(たちこめる)霧が、一晩かけて(ひとばんかけて)表面を柔らかくする。

映像説明: 濃い霧がかかる山々。ふもとの街も白く霞み、水墨画のように見える風景。 一面に白い粉を吹いた柿の実。シワが寄り、少ししぼんでいるが、丸みを帯びた形をとどめている。(コピーライト Japan Video Topics(ジャパン ビデオ トピックス))

ナレーション: その繰り返しでじっくりと乾燥が進むため、果肉の形を保ったまま、中のブドウ糖が白く浮かび上がる。

映像説明: ビニールハウスの中。天井からさし込む光に照らされた、金属製の棚の上部に渡された竹の棒につり下げられたヒモにつるされたたくさんの柿の実。みずみずしいオレンジ色(いろ)で、張りのある丸い形をしている。

テロップ: “農家の冬のボーナス”

ナレーション: 多くの農家が、ほかの農作物(のうさくぶつ)とあわせて生産する。昔から“農家の冬のボーナス”と言われていた。

映像説明: ビニールハウスの中。金属製の棚の上部に渡された竹の棒につり下げられたヒモにつるされたたくさんの柿の前で、黒いパーカーの上に水色の袖付きエプロンを着けた河合代表がインタビューに答える。 作業場。金属製の背の高い棚に、柿をとりつけたヒモが十数本ぶら下がっている。マスクをつけ、白い衛生帽をかぶり、水色の袖付きエプロンを着けた女性が棚の前に立ち、ヒモの下のほうから上に向けて、四角いフックにある穴に皮をむいたばかりのヘタに残された枝の部分を入れて、柿を手際よく引っ掛けていく。

テロップ: 生産者 丸恵(まるけい) 河合 一雄 代表

河合代表: だいたい(ぶどうの)仕事が片づいたとこから、作業に入っていくっていうような、 ちょうどローテーションがいいっていうか。 この寒い冬に、安定的な現金収入が入ってくる。 農家には本当にありがたい産業だと思ってるんですが。

映像説明: 「長野県 南信州 市田柿(いちだがき)」と書かれた2種類の商品の箱。柿の絵が描かれた薄いオレンジの箱と、一回り小さい黒い箱で、どちらにも、白い粉に覆われた丸い干し柿と、オレンジ色(いろ)のゼリーのような断面の写真が入っている。

ナレーション: そんな市田柿(いちだがき)が、今、海外への輸出に力を入れている。そのきっかけは、価格の落ち込み。

映像説明: 背の低い白いキャビネットで仕切られた事務所の中。キャビネットの後ろにはファックスやポット、レンジなどが置かれている。キャビネットの手前に並べられたデスクの1つに、水色と白のチェックのシャツを着て、ひげを生やした男性が座り、パソコンの画面をじっと見ている。机の上には、黒地に金色や白の文字で「市田柿(いちだがき)」と書かれ、干し柿の写真が入った小さなのぼりが2つ立てて置かれている。

テロップ: JA(ジェイエー)みなみ信州 営農部販売課 伊藤 謙三 主任

ナレーション: JA(ジェイエー)みなみ信州の伊藤さんは、対策に苦心していた。

映像説明: 横型の白いブラインドが掛かった窓のある部屋で、ひげを生やした伊藤主任がインタビューに答える。ブライ ンドが掛かった窓には、黒の背景で、深い赤茶色の漆塗りの角皿(かくざら)の上に盛りつけられた白い粉をふいた干し柿が1つと、半分に切ってオレンジ色(いろ)の断面を見せた干し柿と、「みなみ信州農業協同組合」の文字が入っているパネルが取り付けてある。 丸恵(まるけい)の作業場。ひげを生やした伊藤主任が、柿をつり下げられた金属製の棚の近くで、黒いパーカーに袖付きエプロンを着けた河合代表と話をしている。 横型の白いブラインドが掛かった窓のある部屋で、ひげを生やした伊藤主任が話を続ける。

伊藤主任: 年明けの1月に、市田柿(いちだがき)の、あのー、市場に販売する価格、相場が非常に、ま、安くなってしまいまして、 安いままいってしまうと、農家さんの手取りがどうしても落ちてしまう。 やっぱり生産を維持するためには、 輸出というのを1つの販売チャンネルとして、考えるようになってきた。

映像説明: 黒い背景で、深い赤茶色の漆塗りの角皿(かくざら)に盛りつけられた2つの干し柿。どちらも表面に白い粉がふいている。1つは半分にカットされ、断面のオレンジ色(いろ)が濡れたように輝いている。(画像提供 JA(ジェイエー)みなみ信州)

テロップ: 福を“かき”集める

ナレーション: 例年11月末から2月末までが出荷のハイシーズンの市田柿(いちだがき)。古くから「福をかき集める」と言われ、

映像説明: 深い赤茶色の漆塗りの角皿(かくざら)に盛りつけられた2つの干し柿の写真を背景に、「干し柿の卸売平均価格」の折れ線グラフが表示される。横軸には、2018年10月から2019年1月まで、4ヵ月分の月が示され、縦軸には、1kgあたりの価格が1,000円から2,500円まで500円刻みで示されている。2018年10月に1kg当たり1,403円だった平均価格が徐々に上昇し、11月は1,515円、12月には2,214円となるが、2019年1月には1,640円へと急落している。(出所:大阪中央卸売市場)

ナレーション: 正月の縁起物として多く食べられるため、正月を過ぎると需要が減ってしまう傾向にある。価格の安定には、年明けの需要を確保することが必要だ。

映像説明: 「干し柿の卸売平均価格」の折れ線グラフが消え、深い赤茶色の漆塗りの角皿(かくざら)に盛りつけられた、2つの干し柿の写真が現れる。

テロップ: 春節

ナレーション: そこで目を付けたのが、春節。

映像説明: 太い茶色の丸柱がある天井の高いホール。グレーの大理石と光沢のある茶色の壁で囲まれている。中央の柱の周りには、赤いちょうちんを4つほど数珠つなぎにした飾りが、天井からヒモでいくつもつり下げられている。柱の前にはレンガを模した大きな木箱が2つ置かれ、獅子舞の獅子の頭が飾られている。赤い顔にぎょろりとした大きな目。目の周りやひげ、首元は、黄色いふさふさとした毛や羽で覆われている。 菓子のばら売りをしている露店の写真。大人の太ももほどの高さに並べたダンボール箱の中には、棒付きのキャンディーや、個別包装されたカラフルな菓子が種類ごとに分けて入れられ、大勢の人々が周りを囲んでいる。紺とオレンジのボーダー柄のシャツを着た男の子が箱の中の菓子を見ている隣で、青いジャージを着た男性が透明のビニール袋に菓子を入れている。袖口に三つどもえの紋が入った法被風の上着を着た女性が棒付きのキャンディーが入った箱に手を伸ばしている。

ナレーション: もともと中華圏では、旧正月である春節に贈り物をする習慣がある。

映像説明: 菓子のばら売りをしている露店写真を背景に、「干し柿の卸売平均価格」の折れ線グラフが再び現れる。横軸には、2018年10月から2019年1月まで、4ヵ月分の月が示され、縦軸には、1kgあたりの価格が1,000円から2,500円まで500円刻みで示されている。2018年10月に1kg当たり1,403円だった平均価格が徐々に上昇し、11月は1,515円、12月には2,214円となるが、2019年1月には1,640円へと価格が下がったことを示す1月の数字の右側に、赤いだ円で囲まれた「春節」の文字が浮かび上がる。(出所:大阪中央卸売市場)

ナレーション: しかも春節は、日本での需要が少なくなる、1月下旬から2月中旬。うってつけのタイミングだ。

映像説明: 果物が並ぶ屋内の店の前で、人々が輪になって立っている写真。ヒゲを生やした伊藤主任がメモを取っており、黒いスーツ姿の男性が手にした電卓をたたいている。黒いリュックを背負ったワイシャツ姿の男性が、水色の上着を着たロングヘアの女性の方を見ている。(画像提供 JA(ジェイエー)みなみ信州) リュックを背負った男性の隣には、白いワイシャツにジーンズ姿の男性と、白いシャツに黒いズボン姿で肩からショルダーバッグを提げた男性が立っている。通路脇には黒いコンテナを積み上げた台が作られ、大小の赤い箱が置かれている。箱には、一つ一つきれいにラッピングされたオレンジ色(いろ)の果物が詰められている。奥のスペースには、オレンジや赤などの丸い果物がきれいに並べられており、近くに女性が立っている。壁際の薄暗いスペースには異なる大きさの赤い箱がたくさん積み上げられている。(画像提供 JA(ジェイエー)みなみ信州)

テロップ: 台湾

映像説明: 店舗の中の青果売り場の写真。市田柿(いちだがき)のパネルやのぼりを掲げたコーナーがあり、冷蔵ケースの中に、ビニール袋に入った干し柿や、赤いネットの中に入ったオレンジ色(いろ)の丸い果実などが置かれている。ケースの脇には、青い法被を着て白いクリーンキャップをかぶった女性がオレンジ色(いろ)の容器を左手に持って立っている。黒いトレーナーを着てカートに手をかけた女性と眼鏡をかけた男性が冷蔵ケースの中の商品を見ている。(画像提供 JA(ジェイエー)みなみ信州)

テロップ: 香港

ナレーション: 2016年、ジェトロの事業などを活用して、台湾や香港などの市場調査やプロモーションを始めた。

映像説明: 漢字の看板が並ぶ、ビルの前の歩道の写真。果物店の店先に長机(ながづくえ)が置かれ、箱入りの市田柿(いちだがき)やパンフレットなどが並べられている。2人の男性が、右半分が赤、左半分が黒に染められた法被を着て、通行人に小さくカットされ、ようじが刺してある試食用の干し柿が乗った皿を差し出している。黒いパーカーにジーンズをはいた男性が足を止め、1つ手に取っている。(画像提供 JA(ジェイエー)みなみ信州) 広々とした食品売り場の写真。天井からはイノシシの絵などが描かれた赤い幕や赤いちょうちんがぶら下がっている。パック詰めされた丸い果物が並ぶ陳列棚の前で、右半分が赤、左半分が黒の法被を着て眼鏡を掛けた男性と、黒い襟に白で「飯田市」と書かれた黄色い法被を着て眼鏡を掛けた男性が、2人の女性と並んで写っている。サングラスをかけた笑顔の女性が赤い袋を提げ、平たい箱を開けて中を見せている。(画像提供 JA(ジェイエー)みなみ信州)

ナレーション: 特に台湾では、もともと干し柿が親しまれていたこともあり、反応が良かったという。

映像説明: 横型の白いブラインドが掛かった窓のある部屋で、ヒゲを生やした伊藤主任がインタビューに答える。 デコポンや「春姫」と書かれたキンカンの箱など、日本産(にほんさん)の果物の箱が積まれ、周りを6人ほどの人々が囲み、指をさしている。中には、個別に袋詰めされた市田柿(いちだがき)が入った箱も並んでいる。ひげを生やしたスーツ姿の伊藤主任が、真剣な表情で話をしている様子の女性の方を見ている。(画像提供 JA(ジェイエー)みなみ信州)

テロップ: JA(ジェイエー)みなみ信州 営農部販売課 伊藤 謙三 主任

伊藤主任: 春節に対する、その、商戦の活気が非常にあったなっていうところで、 売っている皆さん(業者)も日本産(にほんさん)の干し柿を求めておったっていうのも、やっぱり分かりましたし。

映像説明: 別の食品売り場の一角の写真。「DONQ(ドンク)」と書かれたパンの店の脇で、背中に白い文字で「南信州」などの文字がある赤と黒の法被姿の2人の男性が、黒いダウンジャケットを着た女性に試食用の小さな皿を手渡している。女性の隣にいる赤いジャンパーを着た少女がオレンジ色(いろ)の柿を口に運んでいる。(画像提供 JA(ジェイエー)みなみ信州) 陳列棚に並べられた市田柿(いちだがき)の箱。上段に黒い紙箱に入った8個入りのパッケージが並べられ、同じ段に1つ1つネットキャップで包装されたリンゴが入っている黄色い箱もある。下段には個別包装された干し柿が16個入った贈答用の木箱が並び、同じ段に紫色のブドウの写真と現地の言葉が入ったクリーム色(色)の箱もある。(画像提供 JA(ジェイエー)みなみ信州)

ナレーション: 購入者は富裕層が中心のため、特に、品質の良い高級品が求められた。

映像説明: 背の低いキャビネッで仕切られた事務所の中。デスクに座った伊藤主任がモニターを見つめている。

ナレーション: 輸出に手応えを感じた伊藤さん。

映像説明: 別のスーパーマーケットの食品売り場の写真。透明のケースに入ったイチゴや赤黒いプラムが並ぶ冷蔵ショーケースの前で、黒いキャップを被り、黒のポロシャツも上にエプロンをつけた女性が、試食品が入ったタッパーを差し出し、首元にベージュのスカーフを巻き、水色の布製のトートバッグを肩に掛けた女性が、試食品を1つ手に取っている。(画像提供 JA(ジェイエー)みなみ信州)

テロップ: シンガポール

ナレーション: 翌年(よくとし)にはシンガポールやマレーシアなど、東南アジアへ活動を広げていく。そこでは、また違った反応があった。

映像説明: 表面に均一に白い粉がふいた干し柿の写真。表面に結晶ができ、細かくひび割れている。(コピーライト Japan Video Topics(ジャパン ビデオ トピックス)) 横型の白いブラインドが掛かった窓のある部屋で、伊藤主任が笑顔で話を続ける。

ナレーション: 干し柿自体が知られておらず、表面のブドウ糖が誤解されることも。

テロップ: JA(ジェイエー)みなみ信州 営農部販売課 伊藤 謙三 主任

伊藤主任: これは砂糖をつけ過ぎだろうって。 こんなに甘いのは砂糖じゃないか、 何がナチュラルだ、っていうことをやっぱり言われるんですよ。

映像説明: 白いテーブルに置かれた赤と黒の2種類のリーフレット。両方に赤黒い平皿(ひらざら)に載せられた丸い干し柿が3つと、半分に切ってオレンジ色(いろ)断面を見せた市田柿(いちだがき)の写真が入っている。 赤のパンフレットには中国語の説明が、黒のパンフレットには、英語の説明があり、「A classy and sophisticated gift(ア クラッシー アンド ソフィスケイティッド ギフト)」などと書かれている。

ナレーション: まずは正しく理解してもらうことから始めなくては…。そう考え、中国語や英語のリーフレットを作って渡すようにした。

映像説明: 市田柿(いちだがき)の黒い背景のパネルに印刷された円いマーク。白い円の内側に小さめの赤い円が描かれ、赤い円の下に金色の富士山(ふじさん)のイラストが描かれている。白い円には金色の文字で「JAPAN GEOGRAPHICAL INDICATION」、赤い円には同じく金色の文字で「日本 地理的表示 GI(ジーアイ)」と書かれている。円いマークの下には「農林水産大臣登録 第13号」と白く印字されている。 市田柿(いちだがき)の商品パッケージ。黒い箱の左下の隅に、円いGI(ジーアイ)マークが入っている。柿の絵が描かれた一回り大きい薄いオレンジの箱は、左上にマークが印刷されている。どちらにも、白い粉に覆われた丸い干し柿と、オレンジ色(いろ)のゼリーのような断面の写真が入っている。

テロップ: GI(ジーアイ)(地理的表示) 登録 →“市田柿(いちだがき)”という名称を保護

ナレーション: また、「市田柿(いちだがき)」の名称をGI(ジーアイ)、地理的表示として登録。知的財産として保護することで、類似品による名称使用を防げるようになった。しかも、GI(ジーアイ)登録には大きな副産物も。

映像説明: 横型の白いブラインドが掛かった窓のある部屋で、伊藤主任が話をインタビューに答える。

伊藤主任: 農協から出る市田柿(いちだがき)、ほかの業者さんから出る市田柿(いちだがき)の、 クオリティーに、こう、差があっては、市田柿(いちだがき)としてのブランドが、やっぱり成り立たない。 地域のブランドを守るっていう部分については、やっぱり管内がひとつになって、市田柿(いちだがき)を作っていこう。

映像説明: 青いコンテナに詰められた収穫されたばかりの柿の実。中には黒い傷が付いている物もある。

ナレーション: GI(ジーアイ)として登録するためには、「市田柿(いちだがき)」全体の品質基準を定める必要がある。

映像説明: 山すそに広がる広大な農園。柿の若木が植えられた畑の向こうに、緑の山を背にして民家が広がっている。

テロップ: 品質の安定 地域の連帯感

ナレーション: これが、品質の安定と、地域の連帯感につながったという。

映像説明: 市田柿(いちだがき)の商品パッケージ。大きな箱の中に1つの袋に6つの干し柿が詰められた透明な袋が並んでいる。袋には「みなみ信州名産」「市田柿(いちだがき)」の文字がある。箱の中には中国語で説明と干し柿の写真が入った赤い紙が載せられている。 商品パッケージを背景に、「市田柿(いちだがき) 輸出量の推移」の棒グラフが表示される。横軸は、2016年、17年、18年の3年間が示され、 縦軸は0から60トンまでの輸出量が20トン刻みで示されている。2016年に25.6トンだった輸出量が2017年には35トン、2018年は51.4トンと右肩上がりに増えている。(出所:JA(ジェイエー)みなみ信州)

ナレーション: そのかいもあって、2016年以降、輸出量は着実に伸び、去年は50トンを超えた。

映像説明: 「市田柿(いちだがき) 輸出量の推移」の棒グラフが消え、再び市田柿(いちだがき)の商品パッケージが現れる。

テロップ: 賞味期限

ナレーション: しかし、さらなる輸出拡大の大きなネックとなっているのが、賞味期限だ。

映像説明: 横型の白いブラインドが掛かった窓のある部屋で、伊藤主任がインタビューに答える。

伊藤主任: 現状、賞味期限2ヵ月設定、60日、最長が60日で設定をしてるんですけど、 ま、もう1ヵ月、90日から120日は欲しいよねっていう声が、圧倒的に多かった。

映像説明: 透明の袋に入った干し柿のパッケージ。中には表面が真っ白な干し柿が9個入っている。緑の長方形の中に白い文字で「長野県 南信州」、中央には金色の縁取り(ふちどり)がある赤い文字で「市田柿(いちだがき)」という商品名(しょうひんめい)が書かれ、左上には円いGI(ジーアイ)マークがついている。(画像提供 JA(ジェイエー)みなみ信州)

テロップ: 90日まで品質維持

ナレーション: そこで去年、包装フィルムを改良するテストを実施。90日まで品質が維持できるという結果が得られた。今後の輸出で導入する予定だ。

映像説明: 市街地。近代的な高層ビルの前に、ヨーロッパの建築物のような、横長の2階建ての建物が建っている。クリーム色(いろ)の壁には白いレリーフが施され、古代ローマ風の柱が壁を支えている。建物のまん中には3つの塔が伸びており、精巧な彫刻が彫りつけられている。優雅な外観の建物の前の道路を、数台の車と多くのバイクが通り過ぎる。黒いトレーナーを着た男性が信号のない道路を、車とバイクのあいだを縫って歩いてくる。赤いトランクを引いた女性とグレーのトランクを引いた女性も信号のない道路を渡っていく。

テロップ: ベトナム ホーチミン

ナレーション: そして今年、これまでの経験をもとに、新たな市場開拓に向かったのが、ベトナム。

映像説明:留める 商店が立ち並ぶ歩道。店舗の前の道路にバイクがずらりと止めてある。裸電球のともる店の前で、白いポロシャツ姿の男性がビニール袋を折り畳んでいる。隣の店の店先には黄色いバケツのようなパッケージの商品が高く積み上げられている。青い洋服を着て黒いリュックを背負った男性が店の中を見ている。

テロップ: 旧正月“テト”

ナレーション: 狙いは、“テト”と呼ばれる旧正月。

映像説明: ひげを生やした伊藤主任が黒いバックパックを背負って、歩いていく。赤いバイクに乗った女性が、伊藤主任を追い越して、「AEON MALL」の文字があるピンクと白のパラソルの下に置かれた料金所に向かう。パラソルの下には、グレーの帽子に白いシャツの制服姿でマスクをした女性が座っている。その先には、外壁に「AEON MALL(イオン モール)」の看板が掲げられた大きな建物が建っている。 野菜売り場。4段ある陳列棚(ちんれつだな)に、袋やパックに詰められたトマトやパプリカなど、多くの種類の野菜が並んでいる。黒いバックパックを背負って肩に青いストライプのトートバッグを掛け、左手に紙袋とスマートフォンを持った伊藤主任が、リンゴが3つ入ったパックを右手に取る。

ナレーション: 伊藤さん、まずは情報を集めるために、街なかのスーパーマーケットなどを見て回る。

映像説明: 小さな冷蔵ショーケースの前。伊藤主任がしゃがんでスライド扉を開け、中から透明のプラスチックパックに入った商品を1つ取り出す。 透明のプラスチックパックに入ったオレンジ色(いろ)の干し柿と、薄いオレンジと茶色の紙の箱に干し柿の写真が入ったパッケージ。両方ともにハングル文字が書かれている。

ナレーション: こちらで見つけたのは、韓国産の干し柿。

映像説明: 伊藤主任が、小さな冷蔵ショーケースの前で薄いオレンジと茶色の紙の箱入りの干し柿を手に持ってじっくりと見ている。白いワイシャツを着て眼鏡をかけた男性が、手にした箱の裏面(うらめん)にスマートフォンを向けている。

テロップ: JA(ジェイエー)みなみ信州 営農部販売課 伊藤 謙三 主任

伊藤主任: (価格が市田柿(いちだがき)の)5分の1とか、そんなんじゃないですか。 ちょっと思ったより安かったな。

映像説明: 縦型の白いブラインドが閉められた小さな会議室。長机(ながづくえ)が向かい合って2台並べられ、一方には伊藤主任を真ん中に、白いワイシャツを着て眼鏡をかけた男性と黒いブラウスを着たロングヘアの女性が座っている。対面には、グレーのジャケットを着た男性と黒いポロシャツ姿の男性がノートパソコンを前に座っており、2人ともスマホを操作しながら伊藤主任の話を聞いている。それぞれの長机(ながづくえ)には市田柿(いちだがき)の箱が置かれている。

ナレーション: さらに、現地の日本人(にほんじん)バイヤーからは、市場のトレンドを聞くことができた。

映像説明: グレーのジャケットを着た男性がリーフレットを右手に持ち、伊藤主任の方を見ながら話をしている。後ろの壁には、地図が入ったパネルが掲げられている。 イオンモールの中。小さな冷蔵ショーケースの前で、花柄のブラウスを着た手が、薄いオレンジと茶色の紙の箱入りの韓国産の干し柿の箱を持っている。パッケージには「SHINNONG DRIED PERSIMMON GIFT SET(シンノン ドライド パーミッション ギフト セット)」と書かれている。

テロップ: STAR KITCHEN 荒島 由也(あらしま ゆうや) CEO

荒島CEO: 去年ぐらいから、ま、韓国製ですね、を中心に、すごい柿がわあっと出てきたんですよね。 ま、結構トレンドになってるんですね。

映像説明: スーパーマーケットの果物コーナー。ドラゴンフルーツとパッションフルーツに挟まれた木箱に、緑がかった黄色い柿の実が積み上げられている。 赤みを帯びた細長い形の柿の実が、8個入りのパック詰めになって陳列されている。 小さな冷蔵ショーケースの上に置かれた、透明のプラスチックパックに入ったオレンジ色(いろ)の干し柿と、薄いオレンジと茶色の紙の箱に干し柿の写真が入ったパッケージの韓国産の干し柿。

ナレーション: ベトナムでも生柿(なまがき)は古くから親しまれてきた。そこにドライフルーツとして、干し柿が入ってきたことで、今、ブームになっている。

映像説明: 市田柿(いちだがき)が陳列された棚。上の段に黒い紙箱入りのパッケージ、下の段に個別包装された干し柿が16個入った贈答用の木箱が置かれ、どちらにもGI(ジーアイ)マークが印刷されている。

ナレーション: これに、日本(にほん)ブランドという付加価値を加えることが有効だという。

映像説明: 壁に地図が掲げられた会議室で、グレーのジャケットを着た荒島(あらしま)CEOが話をする。 テトを祝う祭壇の写真。緑の壁の前に、金色の漢字で「祖堂」と書かれた黒い額が掲げられ、線香立て(せんこうたて)に太くて長い線香が3本立てられている。線香立て(せんこうたて)を中心に供物が左右対称に供えられている。黄色い菊のような花が飾られ、金色のしょく台にはハスの花を模したろうそくが置かれている。みかんや四角いちまきが供えられ、黒いスイカには「福(ふく)」と書かれたひし形の赤い紙が貼りつけられている。梅酒の瓶のほか、缶ビールや缶ジュースが高く積み上げられ、その上にドライフルーツの缶が置かれている。 街なかの屋台。薄茶色(うすちゃいろ)の大きなパラソルの下で、白いシャツに黒いミニスカート姿の女性と青いシャツを着た男性が金属製のテーブルを挟んで座り、麺を食べている。隣のテーブルでは、女性がどんぶりを手に麺をすすっている。パラソルの下にはベトナム語で書かれた赤い看板がいくつもぶら下がっている。 角地にある店。カウンターの前には、ヘルメットをかぶったままの大勢の人が並んでいる。軒先にはメニューがつり下げられ、ショーケースには白い皿に入った茶色いケーキのようなものが置かれている。ヘルメットをかぶり、黒いジャージ姿の女性が黄色いTシャツを着た男性店員に話しかける。男性店員が、カウンターに山積みになった金色のパッケージの商品に手を伸ばす。

荒島CEO: 日本人(にほんじん)がクリスマスを見るとショートケーキが食べたい、正月の門松を見ると餅が食べたいというような気持と同じように、 旧正月が迫ってくると、必ずドライフルーツが食べたくなるんですよ。 ベトナムにすでにあるもの、文化にあるもので、これは日本産(にほんさん)だっていう特別感が入ると売れる。

映像説明: フォークやスプーンの柄がうっすらと描かれたオレンジ色(いろ)の壁に「JETRO Business Matching of Japanese Agriculture, Fisheries, and Food in Vietnam 2019(ジェトロ ビジネス マッチング オブ ジャパニーズ アグリカルチャー フィッシャリーズ アンド フード イン ベトナム 2019)」、ジェトロのロゴが描かれた商談会の会場。壁の前に黒っぽいスーツを着た人たちが並び、写真を撮っている。大勢の来場者たちがパンフレットを持ちながら行き交う。白いシャツを着たショートカットの女性が、格子柄のシャツを着た長身の男性とうなずき合いながら話をしている。

テロップ: 9月11日 日本産(にほんさん)農水産物・食品輸出商談会2019 主催:ジェトロ

ナレーション: この日、ホーチミンで開かれた、日本産(にほんさん)食品の商談会。

映像説明: 白いテーブルクロスがかけられたテーブルが並ぶ広い会場。テーブルの上に、英語で企業の名前が書かれたプレートと、商品やPRグッズが置かれている。各テーブルで準備を整えている。奥の壁には大きな白いスクリーンが掲げられている。

ナレーション: ベトナム向けの輸出が伸びるなか、参加したのは過去最高となる47の企業や団体。

映像説明: 「小鮎(こあゆ)やわらか煮」のパッケージが置かれたテーブル。黒いスーツ姿の女性と、黒いスーツを着て眼鏡をかけた男性が、向かいに座る3人の来場者に対応している。テーブルには、商品が入ったタッパーなども置かれている。 同じテーブルに別の来場者が座っている。黒いスーツを着て眼鏡をかけた男性が向かいに座る2人の女性に向かって、身ぶりを交えて話をしている。

ナレーション: バイヤーとの熱心な商談が繰り広げられる。

映像説明: 「市田柿(いちだがき)」のブース。黒いノースリーブの洋服を着て髪を後ろでまとめた女性と白い半袖シャツを着たボブヘアの女性がうなずきながら説明を聞いている。テーブルの上には、カットした干し柿が載せられた紙皿が置かれている。 白い半袖シャツを着たボブヘアの女性が、カットした干し柿をつまようじに刺して口に運ぶ。

ナレーション: 市田柿(いちだがき)も、食べてもらってPR。

映像説明: 市田柿(いちだがき)のテーブル。黄色いブラウスを着た女性が立ったまま伊藤主任と笑顔で話をしている。バインダーとペンを持ってメモをする伊藤主任がうなずきながら話を聞いている。そばに立つ黒いカットソーを着た女性は、市田柿(いちだがき)が盛りつけられた黒い角皿(かくざら)を持ち、白い長袖シャツに眼鏡を掛けた男性と一緒に角度を変えながら見る。黒いカットソーの女性が黄色いブラウスを着た女性に話しかけ、2人が笑い合う。黒いカットソーを着た女性が皿をテーブルの上に戻す。

テロップ: バイヤー

ナレーション: 健康食品などを扱っているこちらのバイヤーは、日本産干し柿を実際に見るのがはじめて。

映像説明: 伊藤主任の向かいに、黄色いブラウスを着た女性と黒いカットソーを着た女性バイヤー、白い長袖シャツを着て眼鏡を掛けた男性バイヤーが座っている。黄色いブラウスを着た女性は左手にスマートフォンを持ち、画面を黒いカットソーを着た女性バイヤーと白い長袖のシャツを着て眼鏡を掛けた男性バイヤーの方に向けている。黒いカットソーを着た女性バイヤーが、パッケージを指さしながら尋ねる。

黒い洋服の女性バイヤー・ベトナム語吹き替え: この白い粉はなんですか?

映像説明: 伊藤主任が身を乗り出して答え、黄色いブラウスの女性がうなずく。

伊藤主任: ブドウ糖なんですね。

映像説明: 市田柿(いちだがき)のテーブル。黒い半袖のカットソーを着た女性バイヤーが持つ資料を見ながら、白い長袖シャツを着て眼鏡を掛けた男性バイヤーと黄色いブラウスを着た女性と3人で話をしている。

ナレーション: 実はこの会社、高級ドライフルーツを詰め合わせたギフトセットも販売している。注目は、その価格。

映像説明: 向かいに座る伊藤主任が右手にペンを持ちながら、黒いカットソーを着た女性バイヤーの話を聞いている。 黒いカットソーを着た女性バイヤーが、黄色いブラウスを着た女性のほうを見ながら話をしている。

黒いカットソーを着た女性バイヤー・ベトナム語吹き替え: お酒付きのもので200~(200から)300ドルです。 200ドルのセットは旧正月によく売れますね。

映像説明: 白い長袖シャツを着て眼鏡を掛けた男性バイヤーが、親指と人差し指を開くようなジェスチャーをしながら話をする。

白い長袖シャツを着て眼鏡を掛けた男性バイヤー・ベトナム語吹き替え: 去年は、1トンのオーダーがあったんですよ。

映像説明: うなずきながら聞いていた伊藤主任がこめかみに手をやる。

伊藤主任: へえ、すげえな。 お金持ちがおるんだ。

映像説明: 店頭に並んださまざまな菓子。「PANETTONE(パネトーネ)」と書かれたドーム型のケーキの箱や、きれいな柄(がら)の赤い箱のほか、チョコレート、クッキーなどたくさんの菓子が透明の袋にラッピングされ、赤いリボンが掛けられた詰め合わせなどもある。袋詰めされた詰め合わせには「1.994K(1994キロ)」などの金額が書き込まれた値札(ねふだ)が貼られている。

テロップ: テト用の贈答品

ナレーション: ベトナムでは、テトに合わせて贈り物をする文化がある。

映像説明: 店が立ち並ぶ市街地の道路。渋滞した道を、自動車やバスとともにたくさんのスクーターがゆっくりと進む。ほとんどの人がヘルメットをかぶり、マスクをしている。 夜の公園の写真。ピンク色の光に照らし出された巨大なアーチの下、明るい通りを人々が行き交う。柵を隔ててある公園の中には、レンガで囲われた円形の花壇が並び、ライトアップされている。丈の低い草花が一面に植えられており、オレンジや黄色(きいろ)、薄紫の花が咲き誇っている。花壇の中央には、黄色(きいろ)や青、オレンジの渦巻きを背負ったかたつむりのオブジェや、スイカなどのフルーツの中に入ってフタを持ち上げて立つ、ピンクのブタのオブジェなどが置いてある。

ナレーション: そのため、この時期の消費は、普段の倍にまで増えるという。

映像説明: 商談会場内の市田柿(いちだがき)のテーブル。伊藤主任が手元の資料をめくりながら見ている。 白い大理石の壁と床に囲まれた吹き抜けのロビー。赤いソファーに座った伊藤主任がインタビューに答える。 商談会の会場。3人の来場者の女性が、カットした干し柿を手に取り、口に運ぶ。中央の白いブラウスを着て眼鏡を掛けた女性が、手にした干し柿を鼻に近づけて香りを確かめる。 市田柿(いちだがき)のテーブル。紺色のポロシャツを着た短髪の男性と伊藤主任が名刺を交換する。2人のあいだに立つ黄色いブラウスの女性が、伊藤主任が受け取った名刺を見たあとで伊藤主任に話しかける。 スーパーの果物コーナー。伊藤主任と水色のワイシャツ姿の男性が、4段になっている冷蔵ショーケースを指でさしながら話をしている。2人の後ろのワゴンには、だ円形(だえんけい)のスイカが積み上げられている。

テロップ: JA(ジェイエー)みなみ信州 営農部販売課 伊藤 謙三 主任

伊藤主任: 来る前(くるまえ)よりは、非常にいい印象でありまして、いけるんではないかなっていう手応えを、今は、あー、かなり感じております。 地元(ベトナム)の業者のかたが市田柿(いちだがき)に興味を持って輸入をしたいと、まあ、そういった声が非常に多かった。 課題は、いかに日本(にほん)からベトナムへ輸出をスムーズに行うか。

映像説明: 背の低いチェストで仕切られた事務所。デスクに座った伊藤主任がキーボードをたたき、画面と手元を交互に見ながら手を動かしている。

ナレーション: ベトナムから戻った伊藤さん。長期的なつきあいができる業者を優先し、現在交渉を進めている。

映像説明: 白い横型のブラインドが掛かった窓のある部屋で、伊藤主任がインタビューに答える。

伊藤主任: 今年、1トン出して、出したから終わりじゃなくて、 今年が100キロでも、来年が200キロ、300キロと、(出せるよう)どんどんどんどん、 しっかりした、固定客ができるっていうことを、目指してますんで。

映像説明: 薄いグレーの建物の外観。外壁に、アルファベットの「JA(ジェイエー)」をデザインした緑のロゴマークと、「JA(ジェイエー)みなみ信州」のオレンジ色(いろ)の立体看板が掲げられている。 工場の中。皮やへたがついたままの柿の実がベルトコンベアの上に載ってゆっくりと流れてくる。

テロップ: 2018年 51.4トン → 2022年 150トン

ナレーション JA(ジェイエー)みなみ信州では、現在の輸出量、およそ50トンを、4年後には、150トンまで伸ばしたいと考えている。

映像説明: 緑色(みどりいろ)のコンテナいっぱいに詰められた、皮がついたままの柿の実。3枚の黒いパレットの上にそれぞれ14個、21個、26個ほどが積み上げられている。

ナレーション: 今、そのために供給体制を整えている。

映像説明: 天井の高い工場の中。ベルトコンベアの手前にシルバーの機械が数台並んで設置され、白い衛生帽をかぶり、白い衛生服に身を包んだ作業員たちがつきっきりで作業をしている。手前に積み上げられた緑色(みどりいろ)のコンテナには皮がついたままの柿の実が入っており、照明が皮に反射し、光っている。 外壁に「JA(ジェイエー)みなみ信州 市田柿(いちだがき)工房」と書かれた大きな平屋の建物の外観。広い敷地の一角にはたくさんの緑のコンテナが重ねて置かれている。

テロップ: 市田柿(いちだがき)工房

ナレーション: 農家から受け入れた柿の加工から、出荷までを行う市田柿(いちだがき)工房。

映像説明: 市田柿(いちだがき)工房の大きな平屋の建物の左手の奥には2階建ての白い建物が立っている。2階の外壁に沿って配管が走り、先が同じ方向に曲げられた煙突のようなものが4本突き出ている。道路側の壁には2階に通じる外階段がある。1階の軒下には2台の赤いフォークリフトが止めてあり、出入口の奥で、白い作業服姿の従業員が行き来している。

テロップ: 第2工房

ナレーション: 今年9月、新たに第2工房が増設された。これまでのおよそ2倍の生産が可能となる。

映像説明: 工場の中。半透明の衛生帽をかぶり、マスクをつけ、グレーのシャツの上に白いスタンドカラーの作業服を着た男性がインタビューに答える。 巨大な機械の奥から、柿の実が横1列に並んで送り出され、緑色(みどりいろ)のスロープの上を通って青いベルトコンベアの上に勢いよく転がり出る。

テロップ: JA(ジェイエー)みなみ信州 市田柿(いちだがき)工房 原田 幸浩 所長

原田所長: 1日に20トンぐらい、あの、処理ができる機械です。

映像説明: 工場内に設置された、巨大な3列の細いベルトコンベア。細いベルトの脇にたくさんの緑の四角い穴あり、運ばれてきた柿の実が、ところどころで穴の中に落ちていき、直角に設置されたベルトコンベアで別の場所に運ばれる。

ナレーション: 重さと熟度による選別、

映像説明: 一列に並んだ四角い箱型の皮むき機。白い衛生帽をかぶり、マスクをして衛生服を着た作業員が1人ずつ機械の前に座っている。1つの柿がむき終わり、転がり出たところに新しい柿を機械にセットする。

ナレーション: 皮むき、

映像説明: 白い壁の大きな部屋。2つのドアには「くん蒸室(くんじょうしつ)」「入室時換気確認」と赤字で書かれ、それぞれのドアの上に「青いアンダーラインがあるA」と「赤いアンダーラインがあるB」が書かれた紙が貼ってある。ドアのあいだには、赤や緑のランプがついた制御盤が3つ並んでいる。ドアの中の部屋には開き戸があり、奥は真っ暗になっている。

ナレーション: 乾燥などの工程を機械化。

映像説明: 密閉式の5つの扉が並ぶ部屋。扉の横の壁にはそれぞれ5、6、7などの番号があり、四角いロッカーのような制御盤が並んでいる。上部には赤、黄、緑のランプがついたアンテナのような棒がついていて、天井につながるパイプと、扉の中の部屋に伸びるパイプが出ている。 工場の中。白い衛生帽をかぶり、マスクをつけ、白い作業服を着た3人の男性が、ビニール袋に詰められた柿の実が入った緑色(みどりいろ)のコンテナを黒いパレットの上に積み上げる。ベルトコンベアの終点で、流れてきた柿の実がビニール袋を敷いた緑色(みどりいろ)のコンテナのなかに転がり落ちていく。

ナレーション: 厳しい衛生管理で、高品質な市田柿(いちだがき)を安定供給できる体制が整ってきた。

映像説明: 柿の木が植えられた果樹園。ヒゲを生やした(はやした)伊藤主任と紺のキャップを後ろ向きにかぶり、赤いジャンパーを着た男性が柿の木を見上げながら話をしている。柿の実がついた枝が風に揺れている。 近くに脚立が置かれた柿の木の前。大きく枝を張り、たくさんの緑の葉が太陽の光を浴びている。たわわになった柿の実を、紺のキャップを後ろ向きにかぶり、赤いジャンパーを着た男性が指しながら話をしている。後ろに立つ伊藤主任が話を聞きながら柿の木のほうを見ている。

ナレーション: もともと、生産の維持、地域経済の活性化を目指して始めた輸出の取り組み。その思いは、生産者にも届いている。

映像説明: 紺のキャップを反対にかぶり、紺色の長袖の上に同じ色(いろ)のTシャツを着た男性が脚立の上に立ち、素手で柿の実をつかむと手首を回転させて次々ともぎとり、首から提げたカゴに入れていく。

テロップ: 生産者 小路東農園(こうじひがしのうえん) 本島 靖之(もとじま やすゆき) さん

ナレーション: 6年前に家業を継いだ本島さんは、海外輸出に期待を寄せる。

映像説明: たわわに実をつける柿の木のそばで、紺のキャップを反対にかぶり、紺色の長袖の上に同じ色(いろ)のTシャツを着た本島さんがインタビューに答える。 紺のキャップを反対にかぶり、紺色の長袖の上に同じ色(いろ)のTシャツを着た本島さんが、脚立の上に立って柿の実をもいでいく。枝に付いている軸をねじるようにして、素早く、丁寧に取った実をカゴの中に入れていく。 たわわに実をつける柿の木のそばで、紺のキャップをかぶった男性が話を続ける。

本島さん: 最初正直、意外だなと思ったんですよね。 あの、海外のかたに受けるっていうのが、やはりちょっと最初、びっくりしたというか。 市田柿(いちだがき)って聞いただけで何かっていうの、分かるようなぐらい広がると、 一番いいかなとは思っています。

映像説明: 柿の木が植えられた果樹園。紺のキャップを反対にかぶり、赤いジャンパーを着た本島さんが柿木のほうを見上げ、そばに立つ伊藤主任と話をする。近くに脚立が置かれた柿の木に2人が話をしながら近づいていく。

ナレーション: 生産者の思い、海外の購入者の反応を知ったことが、今の原動力になっているという伊藤さん。

映像説明: たわわに実をつけた柿の木のそばで、伊藤主任がインタビューに答える。

伊藤主任: 一生懸命、生産していただいたものを、すこしでも高く売る。 で、それについては、あとは海外のファンの皆さんに対して、いいものを供給する。 市田柿(いちだがき)を生産して、農協へ出荷をすれば、あー、しっかり生活ができるよという、 まあ、そういったモデル的な作物に、品目になってくれればいいかなっていうふうに思います。

スタジオの八木(やぎ)キャスター: ベトナムへの初の輸出に向け、準備が進められている市田柿(いちだがき)。その取り組みの原動力は、地域経済活性化への熱い思いでした。今回取り上げた事例は、ほかの地域にとっても参考になりそうですね。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターがお辞儀をする。

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