スリランカ健康経営 新たなステージへ

2019年03月21日

スリランカでは、ライフスタイルの変化を背景に生活習慣病が社会問題化している。こうしたなか、健康を個人の問題としてでなく、生産性を上げるために企業として対処する「健康経営」を普及させる取り組みが進められてきた。そこで設けられたのが「健康経営アワード」。この考え方の認知度を高め、定着を図っていくのが狙いだ。表彰された企業の中には、社員食堂のカレーの栄養バランスに配慮したり、社員がダンスで体を動かすイベントを企画するなど、さまざまな工夫をしつつ、さらに改善を図っていこうとするところも。日本企業には、こうした取り組みの先にどのようなビジネスの可能性があるのか。現地を取材した。

(11分09秒)

テキスト解説を読む

テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: 中央に細長い赤のカーペットが敷かれたロビー。スーツを着た男性や、赤、白、緑など、色とりどりのサリーを身に着けた女性たちが列をなしている。 薄暗いホールの入り口。左右にそろいのサリーを着た2人の女性が立ち、人々を奥へと案内している。 赤いライトに照らされたステージ。さまざまなロゴが描かれたパネルの前で、紫の衣装を身に着けた6人の女性たちが、両手を滑らかに動かしながら踊りを披露している。 腰布をまとった男性が、紫の衣装を着た女性たちをバックにステージの中央でリズミカルに踊る。 黒いスーツを着たロングヘアーの2人の女性が、薄暗いテーブル席のあいだを足早に進み、ステージに向かう。ステージでスーツ姿の2人の日本人と1人のスリランカ人男性に出迎えられ、握手をし、先が丸い形で「H」の文字のロゴが入ったトロフィーを受け取って、笑顔を見せる。 さまざまなロゴが描かれたステージ上(じょう)のパネル。中央に、トロフィーの丸い部分と同じ「H」の文字のロゴが大きく描かれている。

テロップ: スリランカ健康経営アワード

ナレーション: 次々に集まってくるドレスアップした人々。 華やかなステージでは、オープニングのダンスが始まった。 この、きらびやかなイベントは一体…? 実はこれ、「健康経営」の取り組みを表彰するアワードだ。

映像説明: 「H」のロゴの入った巨大なポスターの前で、白のシャツに赤いネクタイをつけ、グレーのジャケットを着た男性がインタビューに答える。

薄いグレーのシャツに赤いネクタイをつけ、濃いグレーのジャケットを着た男性・英語: 目標は、健康経営アワードをスリランカNo.1(ナンバーワン)のプログラムにすること。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 世界地図から飛び出した、中が空洞になった地球儀が、回転しながら拡大表示される。 さらに世界のさまざまな都市の画像が周囲を取り巻きタイトルが現れる。 「世界は今ジェトログローバルアイ」

映像説明: スタジオ。 地球儀と都市の画像をバックに、女性キャスターが入ってくる。 襟なしのクリーム色(いろ)のブラウスに赤いスカート姿。

テロップ: 宮瀬 茉祐子(みやせ まゆこ)

宮瀬キャスター: 世界は今ジェトログローバルアイ。 南アジアの島国、スリランカ。いま、ライフスタイルの変化に伴い、生活習慣病が社会問題になっています。そうしたなか、日本の「健康経営」を広めるための取り組みが進められてきました。これについては、以前、番組で取り上げましたが、はたして、「健康経営」という考え方はスリランカに受け入れられたのでしょうか。現地を取材しました。

テロップ: スリランカ健康経営 新たなステージへ

映像説明: 交通量の多い片側3車線の道路。大型バスやトラックがゆっくりと走るなか、赤や黒の三輪自動車がスピードをあげて走っていく。 画面左下の四角い枠内に南アジアの地図のイラスト。スリランカはインドの南にある島国。コロンボはスリランカの南西に位置する海岸に面した都市で、地図のイラストの中で赤い丸印で示されている。インドの東側には、インド洋を挟んでミャンマーがある。 建物の屋根の上に、あぐらを組む金色の仏像1体と銀色の仏像2体が置かれている。 街中(まちなか)に建設中の2棟の高層ビル。その高層ビルのあいだに、まっすぐに立つビルに、もう1棟が寄りかかるようなデザインの白いビルが立っている。

ナレーション: スリランカ最大の都市・コロンボ。 街には伝統と近代が混在している。

映像説明: 木目調のテーブルに青い縁取り(ふちどり)のあるティーセットが並ぶ。ポットからカップに赤茶色の紅茶が注がれる。 店先にずらりと並ぶ12種類の料理。大小さまざまな皿やボウルに、赤や茶色のカレーや、具材を混ぜ込んだサフラン色(いろ)の米(こめ)、野菜や豆などを使った料理が入れられている。バナナの葉を敷いたザルの上には、エビの料理が盛られている。

ナレーション: スリランカといえば、セイロンティーやカレーが有名だ。 しかし、今のスリランカはそれだけではない。

映像説明: 渋滞している幅の広い道路や白い高層ビル。

テロップ: 「1人当たりGDP」と題されたテロップ 2,349ドル(2009年)→4,265ドル(2018年)(出所:IMF)

ナレーション: 内戦が終結した2009年以降、安定した経済成長が続き、所得水準が上昇。

映像説明: ヤシの木が並ぶ歩道。カジュアルな服装の人々がベンチに座り、その横を家族連れや数人のグループがゆっくりと通り過ぎていく。 「ENTRANCE」と書かれた青い外壁の店の外観。入口の自動ドアの前にショッピングカートが並べられている。店の前には黄色(きいろ)と青のテントが設置され、バケツなどの生活雑貨が売られている。 薄暗い路地。ストリングライトと丸い照明が、星空のような雰囲気を醸し出している。両側の低い建物に飲食店が連なる。店の前にはテーブル席が設けられ、英語で、「BAR」、「MUSIC」と書かれたサンシェードの下で、数組の客がくつろいでいる。

ナレーション: それに伴い、人々のライフスタイルも変化してきた。 そんなスリランカは、今、ある問題を抱えていた。

映像説明: 室内。光が降り注ぐ大きな窓の前で、紫とピンクのサリーを着たスリランカ人女性がインタビューに答える。

テロップ: スリランカ保健省 環境・労働衛生局 イノカ・スラウィーラ 医師

スラウィーラ医師・英語: 非感染性疾患(生活習慣病)が問題。 心臓病、糖尿病、がん、肺疾患などにかかっている人が多くいる。

映像説明: ブランコのある緑豊かな公園。座っていたサリーを着た、3人の女性たちが立ち上がって歩き出す。その横にはおなかをさするかっぷくのいい若い男性。 車やバイクで混雑する道路を背景に、「スリランカの死亡原因」と題された円グラフが浮かび上がる。心(しん)・血管疾患が34%、がんが14%、慢性呼吸器疾患が8%、糖尿病が9%、その他の非感染性疾患が18%、感染性疾患、栄養失調等が8%、けがが10%。続けて円グラフの横に「非感染性(ひかんせんせい)疾患(生活習慣病)」と表示され、「けが」と「感染性疾患、栄養失調等」以外の疾患が赤い線で囲まれる。(出所:WHO(ダブリュー エイチ オー))

ナレーション: そう、「健康」こそが、スリランカが抱えている問題。 かつて最大の問題だった感染症は、医療や衛生環境の改善により大きく減少。代わって増加したのが、生活習慣病。死亡原因の実に8割以上を占める。

映像説明: 大きな窓があるカフェで、何人もの若い女性たちがショーケースを見つめている。

ナレーション: これは、南アジアの国々(くにぐに)のなかで、最も高い。

映像説明: 大きな窓に囲まれた明るいオフィス。向かい合わせに並んだデスクで、社員たちがノートパソコンを見つめている。 デスクがパーティションで区切られた、広々とした近代的なオフィスを背景に表示される青い枠。枠の中に「従業員が不健康のために本来のパフォーマンスが発揮できない」と表示され、続けて下向きの太い矢印の下に「企業全体の生産性低下」という文字が現れる。

ナレーション: そして今や、「健康」は、単なる個人の問題にとどまらない。 従業員が不健康のために本来のパフォーマンスを発揮できず、生産性が低下してしまう。

映像説明: コピー機の前に立つ2人の男性社員。 大きな窓に囲まれた明るいオフィスの映像に青いフィルターがかかり、青白の画面になる。画面の中央に紺色の帯と「社会課題」という白い文字が表示される。その文字が裏返り、「ビジネスチャンス」という文字に変わる。

ナレーション: これは、企業にとっても頭の痛い問題だ。 一方で、こうした社会課題は、視点を変えれば、それを解決するビジネスの種でもある。

映像説明: 十数人が集まっているブースの写真。入口上部の看板には、英語で「JAPAN EXTERNAL TRADE ORG., JAPAN」と書かれ、両端(りょうはし)には日の丸が描かれている。ブースの壁一面に英語で書かれたパネルが掛けられ、集まった人たちがパンフレットを見ながら談笑している。 ブースの中で椅子に座り、血圧を測る現地の男性。その横に日本人の男性スタッフが立っている。

テロップ: ナショナル・ヘルスケア展への出展(2017年)

テロップ: 健康経営: 企業が従業員の健康をサポートして 個人の能力を最大限発揮させ 企業全体の生産性を上げる取り組み

映像説明: ホールで人々を前に講演する眼鏡をかけた日本人男性の写真。天井には大きなシャンデリアが明るく輝いている。

テロップ: 健康経営ワークショップの開催(2018年)

テロップ: 健康経営: 企業が従業員の健康をサポートして 個人の能力を最大限発揮させ 企業全体の生産性を上げる取り組み

ナレーション: そこで、日本がスリランカに普及させようとしているのが「健康経営」という考え方。企業が従業員の健康をサポートして、個人の能力を最大限発揮させることで、生産性やブランド力を向上させようというものだ。

映像説明: 10人ほどが集う会議室。入口近くのボードに、プロジェクターの画面が映し出されている。ノートパソコンを広げて話をする眼鏡をかけた日本人男性に、斜め前に座るスリランカ人男性がカメラを向けている。 サリーを着たスリランカ人女性がメモを取る。女性の両隣に座るスリランカ人男性たちは話に聞き入っている。 通りを歩くスーツ姿の日本人男性たちとベージュのジャケットを着た日本人女性。 大きな窓のある会議室。眼鏡をかけた日本人男性とグレーと紫のサリーを着たスリランカ人女性が、名刺を交換する。 窓側に座る3人のスリランカ人男性と、グレーと紫のサリーを着たスリランカ人女性。 反対側には2人の日本人女性と、4人の日本人男性が座り、話し合いをしている。

ナレーション: 日本企業とジェトロは、この「健康経営」を現地で広めるため、3年前からさまざまな取り組みを進めてきた。将来的には、日本のヘルスケア関連製品やサービスに対する需要の掘り起こしを狙う。

映像説明: 大きな白い建物。多角形の屋根が建物から突き出るように覆いかぶさり、何本もの長い柱で支えられている。建物の前には手入れされた芝生。 照明を落としたホール。テーブル席が数多く並び、奥のステージには、「H」のロゴの入ったパネルが置かれ、赤や青のライトで照らされている。

テロップ: 2019年2月13日 スリランカ健康経営アワード 授賞式 主催:スリランカ若手経営者協会 ジェトロ

ナレーション: そして、今年2月。スリランカで初めて「健康経営アワード」の授賞式が開催された。

映像説明: テーブル席にはスーツやサリー姿の人たち。各テーブルの上には番号が書かれた札(ふだ)が立てられている。 びっしりと埋まったテーブル席。ホールの後ろにはカメラの三脚がいくつも置かれている。 水の入ったグラスが置かれたテーブルを囲み、スーツ姿の男性やサリーを着た女性たちがステージを見つめる。

ナレーション: そもそも、企業の自主的な取り組みとして進められる健康経営。普及させるには、企業が前向きに取り組んでみたくなるような仕掛けが必要だ。

映像説明: 青いサリーを着たスリランカ人女性とヒゲをはやしたスリランカ人男性がステージに上がる。白いシャツに赤いネクタイ、黒のスーツを着て、眼鏡をかけた日本人男性が2人と握手を交わし、先が丸い形で「H」の文字のロゴが入ったトロフィーを女性に渡す。

ナレーション: そこで、優れた取り組みを表彰するアワードが創設された。

映像説明: 授賞式の写真。ステージに設置されたオレンジ色(いろ)のパネルに、「JASTECA AWARDS(ジャステカ アワード) 2016」の文字。スーツ姿の日本人男性が小柄なスリランカ人男性と握手をしている。 金色の紙吹雪が舞う「JASTECA AWARDS(ジャステカ アワード) 2016」授賞式の写真。ドレスアップした15人ほどの男女がステージに並んでいる。

テロップ: 「KAIZEN」「5S」 ↓ アワードを通じて スリランカで普及

ナレーション: 実際に、日本の「KAIZEN」、「5S」といった経営手法も、アワードを通じてスリランカで普及した例がある。

映像説明: スリランカ健康経営アワードのステージ。白のシャツに赤いネクタイをつけ、胸元に赤いポケットチーフを挿したジャケットを着たスリランカ人男性が紫のサリーを着たスリランカ人女性と握手を交わす。

テロップ: スリランカ若手経営者協会(COYLE) ディヌク・ヘッティアーラッチ 会長

ナレーション: ジェトロとともにアワードを主催した、スリランカの有力業界団体、若手経営者協会の会長は…。

映像説明: 白のシャツに赤いネクタイをつけ、胸元に赤いポケットチーフを挿したジャケットを着た、ヘッティアーラッチ会長が「H」のロゴが入ったパネルの前で話をする。 スリランカ健康経営アワードのステージ。黒いスーツの男性と明るいベージュ色のスーツの男性がステージに上がり、白のシャツに赤いネクタイをつけ、黒のジャケットを着た日本人男性と握手を交わして先が丸い形で「H」の文字のロゴが入ったトロフィーを受け取る。

ヘッティアーラッチ会長・英語: スリランカでは、5S、KAIZENといった日本の経営手法が受け入れられている。 これ(健康経営)も受け入れられるはずだ。

映像説明: ステージの演説台に立ち話をする、白のシャツに水玉のネクタイをしめてジャケットを着た、眼鏡をかけた男性。黄色(きいろ)や白、ピンクの花が美しく飾られた演説台から2本のマイクが伸びている。

テロップ: ハルシャ・デシルワ 経済改革・公共分配担当相

ナレーション: 会場には大臣も駆けつけ、その経済的メリットを強調した。

映像説明: 演説台の2本のマイクの位置を調節しながら、ステージで話をするデシルワ経済改革・公共分配担当相。

デルシワ経済改革・公共分配担当相・英語: 健康経営への取り組みは、2つのことを意味する。 ひとつは従業員をしっかりケアすること。 もうひとつ、効率性や生産性が上がるという、企業にとっての利点もある。

映像説明: 赤とグレーのワンピースを着た女性がステージに上がる。白のシャツに赤いネクタイをしめ、黒のスーツを着て眼鏡をかけた日本人男性から額に入った賞状を手渡され、2人でカメラに笑顔を向ける。 白のシャツに、胸元に赤いポケットチーフを挿したジャケットを着た男性が、白のシャツに赤いネクタイをしめ、チャコールグレーのスーツを着た男性と一緒に賞状を掲げ、カメラのフラッシュを浴びる。撮影が終わると2人が握手をする。 ナレーション: 授賞式には現地企業26社が参加。 企業規模別に、優れた健康経営を行なっている企業が選出された。

映像説明: 薄いグレーのシャツに青いネクタイ、濃いグレーのスーツを着て、眼鏡をかけた男性が、ハンズフリーマイクをつけ、ステージで話をする。

テロップ: 審査員長 多摩大学 ルール形成戦略研究所 市川 芳明 客員教授

ナレーション: 審査員長の印象は?

映像説明: ステージの上で、テーブル席の方に視線を配りながらスピーチをする市川客員教授。

市川客員教授・英語: すばらしい取り組みが行われていることに、非常に驚いた。

映像説明: 薄暗いテーブル席からステージに向かう、背の高いスキンヘッドのスリランカ人男性とサリーを着た2人のスリランカ人女性。ステージに上がると日本人男性と握手をする。 先が丸い形で「H」の文字のロゴが入ったトロフィーと、額に入った賞状を掲げる。

テロップ: 大企業部門 最優秀賞 Nature’s Beauty Creations(ネイチャーズ ビューティー クリエイションズ)

ナレーション: 大企業部門で最優秀賞を受賞した、Nature’s Beauty Creations (ネイチャーズ ビューティー クリエイションズ)。審査員から特に高く評価されたのは、「社員食堂」だった。

映像説明: 展示用のガラス棚に並ぶ、緑(みどり)や赤いキャップのボトル。英語でNature’s Secrets(ネイチャーズ シークレッツ)と書かれ、葉っぱのロゴが入っている。 ガラス棚に置かれた2つのせっけん。それぞれのパッケージには、おむつをつけた赤ちゃんの写真と、マントをつけたパンダのキャラクター。せっけんの後ろには、赤ちゃん用のクリームやシャンプーのボトルが並んでいる。 展示用のガラス棚には、ほかにもポンプ式のボディーウォッシュのボトルや、チューブに入ったクリームやスクラブ、アロエやスリランカの女性が描かれた商品のパッケージなど、数十種類が並べられている。

ナレーション: この企業は、スキンケアやベビーケア用品を国内外で展開する、スリランカ最大のハーバル化粧品メーカーだ。

映像説明: 木々(きぎ)が茂る広大な敷地を見下ろす。その一画に、舗装された道路と2階建ての緑の屋根の建物。建物の塀には、美しい女性の顔写真と葉っぱのロゴが入った看板がかかっている。(映像提供 Nature’s Beauty Creations(ネイチャーズ ビューティー クリエイションズ)) 敷地の中。大きな植木鉢には、肉厚の茎が伸びたアロエベラが植えられている。周りには、「Kaju(Cashew nut)」という札(ふだ)のついた幹の白い木、くねくねと曲がった木などが植えられ、それぞれの木にも名前が書かれた札(ふだ)がついている。 薄い茶色の幹と、垂れ下がる葉のあいだに立つ「Cassia fistula(カシア フィストゥーラ)L.」と学名が書かれた立て札。 建物の中、実験室のような室内で作業をする、白衣(はくい)を着て手袋をつけた男女4人。ステンレスの作業台の中央に置かれた3段の棚に、プラスチック容器や遮光瓶などが並ぶ。作業台で眼鏡をかけた女性がじょうごに入った白い粉末を棒でつついている。じょうごの下には火にかけられたフラスコが置かれている。

ナレーション: 自然豊かなコロンボ郊外。東京ドームよりも広い敷地には、緑があふれている。 敷地内では、原料となるハーブなどの試験栽培もされており、ラボでは日々、研究開発が行われている。

映像説明: 木製のテーブルと椅子が置かれた明るい食堂。襟や肩に深緑色(ふかみどりいろ)のアクセントが入った黄色いポロシャツを着た社員たちが、右手で食べ物をつかみ口に運んでいる。 食堂にできた社員の長い行列。先頭の社員たちが、4つの大きなステンレスの容器と、小ぶりのバットに入った料理を皿に取っている。 社員が手にしている皿。ライスの上にインゲン豆やひよこ豆を使ったカレーが盛られている。カレーの横に、紫玉ねぎのつけ合わせがのせられる。 テーブルに置いた皿には、薄い紫色のライスの周りに、目玉焼き、トマトをのせたゆで卵、キャベツやニンジン、豆のカレーや緑の野菜などが盛り付けられている。

テロップ: 健康カレー

ナレーション: こちらが、高く評価された社員食堂。 ランチタイムの行列の先には、やはりカレー。しかしこれ、ただのカレーではない。 一般的なスリランカカレーとは違い、塩分、辛さ(からさ)が控えめな、栄養バランスに配慮した健康カレーだ。

映像説明: 社員食堂。列を崩さず、順番に料理を皿に取る女性社員たち。

ナレーション: 従業員に無料で提供される。その評判は?

映像説明: テーブルを囲んで食事をする4人の女性社員。髪の毛を後ろで1つにまとめ、左手にナプキンを握った女性がインタビューに答える。

髪の毛を後ろで1つにまとめた女性社員・英語: メニューはどれも、とってもヘルシー。 栄養があって、バランスがとれた食事。

映像説明: ちゅう房。白いエプロンと白いマスクをつけ、白い帽子で髪を覆った女性が、両手にビニールの手袋をつけて小さな紫玉ねぎをスライスしている。横には緑の丸い野菜が入ったボウルと、刻んだ緑の野菜が置かれている。 敷地の中にある大きな池。周囲を芝の生えた細い道が囲み、「Health Track」と書かれた案内板が立てられている。 社員食堂で、皿に料理を盛付ける男性社員たち。 棚の上に、先が丸い形で「H」の文字のロゴが入ったトロフィーや、「H」のロゴの入った賞状、写真などが並ぶ部屋。白のシャツの上に薄いグレーのジャケットを着たスキンヘッドの男性がインタビューに答える。

テロップ: Nature’s Beauty Creations(ネイチャーズ ビューティー クリエイションズ) サマンサ・クマラシンハ 会長

ナレーション: 2008年の工場設立以来、従業員の健康を考え、多くの取り組みを行なってきた Nature’s Beauty Creations(ネイチャーズ ビューティー クリエイションズ)。一見、改善の余地はないようにも思えるが、実は今回の健康経営アワードに参加することで、ある「気づき」があったという。

映像説明: 掲示板に、英語と現地の言葉で書かれた健康に関するポリシーの文書が2枚貼られている。ぎっしりと書かれた文章とともに、パンダが描かれた丸いイラスト図で説明されている。

テロップ: 健康経営の「見える化」

ナレーション: それがこれ。健康経営の「見える化」だ。

映像説明: 白のシャツの上に薄いグレーのジャケットを着たスキンヘッドのクマラシンハ会長が、トロフィーや写真が置かれた部屋でインタビューに答える。 白と紫の花が飾られた受付。サリーを着た2人の女性が座り、にっこりと微笑む。後ろの壁には茶色いパネルが掲げられ、「Our Vision To create a global brand of herbal cosmetics from Sri Lanka by 2020」と書かれている。 工場。白い作業着を着て、マスクをつけ、白い帽子で髪を覆った女性スタッフが、オレンジ色(いろ)のボトルの底を見つめる。確認が終わると、別のボトルに手を伸ばす。 木製のテーブルと椅子が並ぶ社員食堂で食事をする社員たち。 トロフィーや写真が置かれた部屋でクマラシンハ会長の話が続く。

テロップ: Nature’s Beauty Creations(ネイチャーズ ビューティー クリエイションズ) サマンサ・クマラシンハ 会長

クマラシンハ会長・英語: (健康経営に関連する)モノを与えてきたが、そのポリシーをきちんと文書にしていなかった。 定めたポリシーを従業員に説明することで、健康経営の重要性を、よりよく理解してくれた。 コミュニケーションやフィードバックなど、多くのことの改善につながった。

映像説明: スリランカ健康経営アワードのステージ。先が丸い形で「H」の文字のロゴが入ったトロフィーを持ったグレーのスーツのスリランカ人男性が立っている。その前に置かれた演説台で薄いブルーのネクタイをして、胸元に白いポケットチーフを挿したジャケットを着た男性が、受賞者を発表する。

ナレーション: 受賞企業の中には、楽しみながら健康を目指すところもあった。

薄いブルーのネクタイをして、胸元に白いポケットチーフを挿したジャケットを着た男性・英語: 中堅企業部門最優秀賞は、H‐Connect(エイチ コネクト)!

映像説明: 青と紫のサリーを着たロングヘアーのスリランカ人女性と、黒いスーツに紺のネクタイをつけたスリランカ人男性がステージに上がる。 白のシャツに紺のネクタイをして、黒いジャケットを着た男性が、先が丸い形で「H」の文字のロゴが入ったトロフィーを受け取る。トロフィーをロングヘアーの女性に渡すと、スリランカ男性から額に入った賞状を受け取る。

テロップ: 中堅企業部門 最優秀賞 H‐Connect(エイチ コネクト)

ナレーション: 中堅企業部門で最優秀賞を受賞した、Hコネクト。 一体どんな取り組みが評価されたのだろうか。

映像説明: 建物の入り口。ガラスのドアの横には、2本の紺色の縦長の棒のあいだに短い水色の棒が縦に2本並ぶロゴのある立体的な看板が掲げられている。ロゴの下には「HIRDARAMANI THE HUB(ヒルダラマニ ザ ハブ)」と書かれている。 天井の高い、広々としたオフィス。白を基調に、カーペットとシーリングライトに青を使った近代的なデザイン。ずらりと並んだデスクにパソコンが置かれ、数十人の社員が画面を見つめている。 窓際の座席に座るサリーを着た女性や、額(ひたい)に赤い印をつけた女性たち。 ひげを生やした若い男性やオレンジのジャケットを着た女性がパソコンの画面を見つめる。

ナレーション: この企業は、顧客の特定業務を丸ごと請け負う、いわゆるBPOサービスを手掛けている。 設立は2012年、平均年齢31歳の若い企業だ。

映像説明: オフィスの中央で立ち上がりはじめる社員たち。 座席が近い者同士で集まる。

ナレーション: オフィスを訪れると、次々に従業員が立ち上がりはじめた。

映像説明: 窓際に集まったグループでは、細いストライプ柄のシャツを着た男性が右手でこぶしを握り、小さく振りながら社員に問いかける。グループのほかのメンバーも、こぶしを握った手を振りながら、声を合わせる。

細いストライプ柄のシャツを着た男性社員・英語: できるのか?

周りの社員たち・英語: イエス!

細いストライプ柄のシャツを着た男性社員・英語: 私たちはやるぞ!

周りの社員たち・英語: イエス!

全員・英語: 高めよう! 高めよう! 1 2 3(ワン トゥー スリー) イエス!

映像説明: 別のグループでも、眼鏡をかけた若い男性社員に合わせてメンバー全員が声を出し、同じようにこぶしを振っている。

ナレーション: 実はこれ、モチベーションを高めるための、「朝の日課」。

映像説明: デスクの上に置かれた透明の四角いペットボトル。5つの目盛りの上に滴のイラストが描かれている。 滴の横には、左側に午前の時間、右側に午後の時間が書かれている。いちばん上の目盛りの滴は青い色に塗りつぶされている。下に行くに従って、滴の青い部分が少なくなっていき、いちばん下(した)の滴は透明。その下に英語で「You did it!」とメッセージが書かれている。 壁にテレビが設置されたスペース。四角いボードを囲んだ3人の女性たちが、コインのような駒を指で弾くゲームをしている。反対側のスペースには青いビリヤード台が置かれ、チェックのシャツの男性がキューを構える。

ナレーション: オフィスには、健康のため、1日2リットルの水を飲むようにデザインされたボトルや、気分転換のためのリフレッシュスペースも備えられている。

映像説明: 観葉植物が置かれたオフィス。4人の若い社員たちが集まり、黒いサリーを着た女性の話を聞いている。奥でも5人の社員たちが集まって話をしている。

ナレーション: H‐コネクト(エイチコネクト)では、去年の4月から健康経営の取り組みをはじめた。

映像説明: 椅子に座って顔をそむける白いシャツの男性の写真。男性の右腕には緑のバンドが巻かれ、手袋をした白衣姿の女性が注射針(ちゅうしゃばり)を当てている。男性の横には、順番待ちをする社員たちの列。 腕に太いバンドを巻かれた赤い服の女性の写真。隣にはバンドの下に聴診器を当て、耳をすませている女性。(写真提供 H‐Connect(エイチ コネクト))

テロップ: 健康診断 ↓ 肥満・脂肪過多・コレステロール過多が課題

ナレーション: 手はじめに、従業員の健康診断を実施したところ、肥満や脂肪・コレステロール過多の人が多いことがわかった。

映像説明: 2台のスマートフォンの写真。左のスマートフォンの上に、 「ACTIVITY SUMMARY」や「BLOOD PRESSURE」「VITALS」「FASTING PLASMA GULCOSE(ファスティング プラズマ グルコース)」「LIPID PROFILE」のタブが表示された「Records」の画面が浮かび上がる。続けて右側のスマートフォンの上に、英語で「Talk to your Medical Doctor」と書かれたアプリの画面が表示される。(写真提供 H‐Connect(エイチ コネクト))

ナレーション: そこで、健康管理のための無料アプリを活用して、従業員が自ら、ゲーム感覚で健康を管理できる仕組みを整えた。

映像説明: 机が1つだけ置かれた板張りの部屋。数十人の男女が机の方に向かって立ち、前に立つ2人の女性インストラクターを見ながら手や腰を振り、リズミカルに踊っている。(映像提供 H‐Connect(エイチ コネクト))

ナレーション: 同時に、従業員が一丸となって体を動かすためのイベントも定期的に開催している。

映像説明: 会議室。青いソファに3人の男性、向かい側にはグレーのスカーフで頭を覆った女性がノートパソコンを開いて座っている。青いシャツの男性が4人を前に立ち、話をしている。

ナレーション: こうした動きは、経営の観点から見てもメリットがあるという。

映像説明: 棚に金色のトロフィーや賞状が飾られた部屋で、細いストライプ柄のシャツを着た男性がインタビューに答える。 会議室。壁にはノートパソコンの画面が映し出されている。4人の男性たちに、グレーのスカーフで頭を覆った女性が身振りを交えながら話をしている。 天井の高い、広々としたオフィス。隅にナッツのようなものが入った球体の容器が置かれている。眼鏡をかけた男性が手のひらの上にいくつかのせ、席に戻る。 棚に金色のトロフィーや賞状が飾られた部屋で、ペレラCEOのインタビューが続く。

テロップ: H‐Connect(エイチ コネクト) ディルシュ・ペレラ CEO

ペレラCEO・英語: 特に、クリエーティビティーが求められる業務で効果が出ている。 例えば、業務プロセスの改善だ。 従業員は、よりオープンにアイデアを出し合っている。 結果、私たちだけでなく、顧客にもメリットをもたらしている。

映像説明: スリランカ健康経営アワードの会場。薄暗いテーブル席から黒いスーツを着た2人のスリランカ人女性がステージに向かう。 金色の紙吹雪が舞うステージで、先が丸い形で「H」の文字のロゴが入ったトロフィーと賞状を受け取り、笑顔を見せる。 薄暗いテーブル席。眼鏡をかけた市川客員教授が、日本人男性たちと立ち話をしている。

ナレーション: スリランカで広がりつつある健康経営。その先には、日本企業(にほんきぎょう)にとってどのようなビジネスチャンスがあるのだろうか。

映像説明: スリランカ健康経営アワードの情報を映した大型モニターの前で、市川客員教授がインタビューに答える。 オフィスで、眼鏡をかけた若い男性社員に合わせて、こぶしを振る若い社員たち。 板張りの部屋でリズミカルに踊る数十人の男女。 アプリを表示した2台のスマートフォン。 食堂で皿に料理を取る襟や肩に深緑色(ふかみどりいろ)のアクセントが入った黄色いポロシャツの女性社員たち。 壁に貼り出された健康ポリシーの文書。左上にはパンダが描かれた丸いイラスト図。 大きな池の周りの「Health Track」と書かれた案内板がある芝生の小道。

テロップ: 審査員長 多摩大学 ルール形成戦略研究所 市川 芳明 客員教授

市川客員教授: 思った以上の土壌があると思っていまして、 皆さん、すごくあの、経営リソースを注ぎ込んで、健康あるいはメンタル面のですね、増進、やられてるんですね。 ていうことは、そのビジネスのマーケットはあると。 ですから、日本のような健康食品とか、 あるいはプロフェッショナルなアドバイザーとかカウンセラー、あるいはデバイス。 まあ、こういうものは全部ですね、まあ、この市場にどんどん入っていく余地があるというのを、ほぼ確信した、そういう感じがします。 スリランカは、マーケットが実はあまり大きくない。 アジア地区全体に広げていくとか。さらに別なあのヨーロッパのほうにですね、十分、広げるとかの工夫をして、 グローバルなトレンドにしていけば、これ、ビッグマーケットになると思うんですよね。

映像説明: 大きな窓に囲まれた明るいオフィス。向かい合わせに並んだデスクで、社員たちがノートパソコンを見つめている。 招待客が入る前の薄暗いスリランカ健康経営アワードの会場。 街中(まちなか)。リュックを背負った観光客が屋根のついた通路を歩いていく。屋根の上には、あぐらを組む金色の仏像と2体の銀色の仏像。

ナレーション: 社会課題から生まれるビジネスチャンス。 「課題先進国」といわれる日本だからこそ、解決に向けた糸口を見いだせるのかもしれない。 その先には、未開拓の市場が広がっている。

映像説明: 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 中が空洞になった地球儀が回転している。

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次回の番組

10月17日(予定)
テーマ:世界に羽ばたく 埼玉の麺

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