TPP11で広がる新たな可能性 ‐カナダ・ニュージーランドからの現地リポート‐
2018年12月27日
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「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」、いわゆる「TPP11」が12月30日に発効、世界のGDPの13%、人口5億人をカバーする巨大な経済圏が誕生する。加盟11ヵ国のうち、日本と初めて経済連携協定を結ぶことになるのが、カナダとニュージーランドだ。大手自動車メーカーが拠点整備を進めるなか、関連製品の関税引き下げにより日本からの輸出増加が見込まれるカナダ。他方、自動車生産が行われていないニュージーランドへは中古を含む完成車が輸出の中心だったが、人気が高まっている加工食品や化粧品などの伸びが見込まれる。TPP11の発効により関係拡大が期待される両国から、経済の現状と2019年の展望についてリポートする。
(10分56秒)
テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。
映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 世界地図から飛び出した、中が空洞になった地球儀が、回転しながら拡大表示される。 さらに世界のさまざまな都市の画像が周囲を取り巻きタイトルが現れる。 「世界は今ジェトログローバルアイ」
映像説明: スタジオ。 地球儀と都市の画像をバックに、女性キャスターが入ってくる。 スモーキーブルーのワンピース姿。
女性キャスター: 世界は今、ジェトロ グローバル・アイ。
映像説明: 薄い青色の世界地図のグラフィックをバックに、地球儀が画面の中心に現れる。大陸の部分は緑色(みどりいろ)。回転しながら、北米大陸のカナダとメキシコ、南米大陸のチリが茶色に変わる。さらに回転し、日本、東南アジアのベトナムとマレーシア、また南半球のオーストラリアとニュージーランドが茶色で示されると、地球儀が小さくなって消えていく。
テロップ: TPP11(てぃーぴーぴー いれぶん) 環太平洋パートナーシップに関する 包括的及び先進的な協定
女性キャスター: いよいよTPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)が発効します。
映像説明: スタジオ。 スモーキーブルーのワンピースを着た女性キャスターが話を続ける。
テロップ: 宮瀬 茉祐子(みやせ まゆこ)
宮瀬キャスター: 世界のGDPの13%、そして、人口5億人を占める大規模な経済圏をカバーし、さまざまな品目の関税引き下げにより、域内の貿易が一層活発化すると期待されています。
映像説明: 画面の左側に宮瀬キャスター。腰のあたりに出した手のひらの上に、赤いメープルリーフが描かれたカナダ国旗と、左上にユニオンジャック、右側に4つの赤い星をデザインした青地のニュージーランド国旗が現れる。
テロップ: TPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)で広がる新たな可能性 ‐カナダ・ニュージーランドからの現地リポート‐
宮瀬キャスター: その中で、今回取り上げるのは、カナダとニュージーランド。 実は、日本は、ほかの加盟国とは、すでに二国間や複数国間の経済連携協定を結んでいますが、この2ヵ国とは、今回、初めて結ぶことになります。 今後、関係が深まっていくことが期待される両国から、現地リポートをお届けします。
映像説明: 晴れ渡る空の下に高層ビルが立ち並ぶ大都市。ひときわ高い電波塔が空に伸びる。 画面左上の四角い枠内にカナダと米国の東海岸の地図のイラスト。両国に挟まれた湖の西側に赤い星が打たれ、トロントと表示されている。米国の大西洋側にはニューヨークの表示。 ドーム型の天井を持つ低い建物をはさむように2つのビルが向かい合わせに建つ。その建物の前の広場にはスケートリンクが設置され、人々がスケートを楽しんでいる。広場で背広姿の男性がマイクを持って立っている。 夕暮れ時(どき)の市役所前。周辺のオフィスビルに明かりがともる。スケートリンクの前には黒、白、赤、黄色に色分けされた丸いマークと「TORONTO」の文字、メープルリーフの大きなモニュメントが並んでいる。多くの若者がスケートリンクでなめらかに滑っている。
テロップ: ジェトロ トロント事務所 所長 酒井 拓司
酒井(ジェトロ トロント事務所 所長): こちらはカナダ最大の都市、トロントです。 わたくしが、今、立っていますのは、市役所前のファウンテン・アット・ネイサン・フィリップス・スクエアです。 ご覧いただけるように、冬になるとアイススケート場がオープンし、多くの市民がスケートを楽しんでいます。 国技がアイスホッケーという国柄、街の中のあちこちに大小さまざまなスケート場があって、子供の頃から皆さんスケートを楽しんでいます。
映像説明: 市役所前の広場で酒井がリポートを続ける。
酒井: プロスポーツとしてのアイスホッケーでは、最高峰のNHLでカナダ、アメリカ両国の31チームがスタンレーカップを目指して連日熱戦を繰り広げていますが、
映像説明: 市役所前の広場で酒井がリポートを続ける。
テロップ: NAFTA(なふた)再交渉
酒井: 通商の世界では、2017年から始まったNAFTA(なふた)再交渉で、カナダはアメリカと13ヵ月に及ぶ交渉を続けました。
映像説明: カナダの国旗など、色とりどりの旗が風にはためく。
テロップ: NAFTA(なふた)再交渉の結果 新協定USMCAが 米国・メキシコ・カナダ間で合意・署名
酒井: NAFTA(なふた)に代わる新しい貿易協定として「USMCA」という形で、アメリカ、メキシコ、カナダの3ヵ国で合意に至りました。
映像説明: 壇上でスピーチをする米国のトランプ大統領。隣にはカナダのトルドー首相が立っている。2人の後ろにカナダ国旗とアメリカ国旗が飾られている。 薄いブルーのネクタイを締めたトルドー首相がスピーチをする。(コピーライト Office of the Prime Minister of Canada 2018)
テロップ: カナダの貿易総額の63% 輸出の75%が米国 →USMCA合意 カナダ経済に好影響
テロップ: トルドー首相
ナレーション: カナダ最大の貿易相手国はアメリカ。 貿易総額の63%、輸出に限れば75%に上る。 NAFTA(なふた)再交渉が合意に至ったことで、カナダ経済の先行き不透明感が、解消されつつある。
映像説明: オフィス街の大きな交差点。スーツ姿の男性や赤いコートを着た女性を先頭に、人々が横断歩道を渡っていく。 ドーム型の天井まで吹き抜けになったショッピングモール。長く伸びた通路の中央に3階分ほどの高さのトナカイのイルミネーションが置かれている。吹き抜けの両側には、高級ブランド店が並ぶ。
テロップ: 底堅い個人消費がけん引 →2019年のGDP成長率は2.0%と予測
酒井: 2019年は、給与所得増などに支えられて底堅い個人消費が牽引し、GDP成長率は引き続き、堅調に推移し、2.0%の成長と予測されています。
映像説明: 市役所前の広場でリポートを続ける酒井。
テロップ: カナダ国内でのTPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)の批准が終了 →2018年12月30日に発効
酒井: 一方、カナダ上院は2018年10月にTPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)の実施法案を可決し、法律は成立。 5番目の批准国となり、2018年12月30日に発効します。
映像説明: 黒ぶち眼鏡をかけた背広姿の白髪の男性が壇上で話をしている。 白髪の男性が立つステージは大きなガラス窓で囲まれ、両側には「Ottawa」と書かれたオレンジ色(いろ)のポスターや、日本、韓国などの国旗が置かれている。 黒ぶち眼鏡をかけた背広姿の白髪の男性が、ステージ前で話を聞いていたスーツ姿の男性たちに手を差し出しながら歩み寄る。 そのなかの1人と笑顔で抱き合う。(コピーライト Global Affairs Canada 2018)
テロップ: TPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)発効によるGDPの押し上げ効果 →2040年までに42億カナダドル(約3,530億円)増加
映像説明: 市役所前の広場で、酒井のリポートが続く。
テロップ: 日本からカナダ輸出時の関税 →乗用車は5年目撤廃 エンジン等は即時撤廃
酒井: カナダ・グローバル連携省の試算によると、発効により2040年までにGDPを42億カナダドルを押し上げるとされています。 日本からの輸出では、自動車製品の日本産(にほんさん)カナダ向け乗用車の関税6.1%が5年目撤廃、基幹部品のエンジンやギアボックス等の関税も即時撤廃となり、日本からの輸出増が期待されます。
映像説明: 街なかの大きな通り。ロードバイクに乗った男性が通り過ぎ、タクシーや自動車などが次々と走り抜けていく。 低い建物が並ぶ通り。両脇に駐車した車の列のあいだを、タクシーや自動車が行き交う。 晴れ渡る空の下に広がるトロントの街並み。高く伸びた電波塔の奥に高層ビル群が立ち並ぶ。
映像説明: 紫色のグラデーションを用いて描かれた風景画が掛かる部屋。水玉模様のネクタイを締めた白髪で白い髭の紳士が椅子に座ってインタビューに答える。
テロップ: カナダ日本(にほん)自動車工業会 デビッド・ワーツ 専務理事
ナレーション: すでに多くの国と自由貿易協定を結ぶカナダでは、そうした国から、関税が優遇された自動車や自動車部品が輸入されている。 今回のTPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)の効果について、カナダ日本(にほん)自動車工業会のデビッド・ワーツ専務理事は、こう評価する。
ワーツ専務理事・英語: 日本から関税なしで輸入できるようになるため、当会員はTPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)の発効を歓迎しており、 (FTA締結済みの)欧州、韓国、米国、メキシコなどから輸入している会員企業との競争が、 公平な土俵で行われるようになる。 これは当会員だけでなく、カナダの消費者にとっても有益なことだ。
映像説明: 市役所前の広場で酒井がリポートを続ける。 スーパーマーケットの陳列棚。日本製の麺つゆ、ごま油、英語のラベルが貼られたみりん、しょうゆ、ソース、酢などのボトルが、ずらりと並ぶ。 3段の木製ラックに、チョコレートやキャンディー、グミなどの日本製のお菓子がきれいに陳列されている。
テロップ: ●和牛:6年目に関税撤廃 ●調味料 菓子 日本酒(にほんしゅ):即時または段階的に撤廃
酒井: 農林水産品・食品についてはTPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)の発効6年目で、和牛の関税率が撤廃されるほか、日本からカナダへの主要輸出品目である調味料、菓子、日本酒(にほんしゅ)の関税も即時または段階的に撤廃されます。
映像説明: 市役所前の広場でリポートを続ける酒井。 建物の中に店を構えるユニクロ。壁には赤い四角に白い文字で「ユニクロ」「UNIQULO(ユニクロ)」と書かれたロゴが掲げられている。天井にはスポットライトが多く設置され、ダウンジャケットやコート、セーターなど、冬物を着たマネキンを照らしている。 レンガ造りの建物の外観。張り出した軒に「牛角(ぎゅうかく)」の四角いロゴと、その下に「Gyu‐Kaku Japanese BBQ」の文字が書かれている。通りに面したウィンドウにもロゴマーク。その横にローマ字で「GYU‐KAKU」と書かれている。
テロップ: 日本のブランドを知るアジア系の人口増加 →日本の小売やレストランの進出が進む
酒井: カナダは自国の成長のため、移民を積極的に受け入れて、アジア系の人口の割合が増えているなか、日本のブランドをアジアにいる段階から知っている人が多く、日本ブランドの小売や日本食(にほんしょく)レストランなど、進出した企業は成功を収めています。
映像説明: 市役所前の広場で酒井がリポートを続ける。 横に長い低層の建物。白い壁に赤い文字で「TOYOTA」と書かれている。入り口の前には3本のポール。カナダの国旗などが風に揺れている。 曲線を描くように建つ銀色の建物。入り口に向かってブリッジが伸びている。入り口の上には、四角い枠から三角形が突き出たようなロゴマークと、「Toyota Motor Manufacturing Canada」の文字が書かれている。(写真提供 トヨタ自動車) 工場のなか。ヘルメットをかぶった男性たちや、ポロシャツ姿の女性たちに囲まれ、トルドー首相がマイクの前でスピーチをしている。話し終わると、周りの人たちが拍手を送る。 写真。「TOYOTA」の刺繍がある赤いポロシャツに、赤と黒のチェック柄のキャップをかぶった作業員が機械を操作している。その後ろで金髪の女性と、ワイシャツ姿のトルドー首相が作業員の手元を見つめている。(コピーライト Office of the Prime Minister of Canada 2018)
テロップ: トヨタ カナダを「RAV4(らぶふぉー)」の北米向け生産拠点化 →連邦政府とオンタリオ州政府が支援
酒井: また、製造業分野の進出も進んでいます。 2018年に入り、トヨタは、ケンブリッジとウッドストックの工場に14億カナダドルの追加投資を行い、北米RAV4(らぶふぉー)生産の拠点化を目指す構えで、連邦政府とオンタリオ州政府は、それぞれ1億1千万カナダドルの支援を発表しました。
映像説明: 市役所前の広場で酒井がリポートを続ける。
テロップ: クボタ 本社 兼 物流拠点の設立を発表
酒井: 加えて、産業機械のクボタも67億カナダドルをかけた、本社を兼ねた物流拠点の設立を発表しました。
映像説明: 高いビルが建つ街の一角。赤い2階建てバスが走り、人々が行き交っている。 雲が浮かぶ青空の下、湾岸沿いのエリアに高層のオフィスビルや細長い電波塔が立ち並ぶ。 市役所前の広場でリポートを続ける酒井。
テロップ: 国際貿易大臣を 国際貿易多様化大臣 に名称変更 →米国一辺倒の貿易の改善を内外にアピール
酒井: アメリカでは保護貿易主義的な動きが加速するなか、カナダでは2018年7月、トルドー首相が国際貿易大臣の名称を新たに「国際貿易多様化大臣」に変更し、米国一辺倒の貿易関係の改善を内外にアピールしました。
映像説明: 市役所前の広場でリポートを続ける酒井。
酒井: この時流を捉え、TPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)を活用したアジアとのさらなる貿易拡大に期待が高まっています。
映像説明: 上空から望むトロントの街並み。オフィスビル群の奥に緑のエリアが広がり、平坦な台地が地平線まで伸びている。 市役所前の広場でリポートを続ける酒井。
テロップ: 日加(にっか)修好90周年
酒井: さらに、2018年は日加(にっか)修好90周年を記念して、ジェトロでも「ジャパン カナダ イノベーション パートナーシップ フォーラム」をトロントおよびバンクーバーで開催しました。
映像説明: ステージの上に赤や紫、黄色(きいろ)などの鮮やかな衣装を身にまとった9人の女性たち。鳴子を両手に持って踊る。 法被に鉢巻姿の女性たちが、先端に赤と白の飾りの付いたバチで和太鼓を演奏。 ステージで2人の外国人男性が椅子に腰かけ、アコースティックギターを弾きながら歌う。 ヤマハのブース。テントも下で、白地に赤のラグラン袖のTシャツを着た現地の子どもが青いミニバイクにまたがっている。その隣では、グレーのTシャツを着た子どもが、ヤマハのドラムセットの前に座っている。 芝生の広場。大勢の人たちが輪になって盆踊りを踊っている。輪の中心には、ピンクの法被にねじり鉢巻きをした2人の若い女性。向かい合って、顔の高さに置かれた太鼓を叩いている。 太鼓を中心に大きな輪を作り、手を上にあげながら踊る人々。その様子を周りから多くの人が撮影している。(コピーライト Japan Festival Canada 2018)
酒井: 2019年は日本各地でもカナダ政府によるイベントが予定され、日加(にっか)両国の距離はさらに縮まることでしょう。
映像説明: 市役所前の広場でリポートを続ける酒井。
酒井: 日本企業(にほんきぎょう)の皆さんもTPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)を活用してのカナダへの輸出、あるいは製造業だけでなく、サービス業などでも、カナダでの展開を是非、検討いただきたいと思います。
スタジオの宮瀬キャスター: TPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)によって輸出、また進出先として、カナダへの期待が高まりそうですね。 さて、冬のカナダから一転して、次は、夏真っ盛りのニュージーランドです。
映像説明: 何枚ものガラスパネルを組み合わせたような構造のスタジアム前。ストライプのネクタイを締めた男性がマイクを持ち、マオリ族の言葉で挨拶する。
テロップ: Kia Ora (こんにちは)
ストライプのネクタイを締めた男性: Kia Ora。
映像説明: 何枚ものガラスパネルを組み合わせたような構造のスタジアム前。ストライプのネクタイを締めた男性がリポートする。 画面左下の四角い枠内に、北島と南島(みなみじま)からなるニュージーランドの地図のイラスト。北島の北部に赤い星が打たれ、オークランドと表示されている。
ジェトロ オークランド事務所 所長 奥 貴史
奥(ジェトロ オークランド事務所 所長): こちらは、ニュージーランド最大の経済都市、オークランドです。
映像説明: 立体的な構造のガラスパネルが特徴のスタジアムの外観。チケット売り場前の駐車場に奥が立ち、スタジアムの大きさがわかるような映像。 「ENTRY H」と表示された入り口。建物に沿って移動していくと、シャッターが閉まったチケット売り場。売り場の上に、「EDEN PARK(いーでんぱーく)」の文字が大きく掲げられている。 チケット売り場前の駐車場で、奥がリポートを続ける。
テロップ: イーデンパーク EDEN PARK(いーでんぱーく)
奥: 私が今立っていますのは、2011年ラグビーワールドカップ決勝が開催されましたイーデンパークです。 来年、2019年は、日本で初めてラグビーワールドカップが開催され、ニュージーランドのオールブラックスも大会史上初の3連覇を目指して、日本での戦いに期待を寄せています。
映像説明: 多くの人が行き交うスクランブル交差点を背景に、「New Zealand」と題された白い枠が浮かび上がる。その白い枠の中で、左上に青い枠が表れ、枠内に「経済成長率 2.7%(2017年度)」、右上に青い枠が表れ、枠内に「失業率 3.9%(2018年9月現在)」、左下に青い枠が表れ、枠内に「人口 490万人(2018年9月現在)」、右下に青い枠が表れ、枠内に「1人当たりGDP 41,620ドル(2018年推定値(すいていち))」と表示される。(出所:ニュージーランド統計局 IMF)
奥オークランド所長: ニュージーランドの最近の経済成長率は2.7%と、前年の3%よりも、やや低減していますが、失業率は3.9%と、2008年6月以来の低い数値となっています。 人口は2018年9月現在で490万人。 また、1人当たりのGDPは41,620米ドルと、すでに日本を上回っています。
映像説明: 芝生が広がる小高い丘で奥がリポートを続ける。後ろには駐車場、その奥にはオークランドのビル群が立ち並ぶ。
テロップ: 移民を中心とした人口増加が経済成長を支える
奥: ニュージーランドは移民を中心とした人口増加が経済成長を支えてきた一方、
映像説明: 駅の構内。いくつも並ぶ改札の先に4本の線路がまっすぐに伸び、車体の正面が黄色い列車がとまっている。 ゆっくりと入線してくる車体の正面が黄色い列車。 高層ビルに隣接した建築現場。タワークレーンが空に向かって伸びている。
テロップ: 住宅・公共交通機関などインフラ需要が高まる
奥: 全人口の3割強、約160万人が集中するオークランドを中心に、住宅や公共交通機関などのインフラ需要が高まっています。
映像説明: 白いヘルメットにオレンジ色(いろ)のベストを着た作業員が赤茶色の鉄柱の上に立ち、クレーンにつながった鎖を下に引いて資材を下ろす。赤いヘルメットの作業員が両手でしっかりと鎖をつかむ。 リフトに乗って、高いところで作業をする赤いヘルメットをかぶった作業員。 黄色いヘルメットの作業員が、立てかけられた数枚のフェンスの前で、ブロワーを手に掃除をしている。 建設中の高層ビル。クレーンで赤茶色の鉄柱が持ち上げられていく。
テロップ: 建設業などの労働者不足が課題
奥: 2017年には、ワークビザや技術移民の条件変更で移民数はやや低減しましたが、建設業などの労働者不足(ぶそく)は日本と同様に課題となっています。
映像説明: 芝生が広がる小高い丘で、駐車場やオークランドの街並みを背景に奥がリポートを続ける。
テロップ: NZ(にゅーじーらんど)は前身の「P4(ぴーふぉー)(Pacific 4)(ぱしふぃっくふぉー)」のメンバー →TPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)の寄託国として事務局を務める
奥: さて、2018年12月30日に発効する、TPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)は、もともとは2006年に、ニュージーランド、シンガポール、チリ、ブルネイで発効したP4(ぴーふぉー)がベースでした。 その意味でニュージーランドはTPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)の元々の、えー、メンバー、生みの親ともいえます。 今日(こんにち)、ニュージーランドはTPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)の寄託国として事務局の役割も果たしています。
映像説明: ビルが並ぶエリアに隣接した埠頭。ドーム型の屋根の建物の横に倉庫があり、壁に沿うように茶色や緑色(みどりいろ)のコンテナが積まれている。 コンテナヤード。黄色いアームを伸ばしたクレーン車がコンテナを持ち上げ、移動させている。 倉庫の横に積み上げられたコンテナ。クレーン車が3段目に茶色いコンテナを積む。 ゲートの形をした数台の黄色いストラドルキャリアが、コンテナの方向へ移動していく。 港に建つ三角屋根の倉庫。すぐ横にはグレーの貨物船が止まっている。倉庫と船のあいだを、赤いランプを点滅させながら小型の車が進む。 グレーの骨組みの上に並ぶ青や、茶色のコンテナ。画面の奥には、一戸建ての住宅が立ち並ぶ。
テロップ: 古くから自由貿易協定に取り組むNZ(にゅーじーらんど) →2008年に中国とのFTA発効 貿易額が3倍増
ナレーション: ニュージーランドは、1983年にオーストラリアとの間(あいだ)で、初めて自由貿易協定を発効。 その後も、さまざまな国・地域との協定に取り組んできた。 とりわけ、中国とのFTAの効果は大きく、2008年の発効後10年で、貿易額は、およそ3倍に増加している。
映像説明: スーパーマーケットの生鮮食品売り場。大きなプライスカードの下に、ネットに入れられたグリーンキウイフルーツが置かれている。 黒いプラスチックケースに入ったばら売りのキウイフルーツ。 透明のプラスチックの仕切り板のある棚の中に、たくさんの玉ねぎが積み上げられている。 食肉売り場。棚にはパックに詰められた肉や、ハム、ウインナーなどの加工品(かこうひん)が並べられている。 ショーケースに並んだ牛肉。黒いトレイの上に骨付きのものや、厚くカットした牛肉が並ぶ。
テロップ: NZ(にゅーじーらんど)から日本への輸出 TPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)による関税削減 →キウイフルーツ 野菜 牛肉など輸出増へ
ナレーション: ニュージーランドから日本への輸出は、今回のTPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)により、キウイフルーツやカボチャ、玉ねぎなどの野菜、牛肉などの関税が削減され、日本市場への輸出増加が見込まれる。
映像説明: 芝生が広がる小高い丘で、駐車場やオークランドの街並みを背景に奥のリポートが続く。
奥: 一方で、日本からニュージーランドへの輸出は、約8割が自動車、機械、電気製品で占められており、二国間の貿易バランスはニュージーランドの入超になっています。
映像説明: 埠頭。まっすぐに伸びる道路を数台の車が走る。道路の脇にはクレーン車などの作業用の車両が止められている。
テロップ: NZ(にゅーじーらんど)は中古自動車の重要な市場
ナレーション: 自動車は日本からの主要な輸出品目だ。 実はニュージーランドは、日本にとって中古自動車の重要な市場になっている。
映像説明: スーパーマーケットの陳列棚。日本製のラーメンやうどんのパッケージが並ぶ。
テロップ: 高所得のNZ(にゅーじーらんど) 日本食市場としても期待
奥: ニュージーランドは、人口は少ないものの、所得の高さから、今後の日本食(にほんしょく)市場としても期待されています。
映像説明: 腰の高さの冷蔵ショーケースには、ひきわり、小粒など、4種類の納豆が入っている。 隣には、枝豆、スライスされたれんこん、野菜ミックス、とろろ芋などの冷凍食品。 お菓子売り場。通路の両脇の棚に、クッキーやチョコレート、ポテトチップスなどが並べられている。
奥: TPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)の関税削減に伴い、加工食品など、例えば、チューインガム、ココア、調整野菜やフルーツジュースなど5%の関税が削減され、輸出が伸びることが期待されます。
映像説明: スーパーの入り口。店の中から、3人の女性が出てくる。入り口の正面には、緑色(みどりいろ)の大きなお茶のペットボトルがディスプレイされている。 レンガを模した黒い壁には、「Japan Mart」の文字を丸で囲んだロゴマークがある。 「Japan Mart」の文字を丸で囲んだロゴマークのアップ。
テロップ: ジャパンマート Japan Mart
ナレーション: ニュージーランドで日本食(にほんしょく)や日本の雑貨を販売しているジャパンマートに、今回のTPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)の影響を聞いた。
映像説明: 冷凍そばのパッケージが並ぶショーケース。 お菓子の陳列棚の前で、眼鏡をかけて、濃いグレーのジャケットを着たグレイヘアの男性がインタビューに答える。 食品売り場の冷蔵ケースの奥には、雑貨が置かれているスペース。 さまざまな種類のしょうゆやみりん、ごま油、ポン酢などが棚に並ぶ。 数十種類の美容グッズが並んだ棚。 お菓子の陳列棚の前で、眼鏡をかけたグレイヘアの男性のインタビューが続く。
テロップ: ジャパンマート 飯塚 真吾(いいづか しんご) さん
飯塚さん: もともと、日本食に関しては加工品(かこうひん)を中心に非常に人気が高いんですが、 えー、まあ、一部関税が撤廃になることによって、 えー、ますます受け入れられる可能性が非常にあるということと、 日本産(にほんさん)の雑貨や、えー、化粧品(けしょうひん)は非常に人気が高いので、 そのあたりが、ま、非常に入(はい)りやすくなってきて、我々としても売りやすくなってくると思います。
映像説明: 芝生が広がる小高い丘で、駐車場やオークランドの街並みを背景に奥のリポートが続く。
奥: デビット・パーカー貿易・輸出振興大臣をはじめとしたニュージーランドの政財界は、米国が抜けて発効が危ぶまれたTPPが、日本の安倍首相のリーダーシップにより、TPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)として復活、実現にいたったことを高く評価しています。
映像説明: 天井までの高さがある棚に「茶」と書かれた木箱が収められたカフェ。入り口の上には「辻利茶舗」「TSUJIRI」という看板があり、ガラス扉から店の奥まで行列がのびている。 ガラス張りの飲食店の入り口。「SUSHI」とローマ字で書かれた黄色い電飾看板が光る。店頭で持ち帰り用の寿司が売られている。 芝生が広がる小高い丘で、駐車場やオークランドの街並みを背景に奥がリポートを締めくくる。
奥: また、ニュージーランドにとっては、今回日本との初めての自由貿易協定となり、ラグビーワールドカップとともに日本に注目が集まっています。 以上、ニュージーランド オークランドからお伝えいたしました。
スタジオの宮瀬キャスター: 今回ご紹介した2ヵ国について、これまでビジネスの可能性をあまり考えてこなかった方(かた)も いらっしゃるかもしれませんが、今後、新たな展開に期待が持てるかもしれませんね。 番組では、引き続き、TPP11(てぃーぴーぴー いれぶん)加盟国の動きを取り上げていきたいと思います。
映像説明: 宮瀬キャスターがお辞儀をする。
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テーマ:水素革命Ⅲ 世界がわかる! オーストラリアで見た最前線
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