外国人が三重に見つけた日本の魅力

2018年12月20日

約30人の外国人が10月、三重県を訪れた。この地で開催された国際的な日本酒のコンクールの審査のために世界中から集まったジャーナリストやバイヤーたちだ。彼らは審査の合間に、地元の酒蔵やお酒にゆかりの深い伊勢神宮を訪問、また、鳥羽の海女小屋では、その伝統に触れつつ、海の幸を堪能した。2年前のG7伊勢志摩サミット開催後、さらなるインバウンドの拡大を課題とする三重県はプロモーションに力を入れており、今回の企画もそうした取り組みの一環だ。京都をはじめとする日本の観光地を知る外国人たちは、三重でどのような魅力を見つけたのか。3日間、彼らの旅に密着した。

(10分46秒)

※本番組は英語版(字幕)でもご覧いただけます。

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テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 世界地図から飛び出した、中が空洞になった地球儀が、回転しながら拡大表示される。 さらに世界のさまざまな都市の画像が周囲を取り巻きタイトルが現れる。 「世界は今ジェトログローバルアイ」

映像説明: 穏やかな海。海の向こうに緑豊かな半島が張り出している。 5階建ての横に長い建物。玄関の横には、大きな木が立っている。 白を基調にしたバンケットホール。4人掛けのテーブルがいくつか並び、テーブルの上、中央にさまざまな国の国旗が飾られている。前方のステージには、「SAKE(さけ) selection」と書かれたパネルが立てかけられている。 黒いジャケットを着たアジア系の男性が、酒の入ったワイングラスを傾け、色を見る。 黒のカットソーの上に赤いカーディガンを着た、赤い髪の外国人女性が酒の入ったワイングラスを口に運び、酒を飲む。

テロップ: 三重県 鳥羽市(とばし)

テロップ: 2018年10月11~(から)13日 SAKE(さけ) selection 主催:ブリュッセル国際コンクール

ナレーション: 10月、三重県で、ある国際的な酒のコンクールが行われた。 このコンクールでは、全国から600を超える銘柄の日本酒(にほんしゅ)が出され、味や香りなどの審査を3日間かけておこなった。

映像説明: 「SAKE(さけ) selection」と書かれたパネルが掲げられたステージの上で、青と白のストライプシャツに青のネクタイを締め、紺色のスーツを着た外国人男性が、手に持ったメモに時折、目を向け、会場内を見回しながらスピーチをする。

テロップ: SAKE(さけ) selection主催者 ブリュッセル国際コンクール トマ・コストノーブル 会長

コストノブール会長・英語: 今回のコンテストは、三重県の協力なしには実現しなかった。 20ヵ国から集まった審査員たちが、611種の酒をテイスティングする。

映像説明: ステージの上でマイクの前に立つ、両襟が黒の青い法被を着た外国人の男性。升を手に音頭を取ると、同じ両襟が黒の青い法被を着た11人の男性たちと、やまぶき色(いろ)の生地に赤い花や松竹梅の模様の入った振袖を着た女性が升を掲げる。マイクの両側に台が置かれ、その上に2つの酒樽が置かれている。酒樽を囲むように両襟が黒の青い法被を着た男性たちが升を近づけ合い、乾杯の音頭を取った外国人男性もその輪に加わる。

法被を着た外国人男性・日本語: カンパーイ

ナレーション: このコンクールが行われたのは、自治体や民間企業などの関係者が誘致のために努力した結果だった。 その背景には…。

映像説明: 伊勢神宮の正宮(しょうぐう)前の石段。イタリア、ドイツ、米国、日本、フランス、英国、カナダの7ヵ国とEU(いーゆー)の首脳たちが石段に一列に並び記念撮影をしている。中央には安倍首相の姿。 首脳たちがカメラの方に手を振ったり、笑顔を向けたりしている。(映像提供 内閣広報室) G7(じー せぶん)サミット・主要国首脳会議の会場。会議用円卓を囲み、カメラに笑顔を見せる首脳たち。円卓の横には、あやめが描かれた金の屏風、奥の窓際には、7ヵ国の国旗とEU(いーゆー)の旗が並んでいる。 円卓の上にそれぞれの国の名前と国旗が書かれた木のプレートやマイク、資料、グラスなどが置かれている。男性スタッフがEU(いーゆー)の代表者に資料を手渡す。

テロップ: 2016年5月

ナレーション: 2年前の5月、アメリカやドイツなどの7ヵ国の首脳が集まった、G7(じー せぶん)サミット・主要国首脳会議が開催。 海外からも三重(みえ)が注目され、外国人観光客は増加したものの、その後、インバウンド拡大に結びつけられずにいた。

映像説明: G7(じー せぶん)サミット・主要国首脳会議の会場。会議用円卓に座るカナダや英国、フランスの首脳たちが机上に資料を広げ、目を通している。 部屋の壁沿いに長いテーブルが置かれた広い部屋。壁際のテーブルには、磨き上げられたワイングラスがずらりと並ぶ。部屋の中ほどには正方形のテーブルを2台並べた作業スペースが3列ほど作られ、1台のテーブルには数十本の日本酒(にほんしゅ)の瓶が並び、もう1台のテーブルには5つのワイングラスが置かれた丸いトレーが置かれている。紺色のエプロンをつけたスタッフが、丸いトレーの上のワイングラスに日本酒(にほんしゅ)を注いでいる。

ナレーション: そこで、このサミットで振る舞われた日本酒(にほんしゅ)に着目。 三重(みえ)は、この日本酒のコンクールをきっかけに地元をアピールしようと考えたのだ。

映像説明: バンケットホール。白いテーブルクロスがかかったテーブルにチェックシートとワイングラス、水のペットボトルなどが置かれている。右手にペンを握り、左手でワイングラスを口に運ぶ眼鏡をかけ、薄いグリーンのシャツを着た白髪交じりの外国人男性。 紺色のシャツの上に光沢のある黒いジャケットを着て、眼鏡をかけた外国人男性が真剣な表情でワイングラスの日本酒(にほんしゅ)の香りを確かめ、試飲をする。 テーブルに置かれた2枚のテイスティング・シートと書かれた紙。細かなチェック項目が印刷されている。

ナレーション: 海外から招いた審査員は、日本酒(にほんしゅ)に精通したジャーナリスト。 彼らを地元のアピールポイントに案内し、宣伝してもらおうと考えた。

映像説明: 机の上に並んだ全国の日本酒(にほんしゅ)の瓶。緑、黒、茶色などの、数十本が並んでいる。それぞれの瓶にある銘柄が書かれたラベルの上には、バーコード付きの白いシール、その上に、数字が書かれた黄色いシールが貼られている。 伊勢神宮、内宮の入り口。木でできた大鳥居の下から橋が伸びている。何人もの人が橋を渡り、鳥居をくぐって神宮内から出てくる。 竹ざるに盛られた十数匹の伊勢えび。朱色の足や、長い触角が動いている。 バンケットホール。藍色のスーツを着た男性が壇上で右手にマイクを持ち、話をしている。 大勢のビジネスマンでにぎわうホール。藍色のスーツを着た男性が白いシャツに紺色のジャケットを着た男性と笑顔で挨拶を交わし、そこに近づいてきた眼鏡をかけた男性と名刺を交換する。

ナレーション: 特に、三重県が誇る歴史、そして酒と食を海外にもっと発信していきたいからだ。 知事は、ジャーナリストたちが三重(みえ)の魅力を発信することで、外国人観光客が増えることを期待している…。

映像説明: 藍色のスーツを着た男性が、筆で書かれた書を背にインタビューに答える。

テロップ: 三重県 鈴木 英敬 知事

鈴木知事: 一生に一度は、訪れたい場所と、あの、Once in Your Lifetimeということで、えー、ブランド化をしながら酒とか、食とかですね、あのー、そういうようなことに、力を入れながら、消費額を高めて、えー、この観光を産業化していくと。

映像説明: 地球儀が回転するコンピューターグラフィックスのスタジオに立つ女性キャスター。 緑のカットソーを着ている。

テロップ: 宮瀬 茉祐子(みやせ まゆこ)

宮瀬キャスター: 世界は今、ジェトログローバルアイ。 海や山に囲まれた自然豊かな三重県。 2016年には、G7(じー せぶん)サミットが開かれ、海外にも知られるようになりましたが、さらなる観光客の誘致に向け、三重県は、インバウンドに力を入れています。 今回、国際的な日本酒(にほんしゅ)のコンクールの開催をきっかけに、欧米やアジアのジャーナリストが三重(みえ)を訪問。 彼らは、そこでどんな日本の魅力を見付けたのでしょうか?

タイトル: 外国人が三重(みえ)に見つけた日本の魅力

映像説明: 1台の大型バスから、さまざまな国のジャーナリストたちが降りてくる。 十数人がコンクリートの建物に入っていく。のれんがかかる入り口の横には、「元坂(げんさか)酒造株式会社」と書かれた木の看板がかかり、白い酒樽(さかだる)が置かれている。法被を着た女性スタッフと黒いTシャツに前掛けを締めた若い男性スタッフが、ジャーナリストたちを出迎えている。

テロップ: 2018年10月11~(から)13日 酒ジャーナリスト招へいプログラム 主催:ジェトロ

テロップ: 元坂(げんさか)酒造

テロップ: 三重県大台町

ナレーション: ジャーナリストたちが三重(みえ)を知るために、まず、向かったのは、日本酒(にほんしゅ)の製造現場。 こちらは、江戸末期に創業した老舗の蔵元だ。

映像説明: 白と黒、藍色で織られた布の上に、稲穂や米粒(こめつぶ)などが置かれている。シャーレに入ったパウダー状のものをスマートフォンで撮影するグレーのTシャツを着た男性。ジャーナリストたちは、白いヘアキャップをかぶって見学している。 テーブルの上に、「酒屋 八兵衛 山廃純米酒(じゅんまいしゅ) 伊勢錦」というラベルが貼られた茶色の一升瓶と、「八兵衛 純米吟醸酒(じゅんまいぎんじょうしゅ) 伊勢錦短稈系 全量使用五割精米」というラベルが貼られた緑色(みどりいろ)の一升瓶が置かれている。その後ろに、大小の徳利が4つ並んでいる。

ナレーション: 使用している酒米(さかまい)は、山田錦、そして、そのルーツと言われている伊勢錦だ。 特に、伊勢錦を使った日本酒(にほんしゅ)を作っているのは、日本でほんの数軒の蔵元だけだという。

映像説明: 黒い天井からスポットライトがあたる、奥行きのあるホール。長い壁に沿って、所狭しと日本酒(にほんしゅ)メーカーのブースが並び、法被を着た日本人や、スーツ姿の外国人の来場客などでにぎわっている。 元坂(げんさか)酒造のブース。両襟に元坂(げんさか)酒造と書かれた法被を着た男性と、ロングヘアの女性が立っている。テーブルには日本酒(にほんしゅ)の瓶が並び、その前で男女の来場客が話をしている。 テーブルに置かれた緑色(みどりいろ)の瓶。ラベルには「酒屋 八兵衛」と書かれている。横にはパンフレットが積まれ、日本語と英語で書かれた「酒屋 八兵衛」の商品説明が書かれたパネルが置かれている。

テロップ: パリ

テロップ: 2018年10月6~(から)8日 第5回 サロン・デュ・サケ

ナレーション: この蔵元は、アメリカやアジアなどに輸出しているが、今後、ヨーロッパにも積極的に輸出したいと足掛かりに考えたのは、オール三重(みえ)で参加したパリの日本酒(にほんしゅ)の商談会だ。

映像説明: 事務所。眼鏡をかけたスーツ姿の男性。男性の手元には、印刷された商品案内の紙。日本酒(にほんしゅ)の瓶と、日本語と英語の説明がカラー印刷されている。

ナレーション: フランスに日本酒(にほんしゅ)を輸出するには、後発組となるがあえてパリを選んだ理由について、三重県酒造組合の会長は、こう考える。

映像説明: 細工(さいく)が施された木枠の窓の前で、スーツを着て眼鏡をかけた男性がインタビューに答える。

テロップ: 三重県酒造組合 清水 慎一郎(しみず しんいちろう) 会長

清水会長: ソムリエという資格を、まあ、発明したのがフランス人であって、その、その制度が、今、世界中に広まっているわけですから。 彼らが使ってるワインリストの中の1項目に日本酒(にほんしゅ)というのが、もしも表示される、そういうことが起こったとすると、これは非常に画期的なことだなと。

映像説明: 白いテーブルクロスが敷かれたテーブル。縁(ふち)が赤い皿の中央にエビやウニ、魚の切り身が盛りつけられ、その周りにキウイ色(いろ)、マスタード色(いろ)のソースがかけられている。皿の周りには磨き上げられたナイフやフォーク、スプーンが並び、銀色のはし置きには黒いはしが用意されている。 黒のテーブルクロスが敷かれた丸いテーブルで日本酒(にほんしゅ)を飲むグレーヘアの女性。同じテーブルで数人が、はしを使って食事をしている。グレーヘアの女性がグラスから口を離すと、軽くうなずく。

ナレーション: つまり、パリのレストランで出される料理にワインだけでなく、日本酒(にほんしゅ)も合うということが発信されれば、世界中のフレンチレストランに広がる可能性もあるからだ。

映像説明: 元坂(げんさか)酒造を見学するジャーナリストたち。青いポロシャツを着た男性が、ティースプーンを口に運ぶ。

ナレーション: フランスから参加したワイン専門誌のジャーナリストは、日本酒(にほんしゅ)とフレンチの相性についてこう語る。

映像説明: 食事やワインなどが用意されたテーブル席で、グレーのシャツを着た男性が身振り手振りを交えてインタビューに答える。

テロップ: フランス国旗 ジャーナリスト シリル・マルド さん

マルドさん・英語: 私が推薦したいのは「生酒(なまざけ)」。これは新しい発見。 フォアグラには生酒(なまざけ)が合う。 日本酒(にほんしゅ)とフレンチのマリアージュだ。

映像説明: 酒蔵。こうじが敷き詰められた、畳一畳半くらいの大きさの台をジャーナリストが取り囲み、台の上のこうじの写真を撮ったり、法被を着たスタッフの説明に耳を傾けたりしている。 台に敷き詰められたこうじを指でつまんで口に含むジャーナリストたち。 大きなタンクの周りで、スタッフの話を聞くジャーナリストたち。

テロップ: 酵母を見るジャーナリスト

ナレーション: 酒蔵では、ジャーナリストたちが日本酒(にほんしゅ)の製造工程を見学していた。 普段は、口にすることができない、こうじ菌を仕込んで間もない酒母(しゅぼ)など、酒蔵でしか体験できないものを見て感じてもらった。

映像説明: 酒蔵の一角で、ジャーナリストたちがおちょこで日本酒(にほんしゅ)の試飲をしている。えんじ色(いろ)の長袖カットソーを着た外国人男性が持つおちょこに、法被姿の女性スタッフが日本酒(にほんしゅ)をつぐ。

ナレーション: 視察後、参加者全員で試飲。

映像説明: 黒ぶち眼鏡をかけた外国人男性が、日本酒(にほんしゅ)の瓶をカメラに収めている。

ナレーション: こちらは、カナダのワイン専門誌のジャーナリスト。

映像説明: 黒ぶち眼鏡をかけた外国人男性がインタビューに答える。

テロップ: カナダ国旗 ジャーナリスト ギュルビンデール・バティア さん

バティアさん・英語: 酸味が強くてびっくりしたが、これは気に入った。 (酒蔵の)建物自体も大変興味深かった。

映像説明: えんじ色(いろ)の長袖カットソーを着て、べっ甲ぶちの眼鏡をかけた男性が日本語でインタビューに答え、話し終えた後におちょこを口に運ぶ。

テロップ: オーストラリア国旗 ジャーナリスト ジュリアン・ハウスマン さん

ハウスマンさん・日本語: 燗(かん)にすると、なんか、すごく、ふわっと、味が、ふら、膨らんでくる。なんか…。 うまみも出るし、すごくおいしいです。

映像説明: えんじ色(いろ)の長袖カットソーを着て、べっ甲ぶちの眼鏡をかけた男性が白いおちょこに鼻を近づけ、香りをかぐ。日本酒(にほんしゅ)を口に含み、頬を膨らませて口のなか全体で風味を味わう。

ナレーション: こう話すのは、オーストラリアの日本酒(にほんしゅ)専門誌のジャーナリストだ。

映像説明: 腰ほどの高さの大きなタンクが置かれた蔵で話をする、ストライプのシャツの上に両襟に「元坂(げんさか)酒造」と書かれた法被を着て、眼鏡をかけた男性。

ナレーション: 元坂(げんさか)酒造の社長は、今回のコンクールをきっかけに、三重(みえ)を世界に知ってもらいたいと話す。

映像説明: ストライプのシャツの上に、両襟に「元坂(げんさか)酒造」と書かれた法被を着て、眼鏡をかけた男性がインタビューに答える。

テロップ: 元坂(げんさか)酒造 元坂 新(げんさか あらた) 社長

元坂(げんさか)社長: この地域のことも含めて、(情報を)こう発信していただけるということで。 まあ、日本酒(にほんしゅ)とつなげて、あの、相乗効果で、あの、いいんじゃないかなと思っております。

映像説明: 移動するバスの中。大きなフロントガラスに見える、三重(みえ)の町並み。片側二車線の道路沿いに、携帯ショップやラーメン店などが並ぶ。向かう先には小高い山が広がっている。

ナレーション: さらに、ジャーナリストたちに、三重(みえ)と日本酒(にほんしゅ)の関係を理解してもらおうと向かったのは伊勢神宮。

映像説明: 曇り空に向かって松の枝が伸びる。その下には木で造られた大鳥居。鳥居の先にかかる橋から数人が歩いてくる。

テロップ: 三重県 伊勢市

映像説明: 砂利が敷き詰められた境内。木々(きぎ)のあいだから、日光が差している。グレーの制服を着た2人の神宮衛士(じんぐうえし)が白い衣装を着た3人の神職を先頭と後ろで守りながら進んでいく。

テロップ: 伊勢神宮(内宮) 御酒殿祭(みさかどのさい)

ナレーション: この地に鎮座する伊勢神宮には、古くから全国の良質な日本酒(にほんしゅ)が奉納されてきた歴史と伝統がある。

映像説明: 内宮の大鳥居の前でグレーの背広姿の男性がインタビューに答える。 木造平屋の建物、御酒殿(みさかどの)。神職が集まり、御酒殿祭(みさかどのさい)が執りおこなわれている。建物中央の開いた扉の前にはお供え物。神職が扉の内側に祭られている御酒殿神(みさかどののかみ)に深々と3回お辞儀をする。 お辞儀をした神職に、別の神職が玉串を手渡す。

テロップ: 伊勢神宮 音羽 悟 広報課長

音羽広報課長: ま、伊勢の神宮というのは、天照大御神をお祀りいたしますので、信仰の厚いね、えー、その酒屋さんなんかはね、あのお酒造りをされている方(かた)というのは、出来たお酒をね、えー、まず、伊勢にということで納めていただいているんだと思いますね。

映像説明: 内宮の参道に立つ、「三重県産清酒奉納」と書かれた立て看板。その横には、積み上げられた酒樽。屋根がついた木の棚に、横16樽、縦5樽が積み上げられ、80銘柄の日本酒(にほんしゅ)が奉納されている。

ナレーション: 伊勢神宮では、全国の酒蔵での酒造りの成功祈願が行われている。

映像説明: キャンパスを歩く、スーツ姿のジャーナリストたち。女性もジャケットを着用している。入り口に「祭式教室」と書かれた看板のかかる、社殿のような建物に入っていく。

テロップ: 皇學館(こうがくかん)大学

ナレーション: ジャーナリストは、日本の伝統的神事を体験するため、皇學館(こうがくかん)大学へ。

映像説明: 雅楽の衣装を着た人たちが、笙や楽太鼓(がくだいこ)で演奏をしている。 スーツ姿の男性2人が神殿に玉串を供える。 雅楽の音色が流れるなか、目を閉じて、こうべをたれるジャーナリストたち。 木の枠に入った弁当。裏巻きずしや海苔巻き、いなり巻きずし、煮しめなどが、2つの木箱に詰められている。 はしを使って、弁当を食べるジャーナリストたち。

テロップ: 相可(おうか)高等学校の生徒が作った弁当

ナレーション: ここでは、荘厳な雅楽の音楽のもと、神前での祈願を体験。神とともに食し、神の力を分けてもらう儀式を体験した。

映像説明: 伊勢神宮の宇治橋を渡ってくるジャーナリストたち。 正宮(しょうぐう)の前の石段に参加者全員が集まり、記念撮影をする。 撮影が終わると、正宮(しょうぐう)の方へと石段を登っていく。

ナレーション: このあと、伊勢神宮へ。 参拝を前に参加者全員で記念撮影。いよいよ、正宮(しょうぐう)で参拝。

映像説明: 白いシャツに紺色のベストを着た、オーストラリア人ジャーナリストのハウスマンさんが歩きながらインタビューに答える。

テロップ: オーストラリア国旗 ジャーナリスト ジュリアン・ハウスマン さん

ハウスマンさん・日本語: いや、すごくきれいです。もう、こんな所なんかは初めてですね。 いろいろ、なんか感じますよね。なんか神秘的な、あの雰囲気ですよね、ここはね。はい。

映像説明: 古い町並みが残る通り。石畳みの道に沿って、木造の店舗が連なっている。 金色の字で「赤福」(あかふく)と書かれた看板のある大きな建物。

テロップ: おはらい町

映像説明: オレンジ色(いろ)の明かりがともる店の前。藍色のジャケットを着た、フランス人ジャーナリストのマルドさんが軒下に貼られたポスターを眺めている。

ナレーション: 参拝を終え、彼らが向かったのは、伊勢神宮の門前町(もんぜんまち)。 江戸時代の町並みを再現した場所で、外国人にも人気の観光スポットだ。 フランスのジャーナリストは、自国の観光地との違いを口にした。

映像説明: オレンジ色(いろ)の明かりがともる店の前で、フランス人ジャーナリストのマルドさんがインタビューに答える。

テロップ: フランス国旗 ジャーナリスト シリル・マルド さん

マルドさん・英語: パリでは、(凱旋門の)大通りやベルサイユ宮殿でも土産を買えるが、大体はレストラン。 (伊勢は)神社もあって古い町並みがあって、土産を買って帰れるのでとても、良いと思う。

映像説明: 頭に白い磯頭巾をかぶっている女性たち。白い磯着用シャツ、紺地に白や赤の十字柄など、さまざまなかすり模様のもんぺを履いて、腰には赤い前掛けをつけている。イギリスやドイツ、オーストラリアなどの小さな旗を手にして並んでいる。女性たちの前にバスから降りたジャーナリストたちが集まる。

映像説明: 古い木に、白い文字で書かれた「海女小屋 はちまんかまど」の文字がうっすらと読める看板。その下には頭に白い磯頭巾をかぶった海女が4人描かれたパネルがあり、両端(りょうはし)の海女の顔の部分がくりぬかれ、自分の顔を入れて写真を撮れるようになっている。 パネルの奥には低いトタン屋根の建物。

テロップ: 三重県 鳥羽市(とばし)

テロップ: 海女小屋 はちまんかまど

映像説明: 竹かごにぎっしりと並べられた新鮮なサザエやホタテなどの貝類。 竹かごに盛られた十数匹の伊勢えび。足や触角が動いている。 海女が網の上でサザエとホタテを焼いている。サザエの殻から細かい泡が出ている。 海のなかの映像。海女が、足ひれをつけて、エメラルドグリーンの海の底に潜っていく様子。 「海女小屋 はちまんかまど」の中。2人の海女が網の上にたくさんの伊勢えびを並べて焼いている。火が通ると、1人の海女が伊勢えびを裏返す。

ナレーション: 最後に視察したのは、海女小屋レストラン。 この地域は、日本一、海女が多く、店員も現役の海女で、伊勢・志摩・鳥羽地域では、外国人観光客が増えている場所だ。 ジャーナリストたちの目的は、海女と触れ合い、食文化を体験すること。 海女がとったサザエや伊勢えびなどを新鮮なまま、炭火焼きで提供しているのが受けている。

映像説明: 海女小屋レストランの中。伊勢えびを焼く海女の周りには、テーブルが置かれ、ジャーナリストたちが食事をしている。頭に白い磯頭巾をかぶり、首元にブルーのスカーフを巻いた海女がインタビューに答える。 焼け具合を気にしながら、話を続ける海女。話し終わると伊勢えびを裏返す。

テロップ: 現役の海女

首元にブルーのスカーフを巻いた海女さん: もう、いつも外国の人ばかりですね。 女の人ですとね(生きたモノを焼くことが)、あの、ちょっと、嫌なあれ、人もあるけど、それでもやっぱり、食べ、食べるとおいしいのでね、はい。すごい喜びます。

映像説明: 黒縁の眼鏡をかけた外国人男性ジャーナリストが、右手に薄いブルーの日本酒(にほんしゅ)の瓶、左手にグラスを持って立っている。左手に持ったグラスを掲げると、周りに軽く会釈し、乾杯のあいさつをして着席する。周りに座る男性たちが拍手をする。

外国人男性ジャーナリスト・日本語: みなさん、カンパイ!

ナレーション: 近くの海でとれた新鮮な貝や伊勢えびに舌鼓を打った。

映像説明: 窓際に座っているカナダ人ジャーナリストのバティアさんが感想を述べる。

テロップ: カナダ国旗 ジャーナリスト ギュルビンデール・バティア さん

バティアさん・英語: (目の前で焼いてくれる場所は)自国には無いので、とてもユニークなことだ。 ここに来れて良かったし、食べ物もおいしい。

映像説明: 海女小屋の中を見て回る外国人ジャーナリストたち。 チェック柄のジャケットを着た外国人男性ジャーナリストが、スマートフォンを片手に海女と話をしながら小屋のなかを見学する。 建物の外から窓越しに海女小屋の中を撮影する外国人男性ジャーナリスト。 海を眺めたり、撮影したりしながら、近くを散策している外国人ジャーナリストたち。

ナレーション: 食事のあと、彼らは、海女が休憩する海女小屋や、実際に漁をする海を視察。 視察を終えたジャーナリストたち。 三重の魅力について、どのように感じたのだろうか…。

映像説明: 室内でインタビューに答えるオーストラリア人ジャーナリストのハウスマンさん。 穏やかな浜辺。海の向こうに奥に緑豊かな島が見え、見回すと海には数隻のボートが浮かんでいる。 話を続けるハウスマンさん。

テロップ: オーストラリア国旗 ジャーナリスト ジュリアン・ハウスマン さん

ハウスマンさん・日本語: 自然が多くて、あの、伊勢神宮のまわりの森とかね、すごくきれい。 このホテルの前の景色も、いろいろ癒やして(いやして)くれたんですね、はい。三重県が。 京都みたいに、なんか、もう、観光客がワーと増えると、なんか、あの、ちょっと台なしになるかなと思うんですけど。 いっぱい人に教えたいんですけど、それ、でも、三重県というのは、ちょっと内緒にしておきたいという気持ちもあるんですけどね。

映像説明: 茶色と白の格子柄の浴衣を着たフランス人ジャーナリストのマルドさん。室内でインタビューに答える。 海女小屋レストランで、炭火で伊勢えびを焼く海女たち。エビの足が熱でオレンジ色(いろ)に変わっている。 身振り手振りも交えながら話を続けるマルドさん。

テロップ: フランス国旗 ジャーナリスト シリル・マルド さん

マルドさん・英語: 新鮮な魚を朝、昼、晩に食べる。 自然を目で見て、そして自然を食べる。 ジャーナリストとして記事を書くし、ビデオも作る。

映像説明: 深くて大きな陶器の器に氷が張られ、その上に生牡蠣が盛られている。その横には、くし切りになったレモンが並べられている。 細長い、楕円形(だえんけい)の陶器の上に、小さなすのこに盛られた白身の魚やマグロなどの刺身。 海女小屋レストランの中。踊る海女の後ろについて、見よう見まねで踊る外国人ジャーナリストたち。 宴会場のステージの上。日本人奏者に教わりながら、笑顔のジャーナリストたちがバチで太鼓を打つ。

ナレーション: 新鮮な魚介類の素材を生かした料理や、三重ならではの文化を評価したジャーナリストたち。 日本には、日本人自身が、気付いていない地域の魅力がまだまだありそうだ。

映像説明: 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 中が空洞になった地球儀が回転している。

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