伝統を生かす! 新発想の商品で市場開拓 ‐彦根「仏壇」・大垣「木枡」‐

2018年05月10日

国内販売の縮小で存続が危ぶまれる特産品の産地もみられるなか、発想の転換で本来の用途とは異なる商品を開発し、市場を開拓しようとする動きがある。滋賀県彦根市は江戸時代から続く仏壇の産地だが、工房や店舗の数は最盛期の4分の1にまで減っているという。そうしたなか、明治創業のある企業は、海外の富裕層をターゲットに、漆塗りや蒔(まき)絵などの技法を生かして「ウォッチワインダーケース」を開発。一方、全国の約8割のシェアを持つ木枡(ます)の産地、岐阜県大垣市でも、インテリアや内装材として枡(ます)の可能性を広げていこうと欧米への売り込みを進める企業がある。生き残りをかけた商品開発で海外に挑む、それぞれの取り組みを取材した。

(10分41秒)

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映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 世界地図から飛び出した、中が空洞になった地球儀が、 回転しながら拡大表示される。 さらに世界のさまざまな都市の画像が周囲を取り巻きタイトルが現れる。 「世界は今ジェトログローバルアイ」

映像説明: 地球儀と都市の画像をバックに、女性キャスターが入ってくる。 白いブラウスにグレーのスカート。

テロップ: 宮瀬 茉祐子(みやせ まゆこ)

宮瀬キャスター: 世界は今、ジェトログローバルアイ。 少子高齢化で国内販売が頭打ちとなり、存続が危ぶまれている特産品の産地が増えています。そうしたなか、伝統の技術を生かした新たな商品の開発で輸出に取り組む企業も出てきています。地場産業の生き残りをかけて海外市場に挑む2つの企業を取材しました。

タイトル: 伝統を生かす! 新発想の商品で市場開拓 ‐彦根「仏壇」・大垣「木枡」‐

映像説明: 画面右側の四角い枠内にコンピューターグラフィックスの地図画像。 彦根市は滋賀県北東部、琵琶湖の東側に位置する。 お堀の石垣に連なる満開のソメイヨシノ。水面が鏡のように木々(きぎ)を映し出す。 高い石垣の向こうに、白い天守閣がそびえる。

テロップ: 彦根城

ナレーション: 国宝・彦根城で知られる、滋賀県彦根市。

映像説明: 静かな通りに仏壇店の看板が並ぶ。

テロップ: 350年の歴史を誇る 彦根仏壇

ナレーション: この町でおよそ350年の歴史を誇るのが、「彦根仏壇」。

映像説明: 仏壇店の店内。 金色に輝く仏壇がずらりと並ぶ。仏壇の支柱には、花をかたどった金細工が施してある。

テロップ: 江戸時代中期 武具や武器の製作に 携わっていた職人が仏壇の製造に転向

ナレーション: 江戸時代の中期に、武具や武器の製作に携わっていた職人が、仏壇の製造に転向したのが起源と言われている。

映像説明: 別の通りの一角にも仏壇店の看板が点在する。 仏具卸の看板を掲げた店もある。

テロップ: 職人の工房・仏壇店 1980年代前半 約150軒 →4分の1まで減少

ナレーション: その後、彦根の地場産業として発展し、1980年代前半までは150軒ほどあったという職人の工房や仏壇店。だが今では、およそ4分の1まで減少している。

映像説明: のぼり旗が立ったモダンな日本家屋風の店舗。 入口の脇には「井上仏壇」という店舗名の表示。

テロップ: 井上仏壇 1901年(明治34年)創業

ナレーション: そうした状況に危機感を抱いて立ち上がったのが、明治34年創業の「井上仏壇」の4代目、井上昌一さん。

映像説明: 仏壇が並ぶ店内の通路に立つ、眼鏡をかけ、白いボタンダウンシャツにジャケット姿の男性。

テロップ: 井上 井上 昌一 社長

井上社長: 彦根の仏壇には7つの技術があって、伝統的な技術が凝縮しているんですけれども、その技術を使って、今の時代に合った、そして世界に発信できるような商品を作りたいというのを、まず考えたんです。

映像説明: 漆塗り職人の中年男性が木製でボウル型の器の内側に赤い漆を塗る。 金箔押し職人の男性が仏具にピンセットで位牌の底の部分に当たる木製の部品に金箔を貼り付けている。

テロップ: 彦根仏壇 漆塗り 蒔絵 金箔押し(きんぱくおし)など 7つの工程

ナレーション: 「彦根仏壇」の製造には漆塗りや蒔絵、金箔(きんぱく)押しなど7つの工程があり、その技術は代々、大切に受け継がれてきた。

映像説明: 仏壇の内部に、鮮やかな赤い高欄。 その奥に仏像が据えられている。 井上仏壇の店内。 たくさんの種類の数珠が陳列されている。 向かい側の雑貨コーナーには、カラフルな木製のボウルやカップなどの商品が並ぶ。

テロップ: 雑貨ブランド「chanto(シャント)」

ナレーション: そうした地域の“財産”を守ろうと、井上社長が手掛けたのが、彦根仏壇とは一見無縁に見える雑貨ブランドの「chanto(シャント)」。

映像説明: 棚の上には紫色やみどり色などの漆で塗られた木製のコーヒーミルが並ぶ。 下の段には、握りずしをまねた小物がふちをみどり色に塗られた木製のマルチトレイの上に載っている。 奥には漆を塗る職人の写真が添えてある。

テロップ: コーヒーミル

テロップ: マルチトレイ

ナレーション: 海外の事情に精通しているデザイナーと組み、伝統を守りながらも、現代のライフスタイルに合ったデザインの商品を考案した。実はここに、「彦根仏壇」の漆塗りの技術が使われている。

映像説明: ろくろを回転させながら器の内側に漆を塗る眼鏡をかけた男性。 塗り終えた器を手に取って出来上がりを確かめる。

テロップ: 塗師 中嶋 誠作(なかじま せいさく) さん

ナレーション: その制作に参加したのが、仏壇のほか文化財の修復なども行っている、漆塗り職人の中嶋誠作(なかじま せいさく)さん。

映像説明: 色見本の説明をする中嶋さん。カラフルな色の漆が何種類(なんしゅいるい)も塗られたプレートが並ぶ。 中嶋さんが手にしたプレートには、少しずつ色味(いろみ)の違う赤系統の色が8種類塗られている。

テロップ: 約500種類の色漆

ナレーション: 中嶋さんが独自の配合で編み出したのが、およそ500種類にも及ぶカラフルな色漆。それが、「chanto(シャント)」の特徴のひとつになっている。

映像説明: 工房内の椅子に座って話す中嶋さん。 ウォッチワインダーケースの外枠の表面を白い粉で、磨き上げていく。

テロップ: 塗師 中嶋 誠作(せいさく) さん

中嶋さん(塗師): すこしでも多くの人に使ってもらえるのは、やっぱりカラフルな色(の商品)だと思うんで、そのへんを考えていろいろ仕事をしていった中で、井上さんとのマッチングで新しい「chanto(シャント)」というブランドができたのは、本当にありがたいし、うれしいなと思いますね。

映像説明: 井上社長が、店内に展示された赤と黒の2色で配色されたケースの案内を行う。左右にスライドできる2枚の扉には、漆地に螺鈿を散りばめた蒔絵が施されている。 黒蓋を右にスライドさせると、ケースの中には正方形に仕切られたスペースが縦2段、横5列の計10ヵ所ある。 そのうちの4ヵ所にワインディングマシーンがはめ込まれていて、1つが時計回りに回転している。 ケースの周囲には細かな木製の細工(さいく)が見える。 別の小型ケースの中で腕時計が回転している。

テロップ: ウォッチワインダーケース

テロップ: シンガポールの富裕層向けの商品

ナレーション: そして、井上社長が次に開発したのが、腕時計をセットするだけで自動でゼンマイを巻いてくれるという「ウォッチワインダーケース」。 高級腕時計をいくつも所有する、シンガポールの富裕層向けの輸出を想定した商品だ。

映像説明: 店内の通路でインタビューに答える井上社長。

テロップ: 井上 井上 昌一 社長

井上社長: 日本の伝統技術を使ったウォッチワインダーケースという、世の中にないようなものを作っていこうということを決めて、この商品を開発していったという次第です。

映像説明: 腕時計1個用の小さなウォッチワインダーケース。 黒漆に金蒔絵の装飾が施された人の背丈ほどある仏壇型のウォッチワインダーケース。 大戸の裏側には、川ともみじの装飾。障子戸を開くと、黄金色(こがねいろ)に輝く屋根の下の位置でワインディングマシーンが回転している。

テロップ: 「KISSHO(きっしょう)」(20万円)

テロップ: 「壇 DAN」(2,500万円)

テロップ: 「彦根仏壇」の技術の粋(すい)を集めた 完全受注生産品

ナレーション: 値段は20万円から、最高でなんと2,500万円。 漆塗りや蒔絵、金箔(きんぱく)押しなど、「彦根仏壇」の技術の粋(すい)を集めた完全受注生産品で、完成までに6ヵ月から1年もかかるという。

映像説明: 仏壇店の並びにある2階建ての一軒家。 工房で男性が位牌を手にしながら、余分な箔を払っている。

テロップ: 宮本箔押店(みやもとはくおしてん)

テロップ: 箔押師(はくおしし) 宮本 美弘 さん

ナレーション: この商品の開発で井上社長とタッグを組んだのが、金箔押し職人の宮本美弘さん。 宮本さんも伝統の継承だけでなく、新しい挑戦が大切だと感じていたという。

映像説明: 工房でインタビューに答える宮本さん。

テロップ: 箔押師(はくおしし) 宮本 美弘 さん

宮本さん(箔押師(はくおしし)): こっちでは伝統的なことをずっと引き継ぐという気持ちも心の中にありますし、新しいこともやっていかないといけない。

映像説明: シンガポールの展示会場のスペースに飾られたさまざまさまざまなウォッチワインダーケース(写真)。 展示品を前に来場者の男性と話す井上社長(写真)。

テロップ: 2016年11月 シンガポールでの展示会

ナレーション: 井上社長は、海外市場へのアプローチを始めている。

映像説明: 店内でインタビューに答える井上社長。

テロップ: 井上 井上 昌一 社長

井上社長: この彦根発でですね、世界に通用する商品を発信していくっていうのが 私の大きな夢になりますね。

映像説明: 白い手袋をはめた職人が、金色の柱部分に金づちで飾りを打ちつけていく。 完成品した柱を手に取り、回転させながら細部を確認する。 作業場の様子が右奥に見える店内に、仏壇型のウォッチワインダーケースが設置されている。 赤と黒のふたがスライドするタイプのウォッチワインダーケースの中では、ワインディングマシーンが回転している。 カメラに向かって説明をする井上社長。

ナレーション: 今後、シンガポールで高級時計店などへの売り込みをかけるほか、スイスでも、世界的時計メーカーとの商品開発の可能性なども探っていくという。地域の伝統技術を継承するための挑戦は、これからも続く。

映像説明: 画面の四角い枠内にコンピューターグラフィックスの地図画像。 大垣市は岐阜県南部、愛知県にほど近いところに位置する。 市役所の建物に「平成30年 大垣市制100周年」の横断幕が掲げられている。 小さな手こぎ舟が、観光客を乗せて川を下っていく。

テロップ: 全国生産の約8割

ナレーション: こうした取り組みが始まっているのは、彦根だけではない。 今年、市制100周年を迎えた岐阜県大垣市。 水の都(みやこ)として知られるこの街で、全国生産のおよそ8割を占めている製品がある。

映像説明: 日よけのれんを下げた和風の飲食店。

ナレーション: 平日の夜、市内の料亭をのぞくと…。

映像説明: 和室で木枡を掲げるジャケット姿の中年の男性客。

男性客: はい 乾杯!

客たち: 乾杯!

映像説明: ジャケット姿の男性客が木枡の中の日本酒(にほんしゅ)をぐいっとあける。

テロップ: 木枡

ナレーション: 木枡だ。

テロップ: メーカー4社で年間約200万個

映像説明: 男性客が空(から)になった木枡をテーブルに置く。 ほかの同席者も木枡を傾け、楽しげに日本酒(にほんしゅ)をあける。

テロップ: 大垣市 2016年12月 「木枡で地酒による 乾杯を推進する条例」を制定

ナレーション: 市内のメーカー4社で、年間およそ200万個を生産。 おととし12月には、木枡づくりの保護を目的とする条例を市が制定した。 そんな大垣で今、木枡が変わろうとしている。

映像説明: 暗い室内で光る木枡。内側が赤色からきいろ、きみどり色へと光って変わる。 バスソルトが入ったカラフルな木枡が並ぶ。 枡の形をしたピアスもある。

テロップ: 光枡

テロップ: バスソルト入り 枡ソルト

ナレーション: それが、こちら。LED(エルイーディー)で光る「光枡」や、バスソルト入りの「枡ソルト」、枡の形をしたピアス。

映像説明: 植え込みの奥に、のれんの掛かる店舗入り口が見える建物。

テロップ: 大橋量器 1950年(昭和25年)創業

ナレーション: 開発したのは、昭和25年創業の「大橋量器」。

映像説明: 木枡が積み上げられた工場内を、紺色のシャツ姿の男性が歩く。

テロップ: 大橋量器 大橋 博行(おおはし ひろゆき) 社長

ナレーション: 木枡の可能性を広げようと取り組む3代目、大橋博行さんのアイデアだ。

映像説明: 男性従業員が次々と機械に板材を通し、表面が整えられた板材を機械の出口部分で別の男性従業員が仕分けていく。 女性従業員が仮組みされた木枡を機械に入れ、四隅の形を整えていく。

テロップ: 木枡づくり ヒノキの集積地・名古屋で盛ん →大垣 明治の中頃に帰郷した職人が始める

ナレーション: もともとヒノキの集積地、名古屋で盛んだったという木枡づくり。大垣での製造は、明治の中頃に職人の1人が郷里に戻って始めたのがきっかけだと言われている。

映像説明: 売り場に積み上げられた一合枡。犬や打ち出の小槌の絵柄、「寿」「感謝」などの文字が刻印されている。 作業台に向かう女性従業員が、大橋社長に手元を見せながら話す。 歴史を感じさせる工場内で働く従業員たち。 ジェスチャーを交えながら男性従業員に製作のコツを教える大橋社長。

テロップ: 木枡づくりの技術を生かした 新商品の開発

ナレーション: 主に日本酒(にほんしゅ)を飲む器として使われているが、国内での日本酒(にほんしゅ)離れが進み、大橋社長が先代から事業を受け継いだ時には、売り上げが最盛期の半分ほどまで落ち込んでいたという。 そこで大橋社長が活路を見いだしたのが、木枡づくりの技術を生かした新商品の開発。

映像説明: 大橋社長が工場でインタビューに答える。 機械の前に立つ女性従業員。 カットされた板材を機械に入れ、組目となるほぞを作っていく。

テロップ: 大橋量器 大橋 博行(おおはし ひろゆき) 社長

大橋社長: 代官山とかですね自由が丘とかを回りながら、いろんなものを探して、新しいものや新しい使い方をこの日本で定着させたいということで、危機感からそういうふうに動いていったと。

映像説明: 多くの来場者が行き交う展示会場。ブースにずらりと出展物が並ぶ(写真)。 壁一面を木枡で飾った大橋量器のブース(写真)。 枡以外の製品も展示されたブースで、外国人の女性スタッフが来場客と話す(写真)。

テロップ: 2012年~(から) 米国での展示会に出展

ナレーション: そんな大橋社長が、新商品の開発に続いて取り組んだのが、海外市場の開拓だった。 2012年から毎年、アメリカでの展示会に出展。

映像説明: ニューヨークの目抜き通りに面したブランドショップ(写真)。 雑貨コーナーにカラフルな木枡が並ぶ(写真)。 ミュージアムショップでは、細長い枡のセットが販売されている(写真)。

テロップ: 2013年 「ポール・スミス」の ニューヨークの店舗

テロップ: 2016年 「MoMA(ニューヨーク近代美術館)」の ミュージアムショップ

ナレーション: そこでの商談をきっかけに、人気ファッションブランド「ポール・スミス」のニューヨークの店舗や、「MoMA」のミュージアムショップでの商品の販売が始まった。

映像説明: レストランの壁一面に組子細工のような装飾(写真)。柔らかい光が店内に差し込む。 壁面の様子を横から見ると、大量の木枡が互い違いに積み重ねられている。

テロップ: アゼルバイジャンのレストラン

テロップ: 14,200個の木枡

ナレーション: またアゼルバイジャンのレストランでは、内装材として14,200個もの木枡が使われているという。

映像説明: 工場でインタビューに答える大橋社長。

大橋社長: 14,200個のオーダーって、これは何(なん)だろうと。これは私たち、予想だにしてなかったので、展示会に出ると、ひょっとしたらそういう、我々(われわれ)の発想とは違うことで買ってくださる、そんな方(かた)があろうかと思います。

映像説明: 大橋量器の展示ブース。 両脇の壁には木枡のイメージ写真が飾られ、棚にはさまざまな木枡製品が展示されている(写真)。 外国人の男女の間で、笑顔の大橋社長(写真)。

テロップ: 欧州 伝統や歴史も評価される

ナレーション: その大橋量器が新たな市場として注目しているのが、ヨーロッパだ。 製品の機能やデザイン性だけではなく、伝統や歴史といった点も評価されるからだという。

映像説明: 展示ブースでノートパソコンに向かう大橋社長の後ろ姿(写真)。 山型に積み重ねられたサイズ違いの木枡や、三角形のおちょこ(写真)。 展示ブースで来場者に説明を行う大橋社長。外国人女性の来場者がブースのスタッフと話す(写真)。

テロップ: 2015年~(から) フランスやドイツでの展示会に参加

ナレーション: ジェトロなどの支援も受けて、2015年からフランスやドイツでの展示会にも参加。 だがヨーロッパでは、まだパートナーが見つかっておらず、展示会の期間中に探しているという状況だ。

映像説明: 工場内でインタビューに答える大橋社長。

大橋社長: (欧州は)様子をまず見ます。最初は信頼の置けるところかを見ながら、3回目、4回目と出展するとですね、同じかたが(ブースに)いらっしゃって、注文が入るというふうになってくるので。

映像説明: 女性従業員が、組み上がった木枡の仕上がり具合を確認し、問題ないものを積み重ねていく。 機械から流れてきた木枡を4つずつまとめて、やすりを掛けたあと、手触りで確かめていく。 長さや高さの違う木枡を重ねたものや、重ねて小さく収納できるものもある。

テロップ: 欧州市場での成功の鍵 未知の商品をいかに 現地の生活に溶け込ませるか

ナレーション: 新し物好きのアメリカ人と違って、ヨーロッパのバイヤーは、なじみのない商品に慎重なのだという。大橋社長がヨーロッパでの成功の鍵と見ているのが、木枡という未知の商品を、いかに現地の生活に溶け込ませるかだ。

映像説明: イベント会場で展示品を手に取る、大柄な外国人男性(写真)。

テロップ: 英国人デザイナー セバスチャン・コンランさん

ナレーション: そのためイギリスのデザイナー、セバスチャン・コンランさんとの共同開発や、ヨーロッパからの留学生をインターンとして迎えるなど、現地の人の発想や意見を積極的に商品開発に生かそうとしている。

映像説明: 日本の電車を使ったイベントに参加する法被を着て眼鏡をかけた外国人女性。 木枡を持った客と笑顔で写真に収まる。

テロップ: ルーマニアからの留学生

ナレーション: 眼鏡の外国人女性が、工場で木枡づくりに励む(写真)。 室内で木枡の組み立て作業に挑戦する外国人女性たち(写真)。 法被姿の日本人に交じって、イベントの手伝いをする背の高い外国人男性(写真)。

ナレーション: 今年3月に、「大橋量器」でインターンを行ったハンガリーの留学生は…。

映像説明: 工場内で大橋社長の隣に立って、インタビューに答える外国人男性。

テロップ: ハンガリーからの留学生 サボ・ダニエルさん

ダニエルさん(留学生): 物も入れられるし、ただ置いてもオシャレな便利グッズなので魅力がたくさんあると思います。

映像説明: 出来上がった木枡をリズムよく円盤状のカンナに当て、側面を仕上げていく。 女性従業員が木枡を軽く叩きながら、内側をやすりで磨いていく。

大橋社長: ヨーロッパとかでどのように販路を考えていけるかっていうのも、いろんなヒントや情報を得られますので、一緒にやることによってヨーロッパでの枡の可能性っていうのを知ることができる。

映像説明: 工場内で大橋社長が手振りを交えながら男性従業員に製作のコツを教える。

ナレーション: 日本の木枡は、今後ヨーロッパでどう受け入れられるのか。大橋社長の夢は広がる。

映像説明: 工場内でインタビューに答える大橋社長。 「灯します」という説明書きの奥に、横長の切れ目が施された木枡型の照明器具。 中から光が漏れだしている。 分厚い木の板の上に和柄のクロスが敷かれ、さまざまな種類の木枡製品が陳列されている。 「アポロワイン枡」「すいちょこ」「八角ます」などと書かれた値札(ねふだ)の奥に特殊な形状の木枡が並ぶ。

テロップ: 大橋量器 大橋 博行(おおはし ひろゆき) 社長

大橋社長: ドイツのすごいセレクトショップに、すごいこだわりのオヤジ2人がいて 「これは日本の大橋っていうメーカーが作ったかっこいい製品だぜ」って言ってる、そんな風景が普通にできるような(イメージが)、私としてはいつも頭の中に浮かんでいます。

映像説明: スタジオ。

宮瀬キャスター: 本来とは違う使い方で新たな市場を開拓していこうとする仏壇と木枡の取り組み。とてもユニークでしたよね。日本のすばらしい伝統を次の世代につないでいくためには、こうした発想の転換も考えていくべきなのかもしれません。

映像説明: 宮瀬キャスターがお辞儀する。

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