シンガポールに見るハラールビジネス ‐広がるムスリムフレンドリー‐

2018年05月31日

人口の多くを中華系が占めるが、マレーシアとインドネシアに囲まれ、さらに、地域のハブとしての性格から、イスラム教の人々(ムスリム)が行き交うシンガポール。街では、彼らをターゲットにした居酒屋やカフェが人気を集めている。また、ハラール食品を扱うスーパーは現地での経験を踏まえ、ムスリムの少ない国々での需要増を見越して日本のほか、欧州などへの展開を図る。他方、日本のあるチョコレートメーカーは、シンガポールのハブ機能に着目し、ハラール認証を取得して現地生産、輸出を進める。“ムスリムフレンドリー”なビジネスにチャンスを見出す企業の取り組みを現地で取材した。

(9分43秒)

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テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 世界地図から飛び出した、中が空洞になった地球儀が、 回転しながら拡大表示される。 さらに世界の様々な都市の画像が周囲を取り巻きタイトルが現れる。 「世界は今ジェトログローバルアイ」

映像説明: 地球儀が回転するコンピューターグラフィックスのスタジオに女性キャスターが入ってくる。 白い襟付きブラウスに黒のロングスカート。

テロップ: 宮瀬 茉祐子(みやせ まゆこ)

宮瀬キャスター: 世界は今、ジェトログローバルアイ。 ムスリムフレンドリーという言葉をご存知ですか? イスラム教徒が過ごしやすい環境を整えることをいいます。 そうした取り組みが進んでいる国のひとつがシンガポール。 その現状を取材し、日本企業にとってのビジネスチャンスを探ります。

タイトル: シンガポールに見るハラールビジネス ‐広がるムスリムフレンドリー‐

映像説明: シンガポールの都心部。観光客が集まる橋の向こうで、口から水を噴き出すマーライオン。 その背後には、巨大な高層ビルが林立する。 四角い枠内に地図のイラスト。シンガポールは、マレーシアのある半島の先端に位置する。 海峡を隔ててインドネシアの島々(しまじま)が点在する。

ナレーション: 金融や物流の中心地として発展してきたシンガポール。

映像説明: 水辺にそびえ立つ3棟(とう)の超高層ホテル。 ホテルの屋上には、巨大な船の形をした建造物があり、3つの棟(とう)をつないでいる。 手前にはガラス張りの近代的な建物が連なる。 橋の近くの階段に集まり、写真撮影などをしている観光客。 水辺の遊歩道を行き交う観光客。

ナレーション: 多様な人々が暮らしている。 人口に占める割合は中華系の人々が最も多い。

映像説明: 高層ビル群から濃い緑の木々に隔てられ、朱色の屋根が密集した区画が広がる。 中心部には、金色でたまねぎ型のドームに白壁のモスクが建っている。

ナレーション: その中心部に昔ながらの低層住宅エリアがある。

映像説明: 通り沿いに立ち並ぶ2階建ての建物。 店舗ごとに外壁(そとかべ)がピンクや水色、赤、黄、緑など、カラフルに塗られている。 コンビニエンスストアやスパなどが入居している。

テロップ: イスラム教徒=ムスリム

ナレーション: こちらは、イスラム教徒、ムスリムが昔から暮らしてきた場所だ。

映像説明: レストランが軒を連ねる通り。 外に写真付きのメニュー看板が出され、人々でにぎわう。 ヤシの木が伸び、カラフルな日よけが歩道に張り出した一角。 テラス席の奥に格子戸の入り口(いりぐち)。 赤提灯(あかちょうちん)が下げられ、日本語で「ハラル居酒屋」と書かれたのれんが風に揺れる。

テロップ: ハラル居酒屋

ナレーション: 今は、エキゾチックな雰囲気を醸しだす人気の観光エリアになっている。そこに、1年前にオープンした居酒屋。普通の飲み屋に見えるが、アルコールは一切出していない。その名もハラル居酒屋。

映像説明: 店内。 白い壁一面に水墨画のような絵が描かれ、漢字の書かれたちょうちんが下がる。 板張りの床に座卓が並び、座布団が整然と並べてある。

テロップ: ハラール=イスラム教で「許されたもの」の意味

ナレーション: ハラールとはイスラムの教えで「許されたもの」を意味する。

映像説明: 店内の壁に描かれた日本列島を背景に、豚と赤ワインのイラスト。 両方のイラストに赤いバツ印がついている。

ナレーション: イスラム教では、豚やアルコールがご法度。口にすることができない。

映像説明: 壁に並ぶ2枚の証明書と、商品パッケージに貼られた2種類のロゴマーク。 アラビア語と英語で「HALAL(ハラール)」と記されている。

テロップ: ハラール認証

ナレーション: そこで求められるのが、こちらのマーク。戒律を守っていることを証明するハラール認証だ。

映像説明: 店の壁に貼られた2枚の証明書には、英語で「Hararu Izakaya」と店名が記されている。

ナレーション: 食品だけでなく、レストランにも認証がある。 この認証があれば、ムスリムでも安心して食事を取ることができる。

映像説明: 黒のキャップに眼鏡をかけた男性と、水色のヒジャブで頭を覆った女性が話している。

ナレーション: 夫婦で店を始めたワヒダさん。

映像説明: ワヒダ社長が店内でインタビューに答える。

テロップ: ハラル居酒屋 ワヒダ・ワビット 社長

ワヒダ社長・英語: シンガポールには居酒屋がたくさんある。 でも、ムスリムが行ける居酒屋はなかった。 みんな一緒に楽しめるように、この店をつくった。

映像説明: 細長い皿に載せられた串料理。うずらの卵やシシャモ、ベーコン、焼き鳥などが並ぶ。

ナレーション: 料理も日本の居酒屋、そのもの。

映像説明: 別の皿には、食べやすいように細く輪切りにされたイカの丸焼き。 レモンが添えてある。

ナレーション: イカの姿焼き。

映像説明: 机いっぱいに置かれた料理の中には焼き魚や肉の角煮もある。 タレに浸かった肉の上に、細く刻まれたネギが載せられている。

ナレーション: 角煮は、豚肉の代わりに牛肉を煮込んだ。

映像説明: カウンターの上に、グラスに入った琥珀色(いろ)の液体。 隣に置かれた缶のラベルの中央には、英語で「Ninja Lager」の文字と黒装束に身を包んだ忍者のイラスト。 上部に英語で「Non Alcoholic」、下部に「Made in Japan」と記されている。

ナレーション: もちろんビールもノンアルコール。

映像説明: 天井まで続く白壁に縦書きの日本語で大きく「アラーの神」と書かれている。 その下にはカウンターバーがあり、赤レンガの壁面には棚があり、日本人形(にほんにんぎょう)が飾られ、ドリンクのボトルやグラスが並ぶ。

ナレーション: 名前こそ、ハラル居酒屋とユニークだが、イスラム教の戒律をしっかりと守っている飲食店だ。

映像説明: 桜の絵が描かれた壁際のテーブルに2人の女性客。 白いブラウスの女性の向かいに、赤いヒジャブを頭に巻いた女性が座っている。

ナレーション: 誕生日のお祝いに日本食(にほんしょく)を食べに来たという、ムスリムのお客さん。

映像説明: 白いブラウスの女性が、ジェスチャーを交えながらインタビューに答える。

女性客・英語: 友達が勧めてくれたから来たの。料理がすごくおいしいって聞いているわ。

映像説明: 太い街路樹が並ぶ歩道を人々が行き交う。 テラス席に赤いプラスチックの椅子が並んだ店の前を、ノースリーブの若い女性たちが通り過ぎる。

テロップ: 人口に占めるムスリム シンガポール 14%

ナレーション: シンガポールの人口に占めるムスリムの割合は、14%と多くない。

映像説明: 観光客でにぎわう水辺。 たくさんの観光客が手すりに寄り掛かりながら写真を撮る。 頭をヒジャブで覆った女性もいる。

ナレーション: しかし、インドネシアやマレーシア、中東諸国など、ムスリムが多く暮らす国から、たくさんの旅行客が訪れる。

映像説明: 水辺の歩道。おそろいのジャンパー姿で10人ほどのグループが歩いてくる。 自撮り棒を手にした男性の後ろから、白やピンクのヒジャブを巻いた女性たちが続く。 大勢の観光客が行き交うなか、立ち止まって写真を撮る男性。 ムスリムの女性たちが手すりを背にポーズをとる。

テロップ: ムスリムフレンドリーな街

ナレーション: 彼らが快適に過ごせる、ムスリムフレンドリーな街として発展してきた。

映像説明: 店頭のガラスに、たくさんのポップなイラストが描かれている。 ハンバーガーを手にした黒髪の女性や、スイカやバナナなどを頭に載せたパフェのキャラクター、フードをかぶったドクロのキャラクターなどが描かれている。

テロップ: KUMOYA

ナレーション: こちらは新しくできた人気のカフェ。

映像説明: 若い女性客でにぎわう店内。 天井からはキャラクターの人形が吊り下げられ、壁にはスーツ姿の黄色いトラや、赤毛に長いまつげのユニコーンなど、たくさんのイラストが描かれている。 大きなプレートに盛られたケーキセット。 ピンク色のソフトクリームの横にチョコレートワッフル。 その上に添えられたハート型のクッキーには、大きな目の忍者がプリントされている。 手前はイチゴやナッツ、クリームでデコレーションされている。

ナレーション: イタリアのデザイナーが手掛けるブランドとコラボレーションしている。

映像説明: 店内で食事する女性客のグループ。 子連れの客もいる。 料理が載ったトレーには牛柄の着ぐるみ(きぐるみ)をまとったキャラクターがびっしりと描かれている。 その上には寿司下駄に盛られた寿司サンドが2つと、キャラクターカードが載っている。 割り箸と、枝豆とコーンの付け合わせ、スープが添えられている。 料理を前に、若い女性客が笑顔でスマートフォンを操作している。 別のテーブルでは、親子がブルーのユニコーンやキャラクターのぬいぐるみを手にポーズをとる。

ナレーション: かわいくデコレーションされた店内では、若い女性がSNSにアップしようと、写真撮影に夢中だ。

映像説明: キャラクターが描かれたテーブルの上に、ソフトクリームを浮かべたコーヒーフロート。 レインボーカラーのキャンディースティックや、ピンクのクッキー、キャラクターがプリントされたカードでデコレーションされている。 コーヒーフロートの後ろに、四角い牛乳パックのようなかたちをしていて、耳と角のあるぬいぐるみが置いてある。

ナレーション: ハラール認証は取っていないが、使用する食材には気を配り、ムスリムフレンドリーな店を心掛けている。

映像説明: 店頭でインタビューに答える長髪で眼鏡をかけた男性。

テロップ: KUMOYA ジェセフ・コー 社長

コー社長・英語: ムスリムのスタッフがたくさんいるし、豚やアルコールは使っていない。 ムスリムフレンドリーな店だ。

映像説明: 交通量の多い幹線道路の脇に大きな看板。 リンゴの写真とともに英語で「Welcome」と書かれている。 多くの車が止められた駐車場の奥に、近代的な低層の建物。

映像説明: 屋内。 「Nestlé PROFESSIONAL」のロゴのあるブースや、通路を歩く男性。

テロップ: 4月24~27日 フード・アンド・ホテル・アジア(FHA)2018

ナレーション: そのシンガポールで開かれた、東南アジア最大級の食品の総合見本市。

映像説明: 見本市の会場内。 ロビーを歩くたくさんの来場者やブース担当者たち。

ナレーション: 世界各国から食品メーカーの担当者やバイヤーが集結した。

映像説明: 半円の日の丸が描かれた看板に、英語で「JAPAN PAVILLION」の文字。 大勢の来場者がブースを訪れている。 企業別に分かれたブースには、女性来場者と熱心に話をする女性担当者の姿。

テロップ: ジャパンパビリオン

ナレーション: 日本のパビリオンには、ハラール食品の特設コーナーが設置されていた。

映像説明: 黄色いカレーパウダーの缶、「C&A CURRIE POWDER GOLD」といったロゴが書かれている。 袋詰めされた青森県産の「熟成 黒にんにく」。 円形の展示コーナーに、牛乳やみそなど、他の出展物が並べられている。

ナレーション: ハラール認証を取っているカレーのルーや黒にんにくが出品されている。 ムスリムフレンドリーなシンガポールでは需要も高い。

映像説明: 企業別に並んだ日本のブースを来場者が見て回る。

ナレーション: そうした市場をつかもうと日本の企業が動き出している。

映像説明: ポロシャツ姿の男性が出展ブースでインタビューに答える。

テロップ: 出展企業(製菓)

製菓関連企業の男性: 人口的に考えるとですね、世界に目を向けた場合、ハラール食品を食べられるかたは非常に多い。

映像説明: 別のブースで、紺色のスーツを着て、眼鏡をかけた男性がインタビューに応じる。

テロップ: 出展企業(香料)

香料関連企業の男性: インバウンドを目的に(認証を)取ったんですけれども、どちらかというとやっぱり、海外の方がもちろん、需要が高いんだなということは実感しています。

映像説明: 広い会場内の通路を、たくさんの来場者が行き交う。 看板に食品の写真をあしらった、フランスのモダンなブース。 赤い柱の周りに何段も棚が作られ、商品が飾られている。 ほかのブースには業務用のシンクが置かれ、来場者が集まっている。

テロップ: ハラール市場規模 100兆円超 出所:農林水産省

ナレーション: 世界に目を向けると、ハラール市場は巨大だ。その規模は100兆円を超えると言われる。ムスリムが暮らしている割合が少ない国の企業でも商機と捉え、市場をつかもうと積極的に動いていた。

映像説明: 大きな巻き寿司のポスターを貼ったブース。 受付カウンターには、韓国とシンガポールの卓上用の国旗が立てられている。 2人の男性担当者が女性来場者に説明する。

ナレーション: こちらは韓国の食品メーカー。

映像説明: テーブルに並べられた数種類の大判サイズの海苔のパッケージ。 アルファベットでそれぞれ「Sushi Nori」「Yaki Nori」「Samurai Ichiban」などと書かれている。

ナレーション: 日本食(にほんしょく)や韓国料理には欠かせない海苔を扱う。

映像説明: パッケージには韓国語で書かれたHACCAP(ハサップ)認証マーク、花のようなイラストに「WAREES HALAL (ワーリスハラール)」と書かれたロゴマーク、地球儀をかたどったハラール認証のロゴマークが付いている。

ナレーション: 8年前にハラール認証を取得し、中東などに輸出してきた。

映像説明: パッケージに入った韓国製のさまざまな海苔。 大判サイズのパッケージの前には、長方形の小さめのパッケージが並ぶ。 別のブース。パーティションにさまざまな認証マークが貼られている。 棚には2段重ねで置かれた数種類のカップラーメンと袋入りのインスタント麺。

ナレーション: 中国でインスタントラーメンを作っている企業も。

映像説明: 眼鏡をかけた白いワイシャツ姿の男性がブースの前でインタビューに答える。

テロップ: 中国の食品メーカー 担当者

中国の食品メーカー担当者・英語: 毎年、顧客が増えている。主にマレーシアに輸出している。売り先は米国や香港、東南アジアで、ハラール食品が欲しいという顧客がいる。

映像説明: 会場に掲げられた大きな看板に「HALAL CONNEXION@Food Asia 2018」の文字。 「CONNEXION」の単語の「X」の部分に、スプーンとフォークをクロスさせ、アルファベットの「X」を模したイラスト。看板の下には特設コーナーがある。 ガラスケースの棚にさまざまな商品が陳列されている。

ナレーション: その見本市の最も目立つ場所でも、ハラールの新商品が並ぶ。ハラール商品を専門に扱うPR会社が展示したものだ

映像説明: ガラスケースの棚に赤、青、黄、3色のバナナチップスの袋。 別の棚には、側面にアボガドのイラストをあしらい、「Avocado Green Tea」と書かれたカップのアイスクリーム。 バナナの写真が大きく載った茶色いパッケージの前には、サンプル用のドライバナナが展示されている。 透明のプラスチック容器で個包装された月餅は、漢字のロゴ「月餅美琦」と印刷されたこげ茶色の飾り箱と一緒にディスプレイされている。

ナレーション: シンガポール産のアイスクリームやバナナチップス、さらに月餅など。

映像説明: ジーンズ姿の男性がスマホを手にしながら、ガラスケースの中の商品をまじまじと見ている。 ガラスケースの前。赤いカーペットの上で2人のスーツ姿の男性が白いシャツを着た女性と話し込む。

ナレーション: ブースの責任者は、イスラム圏以外の商圏でも市場が広がると話す。

映像説明: 髪を短く刈り込んだスーツ姿の男性が、ガラスケースの前でインタビューに答える。

テロップ: ハラールのPR会社 担当者

PR会社の男性・英語: ムスリムがイスラム教ではない国に行くとハラール食品を探すことになる。 旅行先ではハラールのステーキやパスタを食べてみたいと思っている。

映像説明: マンションが建ち並ぶ郊外。 車が走る通り沿いに、緩やかにカーブした屋根に覆われたビル。 十数名の男女が敷地に入っていく。 建物の裏手。大きなガラス窓の脇にトラックが止まっている。 建物内。店の入り口に「GLOBAL HALAL HUB(グローバル ハラール ハブ)」と書かれた大きな看板。

テロップ: マイアウトレッツ

ナレーション: ムスリムの少ない国でも需要が生まれていく。 そこに目をつけたのが、こちらのスーパーマーケット「マイアウトレッツ」。

映像説明: 店内。 3段の商品棚に瓶詰めやプラスチックボトルに入った調味料がずらりと並ぶ。 下の段にはしょう油の大きなボトルが種類別に陳列されている。 別の棚には袋入りの乾燥パスタやうどん、そば、そうめん。

ナレーション: グローバル・ハラール・ハブを目指し、世界中から食品を集め、シンガポールを拠点に世界各地に輸出している。

映像説明: 常温棚の列の中に、ふた付きの冷蔵ケースが並んだコーナー。 ケースの上に棚が設けられ、缶詰やスパイスの瓶が整然と置かれている。 別の棚にはスパゲッティやペンネなど、さまざまな種類の袋入りパスタが並ぶ。 ナレーション: 日本にも去年、お店をオープン。 中国やヨーロッパなど、ムスリムの少ない国や地域に店を出してきた。

映像説明; ワイシャツにネクタイを締めた男性が店内でインタビューに答える。

テロップ: マイアウトレッツ ロニー・ファイザル・タン 社長

タン社長・英語: ニッチであることが、ハラール食品への需要を生む。 だからこそ、あえてイスラム教ではない国を選んでいる。

映像説明: タン社長が瓶詰めの調味料を手に取り、ラベルに印刷されたマークを指さして見せる。 菓子コーナーで、男性従業員から菓子箱を受け取り、すばやく積み上げる。 「SALE」の札(ふだ)のコーナーでも品出しを行い、パッケージをきれいに並べていく。

ナレーション: ホテルや飛行機の機内食など、不特定多数の人が利用する場所には必ず需要がある。 オリンピックを控える日本も、ムスリムへの対策が求められる国の1つだ。

映像説明: インタビューに答えるタン社長。

テロップ: マイアウトレッツ ロニー・ファイザル・タン 社長

タン社長・英語: すごい需要があるのは、旅行客が増えているからだ。最も重要なのは、国内の地方でもビジネスが発展することだ。経営者はこのチャンスを認識しているが、調達が課題だ。

映像説明: 食品見本市の会場。 パーティションに「蒟蒻(こんにゃく)習慣」の文字と、ブドウや桃の写真がある、こんにゃくゼリーのポスターが貼られたブース。 たくさんの袋入りお菓子が置かれた棚を挟んで、スタッフと来場者が話をしている。 ブース前では、資料を手にした来場者の声に男性スタッフが耳を傾ける。 大きな袋にたくさん詰まった、ひとくちサイズのミルクチョコレートやピーナッツチョコレート。 パッケージの隅に、地球儀に似たハラール認証のロゴマークと認証番号が「C4325」とプリントされている。

テロップ: 日幸(にっこう)製菓

ナレーション: そのシンガポールでハラール食品を製造する企業がある。 見本市にも参加したチョコレートメーカーの日幸(にっこう)製菓。

映像説明: 棚に並んだチョコレートの前で、眼鏡をかけて、ポロシャツ姿の男性と来場者が話し込む。

ナレーション: シンガポールでハラール市場の開拓に取り組む。その理由について可児社長は…。

映像説明: 会場でインタビューに答える眼鏡をかけて、ポロシャツ姿の可児社長。

テロップ: 日幸(にっこう)製菓 可児 直往(かに なおゆき) 社長

可児社長: シンガポールは1つの団体しかなかったので、(ハラール認証を)取りやすいっていうのがありました。

映像説明: ブース前に並んだお菓子の横で接客する白いワイシャツ姿の可児社長。 半袖シャツの男性と真剣な表情で言葉を交わす。 携帯で話す可児社長。 テーブルでペンを走らせる。

ナレーション: シンガポールはハラールの認証機関を国が管轄しており、1つに絞り込んでいる。さらにハラールに対して需要の高いマレーシアや中東地域とも相互認証の協定を結んでいる。ハブ機能を生かし、輸出が容易だ。

映像説明: 真っすぐに伸びる通りの両側に低層の建物が並ぶ。 門の奥に、円筒形に張り出した部分がある建物。 工場内で作業をする衛生服姿の従業員。 茶色いプラスチック容器に入ったチョコレートをはかりで計量する。 容器には10粒ほどのチョコレート。 従業員がはかりから容器を下ろし、次の容器をはかりに載せる。

ナレーション: そのチョコレート工場。シンガポールの認証を取るため、原料の調達から保管まで厳格にルールを守ってきた。しかし、ほかの国と基準を合わせる必要があり、年々、厳しさが増しているという。

映像説明: 工場内でインタビューに答える衛生服を着て眼鏡をかけた男性。

テロップ: NK‐Lassic(エヌケー・ラシック) 大川 重光 現地責任者

大川さん: 正直言いまして、年々、シンガポールの基準も厳しくなってきております。

映像説明: 製造ラインに向かって座り、作業をする従業員たち。 積み上げられた茶色いプラスチック容器を1つずつ、等間隔でベルトコンベアに載せ、流していく。 容器が流れてきたタイミングで、機械からチョコレートが落ちてくる。

ナレーション: それでも、シンガポールのハブ機能を生かし、多くの人に安心して食べられるチョコレートを届けたいと話す。

映像説明: 白いワイシャツ姿の可児社長が、屋外でインタビューに答える。

テロップ: 日幸(にっこう)製菓 可児直往(かに なおゆき) 社長

可児社長: 日本人はやっぱり、知らないですから。そういった、食事に制限があるという方たちがいらっしゃるというところの感覚がやっぱり薄いので。われわれは大企業じゃないので、中小企業としてニッチの部分で人々が困っていること、食べられない物をなんとか自分たちのできる範囲で作っていくことが大事かなと思ってます。

映像説明: スタジオ。

宮瀬キャスター: 日本でもオリンピックに向けて、イスラム教徒へのおもてなしが求められています。 一方、世界に目を向けると、イスラム教徒が少ない国でも、そうした対応が進められていました。 日本国内でのインバウンドへの取り組みは、海外でも生かせるのではないでしょうか。

映像説明: 宮瀬キャスターが笑顔でお辞儀する。

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