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日本の自動化技術を世界へ ‐IoTの標準化でドイツと組む‐

2017年09月27日

日本が世界に誇る産業用ロボットは、IoTの活用により、今や工場だけでなく医療、建設、サービス分野などに活躍の場が広がっている。また、自動車産業では、IoTが自動運転を実現しようとしている。日本が得意とするこれらの自動化技術を、競争優位を保ちながら世界に広めるにはどうすればいいのか? 答えの一つが「標準化」だ。同じ課題を抱えるドイツと連携してIoTの標準化に取り組む日本企業を追うとともに、ドイツの推進機関であるフラウンホーファー研究所にその意義を聞いた。

(9分30秒)

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テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル 世界の様々な都市の映像が続き、やがていくつもの道のようになり、 立ち並ぶビルのイメージの間(あいだ)を通り抜け、地球に続く。 日本列島が輝き、光を放つ。 「世界は今ジェトログローバルアイ」

映像説明: スタジオ。木目調のテーブルに女性キャスターが座っている。ローズレッドのワンピース姿。

テロップ: 馬場 典子

馬場キャスター: 世界は今、ジェトログローバルアイ。 車の自動運転や、ロボットを使った無人の工場など、日本には最先端の自動化技術があります。 これらを世界に売り出すために必要なのが今回のテーマ、技術の国際標準化です。 ドイツと組んで、IoT(あいおーてぃー)の標準化を押し進める日本企業を追いました。

タイトル: 日本の自動化技術を世界へ ‐IoT(あいおーてぃー)の標準化でドイツと組む‐

場面1:ハノーバー宣言

映像説明: 古めかしい城のような建物の前に、CeBIT(せびっと)の旗が並ぶ。その中に日の丸と桜のロゴマークがあしらわれた日本の旗もある。

テロップ: ドイツ ハノーバー

ナレーション: ドイツ ハノーバーで開かれたCeBIT(せびっと)。

映像説明: 会場内。高さ3メートルほどある人型変形ロボットの周りにビジネスマンが集まる。 ジャパンパビリオンのブースでは外国人女性が自動車の運転席のモデルに座り、先進運転システムを体験中。

テロップ: 3月20日~24日 CeBIT(せびっと) 2017

ナレーション: ロボットや機械など、あらゆるものをインターネットでつなぐIoT(あいおーてぃー)技術が注目された。

映像説明: 運転席に座る女性の前に3個のモニターがあり、左右には道路、中央にはメーターが表示されている。ハンドル脇には、手の動きで操作できる液晶パネル。中央のモニターが切り変わり、運転席に座る女性の顔が写る。

ブースの女性スタッフ・英語 フロントのカメラを見てください。車があなたをドライバーだと認識しています。

映像説明: アームロボットがケトルを持ち上げ、コーヒー粉の上から湯を注ぐ。 別のブースではヘッドセットを装着した男性がバーチャル・リアリティー技術を体験している。

テロップ: 日本はパートナー・カントリー 118の企業・団体が出展

ナレーション: 今年の主役はパートナー・カントリーの日本。過去最大の118の企業や団体が出展した。

映像説明: ロボットがアームを動かし、スマートフォンの液晶画面に、きれいに保護フィルムを貼り付ける。

テロップ: IoT(あいおーてぃー)の標準化 IoT(あいおーてぃー)の技術仕様や部品の国際規格を定める

ナレーション: 産業用ロボットなどが強い日本は、IoT(あいおーてぃー)の技術や部品などの国際規格を定める標準化を進めることで、市場を拡大しようとしている。

映像説明: ホールに集まった数百人の人々。最前列に安倍首相と、ドイツのメルケル首相が並んで座る。

テロップ: ハノーバー宣言 IoT(あいおーてぃー)標準化などの日独協力の枠組み

ナレーション: 政府はドイツと連携して、IoT(あいおーてぃー)の標準化などを目指すハノーバー宣言を発表した。

映像説明: ステージで話す安倍首相。スピーチの途中、客席から拍手が送られる。

テロップ: 安倍 晋三(あべ しんぞう) 首相

安倍首相: どうしてか? それはドイツ人も日本人も、ものをつくることに誇りを託し、無上の喜びを感じる人間たちだからです。会場の皆さんにも強く、ご賛同いただけるのではないでしょうか。

映像説明: 安倍首相らが、ブースのモニター前でスタッフの話に耳を傾ける。

ナレーション: このハノーバー宣言の第1号として注目されたのが、車の自動運転の実現に欠かせないダイナミックマップだ。

映像説明: ダイナミックマップのデモ映像。3次元地図に重なるように数種類のラインが表示され、車の走行に合わせて変化していく。画面左下の枠内には、実際の道路の映像が写っている。(映像提供 ダイナミックマップ基盤)

テロップ: ダイナミックマップ

ナレーション: 〝三菱電機〟と自動車メーカーなどが共同開発した3次元地図である。

映像説明: 雪道(ゆきみち)での自動運転の実験映像。上空、運転席、ゴール位置からのモニタリング映像。雪で覆われた路面には障害物に見立てたコーンが並ぶ。車は接触することなく、すいすいと走っていく。(映像提供 三菱電機)

テロップ: 誤差数センチの高精度3次元地図データ

ナレーション: 道路や標識を、誤差数センチの精度で記録するので、センターラインの見えない雪道(ゆきみち)でも自動運転が可能になる。

映像説明: 壇上でスーツの男性らが並ぶ写真。そのなかのひとりが壇上で合意書を掲げる。 (映像提供 ダイナミックマップ基盤)

テロップ: ドイツのHERE(アルファベット大文字で H E R E)と標準化で合意

ナレーション: 日本のグループは、ドイツの〝BMW〟〝アウディ〟などが持つ地図会社のHERE(アルファベット大文字で H E R E)と、ダイナミックマップの標準化で合意した。

映像説明: 黒い画面に数種類のラインが表示されている。ダイナミックマップで使用されるベクトルデータと呼ばれる情報で、道路上(どうろじょう)の路肩縁(ろかたふち)、区画線、レーン中心線の位置だけでなく、標識の有無も分かる。

テロップ: ベクトルデータ

ナレーション: センターラインや標識の位置をダイナミックマップに認識させる方法を、日本とドイツで統一すると開発者は言う。

映像説明: 会場でインタビューに答える、スーツに赤いネクタイの男性。

テロップ: 三菱電機 岡村 将光(おかむら まさみつ)常務執行役

岡村常務執行役: 先ほど標識があったとき、標識の真ん中を基準にするのか、左下を基準にするのか、そういうところを決めておかないと、日本の車メーカーさんが、HERE(アルファベット大文字でH E R E)の地図を買ったときと、われわれの地図を買ったときで基準が違ってますと非常に困るということで、インターフェイスを合わせていこうという協議をやっていこうというのが、1つあります。

映像説明: ベクトルデータの映像。立体交差では道路の重なりに合わせて、ベクトルデータも重なって表示される。(映像提供 ダイナミックマップ基盤)

映像説明: 自動運転の実験映像。高精度位置制御技術を利用することで、車1台がやっと通れるほどのカーブでもハンドルがひとりでに回り、左右のポールにぶつかることなくスムーズに走り抜ける。(映像提供 三菱電機)

テロップ: 共通の規格を定めることで 日本とEU(いーゆー)の市場をひとつにする

テロップ: 高精度位置制御技術

ナレーション: 共通の規格を定めることで、日本とドイツ、そしてEU(いーゆー)の市場がひとつになるのだ。

映像説明: CeBIT(せびっと)のブース内に用意されたイベントスペース。ビジネスマンらが男性講師の話を聞く。モニターにはドイツの研究者、ヨーゼフ・フォン・フラウンホーファーの肖像画と功績が表示されている。 演壇に立つ女性講師。20名近くが熱心に耳を傾ける。

テロップ: 製造業向けIoT(あいおーてぃー)の標準化に関するセミナー 主催:フラウンホーファー研究所 IESE(あいいーえすいー)

ナレーション: 日独連携の動きはこれだけではない。 こちらは、ドイツの〝フラウンホーファー研究所〟が主催するIoT(あいおーてぃー)の標準化がテーマのセミナー。 参加者は、なんとすべて日本人。

映像説明: 背の高い大きな眼鏡の外国人男性が、スーツの日本人男性と握手を交わす。

テロップ: ジェトロ本部(東京)

テロップ: 日独連携のキープレーヤー フラウンホーファー研究所 IOSB-INA(あいおーえすびー・あいえぬえー) カーステン・ロッカー博士

ナレーション: フラウンホーファー研究所は、欧州最大の応用研究機関。現在、日本の企業や大学とさまざまな標準化を進めている。担当者のカーステン・ロッカー博士に話を聞いた。

映像説明: オフィスの一角で、ジェトロの荏原 昌(えばら まさし)さんがロッカー博士に話を聞く。

ジェトロ・荏原・英語: 標準化において日本に何を期待しているか?

ロッカー博士・英語: 日本も標準化に大変積極的でロボット技術や精密機器でイニシアティブを取っている。 産業構造をみたとき、日本とドイツは非常に似ている。グローバルな市場において、日独は多くの分野でライバル関係にあると同時に連携している。すでに自動車産業では、日独は連携しており、例えば日本企業が、ドイツ車のコア部品のサプライヤーになっている。

映像説明: スタジオの馬場キャスターの隣に、ネイビーのスーツの男性。

テロップ: ジェトロ ものづくり産業課 課長 荏原 昌(えばら まさし)

馬場キャスター: スタジオには、インタビューしたジェトロものづくり産業課の荏原 昌(えばら まさし)さんに来ていただきました。荏原さん、よろしくお願いいたします。

荏原(ジェトロ ものづくり産業課 課長): よろしくお願いいたします。

馬場キャスター: あらためて、なぜ日本がIoT(あいおーてぃー)の標準化を組む相手がドイツなのでしょうか。

テロップ: 米独IoT(あいおーてぃー)の比較 アメリカ 医療やサービスなど幅広い産業 ドイツ 自動化技術で製造業を進化

荏原: はい。IoT(あいおーてぃー)は、これまで実現不可能と思われていたことを可能にする画期的な技術です。さまざまな産業を高度化していくことができます。大きく分けて、サービス、医療、行政といった幅広い産業を対象とするアメリカ型と、〝インダストリー4.0〟と呼ばれる製造業に強いドイツ型の2つがあります。

テロップ: 日独連携でIoT(あいおーてぃー)を標準化 →製造業の輸出を促進

荏原: 日本は製造業が強いので、ドイツと組んで国際標準化することで、世界中、どの国へも日本の優れた技術を輸出しやすくなると言えます。

馬場キャスター: 番組では以前、IoT(あいおーてぃー)に取り組む中小企業をご紹介しましたが、中小企業にとっての標準化は、どんな動きがあるんでしょうか。

荏原: はい。今回は世界シェアナンバーワンのバルブメーカーのIoT(あいおーてぃー)標準化への取り組みを追いました。

場面2:フジキン(バルブメーカー)

映像説明: 大勢の来場者が行き交う会場の一角に、フジキンのブースがある。さまざまな商品サンプルが展示されている。

テロップ: フジキン バルブメーカー

ナレーション: CeBIT(せびっと)の会場でハノーバー宣言の反応を取材したところ、まさに渡りに船だという日本企業がいた。バルブメーカーの〝フジキン〟である。

映像説明: ワイシャツの上に作業着を来た日本人男性が、来場者に説明している。

テロップ: フジキン CSマーケティング部 米華 克典(こめはな かつのり)部長

ナレーション: 標準化が、長年の課題を解決するかもしれないと米華(こめはな)部長は言う。

映像説明: ブースでインタビューに答える米華(こめはな)部長。

米華(こめはな)部長: 我々の宿題が1つクリアになったと、ほっとしております。

映像説明: ブースに、バルブと制御機器がひと続きになった装置が展示されている。 事業所内。クリーンルームで従業員がモニターをチェックする。 別の部屋。機械に接続されたバルブシステムがずらりと並び、従業員が1人でモニターを監視している。 さらに別の部屋では、多くのバルブが並んだ複雑な装置を前に、従業員が作業をしている。 ケーブルで接続されたバルブの上に液晶画面があり、数字と温度が表示されている。

テロップ: 半導体製造装置 ロケットエンジン

テロップ: 通信に“宿題”がある

ナレーション: フジキンは半導体の製造装置やロケットエンジンなどに使われる高機能なバルブで、世界シェア1位を誇る。フジキンのバルブには、通信機能があり、気体の温度、圧力、開閉回数などをリアルタイムに伝えることができる。この通信機能に彼らが言う宿題がある。

映像説明: ブースで米華(こめはな)部長が制御装置のカタログを見せる。

米華(こめはな)部長: で、こちらが、その製品のラインアップになるのですが、アナログ通信、デジタル通信、合計7種類の通信の仕様(プロトコル)がございます。 ハノーバー宣言によって、この通信のプロトコルが1つに統一されるということに期待しております。

映像説明: カタログに掲載されたとある製品の場合、7つの通信方式に対応している。 米華(こめはな)部長が、通信ケーブルの接続されたバルブを見せる。

テロップ: 7つの通信仕様(プロトコル)

ナレーション: 7つの通信仕様ごとに、電子基板とソフトウェアを差し替えなくてはいけない。ハノーバー宣言の実現により、このコストが不要になるのがフジキンの願いだ。

映像説明: インタビューに答える米華(こめはな)部長。

米華(こめはな)部長: はい、えー、そう感じてはおりますが…、本音言っていいですか? やはりアメリカの存在が大きいと、私は考えております。ドイツと日本に対して、アメリカといかに協調していくかが、このハノーバー宣言の成功のカギではないかなと、うすうす感じております。

映像説明: オフィスで話をするロッカー博士と荏原さん。

テロップ: IoT(あいおーてぃー)の標準化 独米の推進組織は連携合意

ナレーション: 実はアメリカとの標準化も同時に進めていると、ロッカー博士は言う。

ロッカー博士・英語: 欧州、日本、米国は標準化で、最も(先行者)利益が得られるだろう。 今後アジアにおいて中国市場が日欧米の企業にとって有望になるだろう。

映像説明: 並木道沿いに立つ、低層の大きな建物。

テロップ: 茨城県 つくば市 フジキン 万博記念つくば先端事業所

ナレーション: CeBIT(せびっと)から3ヵ月。つくば市にあるフジキンの工場を訪ねると。

映像説明: 米華(こめはな)部長が会議室の床に膝をつき、試作中のバルブをチェックしている。 バルブから伸びたケーブル。そばに置かれたパソコンには、バルブの開閉回数、温度、圧力などが表示されている。

テロップ: インターネットに直接つながるバルブ

ナレーション: 米華(こめはな)部長が新しいバルブを開発していた。インターネットに直接つながるバルブである。7つの通信仕様の問題はすぐには解消しないが、これで世界中の工場で使えるようになる。またビッグデータの活用も目的だという。

映像説明: オフィスでインタビューに応える米華(こめはな)部長。 開発中のバルブと、その動作状況を示すパソコン画面。3つつながったバルブのうち、中央のものだけ赤いランプが点滅する。

米華(こめはな)部長: バルブ自体を進化させるために、そういったビッグデータを利用したいと。そのためにはまず、自分が(インターネットに)つながらないといけないであろうと。で、さらに良いバルブを、製品を作ると…。ビジネスチャンスであり、危機感も持った、まあそれを奮い立たせて次のビジネスを生み出すのがわれわれの使命だと考えています。

映像説明: スタジオの馬場キャスターと荏原さん。

馬場キャスター: 荏原さん、バルブが直接インターネットにつながってしまうんですね。

テロップ: インターネットに直接つながる →IoT(あいおーてぃー)に対応する世界中の工場に売れる

荏原: そうなんです。フジキンさんはクライアントに合わせて7つの通信プロトコルを使い分けてきましたが、今後はインターネットと直接つながることで、IoT(あいおーてぃー)に対応する世界中の工場で利用される可能性が広がります。

馬場キャスター: 日本はロボットや精密機器が強い分野ですから、そういう意味では有利になりますか?

テロップ: 自動化技術の強みを 今後も磨き続ける必要がある

荏原: はい。IoT(あいおーてぃー)により、1つの工場で必要な分だけ自動で生産できるようになりつつあります。ただ、まだ道半(なか)ばです。今後も各メーカーは、自社が持つものづくりの強みを徹底的に磨いていくことが求められるでしょう。

馬場キャスター: 荏原さん、今日は、どうもありがとうございました。

荏原: ありがとうございました。

馬場キャスター: それでは、また次回をお楽しみに。

映像説明: 馬場キャスターがお辞儀をする。


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