シリーズ「IT大国イスラエル」 ‐サイバーセキュリティ技術で日本市場へ‐
2017年04月12日
「世界は今」のアクセシビリティ対応について
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イスラエルのITビジネスの可能性について紹介するシリーズの2回目。兵役でサイバーセキュリティなどの最新技術の開発に携わった優秀な人材がスタートアップ企業を立ち上げることの多い同国は、世界有数の“セキュリティ先進国”だ。一方、日本では、企業等へのサイバー攻撃が頻発するなか、また、オリンピック・パラリンピックの開催を3年後に控え、セキュリティ対策が重要なテーマとなっている。両国の間で始まった連携の取り組みを追った。
(9分31秒)
テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。
映像説明: ジェトログローバルアイ オープニングタイトル 世界の様々な都市の映像が続き、やがていくつもの道のようになり、 立ち並ぶビルのイメージの間(あいだ)を通り抜け、地球に続く。 日本列島が輝き、光を放つ。 「世界は今 ジェトログローバルアイ」
映像説明: スタジオ。木目調のテーブルにキャスターが座っている。水色のワンピース姿。
テロップ: 馬場 典子
馬場キャスター: 世界は今、ジェトロ グローバル アイ。 シリーズ「IT大国イスラエル」。今回は、サイバーセキュリティを取り上げます。 1回目の放送で“スタートアップの聖地”としてご紹介したイスラエルは、サイバーセキュリティの先進国でもあります。 一方、日本は、2020年東京オリンピック、パラリンピック競技大会を控え、 サイバー攻撃への対策が大きな課題となっています。両国の間で始まった連携の取り組みを追いました。
タイトル: シリーズ「IT大国イスラエル」 -サイバーセキュリティ技術で日本市場へ-
場面1:イスラエル
映像説明: イスラエル。穏やかな海。美しく整地された岸辺。防風林の向こうに高層ビルが立ち並ぶ都市が広がっている。 四角の枠内に地図のイラスト。イスラエルはエジプトとヨルダンの間に位置している。
ナレーション: 人口およそ860万人。 日本の四国ほどの面積の国、イスラエル。
映像説明: 店の軒先。白地に2本の青い帯、真ん中に六芒星がデザインされたイスラエル国旗が風に揺れる。
ナレーション: 政府の手厚い振興策などもあり、年間およそ1,000社ものスタートアップ企業が誕生。
テロップ: 事業化資金の85%を政府が援助
映像説明: 片側4車線のハイウェイに沢山の車が走っている。ハイウェイと並走する線路に赤い列車。
映像説明: ビルの開発が進む工事現場。
テロップ: 年間約1,000社のスタートアップ企業が誕生
ナレーション: 世界有数の“スタートアップの聖地”として知られている。
映像説明: 青空にむかってそびえたつオフィスビル。大通りを行く人や車。
テロップ: スタートアップの聖地
ナレーション: 中でも、世界から注目されているのが、サイバーセキュリティ企業だ。
映像説明: 真剣な表情の男性社員2名。 パソコンの画面いっぱいにプログラミング言語が表示されている。
テロップ: サイバーセキュリティ企業
映像説明: 軍服姿の若者たちがプレゼンに耳を傾けている。
テロップ: 兵役中の若者
ナレーション: 高校卒業後の兵役で、サイバーセキュリティなどの開発に携わった優秀な人材が、 退役後に、軍で学んだ最新技術を武器に、スタートアップ企業を立ち上げるケースが多いのだ。
映像説明: 男性社員がパソコンに向かい、プログラミングしている。
映像説明: セキュリティ技術のイベント会場。企業ブースがいくつも並び、たくさんの人が商談を進めている。
ナレーション: そうしたイスラエル企業が注目しているのが、日本。 『2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会』の開催が3年後に迫る中、 電力やガス、鉄道、決済システムなどの重要インフラへのセキュリティ対策が急務だ。
テロップ: 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会 重要インフラへのセキュリティ対策が急務
ナレーション: そこでイスラエル企業が大きな役割を果たすのだと、経済産業省の担当者は話す。
映像説明: 短髪に黒いスーツのすらりとした日本人男性。
テロップ: 経済産業省 サイバーセキュリティ課 金津 直人さん
金津さん: 世界最高水準のノウハウを持つイスラエル企業が、日本に入ってきて貢献していくというのは、 お互いに有意義な協力になると思います。
場面2:サイバーリーズン
テロップ:東京都 港区
映像説明: 夕暮れ時、巨大なビルに明かりが点々とついている。
ナレーション: 昨年1月に日本に進出した、「サイバーリーズン」。
テロップ: 2016年1月設立 サイバーリーズン・ジャパン Cybereason Japan
ナレーション: サイバーセキュリティを専門とするイスラエル軍のエリート部隊の出身者が設立した開発企業だ。
映像説明: シンプルなオフィス。社員たちがパソコン作業を行っている。
テロップ: イスラエル軍のエリート部隊の出身者が設立
ナレーション: AI、人工知能技術で、サイバー攻撃をリアルタイムに検知。
映像説明: パソコン画面「ディスカバリーボード_概要」。 アクティビティ別、ステータス別、時間別、種類別malopの検索結果が表示されている。
テロップ: AI(人工知能)技術でサイバー攻撃をリアルタイムに検知
ナレーション: 軍出身者ならではの攻撃者目線で開発されたシステムは、
映像説明: 「種類別Malop」の画面。 「既知のマルウェア数34、未知のマルウェア数62、インジェクトされたプロセス11、被害にあったユーザー1」と表示。
テロップ: 軍出身者ならではの攻撃者目線で開発
ナレーション: 誤検知の確率が低く、不必要な混乱を避けられると、ユーザー企業から高く評価されている。
映像説明: 「未知のマルウェア」の画面。
テロップ: 誤検知の確率が低く 不必要な混乱を避けられる ⇒ユーザー企業から高い評価
ナレーション: 同社のCEOは、日本のセキュリティ対策の現状について…。
映像説明: 社員と肩を並べて座り、執務を行っている外国人男性。
テロップ: サイバーリーズン・ジャパン シャイ・ホロヴィッツ CEO
ホロヴィッツCEO・英語: 日本企業は (米国企業などと比べ)サイバー攻撃を防ぐ体制が5年から10年遅れている。 当社は、このようなギャップを埋める手助けをしたいと考えており 、 自社の人工知能技術やイスラエルが持つ専門的知識を使って、 日本企業や日本政府へのトレーニングの場を設けていきたい。
映像説明: サイバーリーズン・ジャパンのオフィス。パソコンに向かう社員たちとホロヴィッツCEO。
ナレーション: 実は、この企業、あの「ソフトバンク」との合弁会社だ。
テロップ: ソフトバンクとの合弁会社
ナレーション: 「ソフトバンク」の担当者は、合弁会社の設立を決めた理由について…。
映像説明: スーツに白いワイシャツの男性。
テロップ: ソフトバンク サイバーセキュリティ事業推進部 末松 卓 課長代行
末松 課長代行: 日本のお客様が経験したことがないような攻撃者目線を持った製品、というのを日本のお客様に提供すれば、 そこに非常に大きなビジネスチャンスがあるのではないかと。
場面3:大日本印刷
映像説明: パソコンに向かう男性。
ナレーション: そのほかにも、イスラエル企業が開発したセキュリティ製品やサービスを 日本に紹介しようとする企業が出て来ている。
テロップ: 東京都 品川区
ナレーション: 印刷業界大手の、「大日本印刷」。
映像説明: 街路樹の向こうに、真っ白な高層ビル。先端にDai Nippon Printingの略「DNP」のロゴマーク。
テロップ: 大日本印刷
ナレーション: 金融機関向けのICチップの開発などで、セキュリティ技術を蓄積してきた。
映像説明: ICチップが埋め込まれたクレジットカード。
テロップ: 金融機関向けのICチップの開発などで セキュリティ技術を蓄積
ナレーション: 公的機関や企業を狙った標的型攻撃が日本でも頻発する中、セキュリティ対策の技術者は慢性的に不足。 人材の育成が急務となっている。
映像説明: スクリーンに映した資料の説明をする講師。 様々な年齢の受講者がパソコンに向かう。
テロップ: サイバー攻撃対策の演習コース(模擬)
ナレーション: そこで、「大日本印刷」は、おととし9月から、日本で、 イスラエルの軍需企業が開発した、養成システムの販売を始めた。
映像説明: スクリーンに映した資料「攻撃探知と軽減のゴール」。 「1.SIM:マルウェア感染の警告」から 「11.アンチウィルスがインストールされて動作している/エージェントが展開されていることの確認」までを 順を追って説明した図。
テロップ: イスラエルの軍需企業が開発した養成システム
ナレーション: 「ホワイトハッカー」と呼ばれ、ネットワークなどに関する高度な知識や技術を セキュリティ対策製品の開発などで生かす技術者が参加。リアルな攻撃が再現されている。
映像説明: 講師が受講者のパソコン画面を見ながら指導している。 受講者同士も相談し合っている。
テロップ: ホワイトハッカー ネットワークなどに関する高度な知識や技術を製品開発などで生かす技術者
ナレーター: 繰り返しトレーニングを行うことで、未知の攻撃にも対応できるスキルが身につくのが売りだ。
テロップ: 企業側のPC画面 標的型メールを開くと不正プログラムが作動 ⇒遠隔操作での攻撃が始まる
映像説明: パソコン画面。メールの文中にあるリンク先をクリックする。 と同時に、不正プログラムが作動。ハッカーによる遠隔操作での攻撃が始まる。
テロップ: ハッカー側のPC画面 サーバーなどのターゲットを定めて攻撃する
映像説明: アラビア語の警告。「yes」をクリックすると、ターゲット候補が表示される。 「Remote Procedure Call」を右クリックし、「stop」を選択する。
ナレーション: 「大日本印刷」の幹部は、製品のローカライズに関して、特にストレスなどは感じなかったと語る。
映像説明: スーツの幹部の男性。
テロップ: 大日本印刷 村本 守弘 常務執行役員
村本 常務執行役員: 一度決めた仕様を柔軟に変更するとかといったことは海外の場合なかなか交渉がハードなんですけども、 意外とこのイスラエル企業の場合は 我々から要求したことに対しては 柔軟に受け入れるという文化・風土を持っているんだなというのを実感はしました。
テロップ: テルアビブ
ナレーション: 今年1月、イスラエルのテルアビブで、 セキュリティ技術に関する国際会議と見本市、「サイバーテック2017」が開かれた。
映像説明: 現代的な建築物の会場。6つに区切られたエントランスの上に「WELCOME CYBERTECH 2017」の垂れ幕。 人々が中に入っていく。
テロップ: 1月30日~2月1日 サイバーテック2017
テロップ: イスラエル ベンヤミン・ネタニヤフ 首相
映像説明: 首相がステージでスピーチをしている。
ナレーション: ネタニヤフ首相肝煎りのこの見本市には、日本やアメリカなどから、およそ1万人が来場した。
映像説明: 青を基調とした落ち着いた明かりの会場。 「CYBERBIT」「Hewlett packard Enterprise」などのブース。大勢の来場者たちが行き交う。
テロップ: 約1万人が来場
ナレーション: 政府間でも、両国の企業進出の環境が整いつつある。 昨年6月、日本政府は、国内のセキュリティ強化を目的に、 イスラエル政府と、技術協力に向けた覚書の締結方針を発表。 また、今年2月には、多分野にわたる投資協定に署名。そこには、情報通信も含まれている。
映像説明: テーブルが通路を挟んでたくさん並べられている。 来場者はディスプレイを見たり、操作しながら説明を受ける。
テロップ: 日本政府 2016年6月 技術協力に向けた覚書の締結方針を発表 2017年2月 投資協定に署名
ナレーション: 両国の連携の意義について、現地に駐在する日本大使は…。
映像説明: スーツに白いワイシャツの男性。
テロップ: 在イスラエル日本国大使館 冨田 浩司 特命全権大使
冨田特命全権大使: この問題(サイバー攻撃)っていうのは国境を越えた問題ですから、 イスラエルみたいな先進国と、政策面での対話を含めてですね、 協力していくということがやはり今後求められることではないでしょうか。
ナレーション: ジェトロは、会場内に「ジャパン・パビリオン」を設置。
映像説明: 展示ブース。壁に桜のモチーフがあしらわれた「INVEST JAPAN」のロゴマーク。
テロップ: ジャパン・パビリオン 主催:ジェトロ
ナレーション: 日本市場に関心を持つイスラエル企業に対し、 日本でのビジネスチャンスや、連携に前向きな日本企業の取り組みをアピールした。
映像説明: ほぼ満席の来場者に向けプレゼンが行われている。 終了後、拍手が起こる。
ナレーション: その「ジャパン・パビリオン」で、新たなパートナー候補の開拓を積極的に行っていたのが、あの「大日本印刷」。
テロップ: 大日本印刷の担当者
映像説明: 担当者の日本人が二人、パートナー候補たちとテーブルにつく。
ナレーション: 第2、第3の矢となるような技術やサービスを求めて 商談を重ねていた。
映像説明: 別の商談。大日本印刷の担当者たちと何度も頷くブラウンヘアの外国人女性。
商談相手女性・英語: どのような形でもパートナーシップを築いていけたらうれしい。
映像説明: スーツ姿の眼鏡の男性。
テロップ: 大日本印刷 セキュリティ事業開発部 浜野 智恒 部長
浜野部長: (イスラエル企業には)米国の西海岸を超えるようなポテンシャルもあるかなと思っていますので、 そういった会社さんと今後もいろいろと関係性を築いていきたいなぁという風に思っています。
テロップ: アブネット AVNET
映像説明: 大きな道路沿いに、緑色のガラス張りの建物。
ナレーション: そして、商談の合間を縫って訪れたのが…、世界トップクラスの、開発企業。
映像説明: 浜野部長たちがアブネット社に入っていく。 個室で関係者たちと話し合う。
ナレーション: イスラエル空軍をはじめ、グーグルやフェイスブックなどの世界的IT企業のセキュリティ強化に貢献し、 一目置かれている存在だ。
映像説明: 壁に額装された感謝状が整然と飾られている。グーグルから送られたものもある。
テロップ: 世界的IT企業からの感謝状
ナレーション: そんな有力な企業と新たな関係を構築できつつあるという。
映像説明: プログラミング作業を行う若い男性社員たち。
映像説明: アジア系の男性。
テロップ: 大日本印刷 セキュリティ市場開拓部 アグナニ・サンジェ 部長
アグナニ部長・日本語: 彼らの例えばパートナーになって、 我々がコンサル業務も日本でこう提供するっていうように検討しましたのでっていうことを、まあ一応決めました。
ナレーション: 商談や視察などを通して、イスラエル企業のポテンシャルを改めて実感したと話す、「大日本印刷」の担当者。 その能力は、サイバーセキュリティ以外の分野でも発揮されると見ている。
映像説明: 「サイバーテック2017」。大日本印刷の担当者たちが企業ブースを回っている。 ジャパン・パビリオンの前に立つ浜野部長。
浜野部長(大日本印刷 セキュリティ事業開発部): 自動車分野とかですね、あとはロボット分野、AI分野、今後さらに先は宇宙、航空宇宙ですかね、 ロケット開発とかですね、そういった分野でも彼らの新しい考え方とかチャレンジ精神とか そういったものがどんどん花開いていくんじゃないかという風には感じましたですね。
スタジオの馬場キャスター: 両国の企業による連携はまだ始まったばかりということですが、これから互いに信頼関係を深めていくことで、 このIT分野に限らず、さまざまな分野でビジネスが広がっていくといいですね。 それでは、また次回をお楽しみに。
次の番組も併せてご覧ください:
- シリーズ「IT大国イスラエル」 ‐国家戦略で“スタートアップの聖地”に‐(2017年03月01日)
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