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第4章 ビジネス・流通事情

4.1 廃棄物処理・再資源化ビジネスの現状

日本の産業廃棄物の排出量は20年以上横ばいで、再生利用率も概ね2004年以降52%前後で横ばいである。他方、家庭やオフィスからの一般廃棄物の排出量は2000年をピークに減少傾向にあり、直接資源化を含む再資源化率は19〜20%程度で推移している。

このような状況下、廃棄物の処理装置及び再資源化装置の主なユーザーである、廃棄物処理業、排出事業者、地方公共団体(ごみ処理施設の管理を所管)の現状をみてみたい。

(1)廃棄物処理業

日本の廃棄物処理業(産業廃棄物処理業+一般廃棄物処理業)の事業所数は1999年12,457件、2009年23,045件で、この10年間に85.0%増加している。ただし、一般社団法人資源循環ネットワークの林 孝昌理事によれば、「今や、排出事業者から収集した物品から再生資源を最大限まで抽出した上で、その品質を高めて販売することにこそ、廃棄物処理事業にとっての成功の可否が委ねられている。すなわち、廃棄物処理業全体が再生資源の取扱いにより、素材製造業としての顔を持つリサイクルビジネスに転換している。」と指摘している。

これを関連装置産業との関係でみると、廃棄物の発生場所での収集から、再資源化処理までの一連の工程で、廃棄物の素材化に貢献できる機械・設備・技術等が求められているといえる。

廃棄物処理業の事業所数を従業員規模別でみると、1999年には5人未満、5〜10人未満がともに4,800件程度で、総事業所数の56.3%を占める。2009年には、5人未満が10,275件(1999年比2.1倍)、5〜10人未満が8,501件(同1.8倍)で、総事業所数の59.4%に高まっている。従業員規模が小さい事業所ほど増加が大きいことから、必要とされる装置も中型、小型の装置にニーズが高いと推測される。

しかしながら、日本では2000年以降、各種のリサイクル法が施行され、社会的に廃棄物の収集システムが形成されるとともに、収集・運搬を中心にリサイクル市場も発達してきた。他方、廃棄物処理と再資源化関連の市場が限られた中で、既に処理対象の廃棄物が集まらず、事業を悪化させている企業もあり、廃棄物処理業者の乱立と淘汰の時代に入ったとみられる。

図4-1.廃棄物処理業の事業所数

廃棄物処理業の事業所数

出所:INDUST Vol.27,No.1,2012(全国産業廃棄物連合会)

図4-2. 廃棄物処理業の規模別事業所数

廃棄物処理業の規模別事業所数

出所:INDUST Vol.27,No.1,2012(全国産業廃棄物連合会)

(2)廃棄物の排出事業者

廃棄物を発生する側である排出事業者には、日本の3R政策のもと、自主的な廃棄物の削減・リサイクルが求められ、企業イメージを落とさないためにも、ゼロエミッションの達成が不可欠である。そのため、多くの排出事業者は工場内で発生する端材、オフスペック品、食品製造残さ等、外部に出せば産業廃棄物となってしまう不要物を有価物化、または再生原料化したいと考えている。

その解決には次の2つの選択肢がある。

  1. @ 自社内でその不要物の処理装置を設置して、有価物化・再生原料化する。
  2. A 不要物を買い取り、有価物化・再生原料化する廃棄物処理業者に引き渡す。

いずれの選択肢においても、特有の処理対象物に特化した再生処理技術が必要とされ、この種の専門特化した技術を有するのは日本の中小企業に多い。

(3)地方公共団体(ごみ処理施設の管理)

地方公共団体が管理する廃棄物処理施設には、焼却施設、粗大ごみ施設、保管施設等があり、いずれも処理規模は大きい。処理施設の調達先は、入札資格を持つプラントメーカー(大手企業)が対象となる。

日本国内では、各地で処理需要に対応した施設が既に設置されており、今後の新設需要は少なく、設備の延命のための改修工事、あるいは部分的リプレイスが主になっている。

次図はゴミ焼却プラントの設備構成の一例と設備基準を示したものである。プラントは基本的には燃焼室(燃焼設備)、燃焼ガス冷却設備、排ガス処理設備から成り、ダイオキシンやばいじんの排出を抑制するための基準が定められている。

図4-3.ごみ焼却プラントの構造基準と維持管理基準

ごみ焼却プラントの構造基準と維持管理基準

出所:「日本の廃棄物処理・リサイクル技術−持続可能な社会に向けて−」
(環境省 大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 企画課循環型社会推進室)

4.2 廃棄物処理・再資源化処理装置産業の受注形態

(1)装置の受発注の流れ

最終ユーザーから見た場合、処理装置類の調達の流れは1)プラントメーカーから調達するケースと、2)特定の装置をその装置メーカーから調達するケースの2つに大別される。

ケース1は、処理施設がプラントのように大規模で、最終ユーザー側では全体システムをまとめることが困難な場合である。最終ユーザーは、設計・施工・建設・試運転を一括してプラントメーカーに発注する。この時、プラントメーカーは自社技術を最大限に採用しながら、自社に無い、必要とされる周辺技術を装置メーカーから調達して、全体を取りまとめて最終ユーザーに納入する。地方公共団体におけるゴミ焼却プラントや汚泥処理プラントの調達はこのケースである。

ケース2は、特定ないし単一機能を備えた比較的単純な装置を調達する場合で、最終ユーザー側が自ら仕様を決定し、装置メーカーに直接発注する。

図4-4.処理装置の受発注の流れ

処理装置の受発注の流れ

装置メーカーには大企業もあれば中小企業もある。一般的には、ケース1のプラントメーカーに発注(調達)する場合は処理規模が大きく、システムを構成する各装置も大型となり、中小企業の参入は厳しい状況にある。ただし、ケース1の場合でも、物流コストの観点から、廃棄物の広域回収から外れた地域内での処理プラントでは、規模も小さく中小企業の参入の可能性はある。

一方、ケース2の装置メーカーから直接調達する場合、最終ユーザー側に次の事情ないし計画がある場合である。

  1. @ 処理事業者が、自社の持つ処理プラントに磁力選別機等を追加したい。
  2. A 排出事業者が、自社で発生する廃棄物を減容化するために、圧縮機や乾燥機等を導入したい。
  3. B 排出事業者が、自社の製造工程から出る端材を自社内で有価物化・再生原料化したい。

処理規模が比較的小さい場合、装置コスト面で中小メーカーが優位になる。特に、@のような処理事業者向け(規模が小さい)や、Bのような特定の排出物や機能に特化したニッチ分野は、中小メーカーに向いた市場とみられる。

(2)海外取引のビジネス形態

日本の国内取引では、ユーザーとなる処理事業者や排出企業との直接取引と、全体を取りまとめるプラントメーカー経由(間接取引)とがある。輸出取引の場合も、直接取引と間接取引に大別され、どのようなルートで商談が来るかによって、次表に示す様々なケースがある。

表4-1.海外取引のビジネス形態

海外取引のビジネス形態

大規模メーカーの場合、その資本力と人材を生かし、十分な海外調査のもと、自社の海外営業所(表4-1.b)や海外製造拠点(同e)を構えることが多い。中小規模のメーカーではこうした体制をとることは困難である。

中小メーカーを対象とする今回の取材調査によれば、現地日系企業(同f)、商社(同g)、国内エンジニアリング企業(同h)経由の商談が多かった。また、国内外の展示会やJETROなど公的機関が主催する海外との商談会をきっかけに、現地顧客から直接コンタクトを受ける場合(同a)もあった。

逆に、海外で日本の比較的単純な装置を調達する場合、最終ユーザーは自国で、日系メーカーの海外営業所や海外製造拠点(同b・e)、現地販売代理店(同c・d)、商社・貿易会社(同g)にコンタクトする方法が考えられる。近年では、海外向けに製品情報を紹介するウエブサイト(多くは英語)を持っている企業に対しては、海外ユーザーがインターネット経由でコンタクトすることも可能になってきた。

海外からのコンタクトには、最終ユーザーでは無く、処理装置を輸入販売するため、自らが現地販売代理店になることを希望するものもある。その際、現地企業への技術供与(同i)の形態をとることもある。

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