ジェトロ山形作成                       最終更新日:2007年12月17日 2007.12.17 ■○■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○■ ベンチャー・ビジネス最前線 - Venture Business Front Line - (115) ■┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ポーカー (戦略ゲーム) - Poker (1) 今夜12月13日、ボストンは大雪に見舞われています。筆者が毎日通うYMCAも平 日は22:00まで開いていますが、今夜は18:00に閉まってしまいました。この YMCAを通して最近、非常にユニークな26歳のAndover在住の青年(Christopher Zielin Page氏、以後「クリストファー」)に出会いました。 クリストファーは以前、米ブリザード・エンターテインメント(注1)でゲーム・ デザイナーとして勤務していました。そこで、リアルタイム戦略コンピューター ゲーム・スタークラフト - StarCraft, SC (注2) - の開発を手がけました。 SCはブリザード・エンターテインメントが1998年に発売したリアルタイムスト ラテジーコンピューターゲーム。日本では普及しませんでしたが、お隣の韓国 では高い知名度を得ました。2006年6月までに950万以上のコピーが売られまし た。 クリストファーは2年半前、SCと戦略的思考面で共通性の高いポーカーに興味 を持ち、オンラインで「勝負」する世界に挑戦し始めました。そして短期間で 世界トップ1%に入る座を占めるようになりました。クリストファーは哲学に深 い関心を持ち、秘めた闘争心を感じさせる落ち着いた性格の持ち主。自宅のコ ンピュータ画面二台(一台は「勝負」用もう一台は「解析」用)を週平均15時間、 同時に12-15のテーブルをこなしながら、2007年度は11月中旬までに20,000ドル の収益を得ています。この時間の他に、クリストファーは週平均最低10-15時間、 色々な戦略に関する勉強をしています。 日本では一般にポーカー・ゲームに対する理解と認識が浅いようですが、最近 「ラッキーユー」と題するポーカー世界大会に関する映画をご覧になった読者 がいるかもしれません。ポーカーは主に米国で浸透しているゲームで総合的な 戦術が要求されるゲームと言われています。ハーバード大学(ロースクール)法 学部には、Charles Nesson教授が設立した"Global Poker Strategic Thinking Societies (GPSTS)" - グローバル・ポーカー戦略思考研究会 (注3) - があり、 ポーカーを教材に取り入れた様々な講座・活動が行われています。GPSTSは本年 10月1日、ハーバード大学(ロースクール)法学部が正式に承認した団体となり、 Penn State, UCLA, USC, Stanford, Brown, Tufts, and Boston University等 の有名校も参加しています。将来は国際的な活動を繰り広げる計画があります (注4)。このモデルは一見に値すると筆者は感じます。 最後になりましたが、ストック・マーケット(株式市場)とポーカー・ゲームに 関する興味深い記事を2つ紹介します(注5)。 (注1) http://www.blizzard.com/  (注2) http://en.wikipedia.org/wiki/StarCraft (注3) http://gpsts.org/ (注4) http://www.pokerpages.com/poker-news/news/harvard-law-charters-first-student-poker-society-30018.htm (注5) http://www.capmag.com/article.asp?ID=4354 http://ezinearticles.com/?Poker-and-the-Stock-Market&id=55520 黒木嗣也・くろき つぐなり - Edward Kuroki - kuroki@validtechnology.com バリッド・テクノロジー・グループ 代表 - http://www.validtechnology.com 2007.11.15 ■○■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○■ ベンチャー・ビジネス最前線 - Venture Business Front Line - (114) ■┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 不動産市場 - Real Estate Market Fortune誌Editor-at-Large(注1)であるShawn Tully氏は、同誌2002年10月28日号 「次は不動産か・Is Real Estate Next?」と題する記事の中で、「米の住宅ブ ームが95年に始まって以来、住宅価格は51%上昇し、インフレ率を32ポイント 上回る。全米7,200万人の住宅所有者一人当たり、5万ドル資産が増えた計算に なる。一種のバブルか。、、、今や、家賃と住宅価格、所得と住宅価格の伸び 率の差が広がり、住宅価値の過剰評価が目立つ。住宅ブームも、ここまでか。」 と述べています(注2)。 そして5年後、Tully氏は同誌2007年11月12日号「HOW LOW CAN THEY GO? (一体 どこまで続くのか)」と題する不動産に関する特別レポート記事の中で、「... the worst real estate slump in decades ... (ここ数10年間で最悪の不動産 スランプ)」とまで指摘しています。当記事では、統計資料として「WHERE THE NATION'S HOUSEING MARKETS ARE HEADED (今後住宅市場はどちらへ向くか)」を 紹介して、「Home Price(住宅価格)」と「Rent(家賃価格)」の歴史的関係を説 明しています(注3)。 ちなみに筆者も、2003.07.15配信「ベンチャー・ビジネス最前線(41)」の中 で、「来年には米国東部の大都市(ボストン、ニューヨーク)を含めて不動産 バブルがはじけるとの予測が"Economist(エコノミスト)誌"を始めとした様 々な誌上に出ています。蓄えたアイデアと実力を試す良い機会のように思えま す。」と警告を発し、何件かのグローバル企業経営戦略改革に参加しました。 身近な例を挙げてみます。筆者の住むAndover(アンドーバー)町はボストン中 心地から北へ約24マイル(38km)、高速道路495号と93号が通り、ボストン市街 へは列車・バス等の交通手段もある便利な所です。このアンドーバーでも不動 産クラッシュの影響を受けています。例えば、友人A氏は1999年、85,000ドル で約56m2のコンド(日本で言う「マンション」)を購入しました。値段が上がる のを待って数年後に高値で売り、次の物件を購入する計画でした。 そして確 かに3-4年前には200,000 - 220,000ドルまで上がりました。A氏はもっと上昇 するのを期待していましたが、現在そのマンションは150,000ドル前後まで下 がってしまいました。56m2の大きさでその値段?と思われる読者もいると思い ますが、確かに最近値下がりしたとは言え、ボストン周辺の他の町を見ても不 動産は高価です。 2006.09.01配信「ベンチャー・ビジネス最前線(95) - オペラ − 自由と独 立のすばらしさ」の中で紹介した、URBAN REALTY GROUP(不動産会社)の代表 取締役・佐藤美保さんは、2007.08.30配信「不動産情報あれこれ」の中で、不 動産バブルの大きな原因となった"サプライムローン"について述べています (注4)。そして、「家の購入の値段に関しては、買う予定だったが1,2年借り て様子を見ましょうということで賃貸する人が増え、売買物件の需要は下がり、 値段も下がった。しかしその分、今年の賃貸シーズンは過去数年に比べ随分強 かった。」と現場の意見を出しています。 このような過酷な状況下で、大富豪として知られる不動産王「ドナルド・トラ ンプ(Donald John Trump)」を目指す不動産戦士がボストンにいます。Bentley Real Estate Group (www.bentleyregroup.com)並びにSharpBuyers.com(www. sharpbuyers.com)創設者のLeonard Nomura(レオナルド・ノムラ)氏とRobert Nichols(ロバート・ニコルズ)氏です。野村氏はロサンジェルス生まれの日系 人弁護士。ニコルズ氏はボストン生まれの実業家です。両氏が設立した会社は どちらも不動産売買が主業務ですが、前者は既存のビジネスモデルを使った不 動産業、後者は最新のインターネット技術を駆使した"Rebate Program"(各種 の割引・割戻不動産業務)を展開しています。 SharpBuyers.comが提供する「割引・割戻不動産業務」は、米国内では知名度 を獲得しつつあります。不動産売買の仕組みは日米間で大きな差が有り、理解 しにくい点がありますが、基本的に米国においては売り手が手数料を払います。 この中から、売り手の介入(内容・範囲)次第で一部を返却するという仕組みで す。不動産に関する情報は、以前のように一週間に一度発行される情報ではな く、MLS (Multiple Listing Service)と呼ばれるデータベースでリアルタイム に検索出来るようになりました。従って、町角に「不動産屋」の看板を立てず にネット上で不動産業務の一部を行うことが可能になりました。ZipRealty, Inc.(www.ziprealty.com)はその一例で、他にも同ビジネスモデルを導入した 不動産業者が増加の傾向にあります(注5)。 レオナルド・ノムラ氏とロバート・ニコルズ氏に、次の点でコメントを頂戴し ました。 1. 米国不動産市場の現状 - 買い手より売り手が多い、買い手市場であること。   これが、家価格の低下につながった。 2. 米国不動産市場の課題 - 過去2年に渡る利子上昇。これが、家価格・価値   の低下につながった。引いてはAdjustable Rate Mortgage (変動金利住宅   ローン)の制約増加。 3. 米国住宅購入者の課題 - 住宅ローンを提供する金融機関の貸付基準が厳し   くなった。この為、長期ローンを組める購入者の数が減った。 4. 米国不動産市場の将来予測 - 2015年までには景気を通り戻す。住宅ローン   機関が規制を緩めたら2年以内に住宅価値が上昇する。 5. 割引・割戻不動産業務ビジネス・モデルを既に用いている競合会社との差   別化 - ボトム・アップ式マーケティングを可能にする斬新なインターネッ   ト・ツールを開発中。 米国では、既存の不動産ビジネスモデルを使っての売買が7割と言われています。 URBAN REALTY GROUPの佐藤代表取締役は「不動産はピープル・ビジネスである。 不動産分野でも色々なバーゲン・ハンターが出てきたが、納得のいく買い方を するのが一番大切。その為には、毎年変わる不動産法・手続き過程を把握して、 交渉術に秀でた専門家がオーケストラで言うと指揮者のような役割を果たすこ とが重要である。」と語っています。 レオナルド・ノムラ氏とロバート・ニコルズ氏は、米国不動産市場以外にも通 用するビジネスモデル並びにツールを手がけようとしています。筆者は、本年 4月8日MIT(マサチューセッツ工科大学)・不動産センター で、中国最大の不 動産デベロッパーである万科企業集団会長の王石(ワン・シー)Wang Shi氏の 講演会に出席しました(注6)。その時、中国の巨大な不動産市場の可能性を感 じました。また、ロシア、東南アジア、インドの不動産市場にもノムラ氏とニ コルズ氏の発想が役立つ日が遠くないと筆者は感じます。 (注1) Yahoo!知恵袋によると、「通常、出版にあたり、複数の章や節を担当す る編集者」と説明されています。 (注2) http://www.president.co.jp/pre/special/fortune/EB_021028.html (注3) SOURCE: FORTUNE ANALYSIS; MOODY'S ECONOMY.COM; PPR; NATIONAL ASSOCIATION OF REALTORS (注4) http://www.bostonfudosan.com/usr_rental/show_list_blog.php (注5) http://www.rebatereps.com/、 http://www.houserebate.com/、 http://www.redfin.com/ など。 (注6) 2007.04.16配信、「ベンチャー・ビジネス最前線 - Venture Business Front Line - (106)」 黒木嗣也・くろき つぐなり - Edward Kuroki - kuroki@validtechnology.com バリッド・テクノロジー・グループ 代表 - http://www.validtechnology.com 2007.10.01 ■○■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○■ ベンチャー・ビジネス最前線 - Venture Business Front Line - (113) ■┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ウィジェット - Widgets 2007.01.15配信の「ベンチャー・ビジネス最前線(101)」で、消費者生成メ ディア - CGM (Consumer Generated Media)について述べました。これに含 まれるビジネス分野として、クチコミサイト、Q&Aコミュニティ、ソーシャル ネットワーキングサービス(SNS)、ブログ、COI(Community Of Interest)サ イトを挙げました。そして、米国ではCGMを有効活用してマーケティング、特 にブランディング戦略に役立てている大手企業が急増していることを指摘しま した。最近これらのサービス分野と融合して、今までデスクトップの付録(?) のように使われていたWidgets(ウィジェット)が注目を浴びています。 ウィジェットとは、はてなダイアリーの定義によると「主にデスクトップ上に おいて、特定のランタイム環境で実行される単機能プログラムの総称。時計や カレンダー、辞書、電卓、気象情報、RSSリーダーなどがあり、ネットワーク との連携に秀でている。XMLやJavaScriptなどのオープン技術を用いており、 ユーザーが自由に作成・配布できる。」とあります。2007年7月23日号 BusinessWeek誌では、「THE NEXT small THING: Bits of code called widgets open the door to virtual marketing across social networks. Silicon Valley sees them as a Web revolution in the making − (意訳) 次なる小 さいけれど大きい物:ウィジェットと呼ばれる小さなソフトウエア・プログラ ム・コードは、各種ソーシャル・ネットワークを越えて仮想マーケティングを 可能にする。シリコンバレーは、それらを発達・進化中のウェブ革命とみなし ている。」と題して大きく取り上げられていました。 日本語による「ウィジェット」最新記事一覧を見ると、その応用分野が想像で きます(注1)。マーケティング要素を大きく含んだブランド構築、電子商法、 娯楽、音楽ビジネスなど、そして具体的にターゲットになっているサイトには、 Bebo、Facebook、Flickr、Friendster、Hi5、MySpace、Piczo、Tagged.comな どが挙げられています(注2)。一部では英語以外で対応して、日本語でのサー ビスを提供している所もあります。 これらの背景に、インターネットに対する考え方・用途が大きく変化してきた ことが考えられます。例えば、インターネットを使うものにはメール、情報検 索、チャット、買い物、会議、掲示板などがありますが、これら全てが最初か らあったわけではありません。皆様の中で「ネットサーフィン」という表現を 使う人は少なくなってきたと思いますが、初めはこれが主でした。ちなみに、 日本最初のホームページをご存知ですか?1992年2月に非公開でHTMLによるペ ージが作成され、最初にホームページが発信されたのは1992年9月30日のこと でした(注3)。サーチ・エンジンに乏しかった以前は、インターネット用の電 話帳(イエロー・ページ)みたいなものがあり、URLを一々タイプしながらサ イトを見ていました。 この後に、各種検索エンジン・ブーム到来です。情報検索が容易に出来るよう になりました。が、ホームページの爆発的増加で情報が氾濫し始めました。そ こで登場したのが、利用者が選択したものだけを真っ先に見ることができて、 その情報を友人・知人・家族等と共有出来る、上記(注2)で述べたようなサー ビスです。完全無料もしくは殆ど無料、と選択肢は豊富です。共有する情報と して、(「保護」されていると言われている)各種個人データ、趣味・嗜好デ ータ、家庭内の生活環境、職場環境などなど、いずれも文書・音声・画像形式 を含めた形で掲載・検索・配信が可能になります。 今朝(9/25)のニュースでも聞きましたが、Microsoftも(注2)の一社Facebookに 対して投資する意向を発表しました。MySpaceの親会社Fox Interactive Media は8月Googleと3年9カ月の提携を結んでいます。両社ともウィジェットを有効に 使用するマーケティング戦略にを打ち出したのです。今年7月11日、ニューヨー ク市ではWidgetCon 2007も開催されました(注4)。 ウィジェットが現在活用されている例として、BusinessWeekは以下の5つを挙 げています。(1) "Shoe Fight" by Reebok International、(2) IBM社員が帰 宅中でも音声化されたファイルで聞ける電子メールシステム、(3) NBA.com(注5) による有名選手のウィジェット、(4) Terapeak社作成によるeBay(注6)のお買い 物ウィジェット、(5) Tumri社作成によるWal-Martのオンライン店Zappos.com。 しかしながら、このような(小さくても多くの可能性を秘めた)ツールが本領 を発揮するのは、モバイルの世界であるような気がします。ウィジェット化出 来る斬新なアイデアは多く有ります。問題はRevenue Model(収入発生モデル) だと思います。これからの課題となることでしょう。 (注1) http://www.itmedia.co.jp/news/kw/widget.html (注2) http://www.bebo.com、 http://www.facebook.com、  http://www.flickr.com、 http://www.friendster.com、  http://www.hi5.com、 http://www.myspace.com、  http://www.piczo.com、 http://www.tagged.com (注3) http://www.ibarakiken.gr.jp/www/index.html (注4) http://www.widgetcon.com/ (注5) National Basketball Association - ナショナル・バスケットボール・  アソシエーション (注6) 本年6月15日配信ベンチャー・ビジネス最前線(108)を参照ください。  http://www.jetro.go.jp/yamagata/mail/mm_vbfl07.txt 黒木嗣也・くろき つぐなり - Edward Kuroki - kuroki@validtechnology.com バリッド・テクノロジー・グループ 代表 - http://www.validtechnology.com 2007.09.03 ■○■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○■ ベンチャー・ビジネス最前線 - Venture Business Front Line - (112) ■┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 箱の外で考える - Thinking outside the box. 先回で111回の「ぞろ目」となった当シリーズは、6年前の911テロ(事件)直 後に書き始めました。投稿の目的は異文化・異業種間での学際的(注1)・新規 ビジネス紹介と開発です。同時に、その効果的手法を体系化・理論化する為の 準備です。15-20年後、国際的ピンチ状況に立つことが推測される日本の「落 とし穴」を早期発見して「解決策」を見出すことを大目標に掲げています。 従って各稿では、出来るだけ公に確認可能な情報・内容を取り上げました。し かしながら、各情報・アイデアをどのように組み合わせて具体的なビジネスに 結び付けるかという過程とノウハウには敢えて触れませんでした。なぜなら、 その部分は千差万別で、特定の参加者間でのみ共有出来る知的財産も生じるか らです。 一般に、異文化・異業種間の様々な要素を組み合わせて成功させる秘訣は、デ ィズニーの例で学ぶことの出来る「Thinking outside the box - 箱の外で考 える(注2)」と言われています。「Nine Dots Puzzle」もその一例です(注3)。 箱の中だけで成功した事例もありますが、それらの成功は長続きしていません。 「箱の外で考える」ことは、より多くの共感と賛同を得ることにつながります。 が、実践するための苦労は並大抵ではありません。 成功の陰には、個人の生活があります。それを支える家族・仕事も含めて、生 活改善の要素はビジネスに反映した社会学的要素を多く含んでいます。米国で は、「Self-help (自助)」本が流行っています。これは"self-improvement (自己改善・啓発)"市場分野の一つで、体重管理、ストレス管理なども含ま れます。複数の情報筋によると、2008年には110億ドル市場になると言われて います。 上と関連して、U.S. News & Wolrd Report(注4)で毎年「あなたの生活を改善 する50の秘訣」と題する特集が出ます。これを年毎に比較すると、実に世情を 反映していると思います。ここに全部を記載することは出来ませんので、一部 を紹介します。日本で出ている同類のリストと比べるとさらに面白い事に気付 きます。意味がわからない方、興味を持たれる方はご連絡ください。 50 Ways to Improve Your Life - 2007年向け http://health.usnews.com/usnews/health/features/50_ways/index.htm Work out harder (もっと運動しなさい). Eat at home (自宅で食べなさい). Lose the shoes (靴を捨てなさい). Drink white tea (白茶を飲みなさい). Join a reading club (読書クラブに入りなさい). Go teach free once a week (週に一度無料で何かを教えなさい). Lean Arabic (アラビア語を学びなさい). Practice positive parenting (前向き子育て方を実行しなさい). Write a family cookbook (我が家の得意料理本を書きなさい). Divorcelproof your marriage (離婚しないような結婚生活をしなさい). Unplug the TV (テレビを 消しなさい). Coach a youth sport (子供達にスポーツを教えなさい). Take an ecovacation (環境に優しい旅行をしなさい). Lean about Islam (イスラ ム教を学びなさい). Donate books to schools (学校に本を寄贈しなさい). Drive with biodiesel (バイオディーゼル車に乗りなさい). Support local farmers (地元の農家を支援しなさい). Turn off your dryer (乾燥機を消し なさい). Lose weight, save fuel (体重を減らして節エネしなさい). Use Angie's List (アンジーのリストを使いなさい)(注5). 50 Ways to Improve Your Life - 2006年向け http://www.usnews.com/usnews/news/articles/051226/26opener.htm (省略) 50 Ways to Fix Your Life - 2005年向け http://health.usnews.com/usnews/health/articles/041227/27opener.htm (省略) (注1) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A6%E9%9A%9B (注2) http://en.wikipedia.org/wiki/Outside_the_box (注3) http://britton.disted.camosun.bc.ca/ninedots/jbninedots.htm (注4) http://www.usnews.com/ (注5) http://www.angieslist.com/AngiesList/ 黒木嗣也・くろき つぐなり - Edward Kuroki - kuroki@validtechnology.com バリッド・テクノロジー・グループ 代表 - http://www.validtechnology.com 2007.08.01 ■○■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○■ ベンチャー・ビジネス最前線 - Venture Business Front Line - (111) ■┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ カフェイン - Caffeine 2-3年前から米国のスーパーなどでヒット商品になっている物として、カフェ インを多量に含むエネルギー・ドリンク等があります。日本では含有成分によ って、医薬品・医薬部外品・清涼飲料水に分かれていて、カフェインを含まな いドリンク類は清涼飲料水に分類されるようです(注1)。 米国では、エネルギー・ドリンクはカフェインの含有量に関係なく(日本で言 われる)清涼飲料水として扱われ、ウィキペディアには「ゴールドマンサック スとミンテルは、栄養ドリンク市場が2010年までに100億ドルに達すると予測 している」とあります (注2)。2007年7月30日付けNEWSWEEK 誌によると「カフ ェインを含んだ缶飲料消費量は2000年の400万ケースから2006年は8,090万ケー スにも増加している」 (注3)、また、Zach Thomas氏が設立したRanger Coffee 社が「hypercaffeinated coffee(通常よりカフェイン量の多いコーヒー)」の 製造販売を開始したとあります。これには普通のコーヒー2倍分のカフェイン が含まれ、イラクで闘う米国兵士も愛飲しているそうです。 カフェインの効果・安全性・危険性に関しては、ネット上で色々な情報が検索 可能ですので敢えて論じることはしませんが、カフェインを含んだ商品として リップ・クリーム、石鹸、ビール、(スナック用)ひまわりの種などが挙げら れます。このリップ・クリームはSpzzstick(注4)と呼ばれ、極寒地で勤務する アラスカ州の警察官によって開発されました。石鹸としては、100%植物性グリ セリンを使った物があります(注5)。ビール分野では、カナダのMolson `Kick` ・Labatt's`Shok。`米国では、Anheueser-Busch's BE・Third Rail Beer・ Moonshot・Sparksなどが挙げられます(注6)。おつまみとして親しまれるひま わりの種にもカフェイン入りのSUMSEEDSがあり(注7)、他の食品分野にも応用 される傾向にあります。 米国におけるカフェインを含んだエネルギー・ドリンク、ソーダ、食料品など の情報はENERGY FIEND作成データベースで見ることが出来ます(注8)。これか ら新商品開発が期待できる分野であることが予測できます。 (注1) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%84%E9%A4%8A%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF (注2) http://en.wikipedia.org/wiki/Energy_drink (注3) http://www.msnbc.msn.com/id/19875412/site/newsweek/ (注4) http://www.spazzstick.com/ (注5) http://www.wishingfish.com/caffeinesoap.html (注6) http://coffeetea.about.com/od/caffeine/a/buzzbeer.htm (注7) http://www.sumseeds.com/ (注8) http://www.energyfiend.com/ 黒木嗣也・くろき つぐなり - Edward Kuroki - kuroki@validtechnology.com バリッド・テクノロジー・グループ 代表 - http://www.validtechnology.com 2007.07.17 ■○■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○■ ベンチャー・ビジネス最前線 - Venture Business Front Line - (110) ■┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ コウモリ(蝙蝠) - Bats’ Flight 日本は様々な分野で最先端技術を有していますが、航空機分野に限っては(第 二次大戦後の歴史的背景上)純国産機開発が遅れています。1962年に初飛行の YS-11(注1)は、戦後初めての国産航空機として知られていますが、エンジンは ロールスロイス製なので完全な国産機とは言えません。YS-11は日本国内で民 間航空会社他、自衛隊・海上保安庁などで幅広く使用されました。しかしなが ら、その販売・アフターサービス体制が不十分という問題があり、将来国産飛 行機が出来ない要因になっていること等が指摘されています。 既存の航空機の進化的(Evolutionary)概念に基づいて、独自のユニークな技術 を導入して開発された航空機としては、小型ビジネスジェット機・HondaJet (本田・ジェット)があります(注2)。「自社開発のジェットエンジンHF118を搭 載して、2003年12月より米国ノースカロライナ州ピードモントトライアッド空 港にてフライト試験を開始しています」とあります。この飛行機の大きな特徴 は、エンジンが主翼上面の最適位置に配置されていることです。高速飛行時の 造波抵抗低減、巡航効率の向上を狙っています。燃費は従来機と比べて約4割 向上との報告があります。 純和風の国産飛行技術としては、本庄隆二氏が特許を持つ滑空凧飛行機をネッ トで見つけました(注3)。PCT(特許協力条約に基づいて公開された国際)出願 も「Glide Kite Airplane」と題して提出されています(注4)。これは、上記 HondaJetと比較すると革新的な(Revolutionary)発想に基づいていると思いま す。 話が少し(飛行機のように)飛びますが、日本であまり研究が進んでいない分野 として、コウモリ(蝙蝠)が挙げられます。特定非営利活動法人東洋蝙蝠研究 所(注5)は、「日本の国土に住む野生動物たるコウモリ類の保全を主眼」とし た調査研究・情報交換・人材育成を行っています。コウモリは暗い洞窟に後ろ 足でぶら下がり、吸血鬼ドラキュラと関連した印象もあるせいか、同じ哺乳類 の猫とか犬に対するような愛着心は持たれないようですが、コウモリ(蝙蝠) の「蝠」の字が「福」に通ずることから、縁起物とされています。中国では、 百年以上生きたネズミがコウモリになるという伝説もあり、長寿のシンボルと されているようです(注6)。 さて、米国科学振興協会(AAAS)発行の国際的ジャーナル(週刊)Science 2007年5月11日号ハイライトで、「Bat Flight Secrets Revealed(コウモリの 飛行の秘密が明らかに)」と題する論文が発表されました(注7)。 A. Hendenstromらスウェーデン、ドイツ、米国の研究者によるもので、「新た な研究により小型のコウモリがどのように翼を動かして体を空中に浮かせてい るのか、また鳥とコウモリの飛行の重大な違いは何か明らかになった。」「こ れらの発見は、自然が脊椎動物の力強い飛行に関する問題を解決するのに用い た複数の方法に光を当てることに加え、新しい飛行装置の設計に役立つであろ う。」とあります。 また、2007年7月6日付けThe Boston Globeでは、「Finding secrets of bats' flight could change military aircraft (コウモリの飛行の謎が軍用機を変 えるかもしれない」と題する記事が掲載されました(注8)。 これによると、 Air Force Office of Scientific Research(米国空軍科学研究所)は、米国・ 国防省のMURIプログラム(Multidisciplinary University Research Initiative program)を通して、600万ドル(2.5年間)をブラウン大学・準教授 ・Sharon M. Swartzが率いるthe Swartz Labに研究投資することを決めました (注9)。 この研究のきっかけは、コウモリの翼(膜)にある24以上の独立した関節と、翼 (膜)全体に散らばった何百と言うセンサーが飛行方向・速度・角度などを自由 自在に操る秘訣を生み出していること。(現在理解されている範囲以内で) コウモリは翼(膜)を半分広げた状態で180°回転可能であること。自重半分の 子供を抱えた妊娠中の雌コウモリが正常に飛行可能であること。過度の損傷を 受けた翼(膜)状態でも、安全に飛行できること。などなどが背景に含まれてい ます。 ちなみに、秋吉台科学博物館・館長庫本氏は、コウモリの特徴である翼に関し て次のように述べています(注10)。 * コウモリの翼は哺乳類の腕が変化してできたもの。特に手のひらの部分がよ く発達している。 * 翼と足の間には体側膜と呼ばれる膜があり、尾と両足の間には尾膜と呼ばれ る膜が発達しています。このように体の周りは翼ではりめぐらされたような構 造で、体の大きさの割にたいへん大きな翼を持っていることになります。 * 翼には筋肉がよく発達していて、翼を自由にコントロールして空を自由に飛 びまわることができます。 * 空中に停止したり、急に向きを変えたり、多彩なアクロバット飛行の秘密は こうした翼を使うからできるのです。 * 洞窟のような狭い空間も超音波とこの翼を使って、巧みにすり抜けることが できます。 実際このような飛行機が出来たら、軍事用だけでなく民間でも応用できる可能 性が多くあると筆者は思います。有人飛行機ではなく、無人飛行機として。広 い滑走路を必要としない小型の輸送・偵察・消防機として。もしかしたら、上 で述べた滑空凧飛行機に本田開発のジェットエンジンHF118を搭載、コウモリの ノウハウを組み込んだ画期的な飛行機が出来るかもしれません。興味を持たれ る方はご連絡下さい。 (1) http://ja.wikipedia.org/wiki/YS-11 (2) http://www.honda.co.jp/tech/new-category/airplane/hondajet/index.html (3) http://kiteplane.blog23.fc2.com/blog-date-200509.html (4) http://www.wipo.int/pctdb/en/wo.jsp?wo=2005047103 (5) http://www.abri.or.jp/ (6) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%83%A2%E3%83%AA (7) http://www.sciencemag.jp/highlights/20070511.html (8) http://www.boston.com/news/science/articles/2007/07/06/finding_secrets_of_bats_flight_could_change_military_aircraft/ (9) http://www.brown.edu/Departments/EEB/EML/ (10) http://www.ymg.urban.ne.jp/home/haikawa/topicseibutu/komorihikou.htm 黒木嗣也・くろき つぐなり - Edward Kuroki - kuroki@validtechnology.com バリッド・テクノロジー・グループ 代表 - http://www.validtechnology.com 2007.07.02 ■○■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○■ ベンチャー・ビジネス最前線 - Venture Business Front Line - (109) ■┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ベトナム - Vietnam ポスト中国・インド市場として、ベトナムが注目されています。ネット上では、 ベトナム株についての情報などが目に付きます。英国放送協会・BBC発情報 (注1)、米国中央情報局・CIA発表レポート(注2)、米国国務省情報(注3)、ベト ナム外務省情報(注4)・(注5) 、そして日本国外務省情報(注6)を簡単に比較検 討すると、ベトナムは今後急成長を遂げる国だと感じます。 ベトナムはN-11(注7)の一国で、2006年度GDP成長率は8.17%−これは、東アジ ア諸国中2位、東南アジア諸国中1位です。失業率は2%(2006年)、人件費は中国 よりも安価です。東南アジア原油生産量3位(日量40万バレル)、"TWO-WAY 貿易" 量はGDPの160% −これは中国の2倍以上、インドの4倍以上です。また、ベトナ ムはカシューナッツの世界最大生産国であり、コメ輸出量が世界2位であるこ とは良く知られています。さらに、2006年にはTRIPS (注8) - Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights (知的所有権の貿易関連の側面に 関する協定)に合意することを決定、同年11月にはWTO加入を認められました。 米国においては、本年6月22日ベトナム社会主義共和国 国家主席グエン・ミン ・チェット(ベトナム語:Nguyen Minh Triet, 漢字:阮明哲)がホワイト・ハ ウスを訪れました(注9)。これは、昨年11月に米国のブッシュ大統領がハノイ を訪れた事に対する前向きなネックスト・ステップと受け取れます。ベトナム の国家主席がアメリカを訪れたのは、1975年のベトナム戦争終結後初めてのこ とです。ブッシュ大統領との会談には、米軍がベトナム戦争中に散布した枯葉 剤の中に不純物として含まれていたダイオキシン(注10)処理問題などが含まれ ています。1995年の正式な越米外交関係樹立後、貿易・ビジネス分野で活発な 動きが始まっており、二国間における今後の経済発展も重要課題になったこと が予測されます。 ハーバード大学政治学部Mossavar-Rahmani Center for Business and Governmentにはベトナム・プログラムがあり、元合衆国下院議員(元ベトナム 戦争兵士)のTom Vallely氏がDirectorです。 さて、このようなWin-Win(「自分も勝ち、相手も勝つ」可能性の高い)状況の 中で、日本企業が(特に日本国内で)将来どのように差別化が出来るかを考えて みました。その一つは、アメリカに数多くいるベトナム系アメリカ国籍の学生 ・若手起業家・実業家との関係を樹立して、日本-アメリカ-ベトナム間で事業 展開することだと思います。 日本では想像がつかないと思いますが、ベトナム戦争後アメリカに移住してき たベトナム人達は実に誠実・勤勉で、着々と基盤を作り、全米規模で様々なネ ットワークを築いてきました。そして、その人材とのビジネスの可能性が今開 花しようとしています。ハイテク分野でもベトナム人コミュニティー・グルー プが主催する国際会議が出てきました。祖国ベトナムの発展に貢献しようとし ているのです。 ベトナム人の日本人に対する評価は高く、またベトナムのアメリカに対する姿 勢も友好的です。日本-アメリカ-ベトナム間の事業展開ネットワーク構築に興 味をお持ちの方はご連絡下さい。 (注1) http://ja.wikipedia.org/wiki/YS-11 (注2) http://www.honda.co.jp/tech/new-category/airplane/hondajet/index.html (注3) http://kiteplane.blog23.fc2.com/blog-date-200509.html (注4) http://www.wipo.int/pctdb/en/wo.jsp?wo=2005047103 (注5) http://www.abri.or.jp/ (注6) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%83%A2%E3%83%AA (注7) http://www.sciencemag.jp/highlights/20070511.html (注8) http://www.boston.com/news/science/articles/2007/07/06/finding_secrets_of_bats_flight_could_change_military_aircraft/ (注9) http://www.brown.edu/Departments/EEB/EML/ (注10) http://www.ymg.urban.ne.jp/home/haikawa/topicseibutu/komorihikou.htm 黒木嗣也・くろき つぐなり - Edward Kuroki - kuroki@validtechnology.com バリッド・テクノロジー・グループ 代表 - http://www.validtechnology.com 2007.06.15 ■○■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○■ ベンチャー・ビジネス最前線 - Venture Business Front Line - (108) ■┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ P2P融資オークション - P2P (peer-to-peer) Loan Auction 日本ではクレジットカードでの税金納付が可能になった所が出てきました。 「ネットで税金支払い ヤフー まず宮崎県が採用」との報道もありました (注1)。ヤフーでは公共料金を支払うサイトが確立されています(注2)。これは、 納税者・利用者の利便性を考えると良い傾向であることに間違いはありません が、反面クレジットカードは負債・借金を増やすきっかけになる危険要素も含 んでいます。 インターネットの検索エンジンを使って、(英語と日本語で)「借金」・「負債」 ・「クレジットカード」などのキーワードを入れると様々な統計が出てきます。 例えば、 1. U.S. NATIONAL DEBT CLOCK - http://www.brillig.com/debt_clock/ 2. 日本の借金時計 - http://www.takarabe-hrj.co.jp/clock.htm 3. Credit Card Debt Statistics -   http://www.hoffmanbrinker.com/credit-card-debt-statistics.html 4. 日本クレジット産業協会 - http://www.jccia.or.jp/ などなどです。この統計の裏には一般に公表できないような事情と苦悩を抱え た一般市民がいることが覗えます。一つここで指摘すべきことは、英語の 「Credit(クレジット)」は「信用」と訳されますが、これは現実的には「借金」 と同じ扱いになります。クレジットが大きくなれば、その人に対するLiability (負債)も増えるということです。 これらの「借金」・「負債」は(最も望ましい個人支払いを除くと)通常、銀行 その他融資専門会社を通して支払われることになります。この業界に最近P2P (個人間)融資分野が加わりました。これは感覚的に言うと、イーベイ(eBay)の ようなインターネット上オークション・サービスの金融版です。ちなみに、イ ーベイ(eBay)は各種オークション・サービスをインターネット上で提供する米 国最大の会社です。イーベイは、日本人にも良く使われているスカイプ(Skype) も所有しています。同社は1999年10月日本法人を設立して日本電気と事業展開 しましたが、2002年3月に日本市場から撤退しました。その後日本では、ヤフー ジャパンが多数のメンバーを獲得したオークション・サービスを展開していま す。 P2P peer-to-peer (個人間)融資に関して、Anne Kadet著「THE BANKER NEXT DOOR」(The Wall Street Journal社が提供するSmartMoney誌)で下記5社が紹介 されています(注3)。 CircleLending, Inc., マサチューセッツ州ケンブリッジ市 -  http://www.circlelending.com/ Kiva Microfundsカリフォルニア州サンフランシスコ市- http://www.Kiva.org Loan Back Inc., カリフォルニア州サンフランシスコ市-  http://www.loanback.com Prosper Marketplace, Inc. カリフォルニア州サンフランシスコ市 -  http://www.prosper.com Zopa Ltd. 英国ロンドン市 - http://www.zopa.com 金融ITニュースコメントでは、 「昨年3月にスタートした個人間の融資を オークション方式で仲介するサービス「Zopa」(Zone of Possible Agreement)が日本でも注目されだしたようです。6万人近くの会員を集めて 成功しつつあることと、今年に入って米国カリフォルニアでも「PROSPE R」という同様のサービスが開始されたからでしょう。」とあります(注4)。 さらに、TechCrunchでは、「この2月にスタートした個人間融資サービスのサ イト「Prosper.com」は、メンバーが10万人を、実行された融資総額が$20 M (2千万ドル)を超えるなど大きなマイルストーンを達成した」と報じていま す(注5)。 某金融技術コンサルタント会社は、「P2P融資サービス市場は2010年までに、 50億ドルに拡大する。」と言っています。上記5社のビジネスモデルは類似し ていますが、詳細はそれぞれの生い立ち・技術・文化的背景も含めて大きく異 なっています。この辺を比較研究して日本でも上手くビジネス展開する可能性 があると筆者は考えます。このビジネスが日本で成功する可能性に興味をお持 ちの方はご連絡ください。 (注1) http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200704190031a.nwc (注2) http://koukin.yahoo.co.jp/ (注3) http://www.smartmoney.com/mag/index.cfm?story=april2007-lender (注4) http://www.fin-bt.co.jp/comment327.htm (注5) http://jp.techcrunch.com/archives/prospercom-to-announce-milestones-tuesday/ 黒木嗣也・くろき つぐなり - Edward Kuroki - kuroki@validtechnology.com バリッド・テクノロジー・グループ 代表 - http://www.validtechnology.com 2007.05.15 ■○■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○■ ベンチャー・ビジネス最前線 - Venture Business Front Line - (107) ■┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ペット用薬品 - Meds for pets 過去、筆者は食べ物・健康・肥満について述べました。81号: PTCヘルス・グ ループ (2005.09.15)、73号: 肥満と節エネ (2005.03.15)、67号: 食べ物アレ ルギー (2004.11.15)、53号: コーシャー食品(2004.02.16)。特に「53. コー シャー食品(2004.02.16)」では、健康食品産業がペット分野でも大きく貢献し 始めたことを指摘しました。 中でも肥満に関して最近WHO(世界保健機関)で使われている言葉として、 「Globesity」があります。「'Globesity' is a recent WHO term for the global obesity epidemic.」とあり(注1)、「Global(世界的な)」・ 「Obesity(肥満)」という意味が含まれています。日本では想像しがたいこ とかもしれませんが、肥満(もしくは「太りすぎ」)は現在、大きな死亡原因 となっています。世界中の四人に一人は、この部類に入るとの報道もあります (注2)。WHOが一般公開しているデータベースの一つ「What is the scale of the obesity problem in your country?」に、国別の肥満(太りすぎ)成人人 口の割合が出ています(注3)。さらに、開発国・開発途上国を含めた(年々深 刻になる)問題と具体的な解決方法の提案も見ることが出来ます(注4)。ちな みに、現在太りすぎを気にしている読者は、日本肥満学会(Japan Society for the Study of Obesity - JASSO)のHPなどを参考にしてください(注5)。 さて、哺乳類動物に良く見られる肥満問題は、近年ペット(特に犬)にも大き な波紋を投げています。米国食品医薬品局・Food and Drug Administration (FDA)は、SLENTROL(dirlotapide)「スレントロール」を認可しました(注6)。 これは、米国大手製薬会社ファイザーが開発した犬用肥満治療薬で、犬の食欲 を減退させ、油の吸収を抑える効果があると言われています(注7)。 American Pet Products Manufacturers Association (アメリカペット製品製 造者組合−APPMA)の統計によると、米国の63%の家庭が何らかのペットを所 有しています。これは、7110万世帯に相当します。この中で、犬をペットとし ているところは4480万世帯、猫は3840万世帯。頭数にすると、犬が7480万、猫 が8830万と出ています(注8)。 APPMAによると、米国ペット産業は2007年推定で408億ドルと言われています。 そしてAPPMAのペット所有者調査から下記の興味ある数字(分野別出費額:ドル) が出ています。他APPMAのHPには、ペット産業の動向・傾向などを学ぶのに役 立つ情報が出ています。関心ある読者は一読する価値はあります。 Dogs(犬) Cats(猫) Surgical Vet Visits・手術 453 363 Food・主食 217 188 Kennel Boarding 225 149 Routine Vet・定期健診 219 175 Groomer/Grooming Aids 127 18 Vitamins・ビタミン 77 31 Treats・副食 66 40 Toys・玩具 41 26 アメリカ国内のペット犬7480万頭のうち1/3が太りすぎ、もしくは肥満と言わ れており、ペットを愛好するアメリカ国民の大きな問題になっています。上記 SLENTROL(dirlotapide)「スレントロール」はこの問題解決策として登場しま した。1日当たりの投薬代は平均2ドルです。しかし、そもそも犬の太りすぎ の原因は運動不足です。しかも、それは飼い主の都合による環境に起因してい ると言っても過言ではありません。それを薬で解決しようとすることに疑問を 感じる声も出ています。 事実、ペットは飼い主から充分な愛情を受けないと鬱病にかかります。それを また薬で解決するためのReconcile(TM) (fluoxetine hydrochloride)が大手製 薬会社Eli Lilly and Companyから出ました(注9)。これは人間用に開発された 製薬プロザック・Prozac(注10)を犬用に応用したものです。この他にも、ペッ ト用のOTCは、年々増加の傾向にあります。人間社会がもたらす弊害がペット に影響を及ぼすのは嘆かわしいことですが、全動物に対する愛情を持って新し いビジネスを開発することも可能ではないかと筆者は思います。 (注1) www.worldwidewords.org/turnsofphrase/tp-glo2.htm (注2) www.msnbc.msn.com/id/4900095/ (注3) www.who.int/ncd_surveillance/infobase/web/InfoBasePolicyMaker/reports/Reporter.aspx?id=1 (注4) www.who.int/mediacentre/factsheets/fs311/en/index.html (注5) wwwsoc.nii.ac.jp/jasso/ (注6) www.fda.gov/bbs/topics/NEWS/2007/NEW01542.html (注7) www.pfizerah.com/slentrol/sl_pi.pdf (注8) www.appma.org/press_industrytrends.asp (注9) www.reconcile.com/ (注10) www.ssri.net/prozac.html 黒木嗣也・くろき つぐなり - Edward Kuroki - kuroki@validtechnology.com バリッド・テクノロジー・グループ 代表 - http://www.validtechnology.com 2007.04.16 ■○■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○■ ベンチャー・ビジネス最前線 - Venture Business Front Line - (106) ■┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 万科企業集団会長・王石 - Mr.Wang Shi of Vanke 4月8日MIT(マサチューセッツ工科大学)・不動産センター で、万科企業集団 会長の王石(ワン・シー)Wang Shi氏を招いての講演会がありました。万科企 業(以下、「Vanke」)は中国最大の不動産デベロッパー(注1)で、王石氏(注2) は登山家としても知られています。王石氏に関しては、中国語ですがブログも あります(注3)。 この日は、キリスト教の典礼暦における最も大切な祝日 - Easter Sunday - であったにも関わらず、約100名の地元学生、不動産関係者が参加しました。 その殆どは中国人で、講演は中国語で行われました。当不動産センター大学院 生のTony (Yong) Wang氏が、中国語のわからない3名の為に通訳を務めてく れました。王石氏の講演は2時間半以上ノンストップで続きました。筆者は王 石氏の2メートル以内の席で、王石氏の表情を観察しながら話を聴くことが出 来ました。当日王石氏は背広姿ではない普通の格好でマフラーを首にかけたま ま颯爽とあらわれ、実に自然で巧みな話術で会場全体を圧倒していました。特 に、登山の話になると顔の表情はますます活き活きとして、声は高揚し体全体 の動きも活発になりました。 Vankeは、2007/04/07(土)更新・中国情報局ニュース「中国B株・インタビュ ー特集」によると、「不動産トップ」と言われています(注4)。さらに、「先 月20日に発表された2006年通期決算では売上高が前年比69%増、純利益も同59 %増をマークするほどの好調ぶりに加え、配当案も1株当たり0.15元の現金に 加え5割無償を提案するなど、まさに優良株の筆頭である。」とも報道されて います。 Vankeは、(詳細不明ですが)都市開発分野でMITと共同研究の実績があります。 中国以外の国で事業を展開する計画はありませんが、現在世界中から国際的な 教育と経験を積んだ優秀な学者・学生達を採用する計画を実施しています。事 実、講演会会場において採用に関するパンフレットを全員に配っていました。 VankeのHP「Top 10 Share holders (トップ10筆頭株主) of the Company at the end of 3rd Quarter 2004」によると、Toyo Securities (東洋証券) Asia Limited-A/C Client と Naito Securities Co., Ltd (内藤証券) が含まれて います(注5)。さらに、同社は昨年東京建物と業務提携を結び、分譲マンション 分野の事業拡大を図っています。 環境分野に関係する話として王石氏は、Vankeにおいて50%のエネルギー節約を 目標とした、再生材料を用いてのプレハブ工業化を進めており、資源の有効利 用にもつなげることを狙っています。華流投資研究会の李言徳によると、「彼 (王石)の母親はツングース系少数民族のシボ族なんですね。遊牧民族の血を引 く彼が、中国の不動産業界の大草原を駆け、その一方で世界の名峰にチャレン ジする登山家であるというのも何だかうなづけるような気がします。」とあり ます。王石氏は、登山家として自然を愛する気持ちをビジネスにも反映させて いるようです。 財団法人日本貿易センター、2004年の分科会 3-C: 「日本の環境・医療を中国 で活かす」では、中国側講演者として王石氏が招かれました。この中で王氏は 「中国は以前、木を栽培することを厳格に制限しています。つまり生きた樹苗 をその省から出してはいけないことを規定しています。これは中国で発生して いる面白い現象です。」と指摘しました(注6)。と言うことは、都市・農村の 隣接地域に新しい住宅開発をする際、その省に木がなければ住宅が建てられな いことになります。統計的にシステム的に植林していかないと木が得られない 状態であると同時に、他の環境問題も含めた貴重な発言を王石氏は残していま す。 これからもVankeは中国株投資家にとって、魅力ある存在であることが期待さ れます。 (注1) http://www.vanke.com (注2) https://www.biz-solution.biz/wus/retsuden/retsuden_06.html (注3) http://wangshi.blog.sohu.com/ (注4) http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0407&f=column_0407_001.shtml (注5) http://www.vanke.com/main/Web/Article/2004/11/16/1401179165C59518.aspx (注6) http://www.iist.or.jp/jc2004/j/pdf-j-all/bunka/3-C_1128-a.pdf 黒木嗣也・くろき つぐなり - Edward Kuroki - kuroki@validtechnology.com バリッド・テクノロジー・グループ 代表 - http://www.validtechnology.com 2007.04.02 ■○■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○■ ベンチャー・ビジネス最前線 - Venture Business Front Line - (105) ■┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 記憶力選手権 - Memory Championship 日本には「脳ゲー」と呼ばれる「脳の鍛錬・活性化を目的とするコンピュータ ゲーム」があります。これには、ニンテンドーDS、PSP、アーケードゲームと しても色々あるようです(注1)。 米国では抗高血圧薬として知られるプロプラノロールがメモリー・ドラッグの 一つとして脚光を浴びています。2006年11月26日にCBSで放映されたドキュメン タリーテレビ番組「60Minutes」では、記憶力とアドレナリンの関係、そして プロプラノロールが心的外傷後ストレス障害(PTSD; Post-traumatic stress disorder)の治療に使われる可能性を示していました(注2)。また、2007年3月 16日ABC NEWSの20/20では、全米国記憶力選手権で4度優勝したScott Hagwood (スコット・ハグウッド)氏のことが報道されました(注3)。(スコット・ハ グウッド氏には著書「記憶脳革命・奇跡の速効記憶術」(石川 宗生訳)があり ます。)この番組の内容には驚くものがありました。 スポーツ感覚で人の記憶力に挑む世界があります。USA National Memory Championship(米国記憶力選手権)(注4)、The World Memory Championships (世界記憶力選手権)です(注5)。前者に関しては、東京大学教養学部 進学情 報センター・石浦博士著「オドロキ生命科学・第7回・記憶術に優れた人の脳」 の中で、大会に出席した記憶術に自信のある人を被験者にしたfMRIによる機能 比較に関する説明があります(注6)。 日本では、奈良県大和郡山市に記憶力大会実行委員会事務局があり、この大会 は「記憶力世界選手権大会のルールを参考にした独自ルール(顔と名前記憶、 単語記憶、数字記憶、短文記憶、トランプ)によって、記憶力日本一を決定し ます」とあります(注7)。去る2月4日に第3回記憶力大会が行われましたが、 Brain and Mind Sports Blogによると参加者数は16名でした(注8)。さらにこ れによると、最近中国でもこのような大会(China Memory Championships)が 開かれたようです。 ちなみに現在行われている記憶力選手権の競技内容は、口頭で一桁ずつ話して いる数の記憶、イラストの順番記憶、1時間で1組52枚のトランプ並び順の記憶、 名前と顔の記憶、出来事が起こった日の記憶、1時間で10進数の数字記憶、2進 数の数字記憶、5分で10進数の数字記憶、単語の羅列記憶、1組52枚のトランプ 並び順の記憶などが含まれます。 前述(注2)の一部として、米国では記憶力選手権で要求される訓練を応用し、 恵まれない貧しい子供達が通う学校で「Mental Athlete(知的競技者)」を育て る試みがなされています。日本でも、このような手法を一般の学校教育・ビジ ネスに取り入れてみてはどうかと思いました。 (注1) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B3%E3%82%B2%E3%83%BC (注2) http://60minutes.yahoo.com/segment/21/memory_drug (注3) http://www.scotthagwood.com/ (注4) http://www.usamemorychampionship.com/ (注5) http://www.worldmemorychampionship.com/ (注6) http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/agc/ishiura/ishiura07.html (注7) http://www.city.yamatokoriyama.nara.jp/kiokuryoku/contents/index_new_noflash.htm (注8) http://blog.livedoor.jp/mind_extream/archives/cat_247260.html 黒木嗣也・くろき つぐなり - Edward Kuroki - kuroki@validtechnology.com バリッド・テクノロジー・グループ 代表 - http://www.validtechnology.com 2007.03.15 ■○■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○■ ベンチャー・ビジネス最前線 - Venture Business Front Line - (104) ■┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 起業家・男女間の違い - 「Emotional Men vs. Rational Women」 先回、ハーバード大学ロシア・ユーラシア研究所のBat Batjargal氏が去る1月 31日「Emotional Men vs. Rational Women: Gender, Networks, and Entrepreneurship in China and Russia (感情的な男性 対 理論的な女性: 性別、社会的ネットワーク、起業活動に基づく分析 - 中国とロシアの比較) と題する論文の一部を発表・講演したことを述べました。今回は、この研究内 容をBat氏の講義用メモに基づいて要約します。 1.研究目的は、社会的ネットワーク形成の過程・方法・応用の観点から、男 女起業家間にどのような違いがあるか?その違いが(ベンチャー)起業する上 で経営、業績・収益、従業員にどのように影響するか?中国・ロシア間、アメ リカ・フランス間で相違があるか?これらの答えを見つける事である。 2.この研究は、中国・フランス・ロシア・アメリカの共同プロジェクトで ある。共同研究者として、Texas A&M UniversityのProfessor Michael Hitt、 Arizona State UniversityのProfessor Anne Tsui等が含まれる。そして当プ ロジェクトは4カ国の起業家の調査データに基づいている。中国とロシアの調査 (総数377件)は2005年6月から9月に行われた。 3.理論:性別・社会的ネットワークに関する管理学、心理学、社会学、行動 経済学的理論と実験により証明される理論によると、一つの重要な傾向が予測 される。それは、性別、家族構成、人種、年齢、教育、宗教、文化的要素を含 めて見られる「同類志向」(homophily)である。一般に、同類・同質の人間が 結婚し、友人関係を作り、仕事も共にして、近所に住み、同じ教会・学校へも 行くということ。詳細は以下のとおり。 (1) Similarity-attraction paradigm:同種・同質の人々はお互いに興味を示  し引き付け合う。 (2) Social categorization and identity theory:人々は、性別・職種・教育  などの違いによるカテゴリー(分類)に基づく自己認識を持ち、これらの要  素が社会的交流またネットワークを構成する過程における同質・同一性に影  響する。 (3) Social preference and choice paradigm:趣味・心理的・知的・感情的・  物質的・職業目的による社会的嗜好・選択余地。例えば、肥満の子供や大人  達は、他の肥満の子供や大人達と社交する。他の例として、起業家を目指す  大学院生は、その分野で有名な教授に付いて学ぶ。 (4) Structural explanation:社会的環境が影響する部分であるが、例として、  白人が過半数を占める職場では、白人を中心とした職場構造が会社内に出来  る。これは逆の場合(黒人が過半数を占める場合)も同じ。 (5) Beliefs about social roles and status:社会的役割・立場に関する信  念・心情が影響する部分であるが、例として、一般的に女性は男性より感情  的と思われている。また、アメリカで働くアジア系労働者は技術的に優秀で  あるが、管理的能力に欠けると思われている。 4.研究対象は(中国・ロシア国内において)2005年時点で設立8年未満の会社。 5.情報収集は、中国語かロシア語による各20-30分の電話インタビュー形式  (質問内容は省略)。 6.収集した情報は、各地方行政機関で財務状況などを含め確認を行う。 7.講義では、下記のデータが公開された。 Table 1: Women and Men Entrepreneurs in China and Russia (Surveyed in  June-September 2005) =中国とロシアにおける男女起業家の統計 Table 2. Women and Men Entrepreneurs by Industry = 産業別男女起業家統計 Table 3. Entrepreneurs by Industry and Country = 産業・国別起業家統計 Table 4. Sample Descriptive Statistics: Women and Men Entrepreneurs in  China and Russia =中国・ロシアにおける男女起業家のサンプル記述統計 Table 5. Descriptive Statistics and ANOVA of Women and Men Entrepreneurs   = 男女起業家の記述統計とANOVA (分散分析) Table 6. Descriptive Statistics and ANOVA of Chinese and Russian  Entrepreneurs = 中国とロシア起業家の記述統計とANOVA (分散分析) Table 7. Regression Analysis: Effects of Gender on Entrepreneurs’  Networks (N=377) = 性別が起業家の社会的ネットワーク形成に及ぼす影響 Table 8. Regression Analysis: Effects of Gender, Networks, and Country  on Firm Performance = 性別・社会的ネットワーク(国別)が会社の業績に及  ぼす影響 Table 9. Regression Analysis: Effects of Networks and Country on Firm  Performance = 社会的ネットワークと国情が会社の業績に及ぼす影響 8.結論 (1)性別と社会的ネットワーク:中国・ロシア両国において女性起業家(以下、  女性)は男性起業家(以下、男性)よりビジネスに関する情報収集または色  々なアドバイスを得る機会に恵まれている。女性は男性より、家族関係に基  づく繋がりを多く持ち、男性は女性より、精神的・感情的に支え合うネット  ワークを多く持っている。 (2)性別の違いで営業成績に大きな変化は見られない。社会的ネットワークは  企業の業績に肯定的影響を及ぼす。しかしながら、女性の起業家間における  大規模な社会的ネットワークの有利性は企業の業績にあまり反映されていな  い。むしろそれは、ビジネスの利益成長率にマイナスの影響を与えている。  女性の社会的ネットワークに起因するマイナス要因(精神的支援ネットワー  クの規模が小さいこと)は、企業の成長低下につながる。 (3)少なくとも中国とロシア(両国)において、女性は男性より様々なビジネス・  アドバイスを得るための情報ネットワークを築くことにおいて優位である。  しかし男性は、(女性と比較して規模の小さい)ビジネス・アドバイスを得  るための情報ネットワーク、(女性と比較して規模の大きい)精神的サポート  ・ネットワークを仕事の業績・利益に反映させている。 (4)女性は男性と比べてビジネス・アドバイスなどの情報源を得るためのネッ  トワーク構築が上手い。男性は女性が構築するネットワークよりも規模的に  は小さいが、女性と比較して規模の大きい精神的サポート・ネットワークを  起業上の目的に有効活用している。 (5)女性は「関係」を樹立する目的でネットワーク構築を試みるが、これは実際  会社の業績に害を及ぼしている。男性は利益の為にネットワーク構築を試み、  それが会社の業績を向上させている。 (6)方向性が無く成功手段とならない女性のネットワーク手法は会社の業績に  有害である。逆に男性のネットワーク方法は起業の職務遂行に役立っている。  ネットワークの(大きさ・密度を含めた)構造的要素は重要な相違点を説明  できるに至らないが、ネットワーク資源、人脈資源、男女がネットワーク力  を動員する方法の違いによって男女の起業成果に差異が(国別で)生じる。 (7)国別に見ると、中国人女性起業家の起業実行・遂行度は標準値以下である。  ロシアの男性起業家は標準値を大きく上回る。中国人起業家間で、大規模な  精神的サポートを目的としたネットワークを重要視しているグループは、そ  うでないグループと比較して大きな成果を上げている。社会構造や文化的要  素が背景的相違を説明すると考えられる。 Bat氏は、同じような研究を日本の男女起業家間で実施することも考えていま す。将来このような研究がさらに進み、有限の人的資源を無限に利用できるよ うになることを期待します。 黒木嗣也・くろき つぐなり - Edward Kuroki - kuroki@validtechnology.com バリッド・テクノロジー・グループ 代表 - http://www.validtechnology.com 2007.02.15 ■○■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○■ ベンチャー・ビジネス最前線 - Venture Business Front Line - (103) ■┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ モンゴル - Mongolia 日本とモンゴル国の関係は、モンゴルの自由化後発展を続けています。日本国 外務省のHPによると、「二国間関係はすべての分野で飛躍的に発展」、「現在 のモンゴル国はきわめて良好な対日感情を有する国」等とあります(注1)。 また駐日モンゴル大使館のHPによると、「モンゴル国は全方位的な外交政策を 展開しています。我が国の最大の支援国である日本国と総合的パートナーシッ プ関係を促進することはモンゴルの外交政策の優先的課題の一つです。」とも あります(注2)。さらに、両国政府は2006年を「日本におけるモンゴル年」と し、2007年はモンゴルで「モンゴルにおける日本年」を実施します。 このように前向きな両国関係の背景の一つに、(米国でも観戦出来る)日本の 相撲で活躍するモンゴル人力士の存在があると思います。Goo大相撲モンゴル出 身力士一覧(平成18年12月21日更新)によると、幕内に7人、十両に3人、幕下 に12人、三段目に10人、序二段に2人いることがわかります(注3)。ちなみに、 米国において相撲はハワイ州とカリフォルニア州を除いて盛んではありません が、今年4月7日、カリフォルニア州LAで7回目のUS SUMO OPENが開催されます (注4)。 そしてここボストンには、朝青龍(あさしょうりゅう)に顔のよく似たモンゴ ル出身の経営学者がいます。ハーバード大学Davis Center for Russia and Eurasian Studies(デイビス・ロシア・ユーラシア研究所) - Center Associate - のBat Batjargal氏です(注5)。昨年12月25日、同センター・アソ シエートの戸田博士主催クリスマス・パーティーで初めて会いました。皆、 「バット」さんと呼んでいます。バットさんの専門は社会学、イギリスのオッ クスフォード大学で博士号を取得しています。現在、北京大学Guanghua School of Managementでは、(ソーシャル・ネットワーク理論に基づく)「起業戦略」 を教えています(注6)。 このバットさんは、先月31日ハーバード大学・ロシア・ユーラシア研究所で 「Emotional Men vs. Rational Women: Gender, Networks, and Entrepreneurship in China and Russia」と題する論文の一部を発表・講演し ました。直訳すると、「感情的な男性 対 理論的な女性: 性別、(社会的)ネ ットワーク、起業活動(に基づく分析) - 中国とロシアの比較」です。これ だけでは、内容を想像することが難しいですが、直後ハーバード大学新聞でこ の講演に関する(「Cross-cultural study of entrepreneurs has surprising findings」と題する)記事が出ました(注7)。異文化間の起業家研究で、驚く べき発見があったことを述べています。 ANOVA results (分散分析法)に基づく上記研究内容に関しては、次号でお知 らせします。 (注1) http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/mongolia/index.html (注2) http://www.mongemb-jp.com/ (注3) http://sumo.goo.ne.jp/ozumo_meikan/shusshinchi/mongolia.html (注4) http://www.usasumo.com/events_nextsumoopen.html (注5) http://daviscenter.fas.harvard.edu/people/bio_batjargal.html (注6) http://www.gsm.pku.edu.cn/viewfaculty.asp?tid=114 (注7) http://www.news.harvard.edu/gazette/2007/02.08/13-entrepreneurs.html 黒木嗣也・くろき つぐなり - Edward Kuroki - kuroki@validtechnology.com バリッド・テクノロジー・グループ 代表 - http://www.validtechnology.com 2007.02.01 ■○■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○■ ベンチャー・ビジネス最前線 - Venture Business Front Line - (102) ■┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 米国大統領一般教書演説 - State of the Union Address 米国時間1月23日の夜、米国大統領George W. Bush氏による一般教書演説があり ました。「一般教書演説(いっぱんきょうしょえんぜつ、State of the Union Address)とは、米国で大統領が、両院の議員を対象に行う演説で、国の現状 (State of the Union)についての大統領の見解を述べ、主要な政治課題を説 明するもの」です(注1)。全文は、ホワイトハウスのHPで閲覧可能です(注2)。 この一般教書演説が、実際の政策にどのような形で影響するかは近年予測が難 しいのですが、南北戦争中であった1862年12月1日にアブラハム・リンカーンが 述べた(威厳に満ちた)一般教書演説と比較した場合、色々な意味で大きく変 わってきたのがわかります(注3)。この他にも、アブラハム・リンカーンは、 1863年11月19日に、日本国憲法前文の一部となった元の一文が含まれるゲティ スバーグ演説をしたことは言うまでもありません。 分析する人・方法により解釈が異なってきますが、一般教書演説と「Goals of Administration(行政の目的)」の緊密度は、重要事項と直接関連する言葉・文 章・段落の位置と頻度を目安に判断することが出来ます。 例えば、「Bush, By the Words」- January 24, 2007 - には、大統領の教書 演説で使われた語句『Health Insurance (健康保険)』『Oil (オイル)』 『Economy(ic) (経済)』『Al Qaeda (アルカイーダ)』『Surplus(es) (剰余)』 の使用頻度が、2001年から2007年までの比較で出ています(注4)。これによる と、2001年に「健康保険」は2回しか使われませんでしたが、2007年には14回 も使われています。逆に、2001年に「剰余」は7回使われましたが、翌年から は一度も使われていません。「アルカイーダ」は2001年に一度も使われません でしたが、2007年では10回使われています。同様の分析方法と結果が、「US Presidential Speeches Tag Cloud Top 100Tags 2007-01-23: State of the Union Address」には、文字の色彩とサイズを変化させて出ています(注5)。 現在アメリカでは、イラクに対する軍事要員増強に対する非難の声が高まって いますが、先日の教書演説では演説の後半部になってやっとそのことが取り上 げられました。 去る23日の教書演説後、複数のメディアでブッシュ大統領はエネルギーと環境 問題を重要視するとの報道がありましたが(一例として注6)、実際これらの事 項が述べられた優先順位を見るとあまり高くありません(関連する例として注7)。 さらに、元英語学・言語学専門、現在Tewksbury Public Library(注8)司書の Elizabeth Berlikさんは、「今までブッシュ氏は6回の教書演説をしたが、今 回に限りideology(イデオロギー)又ideological(イデオロギー的)を意味する 単語を頻繁に使った。」事実を指摘しました。この理由として、長引くイラク 戦争をイデオロギー的に正当化しようとするブッシュ氏の意図が覗えます。 教書演説の内容とは別に、今回の教書演説において、ブッシュ大統領がメリー ランド州出身合衆国下院議員・議長ナンシー・ペローシさんを「マダム・スピ ーカー」と呼んだことが印象的でした。民主党は昨年11月7日の中間選挙にお いて上下両院で過半数を獲得しました。この結果、ナンシー・ペローシさんが 第60代目、史上初の女性下院議長に選ばれました。この下院議長は、副大統領 に次いで大統領継承権を持っています。「大統領に二番目に近い人」と呼ばれ ています。なお、ナンシー・ペローシ下院議長はリベラル派として知られてお り、イラク戦争には最初から反対の姿勢を見せています。また、中国に対して は厳しい態度を示しています。 (注1) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E8%88%AC%E6%95%99%E6%9B%B8%E6%BC%94%E8%AA%AC (注2) http://www.whitehouse.gov/stateoftheunion/2007/ (注3) http://www.infoplease.com/t/hist/state-of-the-union/74.html (注4) http://willzhead.typepad.com/willzhead/ (注5) http://chir.ag/phernalia/preztags/ (注6) Bush Goes Green? Wednesday, Jan. 24, 2007 By JEFFREY KLUGER http://www.time.com/time/nation/article/0,8599,1581789,00.html (注7) State of the Union wordplay “As our own environmental team notes, however, some eyebrows have been raised over some words that got almost no mention at all -- climate change:” http://blog.seattlepi.nwsource.com/buzz/archives/110828.asp (注8) http://www.tewksburypl.org 黒木嗣也・くろき つぐなり - Edward Kuroki - kuroki@validtechnology.com バリッド・テクノロジー・グループ 代表 - http://www.validtechnology.com 2007.01.15 ■○■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○■ ベンチャー・ビジネス最前線 - Venture Business Front Line - (101) ■┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 消費者生成メディア - CGM (Consumer Generated Media) 最近マーケティング分野で脚光を浴びている分野・技術の一つに、「消費者生 成メディア」があります。これは、IT用語辞典e-Wordsによると、「インター ネットなどを活用して消費者が内容を生成していくメディア。個人の情報発信 をデータベース化、メディア化したWebサイトで、Web 2.0的なもののひとつと される。商品・サービスに関する情報を交換するものから、単に日常の出来事 をつづったものまでさまざまなものがあり、クチコミサイト、Q&Aコミュニティ 、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、ブログ、COI(Community Of Interest)サイトなどがこれにあたる。」とあります(注1)。 はてなダイアリーによると、「情報の消費者自身が生み出す情報媒体を概念化 したもの」とあり、「クチコミ」概念との対比などが説明されています(注2)。 さらに、CGM分野の情報サイトとして、CGMガイド(注3)があります。(株)富士 通総研 経済研究所 主任研究員の浜屋敏氏は、「共同イノベーション・プラッ トフォームとしてのCGM(消費者生成メディア)」と題する資料を発表してい ます (注4) 。 米国ではCGMを有効活用してマーケティング、特にブランディング戦略に役立 てている大手企業が急増しています。放送局、金融、自動車(トヨタも含まれ ている)、コンピューター、エネルギー関係企業等などで、またそれを可能に する様々な技術を提供する企業間の競争・M&Aも激化しています。 2006年9月13日配信の「The Forrester Wave: Brand Monitoring, Q3 2006」 (Peter Kim著)では、米国内CGM関係10数社を56の判定基準に基づいて比較・ 検討しています(注5)。同レポート中で、Kim氏はニューヨーク州本社のNielsen BuzzMetrics(注6)とマサチューセッツ州本社のCymfony(注7)をトップに挙げて います。 CGMの基本概念は、商品・製品開発に当たり、生産者の一方的なアイデアを消 費者に提供するのではなく、常に消費者の声・意見を商品・製品開発に取り入 れることです。これは、製造分野だけに当てはまる手法ではありません。近年、 サービス・プロバイダーとしての位置づけを要求されている地方行政のやり方 にも当てはまるものと筆者は考えます。実はこのような発想と手法は30年以上 も前に宮崎県において取り入れられていました。それは、昭和45年(1970年)6月 の第55回九州知事会議で宮崎県元知事・黒木博 (1907年2月10日 - 2001年12月 24日)によって提案された「総合地域指標(TLP)」(注8)です。 同元知事は、上記提案後昭和48年(1973年)5月9日、宮崎市 宮崎観光ホテルに 於いて、財団法人内外情勢調査会(注9)公演シリーズで「TLP (Total Level of Province) 総合地域指標」と題する発表を行い、因子分析法と要因分析法 を中心とした手法を基に、地域住民(消費者)の声・インプットを反映させた 地域行政の重要性とその効果を説いています。 さらに、同元知事は、昭和52年(1977年)11月16日、財団法人地方自治情報セン ター(注10)において、地方公共団体情報処理システム研究会の基調講演として 「トップとコンピュータ」と題し、上記TLPを用いて「(地域の)特性を完全に とらえ、そしてその特性をふまえて、地域に奉仕するための行政はどうあるべ きかを考える」ことの必要性を述べると同時に、様々なデータを公開しました。 現在のようなコンピュータ技術がなかった当時、このような「即時処理」とい う要素を満たすシステムを構築するのは並大抵なことではなかったと思います (注11)。さらに、当時(県民の)「本音分析」を行い、行政に役立てようと 試みたのは画期的なことだったと思います。このような発想は最近CRM (Customer Relationship Management - 顧客関係管理)ソフトの一部として 紹介されるようになりました(注12)。 昨年日本は県官製談合で揺れました。が、それらはあくまでも氷山の一角では ないかと感じます。「奉仕の行政」意識に欠けた結果ではないかと思いますが、 奉仕は必ずしも一方通行でないことを忘れてはいけないと思います。この意味 で、顧客が生成するメディアを常に分析して、行政・ビジネスなどに取り入れ ることは重要な課題と考えます。そうすることにより、一緒に地域(共有しう る価値)を作ることも可能になるのではないでしょうか。 (注1) http://e-words.jp/w/CGM.html (注2) http://d.hatena.ne.jp/keyword/CGM (注3) http://www.cgmguide.com/ (注4) http://jp.fujitsu.com/group/fri/downloads/report/service-innovation/workshop-01/3_hamaya.pdf (注5) http://www.forrester.com/Research/Document/Excerpt/0,7211,39442,00.html (注6) http://www.nielsenbuzzmetrics.com/ (注7) http://www.cymfony.com/ (注8) 総合地域指標(TLP)に関する元の資料を有する人は少なくなりました。  TLPの概略は、黒木博・著「はまゆう随想」(講談社出版サービスセンター・  昭和63年11月16日発行) pp 256-262で見ることが出来ます。 (注9) http://www.naijyo.or.jp/ (注10) http://www.lasdec.nippon-net.ne.jp/ (注11) プログラム言語としてはフォートランとコボルが使われました。1971  月6月コーディングの単相関分析フォートラン・プログラムから1979年10月  コーディングのコボル・数量化計算用DATAのファイル化プログラムまで多く  のコーディングが行われました。 (注12) http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/crm.html 黒木嗣也・くろき つぐなり - Edward Kuroki - kuroki@validtechnology.com バリッド・テクノロジー・グループ 代表 - http://www.validtechnology.com