清水 えり奈 谷口 嘉那子 西尾 瑛里子 清水 えり奈 谷口 嘉那子 西尾 瑛里子

CROSS TALK ワークライフバランス

キャリアの継続と
柔軟な働き方を支援する制度。
私たちの活躍の場も
ますます広がっていく。

  • 清水 えり奈

    清水 えり奈

    Shimizu Erina

    2000年入構

  • 谷口 嘉那子

    谷口 嘉那子

    Taniguchi Kanako

    2010年入構

  • 西尾 瑛里子

    西尾 瑛里子

    Nishio Eriko

    2007年入構

Q.皆さんのそれぞれのCareer Pathを振り返ってください。

清水
私は2000年入構です。まだ機構になる前の日本貿易振興会と言う特殊法人時代ですね。2003年に今の独立行政法人日本貿易振興機構になりました。最初は海外調査部で、その後は輸出促進の部署に異動後、希望して岡山事務所に転勤。本部に戻って課長代理になってから結婚し、子どもを授かりました。そこで産休・育休を1年半取得しました。
谷口
復職時は時短勤務ですか?
清水
ですね。でも農林水産・食品部がとても忙しい部署で、しかも課長代理だったので「ちゃんと仕事に戻れるかな」という不安が復職前にはありましたが、周囲の人がとても気を遣ってくれて、保育園のお迎えには無事に間に合っています。
西尾
私は海外調査部、神戸事務所と経験した後にメキシコ事務所赴任の辞令があったのですが、それがきっかけで結婚しました。当時夫はサウジアラビアに駐在していたので、結婚式、入籍だけはなんとか日本で済ませて、超遠距離の結婚生活スタートでした。(笑)
谷口
それは大変。
西尾
メキシコには結局5年間いたのですが、その間に夫が日本に帰任、その後しばらくして再度トルコのイスタンブールに赴任となりました。遠距離結婚なことに変わりはないのですが、休暇のときに行く場所が目まぐるしく変わって飽きなかったですね(笑)。で、漸く私がメキシコから帰任となったので、配偶者同行休業(配偶者の海外転勤に伴う休職制度)を使ってイスタンブールに行きました。そこで子どもを授かったので、現地でそのまま育休に切り替えました。2020年2月に日本に戻り、9月に復職しました。
谷口
私は2010年の入構ですが、2017年頃に夫が海外転勤になり、配偶者同行休業を取得しました。その後JFOODOに来てから妊娠し、産休・育休を2年弱取得しました。本来は2020年4月に復職予定だったのですが、コロナの影響で7月に延びました。
清水
同行はどこに行ったの?
谷口
アメリカの田舎の街で、JETROの業務ではまず赴任しないような街です(笑)。でも自然が豊かでとても癒されましたよ。

清水 えり奈

農林水産・食品課課長代理として、食品の輸出に取り組む日本企業をハンズオン支援し、企業の円滑な輸出業務を外部専門家、地方事務所と共にサポートしていく。「チーム全体の事業管理の他、適宜専門家と企業との面談や商談にも同席・サポートしています。コロナ禍で面談・商談ともにオンライン化が進み、支援企業に会える機会が今年度は増えました」

お二人は配偶者同行休業もご経験されていますね?

谷口
アメリカには1年ぐらい行ってました。
清水
産休・育休は一般的になっていますが、同行休業はまだまだ珍しい制度かと思います。しかもうちの制度のいいところは、配偶者が社内ではなく社外の人であっても、それが転勤ではなく海外留学や長期研修でも取得できる点。事実婚でも大丈夫だし、かなり幅が広がるよね。
谷口
ですね。私は夫がJETROの職員ではないのですが、1年間同行休業しました。最大4年間と言うことでまだ3年残していますが、夫が海外赴任をしがちな仕事をしているのでまたついて行く機会があるかもと考えて、残してあります(笑)。
清水
でも同行休業は5年以上の勤務がないと取得できないので、新入職員がいきなりは使えないことになっているかと思います。
西尾
私はイスタンブールで1年ほど利用しましたが、途中で育休に切り替えたこともあってまだ3年弱残っています。同行休業中に現地で出産し、そのまま育休に入る人も増えているみたいですね。また使うことがあるかも。
清水
JETROは業務的には男女の機会は完全に一緒で、担当する仕事や赴任、昇進の機会も平等。でも私は入構したころは出産や育児などのライフイベントによって、女性職員が「辞めたくないのに辞めざるを得ない」という状況が生じてしまっていました。せっかく経験も知識も能力もあるのに、これはとてももったいないことと感じていました。
西尾
だから制度も年々充実してきていますよね。特に女性のライフイベントのサポートが手厚くなっている。
清水
そうなんです。この同行休業などは私が入構した当時はなかった制度で、職員側からの強い要望で実現した制度です。女性に限らず誰でも使える制度なので、最近では男性職員が同行休業を取得して、奥さんの海外赴任に同行したりしています。
谷口
入構してみて女性がすごく働きやすい組織だなっていうのを実感しています。就活のときは自分が結婚して子育てをするとかっていうのは正直全然考えていなかったですが、入構し自分が当事者になってみて、こんなに充実してるんだって思いました。

谷口 嘉那子

日本の農林水産物・食品のブランディングやプロモーションを行う「日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)」に所属。「日本茶と日本産クラフトビールを担当し、代理店とともに米国向けのプロモーションを実施、全国のプロモーション参加事業者やJETROの地方・海外事務所とも連携して日本産品の魅力を発信しています」

復職後はどのようなワークライフバランスですか?

清水
もとの職場に復職し、時短や早朝シフトを選択する人が多いです。
谷口
私はもといたJFOODOに戻って時短ではなくフルタイムで勤務しています。ただ昼時間の短縮という制度を利用してランチを45分で切り上げ、その分15分早く退勤させていただいています。
西尾
その15分が貴重ですよね(笑)。
谷口
本当にそうです。保育園の迎え時間のリミットがあるので、15分早く帰れることは助かってます。気持ちの余裕も違ってきます。子どもが1歳半になるまで有給で時短勤務できる制度は他の会社ではあまり聞かない気がしますね。
西尾
出勤シフトの多様化や時差出勤の制度ができて勤務形態もフレキシブルになったので、子育てとの両立がよりしやすくなった印象です。それとコロナ渦の影響で在宅勤務制度も促進され、通勤時間を節約できるのは育児をする上で大きいですね。
清水
JETROは男性の育休も珍しくなく子育てに参加している男性職員が多いように感じます。人によるけど最近では1ヶ月~1年間育休をとったり、日によって時短勤務を使い分けたり。だから周囲の理解という点ではとても浸透している社風だなと思います。
西尾
ですね。制度があっても誰も使わないと意味がないですから。それにはやはり使うことに対して周囲が「使えるような雰囲気」を作ることも大事で、そういう点でも浸透してきているなと感じます。世間で言われているような、マタハラみたいなことを私は感じたことがないですね。
谷口
制度が当たり前に使われているというのは大きいですよね。あとは男女問わず周りにワークライフバランスを保って活躍している先輩が多くいるのは、モデルになるし心強いです。
清水
制度ではなく有志なんだけど、子供を持つ女性職員の「よつくろ会」という組織があって、ランチなどで情報交換したりもしてます。子どもが下は0歳児、上は大学生と幅広いメンバーですよ。名前は「四葉のクローバー」から来ています。
谷口
どんな話をしているんですか?
清水
ベビーシッターや家事サービス代行の話、たまに仕事の愚痴とかもあったり(笑)。仕事をどう効率化できるかとか、真面目な話題もあります。お互いの悩みにアドバイスできる機会にもなるし、何より共有できるだけで気持ちがすっきりします。
谷口
これも制度とは違いますが、語学サークルとかありますよね。英語、タイ語、フランス語などみんなで一緒に勉強する。今はリモートでやったり。
西尾
業務で得た知識を共有し合うような場も多いですよね。今で言えばデジタルマーケティング勉強会とか、オンライン商談会のヒントみたいな。皆さんとても勉強好き。
清水
自分がせっかく得たノウハウをみんなに共有したいという意識が強いよね。

西尾 瑛里子

対日投資部地域連携課で、外国企業の日本への誘致、特に地方への誘致を行う仕事を担当する。「外国企業の日本への投資はほとんどが東京に集中するが、東京以外にも、医療やITなどの高度な技術を持つ大学や特色ある産業集積、実証実験フィールドなどがある。そうした地域の魅力を積極的に海外に発信していきます」

今後JETROでどのようなCareer Pathを思い描きますか?

清水
世代別に見ると、私が今入構21年目ですが、さらに上の入構30年目ぐらいの世代となるとほとんど男性なんですね。女性職員が少ない。30年前は、まだJETROに女性のライフイベントに対応する制度があまり充実していなかった点があるかもしれません。
西尾
でも今は国内事務所の所長や、本部の部長課長は女性が増えてますし、女性の役員もいます。
清水
産休・育休はやはり女性の方が長く取得しがちになるので、結果的に男性の方が先に管理職に昇進していく数は多くなるかと思います。でも先ほども述べた通り機会は完璧に男女平等ですし、「女性だから」みたいな理不尽な区別はまったくない組織だと感じています。
谷口
女性が結婚・出産・夫の転勤を理由に辞めることなく長く勤められるというのもいいですよね。私は本部を出たことがないのですが、今後はお二人の先輩のように、もっともっと幅広く経験を重ねて後輩の女性職員の手本になれるようなJETROパーソンになれたらと思います。
清水
個人的な願望ですが、一度赴任した岡山事務所時代がとても充実していたので、もう一度行けたらうれしいなと思っています。岡山時代に仕事やプライベートで知り合った方々とは今でもとても親しくしていただいて。行きつけだった飲食店のマスターやおかみさんとか(笑)。
西尾
まさに第二の故郷ですね。私はまたメキシコに行くのもいいかな。5年もいたので愛着もあるし、子どもを連れての生活もなんとなく想像ができるので。子どもが何歳のときに行くかで行きたい場所も変わってくるかも。アジア、特にシンガポールなんかは、治安も安定しているベビーしシッターや教育環境も充実していそうです。
清水
こういう将来のキャリアパスみたいな話題をごく当たり前に語り合える。それがJETROという組織での女性職員のポジションを一番良く表しているのかも知れないですね。