TICAD8に向けたジェトロの取り組み ー共に成長するパートナーとしての日本とアフリカー

2022年08月22日

ジェトロは、「第8回アフリカ開発会議(TICAD8)に向けたジェトロの取り組み」に関して、理事長記者会見を実施しました。要旨は次のとおりです。

1. アフリカの地域情勢

日本とアフリカの関係はより対等になっている。成長の担い手との協業がカギであり、ビジネス拡大の好機である。新型コロナウイルスやウクライナ情勢による経済的な打撃を受けているなか、日本がアフリカにとって「苦しい時の友」になれるかが問われている。

(1)アフリカの今
アフリカの多くの国ではコロナに伴う制限が撤廃され、ウィズコロナ時代に突入するも、エネルギー・食料価格の高騰を引き起こしている。
2050年には世界人口の4分の1に達すると予測されている。また、アフリカ主要国の経済規模はASEAN諸国の経済規模に迫っている。アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の進展により、世界におけるアフリカのプレゼンスの拡大が期待される。
今やアフリカは世界から注目を集め「新アフリカ争奪戦」時代に突入した。特に、中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)の開催や32年連続の外相による年始のアフリカ訪問など中国が積極的。
(2)成長するアフリカ企業とビジネスの種
アフリカ地場の財閥企業は急速に成長を遂げ、アフリカ経済の主役になりつつある。社会課題をビジネスの種とする、アフリカのスタートアップ企業も躍進。
「消費市場」と「カーボンニュートラル」が今後のメガトレンドとして期待。
(3)日本のアフリカビジネスの停滞と日本への期待の高まり
日本の対アフリカ輸出入の推移は停滞が続いており、投資についても諸外国と比べると減少している。アフリカのポテンシャルに対して大きな変化がない。
しかしながら、技術移転や人材育成に真摯に取り組む日本企業の投資が、アフリカから再評価されている。

2. TICAD8におけるジェトロの取り組み

援助からビジネスへの潮流が加速。TICAD8の公式イベントとして、ジェトロはビジネスフォーラムを開催。日本・アフリカ官民のハイレベルが参集し、ネットワークの強化につなげる。

(1)対面のビジネスフォーラムの開催
2022年8月27日(土曜)、28日(日曜)の2日間に渡り、日本、アフリカを代表するビジネスリーダーらが参加・登壇。
日本とアフリカの協業・連携にかかわる覚書を締結予定。
「イノベーション」「グリーン」「工業化・経済多角化」「持続可能なファイナンス」をテーマに日本とアフリカの連携強化をアピールする。また、近年のアフリカ経済をダイナミックに動かすアフリカ企業による先進的な取り組みを紹介するパネルディスカッションを予定。
(2)アフリカの持続的成長に貢献する日本の製品・技術を展示
5つのテーマにごとに日本の製品・技術を紹介する企画展示コーナーを会場内に設置。

3. アフリカに対するジェトロのアプローチ

ジェトロの強みである国内外のネットワークにより、「情報力」と「つなぐ力」で日本企業のアフリカビジネスを支援。

(1)アフリカ関心企業の発掘・育成
TICAD7以降、セミナー/ウェビナーを開催や調査レポートの発信だけでなく、動画コンテンツ「世界は今」を充実化し、現地のビジネス情報を発信。また、中小企業を対象に人材育成支援を実施。
(2)商談機会の創出
デジタルツールを駆使して、優良な現地バイヤーとの商談機会を創出。
2021年6月より「アフリカビジネスデスク」のサービスを開始し、アフリカの現地コーディネーターと連携して、日本企業のアフリカ市場開拓を準備段階から商談会後のフォローアップまで継ぎ目なく支援。
(3)フォローアップ
幅広いネットワークを活用して、成約に至るまでの細やかな支援を実施
進出企業が抱える問題を提議し、解決を促すなど各国のビジネス環境改善のための取り組みにも貢献。
(4)今後の方針
今年11月のラゴス国際見本市へのジャパンパビリオン設置など、見本市、ミッションなどの対面事業を積極的に再開。「J-Bridge」など日アフリカ協業によるオープンイノベーションを推進。
カーボンニュートラルのトレンドを踏まえたモロッコや南アフリカへのミッション派遣や調査など取り組み強化。健康志向の高まりを捉えた日本食のPR展開。
二国間経済員会への積極的関与や現地産業界とのネットワーク強化により、ビジネス環境整備に貢献。
これらジェトロの活動を支えるインフラとして、ジェトロにおけるアフリカ人材を積極的に育成。

参考情報

ジェトロ広報課(担当:川崎、樋口)
Tel:03-3582-5561 E-mail:add@jetro.go.jp