マレーシア最大級の国際食品見本市「FHM 2019」にジャパンパビリオンを設置

2019年09月11日

日本産農林水産物・食品の輸出額が年々拡大するマレーシアに35社・団体がハラール商品、需要の高いホタテや牡蠣等の水産物など多彩な日本食材を売り込み

ジェトロは、マレーシア・クアラルンプールで開催される同国最大級の総合食品見本市「FHM 2019(Food and Hotel Malaysia)」(会期: 9月24日~27日)に、ジャパンパビリオンを設置します(農林水産省補助事業)。
ジャパンパビリオンには国内35社・団体が出品し、和牛・水産物・酒類に加えて、全体の約8割近い29社がハラール認証取得食品やアルコール・豚由来成分不使用のムスリム・フレンドリー食品を出品します。また、「料理デモコーナー」を設置、プロの料理人が出品者の商品を使った本格的で美味しいムスリム・フレンドリーな日本の味をレシピカードと共に提供します。なお、FHMは隔年開催の見本市で、ジャパンパビリオンの出展は2013年の初出展から4回連続となります。

日本食人気が加速化するマレーシア市場

マレーシアへの農林水産物・食品の2018年の輸出額は過去最高の86億円(前年比12.8%)に達しました(図1)。同国は、日本産農林水産物・食品の輸出先として、国・地域別で第13位となっています。マレーシアの1人当たりの国民総所得(GNI)は、タイ、インドネシア、ベトナムなどに比べて高く(2016年の1人当たりのGNIは9,850ドル)、民間消費拡大が期待できる魅力的な市場となっています。また、同国政府は2025年の先進国入りを目標に掲げています。
さらに、マレーシアからの訪日者数は、2013年7月より我が国への渡航がビザなしで可能になったことを契機に、2018年は約47万人と2013年から5年間で2.7倍に拡大しました(図2)。本場の日本の味を知った訪日者が、自国でもその味を求めるようになったことで、マレーシア国内での日本食人気が高まっています。

(図1)日本からマレーシアへの輸出額の推移

2012年から2018年の輸出額を示す図。2012年(52億円)、2013年(62億円)、2014年(68億円)、2015年(83億円)、2016年(73億円)、2017年(77億円)、2018年(86億円)

出典:農林水産省「2018年農林水産物・食品の輸出実績」を基にジェトロ作成

(図2)マレーシアからの訪日外客数

マレーシアからの訪日外客数を示す図。2013年(176,521人)から、2014年(249,521人)、2015年(305,447人)、2016年(394,268人)、2017年(439,548人)、2018年(468,360人)と増え続け、5年間で2.7倍に拡大した。

出典:日本政府観光局「訪日外客数(総数)」を基にジェトロ作成

マレーシア最大級の総合食品見本市FHM

FHMは、1991年以降隔年で開催され、今年で15回目となる総合食品見本市です。世界50カ国・地域から1,250社が出品し、来場者数25,823人(2017年実績)が集まるマレーシア最大の食品見本市で、前回(2017年)のジェトロのジャパンパビリオンへも多くのバイヤーが来場し、ハマチや牡蠣などの水産物、日本茶や抹茶、贈答用の菓子類などに現地バイヤーから大きな引き合いがありました。出品者からは「地元マレーシアはもとより、シンガポールやインドネシア等周辺国からの引き合いも多かった」、「現地の業者や消費者から生の声を聞けた事で今後の課題やニーズの把握が出来た」といった声が多数聞かれました。4回目の出展となる今回も、全国から35社・団体が出品を予定しており、日本産食品の更なる販路拡大を図ります。

多数のハラール商品を出品。ハラールに特化した料理デモ、ショーケースも設置

従来、日本食材の主な消費先は中華系が中心でしたが、今後より輸出を拡大するためには、人口の7割を占めるマレー系(主にイスラム教を信仰)への販路拡大も重要となります。
今回のジャパンパビリオンでは、出品者の約8割近くの29社が、お茶やごま加工食品、ゆず調味料などのハラール認証を取得した商品や、アルコール・豚由来成分不使用の魚肉ソーセージ、即席麺などのムスリム・フレンドリー食品を出品します。そこでジャパンパビリオンには今回初めての試みである「ジャパン・ハラールショーケース」を設置します。20社40アイテムを超える商品を一堂に集めて展示し、この機会にマレーシアのバイヤーへ日本産のハラール及びムスリム・フレンドリー食品をPRします。
さらに、ジェトロでは、日本産食品の使用方法などを現地の方々に紹介する「料理デモコーナー」を設置。現職のプロ料理人が、出品者の商品であるホタテ、明太子ソース、梅干し等の日本特有の商材を使いマレーシア人の好むメニューに仕上げ、美味しいムスリム・フレンドリーな日本食を提供します。

水産物や畜産物など現地ニーズの高い多様な商材を出品

ジャパンパビリオンでは他にも多様な商材を出品予定です。日本食人気に伴い引き続き需要の高いホタテや牡蠣などの水産物に加えて、2017年11月より同国への輸入が解禁された日本産牛肉などを積極的にPRします。また、日本からマレーシアへの輸出品目第一位のアルコール飲料も多数出品予定で、日本酒や焼酎など現地で人気の日本産食品を売り込みます。さらに、成人の肥満率が13.3%とASEAN6カ国の中で最高となっているマレーシアでは、近年健康や美容意識が高まっており、ジャパンパビリオンでもポリフェノール豊富な青森県産黒ニンニクのほか、青汁を食べやすくゼリー状にした青汁ゼリー、大豆由来のプロテイン粉末など現地ニーズに合った商品の出品も予定しています。


FHM 2019ジャパンパビリオン開催概要

主催
:ジェトロ
会期
:2019年9月24日(火曜)~27日(金曜)
会場
:Kuala Lumpur Convention Centre
参加規模
:378平方メートル
参加企業
:35社・団体

FHM 2017実績

出品者数
:50カ国 1,250社
来場者数
:25,823人
開催頻度
:隔年
「FHM 2019」ジャパンパビリオンについて:

ジェトロ農林水産・食品部 農林水産・食品事業推進課 (担当:和波、細山)
Tel:03-3582-5546

ジェトロ・クアラルンプール事務所 (担当:小野澤、重松)
Tel:+60-3-2171-6100