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「2018年度 アフリカ進出日系企業実態調査」の結果について ―アフリカ市場での競合相手、中国企業が初めてトップに浮上―

2019年01月16日

ジェトロは2018年9~10月、アフリカ24カ国に進出している日系企業に対し、経営実態等に関するアンケート調査を実施しました。
本年8月28日(水曜)~30日(金曜)には横浜で「第7回アフリカ開発会議(TICAD7)」が開催されます。本調査はその機会を捉え、TICAD7での議論に資することなどを目的に実施したものです。その結果を次のとおり発表します。

調査方法・実施時期 アンケート調査・2018年9月7日~10月19日
アンケート送付先 392社(回答企業数310社(うち製造業81社、非製造業229社)、有効回答率79.1%)
設問項目 (1)経営状況と今後1~2年の事業展開、(2)投資環境、(3)第三国連携、アフリカ市場での競合相手、(4)日本政府による企業支援への期待など

調査結果のポイント

  1. 資源・ODAから民需狙いへのシフト色濃く。新産業への注目も高まる。
  2. アフリカ市場での競合相手として、中国企業が初めてトップに浮上。
  3. TICAD7控え、進出企業の76%が日本政府のビジネス支援強化を要望。

調査結果概要

1. 【営業利益見通し・今後の事業展開】約半数が黒字維持、6割が事業拡大検討。

  • 2018年の営業利益見通しが「黒字」と回答した企業は、アフリカ全体で半数に上った。国別では南アフリカ共和国(以下、南ア)、ザンビア、エジプトで約6割と好調。エジプトは財政の改善などを背景に、過去5年間で最高(58.8%)を記録した。一方、ケニアでは黒字の割合は前年より増加したものの低調(25.0%→34.4%)、モロッコでは前年から一転、大きく減少した(61.1%→45.5%)。【資料7-8頁】
  • 「今後事業を拡大する」と回答した企業の割合は、過去5年連続で過半を超え、事業拡大傾向は継続。国別では、天然ガス開発で急成長が見込まれるモザンビークで7割超、フリーゾーン開発で企業誘致に力を入れるモロッコで6割超となった。【資料13頁】

2. 【事業環境の変化】進出理由は民需狙いに、日本のODA・天然資源は減少。新産業への注目も。

  • 民需狙いと考えられる「市場の将来性」や「市場規模」を進出理由とする声が増加。2007年度調査と比較すると、「日本のODA」や「天然資源」の割合は大幅減。ナイジェリアとエジプトは9割超が「市場規模と成長性」を魅力と回答。【資料18、20頁】
  • 今後有望視する分野では、上位にインフラ、サービス業、消費市場、新産業などが並び、これまでの注目分野であった資源、輸送機器(二輪・四輪等)などを上回る結果となった。【資料19頁】
  • 経営上の問題点では、「規制・法令の整備、運用面」が最大リスク。9割近い企業が問題視しており、ガバナンスへの強い懸念が示された。【資料21頁】
  • FTAの利用企業は着実に増加。2018年には大陸自由貿易圏(AfCFTA)協定が署名されるなど、域内統合の動きが進展を見せる。日系企業が最も利用しているFTAは、南アがけん引する南部アフリカ開発共同体(SADC)。今後の利用を検討する企業が多かったのは、人口大国ナイジェリアが加盟する西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)。【資料22-24頁】
  • 今後の注目国に挙げられた上位3カ国は4年連続でケニア、ナイジェリア、南ア。ケニアは活発なICT・スタートアップ産業に注目。ナイジェリアは大陸最大の経済・人口大国、南アは域内で群を抜く経済インフラに高い評価。【資料25、26頁】

3. 【第三国との連携・競合】アフリカ市場での競合相手、中国企業が初めてトップに浮上

  • 第三国企業との連携では南ア、インド、フランスが有望視された。南アは域内拠点として、広域展開で先行する地場企業が蓄積したノウハウと市場ネットワークが魅力。インドは同国と親和性のあるアフリカ市場での優れた戦略のほか、(日本企業の)インド拠点を活用したアフリカ進出が示唆された。フランスは仏語圏アフリカ諸国での協業可能性への期待が聞かれた。【資料29頁】
  • 競合相手として、中国企業が過去4回の調査で初めてトップに浮上。回答企業の割合も2007年度調査の3.7%から、今回22.9%にまで増加した。【資料30】
  • アフリカと経済関係を強化する中国に対して、「競合が激化し自社にも影響がある」との回答が4割を超えた。一方、「ビジネスチャンスの拡大やメリットと捉えている」との回答も約2割で、具体的には「中国が整備したインフラを活用できる」などの声が聞かれた。【資料31頁】

4. 【政府による支援】進出企業の76%が日本政府のビジネス支援強化を要望。

  • 本年8月には横浜で第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が開催予定。現在、「日本政府による支援を受けている」とした企業は3割弱だった。一方、「日本政府は支援を強化すべき」とした企業は約8割に上った。投資環境改善に向けた「現地政府への各種要望」を求める声が多く聞かれた。【資料32頁】

ジェトロ中東アフリカ課 (担当:高崎、山崎)
Tel:03-3582-5180
E-mail:orh@jetro.go.jp