米国西海岸最大級の高級食品総合見本市「Winter Fancy Food Show 2019」にジャパンパビリオンを設置

2019年01月08日

48社・団体が、輸出先2位の米国市場に日本産食品を売り込み

ジェトロは、農林水産省「戦略的輸出拡大サポート事業」の一環として、米国・サンフランシスコで開催される「Winter Fancy Food Show 2019」(会期:2019年1月13日~15日)にジャパンパビリオンを設置します。8年連続8回目となる今回は、昨年に比べ5社多い国内48社・団体が現地バイヤー向けアンケートで関心度の高い、日本産菓子類や健康志向食品等を出品します。また、見本市での成果獲得を目的に、開催に先立ち出品者とロサンゼルス在住の海外コーディネーターとの模擬商談の機会も設けました。

「Winter Fancy Food Show」は、毎年6月にニューヨークで開催される「Summer Fancy Food Show」と並ぶ米国を代表する高級食品見本市です。20カ国から1,400社・団体が出展、主催者による徹底した「Business-Only」の来場者制限の元、購買意欲の高いバイヤーの来場が特徴です。

1. 米国市場ニーズを把握し、菓子類や健康志向食品等を出品

日本産食品がある程度浸透する米国西海岸において、新規の商流構築と販路拡大を目指すには、市場が求める商品を売り込むことが重要です。ジェトロは、本見本市の出品者募集に先立ち、現地バイヤー約30名を対象に、現地市場ニーズ把握を目的とするアンケート調査を実施しました。

調査の結果、日本産品のうち関心が高い商品として、「菓子類、日本酒、水産物・水産加工品、調味料類」が多くのバイヤーから支持を得ました(図1参照)。

また、米国の消費者は健康志向が高いと言われており、それを裏付ける結果として、食品で魅力を感じるキーワードとして、「有機/天然原料、ヘルシー、グルテンフリー、No-MSG(グルタミン酸ナトリウム不使用)」が上位にあがりました(図2参照)。

このことから、今回のジャパンパビリオンでは、ビスケットや大福(菓子)、純米吟醸(日本酒)、ホタテやイワシの甘露煮(水産物)、ハーブソースや山葵(調味料)、有機抹茶やグルテンフリーラーメン(健康志向食品)等を中心に出品し、更なる輸出拡大を目指します。

(図1)バイヤーアンケート結果
「日本産品のうち関心が高い商品は何ですか」

回答数の多い順に、菓子類17(全体の58.6%)、水産物・水産加工品15(同51.7%)、日本酒14(同48.3%)、調味料類(特にわさび、ソース、スパイス、ハーブ系)平均13.25(同45.7%)が多くの支持を得た。回答のあった商品は、他に、畜産物・畜産加工品、緑茶、ラーメン、海藻、飴、うどん、スープ、クッキー、抹茶、アルコール飲料(日本酒、焼酎、ビール以外)、ケーキ等、焼酎、ビール、その他調味料、米、チョコレート、アイスクリーム、食用油、パスタ、離乳食。

(図2)バイヤーアンケート結果
「“食品”で魅力を感じるキーワードはどれですか」

回答数の多い順に、有機・天然原料18(全体の64.3%)、ヘルシー15(同53.6%)、グルテン非含有14(同50.0%)、グルタミン酸ナトリウム不使用13(同46.4%)が多くの支持を得た。回答のあったキーワードは、他に、昔ながらの、コーシャ認証取得、ベジタリアン向け、乳製品を含まない、塩分控えめ、カロリー控えめ、ハラル認証取得、乳糖非含有、砂糖不使用、大豆不使用、代替食、ナッツ不使用。

(出所)図1、2共にアンケート結果よりジェトロ作成

2. 会期前の模擬商談や米国インポーターとの事前マッチングで成果向上を目指す

見本市で成果を上げるためには、バイヤーに対して端的に商品の魅力や取引条件等を伝えることが重要です。そのため、会期に先立ち、出品者とロサンゼルス在住の海外コーディネーターとの模擬商談の機会を設けました。同模擬商談では、出品者がバイヤーに扮した海外コーディネーターに対して、自社商品をPRしたうえで、同コーディネーターから、より明快な商品説明の方法や試食提供の方法等について細かなアドバイスを行いました。

さらに、米国に商流を持たない出品者に対しては、会期前の有力インポーターとのマッチングの機会を設けました。これにより、8組のマッチングが成立しており、見本市会に向け具体的な商談を進めています。

3. 米国人消費者の志向にあわせたパッケージ・デザインのアドバイス

米国の小売向け商品では、商品パッケージのデザインが、消費者の志向に合致していることや競合商品と差別化できているかが、バイヤーの購買決定に大きく作用します。

その為、ジェトロでは、小売向け商品を取り扱う出品者を対象に、パッケージ・コンサルティングを実施しました。各社は、米国のデザイン専門会社から、米国と日本のパッケージの相違、今年のデザインキーワード、既存デザインの変更等についてアドバイスを受け、会期当日に向けてパッケージの改善に取り組んでいます。

(写真)米国で流通している抹茶のパッケージ
(杉本製茶提供)

4. 更なる輸出額増加が期待できる米国市場

2017年の米国向け農林水産物・食品の輸出額は、香港に次ぐ世界第2位の1,115億円(前年比6.8%増)に上ります(図3参照)。

これは、農林水産省がホームページ上で発表している1999年以降過去19年間で最高額であり、米国市場への更なる輸出額増加が期待されています。

(図3)米国向け農林水産物・食品の輸出額推移
(単位:億円)

米国向け農林水産物・食品の輸出額推移は、2013年819億円、2014年932億円、2015年1,071億円、2016年1,045億円、2017年1,115億円と順調に推移しています。

(出所)農水省ウェブサイトよりジェトロ作成


ジャパンパビリオン 概要

主催
:ジェトロ
会期
:2019年1月13日(日曜)~15日(火曜)
会場
:Moscone Center
参加企業
:48社・団体(添付の出品者リスト参照)
参加規模
:3,800sq.ft.(うち、出品者ブース3,400sq.ft.)

Winter Fancy Food Show 過去実績

出展者数
:1,400社(出展国数:20カ国・地域)
来場者数
:33,000人

前回(Winter Fancy Food Show 2018)ジャパンパビリオンの様子

ジェトロ農林水産・食品事業推進課(担当:和波、福田)
Tel:03-3582-5546

ジェトロ・ロサンゼルス事務所(担当:栗山、山口)
Tel:+1-213-624-8855