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「2017年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」(ジェトロ海外ビジネス調査) 結果概要

2018年03月07日

ジェトロでは2017年11月~2018年1月にかけて、ジェトロのサービス利用企業(=海外ビジネスに関心の高い日本企業)9,981社を対象にアンケート調査を実施、3,195社から回答を得た(うち中小企業が2,591社、有効回答率32.0%)。アンケートでは、貿易・海外進出への取り組み、各国のビジネス環境、FTAの活用、外国人材の活用、デジタル技術の活用等について尋ねた。調査結果のポイントおよび概要は以下のとおり。

調査結果のポイント

  • 事業拡大意欲は輸出で高水準続くも一服感、国内は初の6割超え
  • ベトナムでの事業拡大意欲が3年連続で増加、中国に次ぐ2位に上昇
  • 最も影響大のデジタル技術は大企業がIoT、中小企業が電子商取引(EC)、海外ビジネスでの活用はECが中心

調査結果の概要

1.事業拡大意欲は輸出で高水準続くも一服感、国内は初の6割超え【P9~15】

今後(3年程度)の輸出方針については、「さらに拡大を図る」企業が67.8%と高水準が続くものの2年連続で減少し一服感が見られる。人材不足などで輸出拡大余力に乏しい中小企業を中心に現状を維持する企業が増加した。また、今後(3年程度)の海外進出方針では、「拡大を図る」企業の割合が57.1%と依然として過半を超えるが、前年(61.4%)から減少した。進出先における賃金・生産コストの上昇や労働力不足などが進出拡大に向けた課題として指摘されている。一方、今後(3年程度)の国内事業展開方針では、「拡大を図る」企業の比率が61.4%と、比較可能な2011年度以降で初めて6割を超えた。国内事業ではほとんどの業種で拡大意欲が増加、機能別では販売と回答した企業の比率が83.6%と最も高く、新製品開発(48.6%)、高付加価値品の生産(48.5%)が続いた。

2.ベトナムでの事業拡大意欲が3年連続で増加、中国に次ぐ2位に上昇【P16~21】

「現在、海外に拠点があり、今後さらに海外進出の拡大を図る」と回答した企業のうち、拡大を図る国・地域については、ベトナムの比率(前年34.1%→37.5%)が3年連続で増加して2位に上昇した。中国(同52.3%→49.4%)は引き続き首位を維持した。主要国・地域ではASEAN6(69.2%)が中国(49.4%)を6年連続で上回った。ASEAN6の中では、ベトナムは非製造業、フィリピンは製造業の事業拡大意欲の増加が目立つ一方、タイやインドネシアでは事業拡大意欲の鈍化が続いている。米国は製造業の事業拡大意欲が縮小した。メキシコは特に製造業の事業拡大意欲低下が続いた。

3.大企業では中国ビジネス拡大の兆し【P22~25】

今後(3年程度)、既存の中国ビジネス(貿易、業務委託、技術提携、直接投資)を拡充、新規ビジネスを検討すると回答した企業は48.3%と前年(48.7%)並みが続く一方、32.0%の企業が「まだ分からない」と回答した。企業規模別にみると、特に大企業では既存の中国ビジネスを拡充、新規ビジネスを検討する企業の比率が62.5%と2年連続で増加した。中国ビジネスを拡大・維持する理由は、「中国の市場規模、成長性」(72.9%)が引き続き最大で、「中国人の所得向上に伴うニーズの変化」(31.4%)、「事業が確立し軌道に乗っている」(25.2%)が続いた。

4.英国のEU離脱は欧州域内リスク、米新政権の政策は様々な国でリスク要因に 【P26~29】

ビジネスを行う上での魅力・長所は、調査対象の11カ国全てで「市場規模・成長性」となった。事業拡大意欲が増加しているベトナムでは、「市場規模・成長性」や「納入先集積」の魅力が上昇した。ビジネスを行う上での課題については、中国の課題指摘率が前回調査(2015年度)から全項目で低下した。また、「英国のEU離脱リスク」は英国および欧州で最大の課題とされているが、その他地域ではほとんど課題として認識されていない。一方、「米新政権の政策」は、特に米国、メキシコ、ロシアで回答率5割を超える最大課題として認識されている他、アラブ首長国連邦、カナダ、韓国、中東、中南米でも回答率が2割を超えた。

5.最も影響大のデジタル技術は大企業がIoT、中小企業が電子商取引(EC)、海外ビジネスでの活用はECが中心【P30~38】

自社のビジネスに今後、中長期的(5~10年程度)に「影響が大きいデジタル技術がある」と回答した企業は48.7%と、約半数を占めた。最も影響が大きい技術は、電子商取引(EC、32.1%)、IoT(20.3%)、ロボット(14.6%)、人工知能(AI、13.9%)、3Dプリンター(5.1%)、フィンテック(4.8%)、ビッグデータ(4.6%)の順となった。大企業ではIoT、中小企業ではECが最多となる。技術によって異なる活用メリットが認識されている一方、活用課題はすべての技術において「人材不足」および「導入・運用コスト」の2つが他の課題を圧倒した。 海外ビジネスにおけるデジタル技術の活用状況は、ECが最多(「活用中」と「活用を検討中」の合計で17.8%)で、次いでIoT(5.7%)、ロボット(4.5%)と続いた。海外ビジネスにおけるデジタル技術の活用対象国・地域をみると、国別ではすべての技術で中国が首位となった。

6.EU向け輸出を行う企業の52.1%が日EU・EPAの利用を検討中【P39~43】

日本のFTA締結国へ輸出を行う企業のうち、当該FTAを利用している比率は44.9%で、ほぼ前年(45.1%)並みであった。大企業の利用率は63.5%と高く、前年比6.4%ポイント上昇した。協定別では、2017年12月に交渉妥結した日EU・EPAの利用を検討中と回答した企業が52.1%と5割を超えた。日EU・EPAの原産地証明制度に採用された「自己証明制度」について「知っている」と回答した企業は、FTAを利用している企業の49.1%であった。

7.約半数の企業が外国人社員を雇用、中長期的には幹部人材ニーズも高まる見通し【P44~48】

国内で「外国人を雇用している」企業の割合は45.4%と、前年(46.0%)並みの水準を維持した。外国人社員を雇用する企業においては、「一般事務職に外国人がいる」企業が50.3%と最も多く、次いで一般工職(40.0%)、エンジニア(24.1%)の順となった。今後、中長期的(5~10年程度)に外国人材ニーズが高まると見込まれる職種を尋ねたところ、幹部職層では、「事務系の部課長級」が29.4%で最も多く、「研究開発職」(18.8%)、「技術系の部課長級」(16.4%)、「取締役(社外取締役を含む)」(9.6%)と続いた。

ジェトロ国際経済課 (担当:明日山、長﨑)
Tel:03-3582-5177