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「2016年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」(ジェトロ海外ビジネス調査)結果概要

2017年03月08日

ジェトロでは2016年11月~2017年1月にかけて、ジェトロのサービス利用者(=海外ビジネスに関心の高い日本企業)を対象にアンケート調査を実施、約3,000社から回答を得た(有効回答数2,995社、うち中小企業は2,355社、有効回答率30.3%)。アンケートでは、貿易への取り組み、海外・国内の事業展開方針、外国人材の活用、電子商取引、FTAの活用、国際標準化等について尋ねた。結果概要は以下のとおり。

1.輸出拡大意欲は引き続き高水準を継続

今後(3年程度)の輸出方針については、「輸出の拡大をさらに図る」企業が70.1%と前年(74.2%)からやや減少したものの高水準を継続、「新たに取り組みたい」企業(11.8%)とあわせると81.9%の企業が輸出拡大に意欲を示した。輸出拡大の理由は「海外需要の増加」(72.0%)が最大であった。過去(2012年度)の調査と比較すると、最も重視する輸出先として、米国、ベトナム、西欧を挙げる企業の比率が大きく増加した。

2.海外進出拡大意欲が増加、国内事業拡大の割合が過去最大に

今後(3年程度)の海外進出方針では、「拡大を図る」企業の割合が60.2%と、前年(53.3%)から増加し、4年ぶりに6割を超えた。今後(3年程度)の国内事業展開方針では、「拡大を図る」企業の割合が54.7%と、前年(52.0%)から増加し、比較可能な2011年度以降で最大となった。国内事業を拡大する理由としては、「国内での需要の増加」(54.6%)と回答する企業が半数を超えた。

3.ベトナムは事業拡大意欲が2年連続で増加、メキシコでは製造業を中心に意欲に陰り

「現在、海外に拠点があり、今後さらに海外進出の拡大を図る」と回答した企業のうち、拡大を図る国・地域については、中国(前年53.7%から52.3%)、タイ(同41.7%から38.6%)が引き続き上位となったが、減少が続いている。ベトナム(同32.4%から34.1%)は2年連続で増加して3位に上昇、次いで米国(同33.7%から33.5%)となった。主要国・地域で拡大を図る国・地域としては、ASEAN6(70.5%)が中国(52.3%)を5年連続で上回った。ASEAN6の中では、タイとともにインドネシア(前年31.8%から26.8%、5位)が減少する一方、ベトナムとともに、フィリピン(同11.3%から13.4%、13位)が増加した。また米国では、製造業で事業拡大意欲の上昇が続いている(同40.7%から41.9%)。その他の新興国では、メキシコ(同10.9%から8.5%、15位)、ブラジル(同5.1%から3.4%、21位)、トルコ(同3.4%から1.7%、23位)で前年から事業拡大意欲に陰りがみられた。特にメキシコでは、製造業でその傾向が顕著(同14.4%から10.2%)であった。

4.中国拠点・機能の移管が最多

国内外拠点・機能の再編について、移管元では中国が移管件数全体(458件)の36.0%を占め、日本(30.8%)を上回った。拠点・機能の移管先では、ASEANが同36.9%を占め、2014年度調査に引き続き最多となったが、比率は縮小した。また、日本への移管が14.6%とはじめて中国(13.8%)を上回った。移管元・移管先の組み合わせでは、「中国からASEANへ移管」(15.3%)が最も多く、「日本からASEANへ移管」(12.9%)を上回った。中国からASEANへ移管(70件)では、ベトナムが最多(38件)となり、タイ、ミャンマー(各9件)が続いた。また、「中国から日本へ移管」も8.5%を占めた。

5.海外ビジネスを担う人材の確保が最大の課題、外国人社員を雇用する企業も約半数に及ぶ

海外ビジネスの課題を尋ねたところ、「海外ビジネスを担う人材」(55.3%)と回答した企業の割合が最も多く、「現地でのビジネスパートナー」(52.1%)、「海外の制度情報」(48.9%)が続く。海外ビジネス拡大に向けた人材戦略については、「現在の日本人社員のグローバル人材育成」を挙げる企業が48.1%と最も多く、次いで「外国人社員の採用、登用」(23.1%)を選ぶ企業が多かった。「外国人を雇用している」企業の割合は46.0%と、2年連続で増加し緩やかな拡大基調にある。「外国人を雇用している」割合は、大企業で73.1%に及ぶ一方、中小企業は38.6%に留まる。ただ、「今後採用を検討したい」と回答した中小企業は24.7%と4社中1社に及び、外国人材への関心は高い。

6.電子商取引の利用率は24.4%、電子商取引利用企業のうち、海外販売での利用は47.2%

国内外での販売において、「電子商取引を利用したことがある」と回答した企業は回答企業総数の24.4%、「利用を検討している」と回答した企業(22.5%)を合わせると46.9%に及ぶ。電子商取引を利用したことのある企業(731社)のうち、海外への販売で利用したことのある企業は47.2%であった。大企業(49.1%)、中小企業(46.6%)ともに約半数の企業が海外販売で電子商取引を利用している。海外販売先(日本からの輸出、海外拠点での販売)では、中国(電子商取引を利用し、海外へ販売を行っている企業の49.6%)、米国(同36.2%)、台湾(同26.4%)、香港(同22.6%)、韓国(同19.4%)が上位を占めている。電子商取引による海外販売の課題は、 「決済システムの信頼性」(回答企業総数の25.2%)、「商品配送に係るリスク」(同24.2%)、「必要な人員の不足」(同21.1%)、「現地語への対応」(同21.0%)、 「制度や規制に関する情報不足」(同21.0%)であった。

7.45.1%の企業がFTAを利用、大企業の利用率は6割に上る

日本のFTA締結国へ輸出を行う企業のうち、当該FTAを利用している比率は45.1%(557社)である。特に大企業の利用率は57.1%(194社)と高く、利用検討中もあわせると72.1%に上る。FTA利用率を計算する際の母数には、一般関税が無税であること、または他の関税減免制度の使用により、FTAを使う必要のない企業も9.6%存在する。これら企業を母数から除いた場合のFTA利用率は、全体で49.9%、大企業で63.2%、中小企業で44.9%となる。

ジェトロ国際経済課 (担当:米山、長﨑)
Tel:03-3582-5177