クアラルンプール日本産農水産物・食品輸出商談会に40社が出品 ‐ASEAN最大の富裕層市場を目指して‐

2017年11月22日

ジェトロは11月29日、農林水産省の「輸出総合サポートプロジェクト」の一環として、広島県、鳥取県と合同で、マレーシア・クアラルンプールにおいて「クアラルンプール日本産農水産物・食品輸出商談会2017」を開催します。本商談会には合計40社が参加し、ASEANの中で最も富裕層が多いマレーシア市場への輸出を目指します。

ASEANの中で富裕層が最も多い有望市場

マレーシアは、日本の農林水産物・食品の輸出先として世界で第13位(2016年:73億円)の相手国です。2016年はイワシやサバなど水産加工品向け原料輸出の減少により、輸出量が減少に転じたものの、2017年1~9月は前年同期に比べ2.9%増となっています。
また、Euromonitor Internationalによると、年間可処分所得が35,000ドルを超える富裕層は、シンガポール総人口を上回る603万人(2016年)と推計されており、マレーシアはASEANの中で富裕層が最も多い輸出先となっています。
加えて、マレーシアはイスラム国家であるため、イスラム教を信仰する「マレー系」をターゲットとする場合には現地で消費される食品に制限(ハラール)がありますが、富裕層が多いとされる「中華系」を中心に日本食が好まれています。特に、クアラルンプール市内には日本食レストランが約600店(全国で約1,400店)あるなど日本食の有望市場として注目を集めており、こうした市場に日本企業40社が売り込みます。

グラフ:マレーシアの1世帯あたりの可処分所得分布(US$)


(出典:Euromonitor International資料よりジェトロ作成)

現地ニーズの高い多様な食材を紹介

本商談会は広島県、鳥取県と共同開催するもので、広島8社、鳥取3社を含む合計40社が参加します。
このうち、マレーシア向け農林水産物・食品輸出(金額ベース)1位の加工食品(2016年:30億円)では23社が出品し、タルトやカステラといった菓子類、レトルトカレー、乾麺(うどん、そば、ラーメン)を売り込みます。
イスラム国家のマレーシアにおいて宗教上の制限を受けるアルコール飲料は、「中華系」を中心に引き合いが多く、日本酒、日本産ワインを取り扱う3社が、レストランなどへの商流構築を目指します。
贈答需要の多い日本産の青果物(2016年:3億円)では、旧正月の贈答需要の大きいかんきつ類で唯一輸出可能となっている温州ミカンの出品が1社、ブドウ、イチゴ、トマトの出品が3社参加します。

輸出未経験の5社を含む20社が初めてマレーシア市場を目指す

今回の商談会では、全く輸出経験がない5社を含む、20社がマレーシアへの初めて輸出を目指します。
マレーシア向け農林水産物・食品輸出2位(金額ベース)の水産物(2016年:24億円)の多くは、いわし、さばなど加工品の原料です。しかし、日本食レストランの増加に伴い、日本料理や中華料理の食材としてのニーズが拡大しており、外食向けを中心に輸出を伸ばせる品目として期待されています。
今回、こうしたニーズに注目し、フレークが細かく調理しやすい鮭フレークやサメの水揚げ量日本一の気仙沼産のサメ加工品(モウカサメのフライ)を取り扱う企業が出品。また、マレーシア向け輸出上位品目であるマグロを取り扱う企業が、中国産が4割以上を占めるマレーシアのマグロ市場の開拓に挑みます。

「クアラルンプール日本産農水産物・食品輸出商談会2017」
開催概要

主催:
ジェトロ
会期:
2017年11月29日(水曜)
会場:
Renaissance Kuala Lumpur Hotel

(住所)Corner of Jalan Sultan Ismail and Jalan Ampang, Kuala Lumpur 50450, MALAYSIA

参加企業:
40社・団体(添付の参加企業リスト参照)
(※うち、同時開催の広島県商談会として8社、鳥取県商談会として3社の参加を含む)

ジェトロ農林水産・食品部 農林水産・食品事業推進課 (担当:和泉・中川)
Tel:03-3582-5546

ジェトロ・クアラルンプール事務所 (担当:重松・原口)
Tel:+60-3-2171-6100