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2014年の日中貿易(双方輸入ベース):輸出入とも横ばい、3年連続で日本側の赤字

2015年02月19日

ジェトロが財務省貿易統計と中国海関統計を基に、2014年の日中貿易を双方輸入ベースでみたところ、総額は前年比0.2%増の3,436億8,209万ドルで、ほぼ前年並みとなりました。

輸出(中国の対日輸入、以下同じ)は0.3%増の1,626億8,564万ドル、輸入は0.1%増の1,809億9,646万ドルとなりました。その結果、貿易収支は日本側の183億1,082万ドルの赤字となりました。赤字は3年連続となります。

この分析は、日本の対中輸出を中国の輸入統計でみる「双方輸入ベース」となっております。これは貿易統計が輸出を仕向地主義、輸入を原産地主義で計上しており、香港経由の対中輸出(仕向地を香港としている財)が、日本の統計では対中輸出に計上されないためです。中国の輸入統計には日本を原産地とする財がすべて計上されることから、両国間の貿易は双方の輸入統計のデータがより実態に近いと考えました。なお、中国の輸入統計はドルベース、日本の輸入統計はGlobal Trade Atlasによるドル換算値を用いております。

調査結果のポイント

1. 2014年の特徴
  1. 輸出:輸送用機器、一般機械が増加するも、化学製品が減少し、前年並みに
    輸出は、中国の安定成長を背景に輸送用機器が増加に転じ、一般機械も増加したが、化学製品が減少し、全体では横ばいとなった。輸送用機器は中国で生産していない車種や高級車のニーズ拡大を受け、乗用車が2割強の伸びを示した。一般機械は、高品質な製品の効率的かつ安定的供給・生産工程自動化などのニーズ拡大を背景に、マシニングセンタを中心とした金属加工機械が増加した。最大シェアの電気機器は、通信機の部品が4割弱増加したものの、IC(集積回路)などが減少したこともあり、前年並みだった。

    【品目別の特徴】

    1. 乗用車の輸出台数は2013年の6.4%増から2割増となった。反日デモ前の2011年の水準を数量・金額とも上回り過去最高で、日本は台数ベースで最大の対中輸出国となった。
    2. 通信機(部品を含む)は、中国でのスマートフォン部品需要の増加を背景に4割弱の伸びとなった。最大輸出品目である半導体等電子部品は、低価格帯のICを中心に数量が増加したが、金額は減少した。
    3. マシニングセンタが台数で前年の3倍となり、一般機械の伸びをけん引した。また、食料品は冷凍魚介類が2ケタ増となるなど、全体で2割を超す伸びとなった。
    4. 化学製品は有機化合物が2ケタ減となった。市況の低迷が響いた。
  2. 輸入:電気機器、原料別製品が増えたが、衣類・同付属品の減少で前年並みに
    輸入は、一部の品目が増加したものの、総額としてはほぼ横ばいとなった。電気機器は光電池など半導体等電子部品がけん引した。原料別製品は鉄鋼が中国での輸出増値税還付廃止を前に駆け込み輸出がみられ大きく伸びた。他方、衣類・同付属品は中国の生産コスト上昇によるASEANへの生産拠点の移管が続き、数量・金額ともに減少した。

    【品目別の特徴】

    1. スマートフォンを中心とする通信機は、秋の新機種の発売により昨年並みを維持した。半導体等電子部品は、太陽光発電システムの需要増もあり、光電池が6割弱の増加となったほか、タブレットなど電子機器用の需要増でICも伸び、4割弱の増加となった。
    2. 鉄鋼は震災復興需要、中国の輸出増値税還付廃止前の駆け込み輸出などによる線材や合金鋼の増加により35.4%増となった。
    3. 衣類・同付属品は2ケタ減で、前年比減少幅が拡大した。ドレスやジャケット、スーツといった付加価値の高い品目においても、中国からベトナム、インドネシアなどへ一部生産移管が進んだ。
  3. 対中貿易収支:3年連続で日本側の赤字
    対中貿易収支は3年連続で日本側の赤字となった。なお、輸出の伸びがわずかながら輸入を上回ったため、赤字額は前年比1.7%減の183億1,082万ドルとなった。
2. 2015年の視点
  1. 輸出
    1. 中国では今後も産業高度化政策が進められ、自動化・省人化のための設備投資需要が高まることが考えられる。他方、中国でスマートフォン等の生産動向の影響を受けやすい金属加工機械設備(例 マシニングセンタ)の伸びが続くのか、注目される。
    2. 電気機器の主力品目であるICは、中国において中・低価格帯の需要が拡大し、台湾からの輸出が急増する一方、日本の輸出が伸び悩んでいる。この構図に今後変化がみられるのか、対中輸出全体への影響も大きく、注目される。
    3. 乗用車が引き続き高い伸びを維持できるか、米国やドイツとの競合、政府の綱紀粛正の動向に注意が必要。
    4. 建設用・鉱山用機械は、中国での現地生産の進展、資源価格の低迷に伴う鉱山機械需要の落ち込みがある中、現状を維持できるかが注目される。
  2. 輸入
    1. 通信機は2014年、スマートフォンの人気機種の新モデルの発表があった。2015年も人気機種の新モデル発表が見込まれているが、2014年の水準が維持できるか注目される。
    2. 2015年度は再生可能エネルギーの供給者に配慮した買い取り価格の設定の最終年度にあたる。光電池はその影響が注目される。
    3. 衣類・同付属品は、一部の品目にみられるベトナムやインドネシアなどへの生産移管の動向が注目される。
    4. 鉄鋼は中国での過剰能力、過剰生産の影響が注目される。
3. 日本の輸出に占める中国のシェアは、米国に次ぐ第2位(財務省貿易統計)

日本の貿易総額における中国のシェアは20.5%と、2013年に比べ0.5ポイント拡大した。輸出は18.3%で0.2ポイント拡大、輸入は22.3%で0.6ポイント拡大と、ともに2013年よりも拡大した。日本の対世界貿易において中国は、貿易総額と輸入額では引き続き第1位となっている。なお、輸出は2013年に米国に抜かれてからは第2位となっている。

担当部課

ジェトロ中国北アジア課(担当:森)
Tel:03-3582-5181