お知らせ・記者発表
Steamで日本のゲーム100タイトルを初特集、 世界249カ国への海外展開を後押し
2024年04月08日
ジェトロは、日本のゲームの海外展開を支援するため、世界最大のゲーム販売プラットフォームである Steam(注1)上に日本ゲーム特集ページ ―MADE IN JAPAN GAMES MARKET― を設置するとともに、2024年3月18日~22日に米国サンフランシスコで開催された世界最大級のゲームイベント、ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス(GDC)において、同特集ページのプロモーションを展開しました。日本では、依然としてプレイステーション、任天堂Switchなどのコンソールゲームが人気ですが、海外ではPCゲーム市場が拡大傾向にあります。2022年の日本のゲーム市場(約2兆円)に占めるPCゲームの割合は2%にとどまりましたが、世界のゲーム市場(約24兆円)に占めるPCゲームの割合は22%と高い水準にあります(注2)。
ジェトロでは従来、日本事業者の海外販路拡大のため、日本のゲームライセンスを購入し、海外市場でローカライズし販売する海外パブリッシャーとのマッチングに注力してきました。しかし、Steamなどの販売プラットフォームの出現により、海外展開のハードルは一気に下がりました。Steamでゲームを販売することは日本からでも容易にでき、またSteamで販売することで、世界中のユーザーにゲームを届けることが可能となりました。ローカライズや言語面でのハードルは依然として存在するものの、海外での商流構築が容易にできるようになり、むしろ課題は、Steamに掲載したゲームをいかにユーザーに知ってもらうかにあります。そのため、ジェトロは、国内の優れたPCゲーム、特にインディーゲームと呼ばれる中堅・中小企業のゲームを世界に広めるべく、Steamに日本特集を立ち上げました。
あわせて、ジェトロが運営する海外バイヤーとのマッチングプラットフォーム、Japan Streetを通じて海外パブリッシャー向けのB2Bの広報も実施しました。

GDC2024日本ゲーム広報ブースの様子(ジェトロ撮影)
事業概要
項目 | 詳細 |
---|---|
参加事業者数 | 44社(日本のゲームコンテンツ取り扱い事業者) |
実施期間 | 2024年3月1日~2024年3月29日 |
場所 | オンライン(SteamおよびJapan Street)/GDC2024会場モスコーニセンター(米国) |
参加費 | 無料 |
事業内容
- 1. Steam日本特集ページを活用したオンラインプロモーション
- Steamの地域プロモーション機能を活用し、本事業参加企業のゲーム作品が掲載された日本ゲーム特集ページを設置。GDC2024の会期に合わせてSteam上でセールを実施。
- 日本ゲーム特集ページ
- ページ対象言語:日本語、英語、韓国語、中国語(簡体字、繁体字)、ドイツ語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語、ロシア語
- アクセス可能地域:世界249ヵ国
- 掲載ゲーム数:約100件
- 2. Japan Street上でのオンラインプロモーション
- ジェトロが運営する招待バイヤー専用カタログ「Japan Street」に登録された作品をGDC2024に来場するパブリッシャーなどの海外バイヤーに広報した。

ジェトロがSteamに設けた日本ゲーム特集ページ
プロモーション結果
- 1.まとめ
- GDC2024と連携してオンラインとオフラインの広報施策を実施した結果、Steamの日本特集ページは世界249ヵ国から約7万4,000件のユニークビュー数を獲得。ユニークインプレッション数は約471万件に上った。
日本ゲーム特集ページアクセスデータ
- ユニークインプレッション数:約471万件(注3)
- ユニークビュー数:約7万4,000件(注4)
※事業実施期間中の総計
実施した主なプロモーション施策
- 北米市場向けプレスリリース
- GDC2024公式サイト上での広告出稿
- GDC2024ジャパンパビリオンでの広報ブース出展
- ジェトロ海外事務所のSNSでの広報 他
- 2.参加した日本企業からの声
- 当事業に参加する前と比較し、Steamページへのアクセス数や売上げが増加したと回答する参加者が多かった。特に、独自に外向けのプロモーションを実施することが難しいインディーゲーム開発者の作品を世界のゲームファンに向けて露出することができ、ゲームファンが自分のお気に入りのゲームを登録する際に使用する「ウィッシュリスト」への登録数が増加したと回答する企業も目立った。
参加企業からのコメント抜粋
- 本事業はもともと露出度の低いインディーゲームにとって貴重な機会であった。今後もより多くのゲームファンに自分たちのゲームを露出していきたい。
- 広告費の高い米国などで現地のゲームファンからのウィッシュリストへの自社の作品の追加が増加し良かった。
- Steamページのアクセス数と売り上げが当事業参加前と比べて増加した。
- 3.海外パブリッシャー等バイヤーからの日本のゲーム企業への引き合い
- 海外パブリッシャーからは、既にいくつかのJapan Streetに登録された日本のゲームに対して関心が寄せられた。今後、オンライン商談を組成していく予定。
ジェトロでは、今後も日本のゲームの海外展開を支援するために、さまざまな施策を講じていく予定。
- 参考:
- 注1)米国のバルブ社が運営するPCゲーム等の販売・購入やゲームユーザー同士の交流が可能なオンラインプラットフォーム。世界249ヵ国に1億3,200万人以上の月間アクティブユーザーを持ち、1日のサイト表示回数は1兆回。
- 注2)株式会社ヒューマンメディア「日本と世界のメディア×コンテンツ市場データベース2023 Vo.16」, 76ページ、136ページ
- 注3)日本ゲーム特集ページのバナーや画像が、単一のログインユーザーの画面に表示された回数
- 注4)日本ゲーム特集ページを表示するために単一のログインユーザーがクリックした回数
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