香港で日本ワインプロモーションを実施 外食産業とのコラボレーションで取扱いを拡大 ―過去最高、60店舗の飲食店が参加ー

2022年04月05日

香港は、日本にとって最大のワイン輸出先であり、2021年4月~2022年2月までの輸出金額は前年同時期比193%で伸長しました。(※1)
日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)は、2018年度から香港において日本ワイン(※2)のプロモーションを実施しています。2021年度は、和食や広東料理をはじめとした香港で親しまれる様々な料理と日本ワインの相性の良さを訴求し、外食店舗における日本ワインの取扱い拡大を目的として、ペアリングキャンペーンを実施しました。

実施にあたっては、昨年度に引き続き日本ワインアンバサダーとして起用した、香港ソムリエ協会やレストランに対して影響力のあるアジアを代表するソムリエ、リース・チョイ氏、及び、レストランへのディストリビューションに精通しているミッキー・チャン氏が、キャンペーン参加レストランで提供するおすすめ料理と日本ワインのペアリングの監修や、レストランスタッフへのトレーニングを行いました。

8月5日には、日本ワインプロモーションのキックオフイベントを、九龍の茘枝角(ライチコック)に位置する文化の発信地、「D2 Place」にある会員制広東料理レストラン「大公館(Greater China Club)」にて開催した後、これまで日本ワインの取扱いのなかったレストラン60店舗においてキャンペーンを展開し、香港における日本ワインの存在感を高めました。

日本ワインプロモーションキックオフイベントにメディア、レストラン事業者が集結

イベントでは、香港のマスコミ、飲食事業者33名を招待して、食中酒としての日本ワインの魅力を体験してもらいながら、日本ワインの紹介を行いました。
リース・チョイ氏が、自ら監修したペアリングメニューを参加者に解説した他、キャンペーンに参加した日本各地のワイナリーのワインの試飲コーナーでも、各銘柄の特長について丁寧に説明や質疑応答を行いました。
ミッキー・チャン氏は、スライドを投影しながら、日本固有品種である甲州とマスカット・ベーリーAや、300を超えるワイナリーが存在する日本のワインの状況などを紹介しました。また、日本ワインのGI(地理的表示保護制度)の解説と、指定を受けている山梨、北海道、長野、山形、大阪の紹介を行いました。 イベント終了後は、70を超える香港のメディアで日本ワインが取り上げられました。

※1:出所:財務省貿易統計。対象はHSコード 2204.10、2204.21。
※2:日本ワインとは、国産ぶどうのみを原料とし、日本国内で製造された果実酒を指す。(「果実酒等の製法品質表示基準」(国税庁))

イベントで紹介した日本ワイン
JFOODO中山執行役の挨拶(中継)
リース・チョイの挨拶
ミッキー・チャンによるGIの説明

左から、イベントで紹介した日本ワイン、JFOODO中山執行役の挨拶(中継)、リース・チョイ氏の挨拶、ミッキー・チャン氏によるGIの説明

夏の日本ワインキャンペーンを8月に実施

暑さに加え湿気が多い香港の夏に合わせて、冷えた日本ワインとさっぱりとした和食中心のペアリングを各レストランでお取り扱いいただきました。朝、日本で水揚げされた魚介類が全国各地から毎日空輸で届く香港は、その日の夜に届いたばかりの新鮮な魚介類を提供する店が多く、相性のよい日本ワインを食中酒として一緒に提供することで、お店のお料理をさらに引き立てることができました。
初めて日本ワインを取扱うレストランのスタッフからは、日本ワインの品質の良さとおいしさに驚きの声があがり、レストラン関係者の認知拡大にもつながりました。

リース・チョイ氏によるペアリングの様子
「Neighbourhood」
「牡蠣小屋KAGURA」ペアリングメニュー
「SARA」ペアリングメニュー

左から、リース・チョイ氏によるペアリングの様子、「Neighbourhood」、「牡蠣小屋KAGURA」「SARA」各店舗のペアリングメニュー

秋から冬にかけて2シーズン目の日本ワインキャンペーンを実施

秋冬のキャンペーンでは、広東料理、フランス料理、イタリア料理、スペイン料理、ネパール料理など、多種のお店で日本ワインをお取り扱いいただきました。広東料理によく合うマスカット・ベーリーA種だけでなく、国際品種のぶどうから作られた日本ワインは様々な国の料理との相性がよく、レストラン関係者を驚かせました。多彩な品種やタイプの日本ワインが続々と香港に輸入されており、様々なジャンルの飲食店のお料理とのペアリングの可能性を秘めています。今回のキャンペーンを通じて、香港の飲食店からの日本ワインへの関心がますます高まったことで、日本ワインが香港に根付くための大きな前進の年となりました。

ペアリングメニューを提供した「肉匠」
「順德公漁村河鮮酒家」
「Yung's Bistro」
「海雲天」

左よりペアリングメニューを提供した「肉匠」「順德公漁村河鮮酒家」「Yung's Bistro」「海雲天」

リース・チョイ(Reeze Choi)氏

2019年国際ソムリエ協会、世界最優秀ソムリエコンクール 上位入賞、香港ソムリエ協会 グレーターチャイナベストソムリエコンペティション1位、世界的ワインガイド「スターワインリスト」香港地区アンバサダー、Somm’s Philosophy Limited主宰

ミッキー・チャン(Micky Chan)氏

ワイン教育資格(AIWS/WSET)取得者、Hong Kong Wine Academyの共同創立者として、ワイン教育に従事。International Wine & Spirit Competition(IWSC)およびInternational Wine Challenge (IWC)の審査員

JFOODOとは
「日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)」は、2017年4月1日付で日本政府によって日本貿易振興機構(ジェトロ)内に設置された日本産農林水産物・食品のブランディングのためにオールジャパンでの消費者向けプロモーションを担う組織です。日本の農林水産物・食品の更なる輸出拡大のためには、海外での更なる需要創出が必要です。JFOODOは、海外での消費者向けプロモーションの強化を通じて需要を喚起し、日本の農林水産物・輸出拡大に貢献してまいります。

JFOODO海外プロモーション事業課(担当:重満)
TEL:03-3582-8345 E-mail: JFB@jetro.go.jp