JFOODOが米国で事業者向け日本茶セミナー・商談会を開催 日本茶の価値を認知・浸透させ、飲食店での有償提供拡大を目指す

2022年04月12日

日本食品海外プロモーションセンター（JFOODO）は、米国高級日系レストラン事業者および関連する卸売業者に日本茶の取扱の拡大を促すプロモーションを2022年2月からロサンゼルスとニューヨークで新たに実施しました。

米国市場におけるノンアルコールドリンクの需要の高まりの中、日本茶はトレンドを満たす新たな高付加価値な飲料であることに着目し、日本茶の差別化ポイントとドリンクメニューとしての提供可能性を訴求する事業者向けセミナーを開催しました。また、日本茶の取扱意向の高い参加者を対象に、幅広い日本茶の仕入先を紹介するために商談会を実施しました。その結果、参加した37のレストラン事業者の日本茶有償提供意向率は97%に達し、セミナー開催後1ヵ月で高級和食5店舗が日本茶の有償提供を開始しました。さらに、複数の高級日系レストランにおいても、年内に日本茶メニューの新規導入が予定されています。

現地日系レストランでは、日本茶が販売価値のある商品という認識が未だ少なく、無料で顧客に提供されている例もあり、販売機会を逃している店舗が多くある状況です。本セミナーでは、日本茶を知り尽くすプロと日本茶を有償提供する現地日系レストランのソムリエが登壇し、日本茶の淹れ方、茶器の選定、食体験としての付加価値を伝えることで、有償提供のメリットや顧客に価値を感じてもらうためのコツを説明しました。

はじめに、ブルックリンを拠点に数多くの高級レストランを顧客に持つ日本茶卸兼小売店である「Kettl（ケトル）」のオーナー・ザック マンガン氏が日本茶の特長的な製法や種類について紹介し、日本茶のサーブ方法を実演しました。また日本茶の特長である旨み成分のテアニンに注目し、日本茶が和食も含めた様々なジャンルの料理とも相性がよく、食事とのペアリングを楽しめることを伝えました。

続いて、焼き鳥店として初めてミシュラン一つ星を獲得した東京の「鳥しき」の海外初店舗として知られる、ニューヨークの「Torien（トリエン）」のソムリエである松本昭生氏が登壇し、米国で日本茶ペアリングメニューを提供する利点を自身の経験とともに訴求しました。松本氏は、「アルコールを飲まないお客様が日本茶メニューを注文することにより、レストラン側は客単価を維持でき、利益率の確保に繋がる。また、多種多様な日本茶を食事と合わせるという新たな食体験をお客様に提供することができる。」と語りました。また、日本茶の種類に合わせたフードペアリングメニューを紹介し、日本茶の味わいや香りなどそれぞれの特長、ペアリングの考え方を説明しました。

セミナーに参加したレストラン事業者からは、「とても有意義な情報を知ることができた。」「ノンアル需要が高まる中で、高品質な日本茶を有償提供するメリットは店舗側だけでなく、お客様にも特別な体験を提供できることを改めて理解した。メニュー化を進めようと思う。」と高く評価する声が聞かれました。セミナー参加レストラン事業者の97%が「今後日本茶を有償で提供したい」と答え、有償提供意向率が高く表れる結果となりました。

セミナー同日には、取扱意向の高い卸売業者とレストラン事業者を対象に仕入先を紹介するための商談会を実施しました。参加者は様々なブランドや種類の日本茶を試飲しながら、日本の日本茶事業者と商談を行いました。

参加したレストラン事業者からは「多様な茶種や日本茶事業者の想いを知ることができた。実際にレストランで提供する茶葉として前向きに検討したい。」といった意見が上がりました。一方で、日本からオンラインで参加した日本茶事業者からは「日本にいながら米国現地の取引先と商談でき、現地動向やレストラン事情などを学ぶこともできたため、とても実りのある時間だった。」との声も寄せられました。

セミナー開催から1ヵ月経たずに、日本茶メニューの提供を開始した例もありました。ニューヨークのステーキハウス「Salt + Charcoal（ソルトアンドチャコール）」のオーナー・高山輝之氏は、「日本茶について詳しくないお客様はまだまだ多いが、これを機に良さを知ってもらい販売機会につなげていきたい。」と述べました。また、モダン寿司店「MINE Craft Sushi（ミネクラフトスシ）」のマネージャー・岡田崇宏氏は、「健康志向の高まりを受けて、ニューヨークでもノンアルドリンクとして日本茶がお客様の中に定着しつつある。良質なお茶を有償提供するというのは自然な流れであり、レストラン側においてもビジネス面でメリットがある。」と日本茶有償提供の魅力を語りました。