ベトナム・チン首相らを招き、「日越経済フォーラム」を開催

2023年12月

ジェトロは12月16日、「日越経済フォーラム‐『アジアと世界における平和と繁栄のための包括的戦略的パートナーシップ』新時代の経済関係‐」を東京都千代田区のホテルで開催しました。本フォーラムは「日越外交関係樹立50周年」及び日越関係の「包括的・戦略的パートナーシップ」への格上げを記念し、ベトナム計画投資省（MPI）及び在日ベトナム大使館と共催したものです。

開会に際し、来賓の齋藤経産相は挨拶で、「ベトナムはわが国にとってまさに信頼できる包括的で戦略的なパートナー」とし、主に（1）未来産業の創出、（2）脱炭素化の推進、（3）人材育成の3分野での協力を通じた、ベトナムの2045年の先進国入りや、2050年のカーボンニュートラル達成への貢献の方針を表明しました。

続く主催者挨拶で石黒理事長が、直近10年間で日本の対ベトナム貿易額がほぼ倍増していること、ジェトロの調査によるとベトナムは「海外で事業を拡大させる国」として6年連続2位となっていることなど、日越両国の経済関係の進展を説明しました。その上で、「ジェトロは貿易や投資だけでなくスタートアップやDXの分野においても日越企業のマッチングに取り組むなど、両国の経済関係の更なる発展に貢献していく」と述べました。

ジェトロの中島丈雄ハノイ事務所長は、「DX/GXにおける日越協力のビジネスポテンシャル」について講演しました。講演では、日本企業が、ジェトロの「日ASEANにおけるアジアDX促進事業」などを活用し、医療・ヘルスケア、農業、教育、インフラ技術支援、エネルギー、グリーンなど多岐にわたる分野で、デジタル技術などを駆使し社会課題の解決を目指す事例を紹介しました。「DXやGXは日本企業が強みを持つ分野で、ここに新時代の日越協力が生まれる」と述べました。

さらに、「日越注目企業によるベトナム投資の新潮流～高付加価値化に向けて」というテーマで、ベトナムで活躍する日本企業が2社登壇しました。発電事業者のJERA（東京都）はベトナムが目標として掲げる2050年のカーボンニュートラル達成に向けた再エネの導入や電力の安定供給への取組みについて発表しました。また、金属部品の切削加工を手掛ける山本金属製作所（大阪府）は、ベトナム国内の裾野産業におけるAIシステム、IoT・DXなどの活用による生産性向上に向けた取組みについて発表しました。

チン首相は基調講演で登壇し、「ベトナムの強みは他国と比較して投資リスクが少ないこと。日本が引き続きDX、GXなどの分野での投資を強化するとともに、ベトナム人材の高度化に向けた育成への貢献も期待している」と発言しました。

登壇者からの発言の後、チン首相ら日越政府など要人の立会いのもと、30件の日越投資案件披露セレモニーが行われました。ジェトロは、今後も各国政府要人の訪日などの機会を捉えることで、日本と諸外国間の投資拡大を含む経済関係強化に向け、一層努めてまいります。

※本フォーラムの内容については、以下のジェトロのビジネス短信記事も参照ください。