ベトナムで「ファストラック・ピッチ」を開催、日本産水産物もPR
―日越の大企業6社によるオープン・イノベーション・チャレンジに対し12社のスタートアップ等がピッチ、日本産水産物のトップセールスも実施―

2023年11月

ジェトロは11月3日、経済産業省、在ベトナム日本国大使館、ベトナム計画投資省（MPI）、国家イノベーションセンター（NIC）との共催で、「Inno 日ベトナム・ファストトラック・ピッチ 2023」をベトナム・ハノイで開催しました。

日本側からは西村康稔経済産業大臣、山田滝雄駐ベトナム日本国特命全権大使、仲條一哉ジェトロ理事が、ベトナム側からはグエン・チー・ズン計画投資大臣、ブー・クオック・フイ国家イノベーションセンター所長が出席したほか、約350名（会場参加約240名、オンライン参加約110名）が参加しました。日越の大企業6社から提示されたチャレンジ（事業課題）に対し、12社のスタートアップ等が提案をプレゼンしました。

また、会場内には日本産水産物のPRブースを設置し、ベトナム・ASEANのビジネスシーンをリードするスタートアップ・エコシステムのリーダーらに、その魅力を発信しました。

プレゼンに先立ち、西村康稔経済産業大臣とグエン・チー・ズン計画投資大臣が挨拶し、両国間でのイノベーション創出に向け、協力強化の重要性を発信しました。

日本企業とベトナム企業の6社のチャレンジオーナーが提示したチャレンジに対し、全世界から約90件の応募がありました。ピッチセッションでは、各チャレンジオーナーによって選ばれたファイナリスト12社が各社の提案をプレゼンしました。

ファストトラック・シリーズ初の試みとして、今回、チャレンジオーナーおよび参加者によるアワードを導入しました。チャレンジオーナー賞（チャレンジオーナーが自社への優れた提案を選出）はFaeger、Rikkei AI、Vietcetera Media、Handprint、Ecotek、Emulsion Flow Technologiesが、オーディエンス賞（参加者が投票で選出）はVietcetera Mediaが受賞しました。

閉会挨拶では、仲條理事が「各チャレンジはベトナムが解決策を必要とする難問だが、いずれも素晴らしい提案だった」と総括しました。

各チャレンジの内容及びファイナリストのスタートアップの詳細については、以下のジェトロの特設ウェブサイトを参照ください。

日越両国大臣参加の機会を捉え、会場内に日本産水産物のPRブースを設置しました。西村大臣とズン大臣がPRブースに来訪し、仲條理事より日本産水産物の魅力を説明しました。北海道産ホタテバター焼きを試食したズン大臣からは、「とても特別な美味しい味。私は日本食の大ファンです」などの声が寄せられました。

ピッチイベント終了後のネットワーキングセッションでは、チャレンジオーナー、スタートアップ、VC、政府系支援機関等の間で、活発なネットワーキングが行われました。

北海道産ホタテをはじめとする日本産水産品を使用したメニュー5品、日本酒、焼酎などの酒類を提供。参加者からは「日本のホタテは厚く非常においしい。焼いたホタテはベトナム人の味覚にもよく合う」などの評価が得られました。

「Inno日ベトナム・ファストトラック・ピッチ」は、ジェトロ、経済産業省、在ベトナム日本国大使館、計画投資省（MPI）、国家イノベーションセンター（NIC）が共催し、50以上のサポーター企業・団体等の支援を得て開催しました。

今後の世界経済を牽引する成長センターとなるASEANでは、物流、決済、金融など幅広い分野で、デジタル技術を活用し、社会課題を解決するリープフロッグ型のスタートアップが輩出され、多くのイノベーションが創出され続けています。また、若い人口構成、急速に向上する所得水準を背景に、都市部を中心に豊かな消費生活を楽しむ中間所得層が増加しています。

日本企業が、ASEAN地域で新たに生み出されるイノベーションを自社に取り込み、或いは成長するASEEAN市場での競争力を向上させていくには、各国で急成長を遂げるスタートアップとの間での戦略的な協業が不可欠となってきています。

そこで、ジェトロ及び経済産業省では、本年迎える日ASEAN友好協力50周年を機に、ASEAN各国との新たなイノベーション創出に向けた協力の在り方として、各国政府関係機関との共催で、日ASEAN双方のスタートアップと大企業との協業によるオープンイノベーション創出を後押しする施策を「日ASEAN共創ファストトラック・イニシアティブ」として開始しました。

本年6月には、ジェトロとASEANビジネス諮問委員会との間で、日ASEAN共創ファストトラック・イニシアティブの推進に係るMOUを締結しました。

（参考）ジェトロ プレスリリース：ASEANビジネス諮問委員会との間で3件のMOUを締結しました

日ASEAN共創ファストトラック・イニシアティブを通じて、日ASEANのスタートアップにとっては、（1）ジェトロ等の日本の関係機関だけでなくASEANの政府・関係機関による支援機会が得られるとともに、（2）日本の大企業だけでなく在ASEANの大企業も含む幅広いスタートアップ・エコシステムへのアクセス機会が得られます。

更に、ファイナリストに選出されたスタートアップによる実証事業については、日ASEANにおけるアジアDX促進事業の審査において加点がされます（詳細はジェトロ内の同事業ウェブサイト参照）。

第1回：シンガポール

シンガポールにおいて、貿易産業省、シンガポール経済開発庁、シンガポール企業庁等との共催で、「日シンガポール・ファストトラック・ピッチ」を4月20日に開催しました。日シンガポール・ファストトラック・ピッチの模様、チャレンジ内容等は、以下のプレスリリースを参照ください。

（参考）経済産業省 プレスリリース：シンガポールにおいて日本企業・スタートアップの海外でのオープンイノベーションを加速する「日シンガポール・ファストトラック・ピッチ」を開催しました

第2回：タイ

バンコクにおいて、エネルギー省・タイ投資委員会・PTT（タイ石油公社）グループ等との共催で、「Zest Thailand 日タイ・ファストトラック・ピッチ 2023」を8月7日に開催しました。Zest Thailandの模様、チャレンジ内容等は、以下のプレスリリースを参照ください。

（参考）経済産業省 プレスリリース：タイにおいて日本企業・スタートアップの海外でのオープンイノベーションを加速する「Zest Thailand 日タイ・ファストトラック・ピッチ2023」を開催しました

第3回：インドネシア

ジャカルタにおいて、インドネシア経済調政府との共催で、「日インドネシア・ファストトラック・ピッチ 2023」を9月1日に開催しました。日インドネシア・ファストトラック・ピッチの模様、チャレンジ内容等は、以下のプレスリリースを参照ください。

（参考）経済産業省 プレスリリース：インドネシアにおいて日本企業・スタートアップの 海外でのオープンイノベーションを加速する「日インドネシア・ファストトラック・ピッチ 2023」を開催しました

ジェトロは、日ASEAN共創ファストトラック・イニシアティブを通じて、日ASEAN相互の成長に向けたオープンイノベーションを促進し、グローバルなイノベーション創出をリードしていきます。

J-Bridgeについて

ジャパン・イノベーション・ブリッジ（J-Bridge）は、日本企業とスタートアップ等の海外企業によるデジタル分野またはグリーン分野における国際的なオープンイノベーション創出のためのビジネスプラットフォームです。海外企業との協業・連携によりビジネス開発や新規事業立ち上げを目指す日本企業の皆様向けに、海外有望企業情報の提供、イベントの開催、個社の要望に応じた海外企業の発掘および面談支援、専門家による戦略策定やビジネス開発支援などを行います。