国立がん研究センター(NCC)と包括的連携推進協定を締結

2021年10月

ジェトロは、2021年10月13日(水曜)、国立がん研究センター(NCC)中釜理事長とジェトロ佐々木理事長による調印式を行い、包括的連携推進に関する協定を締結しました。ジェトロが国立研究開発法人と包括的な連携協定を締結するのは初めてです。NCCのヘルスケア・ライフサイエンス(国内随一のがん研究機関)の強みとジェトロの国際ビジネスノウハウ・海外ネットワークを組合せ、(1)国際産学連携の推進、(2)NCC発・関連スタートアップの海外展開、を基軸に連携することで、大きなシナジー効果を期待しています。

NCCとジェトロは、NCC東病院(病院長 大津 敦、千葉県柏市)、ジェトロ千葉事務所を中心に様々な協業を行った結果、ジェトロが紹介した海外企業・機関とNCCが連携・共同研究を行うなど協業の具体的成果が既に出ています(詳細は後述)。本連携により、さらに国際産学連携、スタートアップの海外展開が実現することが期待されています。

国内外で新型コロナウイルス感染が広がり、国境を越えたヒトの往来が制限される中、両機関は、ジェトロの海外ネットワークとデジタル技術を活用し、国際産学連携等を止めることなく推進してまいります。

主な連携・協力事項

ジェトロは次のような連携事項を柱として、一層広範で多面的にNCCと連携していく予定です。

1. 国際産学連携の推進
国内外企業(海外企業、在日外資系企業等)等とNCCとの共同研究・連携の促進
  • NCC:研究者、産学連携担当者等を紹介、関心ある協業分野・技術を要望
  • ジェトロ:NCC研究者等との共同研究、連携を望む外国・外資系企業等を紹介
2. NCC発・関連スタートアップの海外展開支援
NCC発・関連スタートアップの成長、海外市場への展開支援
  • NCC:NCC発スタートアップ、NCC Venture Incubation Program参加スタートアップ等を紹介
  • ジェトロ:海外事務所、提携アクセラレータ(グローバルアクセラレーションハブ)等を通じたスタートアップの海外展開、海外企業との連携を支援

ジェトロ支援を通じた国立がん研究センター(NCC)と外国企業・機関の連携

フレデリック国立がん研究所(FNLCR)(米国)とNCC EPOCの連携【2021年9月連携協定締結】

  1. 1.組織概要:
    FNLCRは、米国最大のヘルスケア研究機関である国立衛生研究所 (NIH) の一部である国立がん研究所(NCI)の傘下にある国立研究機関。がんを中心とするバイオメディカル分野の公的研究を実施する他、「ATOMコンソーシアム」に発起人メンバーとして設立時から参画し、AI創薬プロジェクト推進に貢献している。
  2. 2.提携内容:AI診断と創薬を中心とする連携協定
  3. 3.ジェトロの支援:
    2019年度千葉対日投資招へい事業にてFNLCRを招へい、シンポジウムにて基調講演機会提供。個別商談会にて、NCC東病院、NCC EPOC(先端医療開発センター、千葉県柏市)との面談アレンジ(その結果、連携交渉へ)、2021年9月、連携協定締結。

アルジュナ・セラピューティクス(スペイン:Arjuna Therapeutics)【2021年9月共同研究契約締結】

  1. 1.組織概要:
    2019年創業のがん創薬企業。グリオブラストーマ(グリオーマ[脳の中で神経細胞を支えているグリア細胞が腫瘍化したもの]の中で最も悪性度の高い脳腫瘍)など難治性のがん向けの医薬品の研究開発に取り組む。
  2. 2.提携内容:難治性がん創薬に係る共同研究契約
  3. 3.ジェトロの支援:
    2019年度千葉対日投資招へい事業(リアル)にてアルジュナ社を招へい、個別商談会にてNCC東病院(千葉県柏市)との面談アレンジ(その結果、両者は秘密保持契約(NDA)、物質提供契約(MTA)を締結)、2020年度千葉対日投資招へい事業(オンライン)に招へい、ピッチ機会提供、NCCとのオンライン面談アレンジ、2021年9月、共同研究契約締結。