「日・サウジ・ビジョン2030ビジネスフォーラム」をオンラインで初開催
2020年12月
ジェトロは12月16日、経済産業省、サウジアラビア投資省(MISA)、日・サウジ・ビジョン・オフィス・リヤド、中東協力センターとともに、「日・サウジ・ビジョン2030 ビジネスフォーラム」をオンライン形式で初開催しました。両国の政府や企業の要人が登壇し、570名以上が視聴しました。
両国間の戦略的パートナーシップ「日・サウジ・ビジョン2030」の下で、サウジアラビア側は投資省(MISA)を中心に、地域統括拠点を誘致するビジネス環境整備や、さらに観光とイノベーション分野でのビジネス協力の可能性や投資を呼びかける機会となりました。新たに締結された14件の様々な協力覚書(MOU)や、本年開設された投資省東京事務所も紹介されました。
日・サウジ・ビジョン2030ビジネスフォーラム
配信時間:2時間10分
サウジアラビアが日本企業の地域統括拠点を誘致
最初の講演では、複数の経済特区を整備し、税制優遇などのインセンティブを通じて、多国籍企業の地域統括拠点の誘致に取り組む構想をサウジアラビア経済特区庁が紹介しました。またリヤド市王立委員会(RCRC)は、地域統括拠点としてのリヤド市の魅力や投資環境を説明しました。
観光分野におけるビジネスの可能性
セッション1では「観光」をテーマに取り上げました。サウジアラビア観光省は、観光は「ビジョン2030」の柱の1つで、世界トップ5の観光地を目指すべく、(1)1億人の観光客の来訪、(2)観光業のGDPへの貢献向上、(3)観光業による100万人の雇用創出という3つの目標があり、ホテル増設や空港開発を進める方針を発表しました。サウジアラビア観光開発基金は、投資促進のために銀行と民間企業の資金協力をつなぎ、観光プロジェクトを支援することが可能と説明しました。さらに、日本側からはスタートアップのALEが、人工の流れ星を作り出す技術でサウジアラビアの観光振興に貢献できると講演しました。
コロナ禍が促進するデジタル分野で日サ間の協業に期待
「イノベーション・スタートアップ」がテーマとなったセッション2では、冒頭で中東北アフリカ(MENA)の有力スタートアップ調査会社マグニートが、サウジアラビアでのベンチャーキャピタル(VC)による投資は、Eコマース、フィンテック、ロジスティクスなどの分野を中心に、ここ5年で急成長していると説明しました。また、VCのSTVや投資会社リヤド・キャピタルは、デジタル分野のニーズがコロナ禍で加速するため、日本などの海外テック企業の参入を促進し、サウジアラビアのエコシステムで成長してもらうことが大切であると述べました。日本側は老舗VCジャフコ グループや、同社と協力してヘルスケア等に投資するサウジ大手企業グループALJの日本法人ジャミール商事、ディープテックファンドのアビエス・ベンチャーズが登壇し、サウジ企業との協業によって日本のスタートアップのMENA地域におけるビジネスの可能性が広がること、許認可の取得など課題もあるものの、都市開発や環境などの分野では日本企業の技術が生きると期待感を示しました。
14件のMOUを披露
フォーラムの終盤では、日サ間の協力関係の深化を象徴する新たに締結された14件の様々なMOUが、オンライン形式で披露されました。
ハーリド・アル・ファーレフ投資相
主催国挨拶
梶山弘志経済産業相
来賓挨拶
サウジアラビア経済特区庁
ワシム・カショギ副長官 ご講演
株式会社ALE
岡島礼奈代表取締役社長 ご登壇
ヒルトンMEA&トルコ
ヨヘム・ヤン・スレイファー社長 ご登壇
サウジアラビア観光開発基金
バーダー・アルハビッシュ氏 ご登壇
ジャフコ グループ株式会社
三好 啓介取締役 ご登壇
ジャミール商事株式会社
ヘルスケア事業部 上田 真也部長 ご登壇
アビエス・ベンチャーズ
長野 草太パートナー ご登壇
STV
アハマド・アルナイミ パートナーご登壇
MOU交換式
「日・サウジ・ビジョン2030ビジネスフォーラム」概要
開催日時 | 2020年12月16日(水曜)16時00分~18時00分 |
---|---|
主催・共催 |
経済産業省、サウジアラビア投資省(MISA) 日・サウジ・ビジョン・オフィス、中東協力センター ジェトロ |
次第 |
|