「中国・上海対日投資セミナー」を開催(中国・上海)
2019年12月
ジェトロは2019年12月10日、中国で北京に次ぐユニコーン輩出都市である上海で対日投資セミナーを開催しました。上海は外資をいち早く受け入れた国際都市であり、消費者の目も成熟していることが特徴。ニュー・リテールスーパー(盒馬鮮生フーマ)や、アプリオーダー可能なカフェチェーン(Luckin Coffee)等、新しいサービスがハイスピードで展開しています。こうした上海の生活関連サービス分野の IoT、IT、ライフサイエンス企業、スタートアップを主な対象に、日本への積極的な投資を呼びかけました。
主催者挨拶では、ジェトロ上海事務所の小栗所長が登壇。近年の日中関係の改善について触れ、日中間のイノベーション分野での協力は「日中新時代」の最も大切なテーマの一つと述べました。
セミナーの様子
企業講演では、株式会社ユーザベース SPEEDAの劉氏が登壇。「日本のエコシステム概況」のテーマで、最近の日本政府や大学のスタートアップ向け融資額の増加や、フィンテックやヘルスケア等の分野で活躍するスタートアップと金融機関、大手企業との連携事例を紹介し、日本のエコシステムの成長を発信しました。また、日本の新規市場に挑む外資系企業として、「音声市場から日本のITサービス市場におけるビジネスチャンスを見る」というテーマで、日本進出済み中国企業、シマラヤジャパン株式会社の安氏が登壇。同社が挑む日本の音声コンテンツ市場の魅力と課題を語り、日本進出の際は市場調査を十分に行い、ジェトロのサービスも活用することを来場企業に勧めました。さらに、「日本企業によるオープンイノベーション・中国企業との連携可能性」では、株式会社EduLabの和田氏、株式会社博報堂ミライの事業室の岩嵜氏が登壇。和田氏は、デジタル化が遅れている日本の教育市場において、大手企業が新事業への投資に意欲を見せる最近の傾向を紹介。外国企業にとっても、優れたユーザーインターフェース(UI)等を持つ日本企業との連携は価値があると語りました。岩嵜氏は、次世代コマース、スマートシティ等の広告領域外の7分野で、他社と連携しながら取り組む同社の新規事業開発を紹介。同分野において先進性を持つ中国企業との連携に期待を込めました。
地方自治体により3つのパネルディスカッションも行われました。
「スタートアップエコシステムによるサポート」では、京都府、大阪市、福岡市が登壇し、各地域のエコシステムの特長等を紹介。「産学官連携、企業連携の活用」では、ライフサイエンス企業の誘致に取り組む神奈川県、神戸市、唐津市が登壇し、外国企業と地元企業の協業、共同開発事例を紹介。「地域の課題解決・イノベーション創出」では、横浜市、愛知県・名古屋市(I-BAC)、沖縄県が登壇。交通、製造業、観光、といった各地域の課題と、その解決に資する中国テック企業との連携を呼びかけました。
ジェトロからは、上海事務所の張職員が登壇し、地方への投資促進とイノベーション創出をテーマに、ジェトロの対日投資促進事業を紹介しました。
セミナー後のネットワーキングでは、各登壇企業、神奈川県、横浜市、愛知県・名古屋市(I-BAC)、京都府、大阪市、神戸市、唐津市、福岡市、沖縄県とジェトロのPRデスクに多数の中国企業関係者が訪れ、活発な交流が行われました。
ジェトロは、今後もイノベーション創出を目指し、日中企業間の連携促進や中国企業の日本進出に向け、支援を行っていく予定です。
※本事業は経済産業省の委託事業にて実施しました。
自治体PRパネルディスカッションの様子
自治体PRデスク
中国・上海対日投資セミナー 概要
開催日時 | 2019年12月10日(火曜)14時00分~17時00分 |
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会場 | ルネサンス上海揚子江ホテル |
主催 | ジェトロ |
後援 | 在上海日本国総領事館、上海市外国投資促進中心、上海市科学技術企業インキュベーション協会、上海生産性サービス業促進会 |
来場者 | 93名 |
プログラム概要 |
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