フィリピン・クラーク基地跡地開発関連都市開発セミナーを開催
2018年11月
ジェトロは11月21日、フィリピン基地転換開発公社(BCDA)との共催で、「クラーク基地跡地開発関連都市開発セミナー(英訳:“New Clark City with Japan” Seminar - Creating a Smart City with the High Quality Infrastructure-)をフィリピン・マニラで開催しました。マニラから北西約120kmに位置するニュークラークシティ(NCC)開発プロジェクトへの日本企業の参画促進を目的とした同セミナーには、ドミンゲス財務大臣をはじめとするフィリピン側大臣8名・関係省庁の次官5名が出席し、日本側からは和泉内閣総理大臣補佐官が日本政府代表として基調講演を行ったほか、スマートシティ分野で活躍する日本企業・団体から5名が登壇するなど、日本の取組が紹介され、両国から300名以上が参加しました。
冒頭、開会挨拶としてジェトロの入野理事は、フィリピンの将来的な市場拡大や都市開発ビジネス成長に対する期待を述べ、さらに、ジェトロがマニラ事務所設立以来60年超にわたり、日本企業のフィリピン進出に注力してきたように、今後も同国経済発展への貢献を続けると話しました。
要人フォトセッション
次に、フィリピン政府を代表してドミンゲス財務大臣が「ドゥテルテ大統領が重視するNCC開発プロジェクトの実現には、両国間での協力が不可欠である」とし、両国企業の強みを生かしたよりレベルの高い開発に意欲を示しました。続いて、BCDAのディゾン長官は、NCC開発プロジェクト・マスタープランについて、2022年までに大規模複合施設や国際空港、鉄道などの建設計画を発表しました。
ジェトロ 入野理事開会挨拶
フィリピン財務省 ドミンゲス大臣
BDCA ディゾン長官
日本企業プレゼンテーションでは、今後の都市開発の参考として5社・団体が登壇しました。(1)都市再生機構(UR)からは横浜みなとみらい地区などでの公共交通の効率的な配置をベースとした都市開発の実例、(2)日立製作所からは「柏の葉スマートシティ」で進める先進的な医療サービスを含む都市開発プロジェクト、(3)日本電気(NEC)からは災害・事故・犯罪に対するICT技術を活用したより安全な街づくり、(4)東京ガスからは都市で消費されるエネルギーの効率的利用や安定的供給と環境への配慮、(5)ソフトバンクからは電気自動車とIT技術を組み合わせた新しい交通システムの実験プロジェクトが紹介されました。引き続き行われた質疑応答では、「本開発プロジェクトにおいて、プレゼンター同士は競合なのかパートナーなのか」という質問に対し、日立製作所の戸辺氏が、「テクノロジーだけを見ていると協働は難しいかもしれないが、社会問題解決を優先すれば私たちは協力できる」と回答しました。さらに、来場者からは、「日本の技術をNCCだけでなく、より人口が集中しているマニラにも導入してほしい。」「テクノロジーの輸出だけでなく、現地との連携や教育を通して、ベストプラクティスを共有してほしい。」といった日本企業への強い要望が寄せられました。
質疑応答の様子
セミナープログラムの締めくくりとして、和泉内閣総理大臣補佐官が、基調講演を行い、高度経済成長期から現在までの日本の経験と知見を活かした都市開発について、日本政府がスマートシティの重点要素と定める「交通」、「自然との共生」、「省エネ」、「安全安心」、「資源循環」に分けて実例を交えながら説明しました。最後に、日本政府が様々な支援ツールを用いて、フィリピンをはじめする海外の都市開発案件の実現に積極的に貢献すると述べました。
ジェトロは、スマートシティ関連分野において、これまでにタイでのセミナー開催や日本と外国企業とのマッチング・実証プロジェクト支援を実施してきました。今後も、都市開発(スマートシティ開発)や工業団地開発等の分野でセミナーやミッション派遣、見本市出展支援等を行い、日本企業の製品・技術の海外展開を支援します。
和泉内閣総理大臣補佐官による基調講演
ジェトロ 村橋ものづくり産業部長
ジェトロの取組に関する講演
「クラーク基地跡地開発関連都市開発セミナー」概要
セミナー名称 | “New Clark City with Japan“ Seminar- Creating a Smart City with the High Quality Infrastructure - |
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開催日時 | 2018年11月21日(木曜)15時00分~20時00分(ネットワーキング含む) |
会場 | Philippine International Convention Center(マニラ) |
主催 | ジェトロ、フィリピン基地転換開発公社(BCDA) |
後援 |
(日本)外務省、経済産業省、国土交通省、株式会社 海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN) (フィリピン)財務省、マカティビジネスクラブ(MBC)、フィリピン商工会議所(PCCI)、フィリピン建設協会(PCA)、フィリピン・日本経済協力委員会(PHILJEC)、フィリピン日本人商工会議所(JCCIPI) |
参加者 | 323名(フィリピン側185名、日本側130名、メディア8名) |
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