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都内で「マダガスカル・日本ビジネスフォーラム」開催

2017年12月

ジェトロは2017年12月5日(火曜)、マダガスカルのヘリー・ラジャオナリマンピアニナ大統領来日の機会を捉え、東京都内で「マダガスカル・日本ビジネスフォーラム」を開催しました。マダガスカル側からは大統領ほか3閣僚、同国で活動する日本企業関係者らが登壇し、同国のビジネス環境などを紹介しました。両国の政府・企業関係者およそ230人が参加した本フォーラム終了後には、両国企業によるネットワーキングも行われました。

マダガスカル大統領が日本企業の市場参入歓迎を表明

主催者挨拶に立ったジェトロの石毛博行理事長は、「苦しい経済状況が長く続いていたマダガスカルは、大統領のリーダーシップの下で大きく変わりつつある」とした上で、「住友商事が進める世界最大規模のニッケル生産事業『アンバトビー・プロジェクト』などを通じ、日本企業も同国の変革に応えようとしている」と述べました。続く来賓挨拶では、堀井学外務大臣政務官が、「マダガスカルへの高品質のインフラ提供に関心をもつ日本政府は、2017年3月、同国最大の商業港であるトアマシナ港の拡張整備に向け、452億円の円借款契約に調印した」ことを紹介しました。同じく来賓挨拶に立った大串正樹経済産業大臣政務官は、2016年8月に開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)において安倍晋三首相が「日アフリカ官民経済フォーラム」の立ち上げを表明したことに触れ、「アフリカへの官民による投資促進については。経済産業省としても推進したい」と述べました。

石毛理事長の開会挨拶

堀井学外務大臣政務官の来賓挨拶

大串正樹経済産業大臣政務官の来賓挨拶

基調講演に立ったラジャオナリマンピアニナ大統領は、「過去数年間のたゆまぬ努力により、マダガスカルのビジネス環境は改善し、マクロ経済も比較的安定しているが、さらなる向上を目指す」とした上で、「2016年から企業設立手続き、土地利用、貿易、税制などでの改革を進めているマダガスカル政府としては、今後、日本をはじめとする外国からの投資家との官民連携(PPP)による投資を促進したい」と述べました。また、「5,000キロに及ぶ海岸線を有する美しい島国、マダガスカルは、アジア・中東・アフリカの結節点に位置するという地理的重要性もあり、農業、観光、情報通信技術(ICT)、繊維業をはじめとする多くの産業分野で投資機会があり、マダガスカルにとってのモデルとなる国日本からの企業の参入は常に歓迎したい」として、日本への期待感を示しました。

ラジャオナリマンピアニナ大統領の基調講演

会場の様子

マダガスカルの3閣僚らも投資機会をアピール

インフラ分野に焦点を当てた同フォーラムのセッション1では吉田光市国土交通審議官が、国土交通省はTICAD VIにおける安倍首相による「質の高いインフラのアフリカ展開を行う」との表明を受け、建設業を中心とする126社が加盟する「アフリカ・インフラ協議会(JAIDA)」を設立したことを紹介、現在では同協議会加盟企業が159社に拡大したことは、アフリカへの日本企業の関心の高さを表すものだ」と述べました。また2017年7月にマダガスカルでアフリカでは10カ国目となる「官民インフラ会議」を開催したし、2018年2月には政策対話を実施する予定だとし、アフリカ地域における日本企業の技術・ノウハウを活用した国づくりへの貢献姿勢をアピールしました。 ラマナンツア大統領プロジェクト・都市計画・設備大臣は、12の成長地域に区分したマダガスカル全土で経済特区(SEZ)の整備を進めていくと述べた上で、現在、日本政府の支援を受けて調査が進行する「アンタナナリボ・トアマシナ経済都市軸総合開発策定プロジェクト」に触れ、アンタナナリボとトアマシナの両都市の中間に位置するモラマンガには、拡大を続ける輸出向け繊維加工産業をはじめとしてさまざまな投資機会があると述べました。またベブアリミサ運輸・気象大臣は、マダガスカルが持続可能な発展をするためにはインフラの整備・近代化が急務とした上で、道路・鉄道の整備・改修、港湾の拡張、地方空港の整備に関し、PPPプロジェクトを通じた日本企業の参入に強い期待感を示しました。

マダガスカルにおけるビジネス機会を広く紹介したセッション2では、ランドリアリマナナ農業・畜産担当大統領府付大臣が、労働人口の約80%が従事する重要セクターである農業に関し、主食となるコメの耕作可能面積のうち10%くらいしか活用されていない事実に象徴される生産性の低さが問題であると述べた上で、このことは逆に言えば農業分野におけるポテンシャルの高さを示すものでもあるとして、農業・畜産・食品加工分野への日本企業の参入を呼び掛けました。 大統領府の直轄機関であるマダガスカル経済開発評議会(EDBM)のエリック・アンドリアミハジャ・ロブソン長官は、マダガスカルにとって日本は第3位の投資国であると同時に重要な貿易相手国と述べる一方、米国、EU、南部アフリカ開発共同体(SADC)と貿易協定を締結するマダガスカルには、関税なしで同国に原材料を輸出できる利点を生かす形で欧米のアパレルメーカーが集積している、と述べました。また同国の輸出加工区に立地した企業は、製品の95%が輸出されることを条件として、法人税免除、原材料・資機材の輸入にかかる関税の免除などの恩典が、操業開始から5年間受けられることを紹介しました。

日本企業からは、大豊建設、五洋建設、酒井重工業、古野電気、住友商事の5社が、両セッションでプレゼンテーションを行いました。1978年からマダガスカルの建設事業に携わっている大豊建設の田村利和常務執行役員は、「マダガスカルの人々は穏やかで勤勉であり、建設機械が不足する時代においてもほとんどの工事を遅延なく完工することができた」と、同国の労働力の質の高さに言及しました。

住友商事の武田信隆ニッケル新金属事業部部長代理は、カナダ・韓国企業との共同事業として2012年から生産を開始した世界最大級のニッケル生産事業、アンバトビー・プロジェクトに触れ、同プロジェクトによって産出されるニッケルが2015年からマダガスカルの輸出品目で第1位となり、年間約7億ドルの外貨獲得源になっているとしました。また同事業では、7,000人の雇用を創出しているだけでなく、CSR(企業の社会的責任)の一環として植林や公共施設の建設を国際機関などと連携して行うなど、地域社会への貢献を重視していると述べました。

閉会あいさつで再び壇上に立ったラジャオナリマンピアニナ大統領は、「発展が遅れるマダガスカルを正しい発展へと早く導くことは、私の願いであるとともに、マダガスカル国民の、とりわけ若者の願いでもある」と述べた上で、「日本とマダガスカルの両国関係が、質の高いインフラのように強固なものとなることを願う」と締めくくりました。

「マダガスカル・日本ビジネスフォーラム」概要

日時 2017年12月5日(火曜) 9時00分~13時30分
会場 ホテルニューオータニ
主催 ジェトロ、駐日マダガスカル共和国大使館
共催 国土交通省
後援 外務省、経済産業省、国際連合工業開発機関(UNIDO)
プログラム
  1. 8時30分 受付開始
  2. 9時00分 開会挨拶
    ジェトロ理事長 石毛 博行
  3. 9時05分 来賓挨拶
    外務大臣政務官 堀井 学 氏
  4. 9時10分 来賓挨拶
    経済産業大臣政務官 大串 正樹 氏
  5. 9時15分 基調講演
    マダガスカル共和国大統領 ヘリー・ラジャオナリマンピアニナ 閣下
  6. 9時35分 セッション1「マダガスカルにおけるインフラ・プロジェクトについて」
    (セッション司会:国土交通省)
    • プレゼンテーション1 (10分)
      マダガスカル共和国 大統領プロジェクト・国土整備・設備担当大統領府付大臣
      マンセル・ベンシャミナ・ラマナンツア 閣下
    • プレゼンテーション2 (10分)
      国土交通審議官 吉田 光市 氏
    • プレゼンテーション3 (10分)
      マダガスカル共和国 運輸・気象大臣 ララヴァ・ベブアリミサ 閣下
    • 日本企業によるプレゼンテーション1 (5分)
      大豊建設株式会社 常務執行役員 海外支店長 田村 利和 氏
    • 日本企業によるプレゼンテーション2 (5分)
      五洋建設株式会社 代表取締役 執行役員社長 清水 琢三 氏
    • 日本企業によるプレゼンテーション3 (5分)
      酒井重工業株式会社 技術営業室 参事 田中 雄司 氏
    • 日本企業によるプレゼンテーション4 (5分)
      古野電気株式会社 システムソリューションビジネスユニット 次長 柏 卓夫 氏
    • Q & A (10分)
  7. 10時35分 セッション2「ビジネス機会の島:マダガスカル」
    (セッション司会:ジェトロ)
    • プレゼンテーション1 (10分) マダガスカル共和国 農業・畜産担当大統領府付大臣
      ハリソン・エドモン・ランドリアリマナナ 閣下
    • プレゼンテーション2 (20分) マダガスカル経済開発評議会(EDBM) 長官
      エリック・アンドリアミハジャ・ロブソン 氏
    • 日本企業によるプレゼンテーション (10分)
      住友商事株式会社 ニッケル新金属事業部 部長代理 武田 信隆 氏
    • Q & A (5分)
  8. 11時38分 ジェトロ・マダガスカル市場視察ミッションのご案内
    ジェトロ・ヨハネスブルク事務所長 根本 裕之
  9. 11時40分 閉会挨拶
    マダガスカル共和国大統領 ヘリー・ラジャオナリマンピアニナ 閣下
  10. 11時45分 閉会
  11. 12時00分 ネットワーキング (~13時30分)