「日・ギニア・ビジネスフォーラム」を開催

2017年6月

ギニアからアルファ・コンデ大統領が来日する機会を捉え、ジェトロは6月20日(火曜)、ジェトロ東京本部内で「日・ギニア・ビジネスフォーラム」を開催しました。日本企業や関係機関から200名以上の聴衆が集まった本フォーラムでは、コンデ大統領をはじめ、ギニア民間投資促進庁(APIP)のキュルティス長官らが、ギニアの投資環境や市場ポテンシャルについて説明し、日本企業に積極的な投資を呼びかけました。またフォーラム終盤では、両国企業によるB2Bネットワーキングによる個別商談の機会が設けられました。

豊富な資源と潜在的発展可能性をアピール

フォーラム冒頭、主催者挨拶に立ったジェトロの石毛理事長は、コンデ大統領のリーダーシップの下、ボーキサイトやシマンドゥ鉄鉱鉱床などの鉱物資源が豊富なギニアは変わろうとしており、その潜在的な経済発展性については衆目が一致するところとであるとし、アフリカ連合(AU)議長でもあるコンデ大統領の今回の来日を日本企業とアフリカとを結びつける契機にしたいと述べました。同じく主催者挨拶に立ったセンクン・シラ駐日ギニア共和国特命全権大使は、民間の競争力向上に向けて貿易・投資促進する進めるギニアには、商業、鉱業、エネルギー、運輸、消費財などの分野でポテンシャルがあり、特に商業、ICT、人材開発の分野では、日本企業とのパートナーシップ強化を望んでいると述べました。

来賓挨拶に立った外務省の武井俊輔政務官は、ギニアの国道1号線にかかるカアカ橋については、日本が建て替えて6月15日に引き渡したところだとした上で、今回フォーラム開催によって両国の友好と協力の絆が一層深まるものと確信していると述べました。続いて来賓挨拶を行った経済産業省の大串正樹政務官は、16年に開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD)で立ち上げが表明された「日アフリカ官民経済フォーラム」を通じ、経済産業省としては今後、官民一体で日本とアフリカとの貿易投資を促進していきたい、と述べました。さらにアフリカ開発協会の矢野哲朗会長は、今回のような「投資フォーラム」の実現を待ち望んでいた、と来賓の挨拶を述べました。

ギニア側から挨拶を行ったイブライマ・カッソリー・フォファナ民間投資・官民連携担当国務大臣は、コンデ大統領の紹介を行うとともに、政治的な安定、マクロ経済の安定、法制度の整備(民間投資の優遇措置)といったギニアの魅力を紹介しました。また、6か国と国境を接し、3億3000万人の消費者へのアクセスが可能な同国には地域ハブとしての可能性があると強調しました。続いて主賓基調講演者として登壇したコンデ大統領は、2010年に行われた民主選挙後、ギニアはIMFとの構造調整によるHIPC(重債務貧困国)イニシアティブ導入などを経て、少しずつ経済成長を始めていると述べました。またアフリカには世界の工場になることを可能とする若い労働力が豊富だと述べた上で、2050年には20億人規模の市場になるとされるアフリカのポテンシャルについてAU議長の立場から言及、リビアの政変、移民の問題、テロ、公害など、アフリカには多くの課題もあるが、日本との協力関係を深める中で、日本企業による投資に期待すると呼びかけました。

その後の講演セッションでは、1972年の駐日ギニア大使館開設に携わるとともに、その後も日本とギニアの懸け橋として活躍、2017年4月にはそうした功績によって旭日双光章を受章した駐日ギニア共和国大使館顧問のオスマン・サンコン氏が登壇しました。同氏は日本企業に対し、ぜひ勇気をもってギニアに来てほしいと呼びかけるとともに、ギニアやアフリカの側もただ受け取るだけでなく、「持ちつ持たれつ」「義理と人情」という日本的精神を理解した上で、自立した「Win-Win」の関係を日本と築くことが大事であると述べました。 続いて講演に立ったギニア民間投資促進庁(APIP)ガブリエル・キュルティス長官は、外資100%の投資が可能で最大10年間の法人税および関税の減税措置もあるギニアには、民間投資の促進を使命とするAPIPによるワンストップショップサービス、72時間以内の簡易な会社登録制度や法制度なども整備されているなどと、映像を交えて説明しました。

日本側から講演を行った、豊田通商アフリカ本部の鈴木健司アフリカ事業開発部長は、2004年からCFAO社を代理店としてギニアで始めた同社の自動車輸入販売、1986年からLaborex Guinee社を代理店として始めた医薬品輸入販売事業を説明しました。またギニアでの社会貢献を重視する同社は、ギニアでエボラ出血熱が流行した際には治療薬「アビガン」を代理店経由で配送したことを紹介した上で、ビジネスと社会貢献の両面で今後ともギニアに協力したいと述べました。

活況を呈した企業間ネットワーキング

フォーラム会場には、ギニアの主要産品であるシアバターやハーブティー等の展示スペースが設けられ、日本企業の関心を集めていました。またフォーラム終盤に両国企業のネットワーキングの場として設けられたB2Bセッションでは、ギニアから建設、鉱業・エネルギー、農業、水産業、貿易業、運輸、サービス(金融)という7分野から29社が参加、日本側の参加企業が商談の順番待ちをするほどの活況を呈しました。

石毛理事長の主催者挨拶

コンデ大統領の基調講演

サンコン氏の講演

200人以上の聴衆

個別面談の様子

「日・ギニア・ビジネスフォーラム」概要

開催日時 2017年6月20日(火曜) 9時30分~13時00分
会場 ジェトロ本部(東京) 5階 展示場
主催 ジェトロ
駐日ギニア共和国大使館
ギニア民間投資促進庁(APIP)
次第
9時30分 開会
09時30分 主催者挨拶
ジェトロ 理事長 石毛 博行
駐日ギニア共和国特命全権大使 センクン・シラ 閣下
09時40分 来賓挨拶
外務大臣政務官 武井 俊輔 氏
経済産業大臣政務官 大串 正樹 氏
一般社団法人 アフリカ開発協会 会長 矢野 哲朗 氏
09時55分 ギニア共和国大統領の紹介
ギニア共和国 民間投資・官民連携担当国務大臣
イブライマ・カッソリー・フォファナ 閣下
10時05分 主賓基調講演
ギニア共和国大統領 アルファ・コンデ 閣下
10時25分 講演1「ギニアの魅力と日本との関わり」
駐日ギニア共和国大使館顧問 オスマン・サンコン 氏
(元駐日ギニア大使館一等書記官)
10時45分 講演2「ギニアの投資環境と投資機会について」
ギニア民間投資促進庁(APIP)長官 ガブリエル・キュルティス 氏
11時05分 講演3「ギニアにおける豊田通商グループのビジネス」
豊田通商株式会社 アフリカ本部 アフリカ事業開発部
部長 鈴木 健司 氏
11時25分 Q&A
11時45分 ギニア政府・企業とのコーヒー・ネットワーキング/B2B商談会
13:00分 閉会