FOODEXに21回目の「ジェトロ・ゾーン」を設置 ‐アフリカを中心に開発途上国21ヵ国を支援‐

2017年3月

千葉県・幕張メッセで3月7日~10日に開催されたアジア最大級の食品・飲料専門展示会「FOODEX JAPAN 2017(第42回国際食品・飲料展)」(以下FOODEX)において、ジェトロは「WORLD FOOD MARKET」をテーマにしたゾーンを設置し、開発途上国21カ国35社の日本市場参入を支援しました。

「TICAD Ⅵ」のフォローアップとして

1997年に初めてFOODEXに出展して以来、ジェトロはこれまでの20年間で、延べ100カ国、約1,400社の出展を支援してきました。初回はエジプトのみだった支援対象国は、その後大きく広がりをみせており、日本市場参入サポートを受けた開発途上各国の食品産業育成に貢献しています。特に2008年に横浜で開催された「TICAD Ⅳ」以降、ジェトロが重点支援地域とするアフリカからの出展が増えており、既にアフリカ54ヵ国のうち26ヵ国がFOODEXに参加しています。21回目のジェトロ・ゾーン設置となった今回は、16年8月にアフリカで初めて開催された「第6回アフリカ開発会議(TICAD Ⅵ)」のフォローアップと位置付けられ、アフリカの8ヵ国から18社が出展しました。

21カ国の食材が並ぶ出展商品紹介コーナー

イラク、ウクライナ両国が初出展

今回、ジェトロ・ゾーンに初出展した国は、イラクとウクライナの2ヵ国です。イラクからは、デーツ(ナツメヤシの実)やデーツを使った菓子・シロップなどが出品され、拡大しつつある日本のデーツ市場において競争力のある商品として、バイヤーの関心を集めました。また養蜂大国ウクライナからは、同国特産品のハチミツに加え、大手食品メーカーが自社農場で採れた食材を使った加工食品(野菜のスプレッド、ジャム等)が出品され、人気を集めました。

注目集めたハチミツ、バニラ

ジェトロ・ゾーンでは例年、ナッツ、カカオ、ハチミツといった日本の食卓に浸透している食材から珍しい穀類まで、世界各地の食品や飲料を幅広く紹介しています。今回は、6カ国から出品された様々なフレーバーのハチミツ、アフリカ諸国から出品されたスパイスやハーブが注目を集めました。特に、日本国内で需給が逼迫するバニラについては、品質の良いマダガスカル産やコモロ産に多くの引き合いが寄せられました。

新製品広場にて初出展国の商品を紹介

継続的出展が成約へのカギ

ジェトロ・ゾーンは、3回出展すると「卒業」企業として支援が終了するため、それまでに日本の代理店や取引先を見つけられるよう、出展者自身も努力しなくてはなりません。「卒業」までに日本企業と成約する企業には、バイヤーから指摘された点を改善しつつ継続的に出展する傾向があります。ジェトロはビジネス機会を提供するだけでなく、バイヤーを含む食品分野の専門家によるコンサルテーションを会場内で行い、出品企業が日本市場に参入するにあたってのアドバイスも行っています。少しでも多くの途上国食材が日本の食卓で親しまれ、ひいては途上国食品産業の発展に寄与できるよう、ジェトロはこれからも尽力して参ります。

バイヤーが集まるジェトロ・ゾーン