サルマン国王陛下訪日「日・サウジ・ビジョン2030・ビジネスフォーラム」開催

2017年3月

2017年3月14日(火曜)、ジェトロはサウジアラビアのサルマン国王陛下訪日を記念し、一般財団法人・中東協力センターと共に都内で「日・サウジ・ビジョン2030・ビジネスフォーラム」を開催しました。2部構成で開催されたフォーラム第1部、「投資セッション」では、サウジアラビア側の政府・政府機関から、サウジアラビア向け投資の有望5分野に関するプレゼンが行われました。第2部「ビジョン2030セッション」では、ジェトロの石毛理事長の進行により、ファキーフ経済企画大臣、世耕弘成経済産業大臣の順で「日本サウジ・ビジョン2030共同グループ」を通じた二国間関係の強化に向けた発言があったほか、最後の特別セッションにはサルマン国王陛下も参加されました。第1部と第2部を合わせ、本フォーラムには、日本企業や関係機関など日本側だけで延べ650名の参加がありました。また、日本政府主催のサルマン国王陛下と日本企業との限定会合においても、石毛理事長が進行役を担いました。

第1部では、「ビジョン2030」達成への協力を表明

16年9月のムハンマド・ビン・サルマン副皇太子の訪日時に開催したものに続く第二段となる今回のビジネスフォーラムでは、第1部の「投資セッションで、サウジアラビア商業投資省アルハルビ外国貿易担当次官による主催者挨拶に続き、外務省の遠藤茂GCCおよび湾岸地域担当大使が来賓挨拶を行いました。遠藤大使は、相互補完関係にある日本とサウジアラビアの両国は、未来のビジョンを共有し、戦略的パートナーとして今後一層緊密に協力していくと述べました。その後、「情報通信技術」「エネルギー」「交通・ロジスティックス」「医療機器・サービス」「住宅開発」の5分野について、サウジアラビア政府より同国の現状に関するプレゼンテーションが行われました。

同日夜に行われた第2部「ビジョン2030セッション」では、中東協力センターの中西宏明会長に続き、ジェトロの石毛理事長が主催者挨拶を行いました。中西会長からは、「ビジョン2030」に貢献すべく、わが国官民が一体となって「貢献ブック」の増刷第3版を作成し、本フォーラム開催中に贈呈したい旨の表明がありました。石毛理事長は、サウジアラビアに進出した日系企業85社(ジェトロ調べ)に続き、フォーラムの中で紹介される予定の「協力覚書」関係日本企業によるサウジアラビア進出に期待すると述べるとともに、そのためにジェトロとしても日・サ両国政府と連携し、査証・インフラ・通関といった日系企業のサウジアラビア市場参入の障壁となっている課題の改善に力を注ぎたいと発言しました。また「ビジョン2030」の目標に掲げられた娯楽分野の産業振興という目標への対応として、3月23日~26日に開催される「アニメ・ジャパン」にサウジアラビア企業を招聘することを紹介しました。そのほか、サウジアラビア総合投資院(SAGIA)による関係機関へのライセンス授与や、日・サ両国政府と日本企業、またはサウジアラビア企業と日本企業とによる協力覚書(MOU又はMOC)の発表式が行われました。

石毛理事長による主催者挨拶

第2部では、サルマン国王陛下臨席による限定会合も

第2部の最後にはサルマン国王陛下が来場され、特別セッションが催されました。石毛理事長の進行により、サウジアラビア紹介ビデオの上映、続いてファキーフ経済企画大臣、世耕経済産業大臣によるスピーチが行われました。ファキーフ大臣は、サウジアラビアとしては日本企業誘致に向けて規制緩和に取り組むとともに、エネルギー分野に留まらず、インフラ、農業、中小企業育成、文化・スポーツ、資金調達といった、多種多様な分野での日本との協力に向けた制度改革や人材育成支援に力を注ぎたい、と述べました。世耕大臣は、「日本・サウジ・ビジョン2030」が「サウジアラビア・ビジョン2030」や日本の「成長戦略」とのシナジー効果を生み、両国経済関係の深化に向けた羅針盤になるのではないか、と述べました。また、サウジアラビアにおける経済改革のショーケースとなる経済特区(Enabler Showcase Zone)の設置に関して日・サ両国が共同調査を行ったり、東京とリヤドの二都市に「日・サウジ・ビジョンオフィス」を設置する計画があると公表しました。

ご臨席のサルマン国王陛下

世耕経済産業大臣のスピーチ

ビジネスリーダー限定会合記念写真

さらに、フォーラム第2部の休憩時間を利用する形で、サルマン国王陛下と日本のビジネス界のリーダーとの限定会合が日本政府によって開催され、石毛理事長による進行の下、榊原日本経団連会長の挨拶や参加メンバーによる記念撮影が行われました。

ジェトロは、「日本・サウジ・ビジョン2030」共同グループのメンバーとして、サウジアラビアのビジネス環境改善に関する協力や輸出促進政策に関する協力はもとより、日本・サウジアラビア両国の経済関係の発展、日本企業によるサウジアラビアへのビジネス拡大に貢献すべく、今後とも事業・サービスを展開して参ります。

日・サウジ“ビジョン2030”ビジネスフォーラム」概要

第1部 サウジアラビア投資セッション

日時 2017年3月14日(火曜)14時00分~16時45分
会場 ザ・プリンスパークタワー東京コンベンションホールEFG
主催 ジェトロ、サウジアラビア総合投資院(SAGIA)、一般財団法人中東協力センター
後援 経済産業省、外務省
歓迎挨拶
  • 14時00分 オープニングセッション
    主催者挨拶:サウジアラビア商業投資省 外国貿易担当次官 アブドゥルラフマン・アルハルビ氏
  • 14時05分 来賓挨拶:外務省 GCC及び湾岸地域担当大使 遠藤 茂 氏
  • 14時10分 サウジアラビア政府機関によるプレゼンテーション
    1. 情報通信技術:ハッサン・アル・デユハイム・サウジアラビア総合投資院ICT・教育開発担当部長
    2. エネルギー全般(再生可能エネルギー、廃棄物発電等含む):アミーン・アルシェバーニ・エネルギー・産業鉱物資源省担当官
    3. 交通(ロジスティクスを含む):アブドゥルラフマン・アルハラーフ運輸交通局計画・開発部副部長
    4. 医療機器・サービス:ファイサル・バファラット・サウジアラビア総合投資院投資開発担当理事
    5. 住宅開発:モハンマド・ビン・モアンマール住宅省住宅大臣顧問
  • 16時00分 質疑応答
  • 16時15分 ネットワーキング交流会
  • 16時45分 閉会

第2部 ビジョン2030セッション

日時 2017年3月14日(火曜)19時15分~20時30分
会場 パレスホテル東京 2階 葵の間Ⅱ
主催 ジェトロ、一般財団法人中東協力センター
共催 経済産業省、外務省
内容
  • 19時15分 開会
  • 19時15分 主催者挨拶:
    中東協力センター会長 中西宏明氏
    ジェトロ理事長 石毛博行
  • 19時25分 ライセンス・貢献企業ブックレット贈呈式
  • 19時35分 MOU交換式
  • 19時55分 休憩
  • 20時15分 サルマン国王陛下ご入場
  • 20時15分 サウジアラビア紹介ビデオ上映
  • 20時20分 両国政府代表によるスピーチ:
    サウジアラビア経済企画大臣 アデル・ファキーフ氏
    経済産業大臣 世耕弘成氏
  • 20時30分 閉会